懲戒解雇でも再就職できる履歴書の書き方!退職金や失業保険も解説

懲戒解雇再就職できる履歴書の書き方

働いている人が受ける最大のペナルティが「懲戒解雇」です。

これを受けると、実際にどのような不利益があるのでしょうか?

確かにとても恥ずかしいく、世間が知れば白い目で見られることは間違いなさそうですが、それ以外にも具体的かつ切実な不利益があります。
ここでは意外と知らない「懲戒解雇」について考えてみたいと思います。

懲戒解雇について知るメリットはこれ

  • 懲戒解雇されたと思っていたら実は不当解雇だった可能性もあります
  • 懲戒解雇の要件は実は厳格なんです
  • もらえないのは退職金だけ?失業手当はもらえるのかどうかわかります
  • 転職はやはり厳しいのか、選ぶべき転職方法を知ります
  • なるべく懲戒解雇がバレない方法もあります

懲戒解雇でも再就職する方法

懲戒解雇されてしまうと、転職、再就職でも大変な苦労をすることになります。悪いことをして会社をクビになった人を雇いたい企業などありませんからね。少しでも転職、再就職しやすい方法はないのでしょうか?

懲戒解雇の場合は履歴書を選ぶ必要がある

履歴書を書いたことがない人はまずいないと思いますが、履歴書によっては「賞罰」の欄があります。通常は「賞」を強調するためのものですが、懲戒解雇は立派な「罰」であり、その欄がある以上書かざるを得ません。そうなると、罰が強調されてしまいます。

この場合「賞罰欄」がない履歴書にしましょう。
「嘘を書く」のと「事実を全部書かない」のは違うからです。
離職票

退職時に会社から受け取る「離職票」には、離職理由として「重責解雇」と記載されています。
ハローワーク職員はこれを見れば懲戒解雇になったことはわかるのですが、転職先、応募先企業にこれが行くことはありませんので安心してください。

ただ、、ハローワーク職員には正直に理由を話して味方になってもらった方が後々得でしょうね。
面接

上にも書きましたが「嘘を書く、嘘を言う」のと「事実を全部書かない、言わない」のは違います。

自分から積極的に「こういうことをして懲戒解雇になりました」と言う必要はなく、「前々から御社の事業に興味があり・・」とはぐらかしてもOKです。

しかし「辞めた理由は何ですか?自己都合ですか会社都合ですか、まさか懲戒解雇ではないですよね?」などダイレクトに聞かれた場合、嘘は言えないので正直に答えざるを得ません。
ここで嘘をつくと虚偽報告、偽証になってしまいます。
経歴詐称とみなされれば一発アウト

懲戒解雇に言及されないように、その会社にいなかったことにして、その前の会社を辞めずにいたことにする人もいますが、これは立派な経歴詐称に該当します。

もちろんバレれば、採用取り消しですし、採用後ならばまた懲戒解雇になってしまいます。

懲戒解雇でも再就職を成功させるには

懲戒解雇を受けた事実は重いですが、やり方次第で人生挽回することができます。
懲戒解雇を隠し通すのか、正直に話すべきなのか・・。

自分に非がない不当解雇の場合

まったく自分に非がなく、不当に懲戒解雇された場合は、通常の転職活動をしてその旨訴えるといいでしょう。
「とんでもないブラック企業だったから仕方ない」と積極的に評価してくれるかもしれません。

併せて、ハローワークの窓口や自治体の弁護士、社労士相談へ行き対応策を相談してください。
不当解雇ならば解雇取り消しや慰謝料請求などができるかもしれません。

ハローワークでは正直に相談すべき

ハローワークについては、担当者に正直に話しておくべきだと考えます。
白い目で見られることも覚悟すべきですが、無料で利用でき(だからブラック企業も多い)、雑多な人が利用するハローワークでは、懲戒解雇された人もそこまで目立ちません。

言い方はよくないのですが、刑務所から出てきた人や、指を詰めて堅気に戻った人も、ヤンキー、DQN、様々な人が来ますから、担当者も慣れています。

正直に話すと、「訳あり」でも採用してくれる会社や、上手に先方に話をつけてくれる可能性もあります。

通常の転職ではハローワークは使うな(失業手当をもらうだけにしろ)、というのが筆者の持論ですが、懲戒解雇された人は「訳あり」と認識していただき、積極的に活用していただくのをおススメします。

求人転職サイト

転職サイトや求人サイトを使っての再就職は、通常の選考ルートと同じです。
懲戒解雇されたことを正直に言うのか、隠し通すのか、本人の覚悟が問われます。

なお、「未経験者歓迎」の求人(多くはブラック企業)はありますが、「懲戒解雇者歓迎」という求人はまずありません。

誰でも務まる使い捨ての「未経験者歓迎」求人にするか、懲戒解雇を隠し通すしかないのでしょうか?

転職エージェント

転職エージェントを利用する場合、懲戒解雇者は飛び切りの「事故物件」です。
正直に話せば、そしてみなさんに原因があることがわかれば、まず相手にされないでしょう。
商品にならないからです。

ただし、余人をもって代えがたい高い能力があれば、反省していることを前提に「商品」としてプッシュしてくれるかもしれません。
しかし、転職成功後に懲戒解雇歴がバレてクビになれば、転職エージェントに入るマージンがなくなります。

実際に請求されるかどうかわかりませんが、転職エージェントに登録するときに「虚偽の事実が発覚して転職が取り消しになった場合損害賠償を」的な覚書を交わす可能性もあり、法的責任も含めて問われるかもしれません。

いろいろなリスクを考えると、正直に話してそれでも自分に価値があると認めてもらう可能性に賭ける、しかなさそうです。

結局オープンにするかクローズにするか?

open? close?

いろいろな解説を見ても、懲戒解雇歴をオープンにすべきかどうか答えはありません。

オープンにしたほうが明らかに苦戦するので(だって目に見える「地雷」だから)、クローズにして逃げおおせれば一番いいのですが、事実を伏せて発覚した場合のリスクも高く、答えはありません。

この構図は、病気や障害、前科などがある人の婚活に似ていて、オープンにするとそもそも会うことすらできず、一方バレると速攻で切られます。結婚の場合隠し通すことはできないのですが、就職の場合は(懲戒解雇歴)を隠し通せるかもしれません、
そこが悩みどころです。

「懲戒解雇歴をオープンにしてそれでも採用してくれる会社」がいいのですが、こういう会社は、要は誰でもいい超ブラック企業が99%でしょう。会社の方が不正まみれ違法行為上等なので、社員が不正する余地など端からないのです。

というわけで筆者には正答を示せません。
まず、ハローワークに行き担当者にアドバイスしてもらうのが一番なのかなと思います。
彼らなら様々な人を見てきていますから、役に立つアドバイスをくれるはずです。

いっそのこと起業してみては?

転職が難しいならば、最後の大逆転をかけて自分で起業してみてはいかがでしょうか?
これならば過去を問われることはありません。

起業後の取引先も、刑法犯で逮捕歴などがなければまず調べられないはずです。
会社員は自分に向かなかったと思い、自分のやり方で仕事を始めてみるのが残された中で最良の選択のような気もしています。

 

懲戒解雇されたらお金のデメリット多すぎ!

懲戒解雇になると、自己都合退職(転職等)や、会社都合退職(リストラ等)と比較して経済的なデメリットが多すぎる結果になります。

懲戒解雇で退職金はもらえる?

就業規則で「懲戒解雇の場合退職金は与えない」と書かれている場合、1円も支給されません。
つまり、数百万円~数千万円が藻屑と消えてしまうことになります。

出る場合も「80%減額」など無慈悲な査定になることがほとんどです。

懲戒解雇で失業保険はどうなる?

懲戒解雇の場合、ハローワークでは「自己都合退職」扱いとなり、失業手当自体は出ます。
ただし、リストラされたケースと違い、3か月間の「待機期間」中は、失業手当は支給されません。

また、ハローワーク職員から白い目で見られることにはなるでしょうね。

解雇予告手当って何?

リストラなどの「会社都合」で解雇になる場合は、1か月前に「解雇します」という通知とともに、1か月分の給料「解雇予告手当」が出ます。
これで、当面しのいで、転職先を探してください、という意味ですが、懲戒解雇の場合「お前は悪人だからすぐに辞めろ」ということなので、この解雇予告手当が出ずに即刻解雇、クビになります。

懲戒解雇とは?をここでおさらい

解雇

「懲戒解雇」とは就業規則に基づき行われる懲戒処分のうち、最も厳しいものを指します。
「悪いことをしたのでお前はクビだ!」と即刻その人を解雇できる処分です。

会社の就業規則には「その(懲戒処分となる)理由となる事由」と、それに対する「懲戒の種類・程度」「懲戒の手続き」が明記されて(根拠は「労働基準法第89条」)、加えて「当該就業規則が周知されている」必要があります(根拠は「労働基準法第106条」)。

つまり「これをしたら懲戒解雇になる」ということを社員が知ることができる状態でなければなりません。

そのうえで、解雇となる「労働者の責に帰すべき事由」に該当したことをしてしまった場合、所轄の労働基準監督署の許可を得れば、通常の解雇(リストラ等)のように、予告と1か月分の給料を支払うことなく、即日、即刻、解雇、つまりクビにできる制度です。

 

懲戒解雇になる理由

懲戒解雇(公務員の場合は懲戒免職)になる理由はどのようなものがあるのでしょうか?

本人が規定違反を犯した場合

規定違反

本人が本当に悪いことをした場合、これは懲戒解雇になるのは仕方がないですよね。

懲戒解雇になる場合、就業規則にある「懲戒解雇の事由」(理由)に該当しないといけません。
この懲戒解雇の事由は『限定列挙』であり、書いてあることに該当しなければ懲戒解雇にはなりません。
この事由に違反すれば、懲戒免職となります。

逆に考えると、就業規則に記載のない理由では懲戒解雇にはなりません。

ただ、書いてあることがあいまいで、どのようにも捉えられてしまう、という危険性はあるでしょう。

会社側による不当解雇の場合

就業規則がなく不当解雇も…

ブラック企業の場合、懲戒解雇に該当しないようなことでも無理やりクビにするために、この方法を採ってくる可能性があります。

上に「就業規則に懲戒解雇になる事由(理由)書かれていて」「当該就業規則が周知されている」ことが必要、と書きましたが、実は法律上は社員10名未満の会社の場合、就業規則がなくても違法ではないんです(もちろん定めている会社も多いです)。

就業規則がない会社でブラック企業ならば、社長や役員が気に入らない社員を辞めさせるために「お前は勤務時間中にタバコを吸った。お前はクビだ!」みたいな難癖レベルの理由で不当解雇になる可能性もあります。

就業規則の定めがなく、不当に懲戒解雇されてしまった場合は、他の企業のケースと比較して厳しいことを、裁判等で示す必要があります。

懲戒解雇の要件

懲戒解雇の要件は、各企業の就業規則に定められていますが、おおむね以下のようなことが掲載されています。
ほかにもあるかもしれませんし、懲戒解雇にまで至らない会社もあるかもしれません。

無断欠勤

無断欠勤

無断欠勤を繰り返すと、いきなり懲戒解雇になるケースは少なく、まず、戒告や始末書などのペナルティが課されますが、それでも改善がない場合、「約束を守れない人はいらない」として懲戒解雇になる可能性があります。

業務上横領

業務上横領

仕事上の地位を利用して、お金を横領したり、会社のお金で私物を購入したりしていることが発覚すると、懲戒解雇になる可能性があります。
株のインサイダー取引なども該当しますが、こちらはもはや刑法犯のカテゴリになってしまいます。

経歴詐称

経歴詐称

かつて、卒業していない大学を卒業したと偽って、何人かの国会議員が辞職を余儀なくなれましたが、経歴詐称も重大な解雇事由になります。資格を持っていないのに、その資格の職業に就いているのは絶対にダメです(無免許の医師とは絶対だめですよね)。

高卒なのに大卒と偽る、大卒なのに院卒だと偽るなどすると、給与体系も変わってきます。
学歴の壁は予想以上に大きいと言わざるを得ません。

また、最近では大卒なのに高卒だと偽って就職する人も増えています。
ホワイトカラーの仕事に疲れ果て、生きていくためにブルーカラーの単純労働をしたいという人が意外と多いんです。大学名を書くと「そんないい大学を出ている人がうちの仕事なんてさせられない」と断られるそうです。
資格がないのにその資格が必要な仕事をしていれば、問答無用で懲戒解雇になりますが、学歴だけならば働きが認められれば不問に付されるケースもあると聞きます。
すべては経営者次第なのでしょうね。
深刻なセクハラ・パワハラ

セクハラ・パワハラ

セクハラを超えた強制わいせつや、パワハラを超えた暴行などを行う人はもちろん即刻アウトですが、ハラスメントに厳しい昨今の状況の中、あまりにハラスメントがひどい人は、異動や降格を飛び越えて、即刻懲戒解雇になる可能性があります。

一罰百戒効果を狙ったもので、証拠があれば言い逃れはできません。
時代が変わったのだから、それに合わせられない人は相応のリスクがあると思ってください。

重大な犯罪行為

犯罪行為

刑法犯で起訴、実刑を食らレラベル、つまり殺人罪や傷害罪ならば当然懲戒解雇されますが(そもそも会社に来られないでしょう)、そうした刑法上の「重大犯罪」以外にも「迷惑条例」レベルでも解雇されるケースがあります。

つまり、痴漢やわいせつ行為等でも十分に「一発アウト」で解雇になるかもしれないということです。

痴漢冤罪の問題とも密接に関連しています。
「痴漢だ!」と言われると、裁判を経ずに即刻解雇されることがあるので、自殺したり、線路に飛び出し電車にはねられたり、という事故も起きています。

逮捕→起訴→99.9%有罪の日本では、軽微な罪でも一生を台無しにしてしまう可能性があります。

しかし、私の知人が勤める某外資系企業では「実刑になり刑務所に服役することにならなければ、麻薬で捕まっても不問にするよ」「ただし、会社のお金を横領したり、業務上知りえた情報を漏らしたりしたら一発アウトだから」と言われているようです。

会社を舞台にした犯罪と、プライベートな犯罪で対応を分けるところも一部にはあるようです。

こんな場合も懲戒解雇?各事例

具体的などのようなケースが懲戒解雇になるかはイメージしていただけたと思います。

実際には、懲戒解よりも軽いペナルティとして「諭旨免職」(辞めなさいと諭される)、「降格」「出勤停止、停職」「減給」「譴責(始末書を書く)」「戒告」があり、一気にクビになるのはよほどのケースです。

いくつか「そんなことでも?」というケースを挙げてみたいと思います。

1.同期の家からCDを持ち帰ってしまった

気心の知れた同期だから大丈夫だと思ったのですが、同期の家に遊びに行ったときに彼の部屋にあったCDを3枚黙って持ち帰ってしまいました。

それが後日バレて「お前は窃盗犯だ。人事に訴えてやる」と言われ、懲戒解雇になってしまいました。
お店から盗んだわけではないのに・・・。

→人の家でも黙って持ち帰れば立派な窃盗です。
当人間で話がつけば問題ないのですが、同期に訴えられたということは、彼はあなたのことを友人だとは思っていなかったようです。

2.患者さんの情報を第3者に教えてしまった

近所のクリニックで看護師として働いています。近所のおじいちゃんがよくやってくるのですが、慢性的なリウマチで、正直うちのクリニックでは改善は見込めず、大きな病院へ行くべきだと思っていました。

同じ町会の知り合いのAさんと雑談している時に「おじいちゃん、うちの病院だとリウマチ治らないから奥さんからも言ってやってください」と悪気もなしに行ったところ、Aさんがクリニックに電話をして、結果「コンプライアンス違反で解雇」と言われてしまいました。

本当に悪気はなかったんです。

→生死にかかわる病気でなくても、病名は業務上知りえた情報ですので、第3者に漏らすのは重大な守秘義務違反ですよね。

3.娘の文房具を会社のお金で買ってしまった

会社で事務を担当していて、文具や雑貨の発注をしています。
あと200円で送料無料だったので、娘の学校で使うノートを足して注文してしまいました。
荷物が届いたら、社長に見つかり呼び出され「私物を買うやつはクビだ!」と言われてしまいました。

→そのくらい大目に見ればいいのに・・と思いますが、厳密に解釈すると懲戒解雇の事由に該当します。
ただ、犯した罪と罰が不均衡なので裁判を起こせば勝てる(解雇が無効になる)かもしれません。
いちばんいいのは、ノート分は財布から出して自腹を切ることですね。

些細なことでも、「こいつをクビにしたい」と考えている経営者や上司がいる場合、格好の付け込むすきを与えてしまう可能性があります。

ただし、やってしまったことと、懲戒解雇という結果がアンバランスすぎる場合は、弁護士などに相談してみましょう。

懲戒解雇の再就職について:まとめ

懲戒解雇の再就職について:まとめ

  • 懲戒解雇になるのは就業規則に定められた理由に該当するケースのみ
  • 懲戒解雇になると退職金が出ないケースが多い
  • 転職時に懲戒解雇がバレるととても不利になる
  • 一方再就職後にバレるとそれが理由でまた懲戒解雇になる
  • 自分の会社の就業規則をよく読んでおく
  • 懲戒解雇された場合も失業手当は支給される
  • 転職には困難が伴うので独立開業も視野に入れたい
  • ウソを書いたり話したりするのと、懲戒解雇されたことを書かない、話さないのは違う、後者は許される
  • 「賞罰」欄のない履歴書を使うなどある程度のテクニックはある
  • まず様々な「訳あり」と面接しているハローワーク担当者に相談してみるとよい