うつ病になってからハローワークから障害者雇用までまとめてみた【第4回】
傷病手当金もなく退職金は減額されて微々たるものでしたので働くことが必要です。これまで意識して来なかった「転職」をどうするのか考えないといけません。
というわけでいよいよ転職、ジョブについて私も考えて行くことにしました。
うつ病でもフリーランスで独立開業できた話【転職編】
ハローワークの窓口で相談する
転職活動をするためには、働けない状態で止まっているハローワークの私のステータスを「働ける」状態に戻さないといけません。
具体的には精神科医の診断書によってストップしている諸々を、やはり診断書によって解除しないといけません。
病気で働けない人にハローワークはサポートできないですからね。
主治医に相談すると「週20時間以上」ならばできるんじゃないの?とのことでした。
この「週20時間以上」というのは、ハローワークで「就労可」とみなされるラインです。
もちろん「週20時間」ではパートやアルバイトの域を出ません。
正社員として働くならば週35時間が最低ラインですからね。
これはアルバイトなどで決まった仕事ができる、という診断にすぎません。
しかし精神疾患は募集が少ない
私の住所管轄のハローワークは一般向けの庁舎と、その他(障害者など)を扱っている庁舎が別にありました。
障害者向けの庁舎は来る人も少なく閑散としています(まぁ、障害を持って働きたいという人も少ないんでしょう)。
待ち時間もなくすぐに面談をしてもらえます。
私の場合、うつ病で精神障害3級ですので、2つの方法があると言われました。
うつ病や障害を伏せて転職活動する
ハローワークの求人や転職サイト、転職エージェントなどに普通に応募するやり方です。
これならどんな仕事にも応募(だけは)できますが、
- 本当にその条件で働けるのか(配慮されない、ブラックだとさらにうつが悪化する)
- 療養期間の空白期間を説明できるのか
が問題になると言われました。
たしかに療養期間を上手に説明するのは至難の業です。
特にメンタル系は「治りました」といってもいつ再発する=会社に来られなくなるかわからないため、「目に見える地雷」です。
伏せても空白期間をどう説明するのか・・。
黙って転職活動する、「治りました」と全部正直に話して転職活動する、どちらもリスクがありそうです。
障害者向け求人に応募する
2つ目は最初から障害者向け求人に応募する方法です。
私は障害者3級ですから問題なく障害者案件に応募できます。
前職の人事課長から「障害者になれ」と言われたくらいですから、障害者の法定雇用率の関係で求人や転職のニーズも高いはず。
しかし、ここにも問題があります。
- 精神障害者向けの案件は少ない
ハローワークのシステムで求人は検索できるのですが(障害者求人も簡単に)、障害者でも身体障害者(車いすの人とか内臓疾患とか)向けの求人は多いのですが、精神障害者向けに特化したものは非常に少ないです。
障害者の法定雇用率を満たすためなら、精神障害者にこだわる必要はないですからね。
多くが身体障害者向けなので、それ応募しても厳しいのでは?とのことでした。
障害者の雇用は時給、賃金が安い
やはり障害者雇用の案件は時給が安いです。
月給の場合も20万とか。最低賃金に毛が生えたものばかりで(最低賃金そのものの時給案件もありました)、これだけで生活していくのは大変です。
障害年金を受給しているのが前提の賃金体系なのかもしれません。
主治医には「3級手帳はであるが、ある程度よくなったので年金は厳しいかも」と言われていました。障害年金の場合、審査でNOになると同じ病気での申請はかなり厳しくなる(2回目はない)そうです。
私の場合、通るか通らないかは博打になるため、「将来的に何らかの事情でまた悪くなったときに申請の権利を取っておいたほうがいい」と主治医から言われました。
確かにそうですね。
ただしアラフォー案件は意外とあり
1つ驚いたのは、少ないながらもアラフォー向けの精神障害者求人がいくつかありました。
この年だと、普通の求人は少なく、あっても「課長候補」とか管理職が前提のものばかりです。
これは30代に私のように、職場でうつ病になり何とか回復した人向けに、明らかに障害者雇用率狙いで「枠」を設けている会社があるそうです。
もちろん、給料は激安です。私の場合、微妙にアラフォーではなくご縁がなさなそうでした。
通常の転職年齢とは別に、アラフォーでメンタルを病んだ人向けの求人の小さな山があるということですね。
これは全く知りませんでした。
障害者向け窓口の担当者は正直使えない人が多い
色々相談に乗っていただいて、こう書くのは申し訳ないのですが、ハローワークの障害者向け窓口の職員、担当者の方のレベルは最悪でした。
おそらく、一般人向け窓口では使えない人が回されてくる左遷部署なのでしょう。
相談と言っても積極的に回答してくれるわけではなく、初歩的なことも電話で聞いたりマニュアルを見たりしていました。
本当に使えなそうな人達・・・、まぁ相談者も少ないのですが・・・。
- やる気のある健常者→ハローワーク一般窓口
- やる気のある障害者→ハローワーク障害者窓口
- やる気のない人→生活保護窓口
という区別は乱暴でしょうか?
生活保護窓口は「できる人」が配属されると聞きます。
厄介で面倒な人が来ると聞いたことがあるので仕方ないのでしょうが、本来は病気や障害があるけど自分で自立して働きたい人のサポートに「できる人」が担当するのが筋だと思いました。
作業所(継続型就労支援作業所)はダメらしい
うつ病の回復途上では「作業所」(継続型就労支援作業所)を利用する人もいると聞いていました。
最初の休職→復職に失敗したのも、リハビリがうまくいかなかったことによるところがあり、しっかり転職活動する前にここに行くのもどうかな?と思っていました。
しかし、なかなかそこから真っ当な賃金を得られるところに転職できる人は少ないと何かの記事で読みました。
最初の病院にはデイケアが併設されていて、私も「行った方がいいですかね?」と当時の主治医に聞いたことがありました。
なるほど、同じ病気の人たちの中でがんばるというより、「これでいいや」となってしまうんですね・・。
継続型就労支援作業所には「A型」と「B型」があります。
A型事業所 | 求人者(利用者)と事業所が契約社員として雇用契約が締結される。働くと最低賃金がもらえる。 |
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B型事業所 | ほとんどリハビリ施設。給与ではないため、もらえるのは雀の涙(月数千円とか・・・)。 |
B型事業所は刑務所の刑務作業報奨金より少ないと聞いたこともあります。
そんなの論外ですし、A型もこれでは暮らせません。
障害者求人の中にはA型事業所もありましたが、私がやりたい仕事は少なく肉体労働や簡易な事務作業でした。
メリットはタダではなくお金をもらいながらリハビリができ、体調について特段の配慮がなされるということです。
つまり、うつ症状が出て数日行けなくても、それは仕方がないことだと配慮されるのです。
普通の企業だとたとえ障害者雇用でもそこまでの配慮はないと思います(もちろん配慮自体はあるはずですが)。
作業所を経由して転職しようとしてもいつになるのかわかりません。
また作業所に来る転職案件では私には合わないものばかりなのでは?と思いました。
ハローワークの人に聞いても、やはりあまりおススメできるものはないらしい。
困りました。
いきなりフルタイムのハードワークではいつうつがぶり返すのかわかりません。うーん。
大学院時代の先輩からライターの誘いがあった!
そんな時に、大学院時代の先輩から連絡がありました。
先輩は私がうつ病でこうなったことを知っています。
元々会社員でしたが、独立開業していてかなり稼いでいるみたいです。
元の職場の同僚でもうつ病になった人がいて、その辺の症状の理解もありました。
先輩は私に、彼が運営するサイトのライティングをやってみないか?と誘ってきました。
1記事○○○円で、例えば週10本。
これならいつ書いてもいいわけで、しかも体調が悪い時には言ってくれれば納期を延ばすとまで配慮してくれました。
雇用契約ではなく1件いくらの業務委託契約になります。
記事の内容はネットを調べてそれを自分の言葉でまとめる、というもので、本を読む、取材をするということは不要で、PCの前で全て完結する仕事でした。
報酬自体はかなり安く、これだけでは食べていけそうもなかったのですが、転職活動前に「慣らし運転」として、日中起きてPCの前で作業する、しかも自分の部屋でできるというのは、リハビリとしてこれ以上ないものでした。
ともかく、自分がどこまでできるのか先輩のライティングの仕事をやってみることにしました。
会社に行けなくなって(最後の休職をして)から2年、ようやく再始動になります。
ここから私のライターとしての歩みが始まります。
これを足がかりにしっかり働けるようになって、転職活動をがんばる!そういうロードマップができてきました。
ひとまず、ハローワーク等での転職活動は中断です。