執筆者のTwitter:https://twitter.com/nanpoo2
昨年の冬、当時1歳、3歳だった子供たちの保育園4月入所希望の書類を市役所に提出。
私は復職のあてのない無職の主婦でしたので『求職中』の状態。「仕事も決まっていないのに保育園入れないだろうな…」と半分諦めていたら、なんと2人とも入園内定。
さぁ仕事を探すぞ!と思ったら、子持ち主婦の就職活動は予想以上に難しかった…というお話です。
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子育て中の主婦、就職活動を開始する
執筆者のスペック
⦁ 30代前半、主婦歴(無職歴)4年半。
⦁ 子供2人(当時1歳、3歳)
⦁ 実家は遠方、義実家は近所。たまに子供を預けたりできる。
⦁ 就活に有利そうな目ぼしい資格なし。
⦁ パソコン作業全般は得意。(Word、Excel、Photoshop、Illustrator等はそこそこ使える。)
目ぼしい資格がないというのは、例えば、簿記、看護師、保育士、介護等、就職に有利そうな資格がないという意味です。
絵ばっかり描いてきた人生なもので…。しいて言うなら普通運転免許があるぐらい。車移動メインの田舎ですので、免許がないと就活もままなりません。
希望する雇用形態
短時間のパート希望。というのも、社会に出て働くのが実に4年以上ぶりで、とてもフルタイムで働ける自信がなかった。徐々に慣らしていきたい。
そして、子供がまだ比較的小さいことから、
nanpooのワガママ希望雇用形態
- 朝は早すぎない。
- 夕方も遅すぎない。
- 日、祝日は保育園がやっていないので休み希望。
- 子供の体調不良などで休む可能性が高いため、常に人員に余裕がありそうな職場希望。(必然的にチェーン店多め。)
- 3~5人程度のこじんまりした小規模事務所などは急に休むと仕事が回らなくなりそうなので応募せず。
- できれば得意なPC作業を生かした事務職を希望。⦁ 次点で小売店の品出しや、接客など希望。
という、ワガママ条件でとりあえず仕事を探し始めてみました。
生ぬるくてすいません…。ちなみに飲食業は、我が家に犬猫がいるため、毎日コロコロ粘着テープローラーを必死にかけたとしても、絶対どこかに動物の毛が混入することが予想されたため、衛生面を考えて応募しませんでした。生ぬるくてすいません…。(2回目)
1件目・事務員
⦁ 時給800円
⦁ 9:00〜15:00(内、休憩1h。実働5時間。)
⦁ 月~金(週5)、土日祝休み
⦁ 営業所の事務員(パソコン作業)
⦁ 育休取得実績あり
「時給800円!?高い!!」
⦁ このセリフに違和感を持ったあなた → あなたの感覚はきっと正しいです。
⦁ 違和感を持たなかったあなた → 同じような最低賃金の低い地域にお住まいですね。お互い頑張りましょう。
当時、私の住む鹿児島県の最低賃金は737円。(※2018年4月時点。10月に少しだけ上がりました。)よって、大半の企業の時給は最低賃金ギリギリラインに設定されており、800円を超える求人はとても少ないのです。時給800円は『高い』分類なのです。
さて、時給以外の理由でこの企業に応募したのは以下のような理由からでした。
⦁ 勤務時間がフルタイムほど長くない。
⦁ 保育園送迎時間にちょうど良さそう。(短時間保育)
⦁育休取得実績がある!子育て世代に優しそう。
⦁ 希望していた事務系の仕事ができそう。
1件目・面接
面接官「いやー、お子さんまだ小さいですね。毎日大変でしょう?」
面接官「いやいやいや!大変でしょう!
面接官「お子さんの急な発熱などで休む分には全然問題ありません。」
面接官「でも週5日のうち2日しか来れませんでした、とかは困る。」
面接官「いやー…うちで以前働いていた女性職員も妊娠して産休、育休を取ったんですが」「結局、育休明けに辞めていかれましたー。アハハ、困っちゃうなぁ。」
なんだか手ごたえの薄いまま面接は終わり、「それでは本日はありがとうございました。」と言って無難に別れましたが、合否が何日後とは明確に言わないままで、(あっこれ落ちたな…)と思っていたら、数日後に『今後のご活躍をお祈り致しておりますお手紙』と履歴書が返送されてきました。不採用。
今回の教訓
育休取得実績がある=育児中の人に優しいわけではない。
小さい子供いるじゃん。めっちゃ休まれそう。採りたくない!感をひしひしと感じました。
2件目・小売店の品出し、陳列、レジ等⦁ 時給800円
⦁ 9:00〜13:00(休憩なし。実働4時間。)
⦁ 週5程度、シフト制。(土日祝もあり)
⦁ 雑貨等の品出し、検品、陳列、レジ等
⦁ 主婦歓迎!週2日から気軽に働ける!
全国展開している有名チェーン店だったので安心感あり。時給は1件目と同じく800円で高い部類。休日シフト制はやや妥協。週2日から働けるって書いてあるし融通は利くだろう。
事務じゃないけど10年ぶりぐらいにレジ打ちや品出し作業も悪くない。
2件目・面接
面接前に簡単なアンケート用紙に記入した。勤務を希望する曜日、時間帯など。素直に、保育園がやっていない日曜、祝日は「勤務不可」と書いた。
面接官「うちのお店はご存知の通り、土日祝日も営業しています。」
「お願いした場合、日曜祝日も出勤できますか?」
面接官「お盆や年末年始はお店が混む傾向にあるのですが、出勤できますか?」
面接官「そうですか…。」(意味深)
約一週間後、採用の場合のみこちらから連絡すると伝えられていたが期日までに電話も鳴らず、不採用。
余談ですが、この「採用者のみご連絡」形式は採用する企業にとってはすごく楽でしょうね。不採用者側としてはフェードアウトみたいですごく嫌だけど。
今回の教訓
『主婦歓迎』は信じない。
『週2からOK』も信じない。
企業側の歓迎する主婦とは、どんな時間にもほぼ対応できる主婦のこと。週2というのも、つまり忙しい土日祝日出れる人のこと。(土日祝のみOK!の意だろう。)つまり小さな子供がいて、勤務可能時間に制約があって、子供の体調不良などで突然休む可能性が高い人は使い勝手が悪いからいらないということだ。
落ち込む
たった2件、面接に落ちただけでひどく落ち込んだ。もうこんな小さな子供あり主婦を雇う企業なんてないんじゃないの!?
私ははじめての就活がいわゆる就職氷河期というやつで、それはそれは何社も何社も落ちた経験があるのだが、パートやアルバイトの面接ではほぼ落ちたことがなかったのでショックも大きかった。学生時代、独身時代、子供がいなかったときの主婦時代のアルバイト、パートの面接とは全然違う。小さな子供のいる主婦の就職活動ってこんなに難しかったんだ。
3件目・スーパーの事務、レジ
⦁ 時給740円⦁ 9:00〜13:00(休憩なし。実働4時間。)
⦁ 週5、シフト制。(土日祝もあり)
⦁ スーパーの事務、レジ業務
事務仕事ができる!というのが決め手で応募。時給も安いし(最低賃金が737円だったので同じようなもの。)土日祝日も出勤ありだけど妥協。
これがのちに、入社からわずか5ヶ月で閉店することになる『スーパーぼろや』(仮名)である。(詳しくはnanpooの個人ブログでどうぞ。)ちなみに客としてはこのスーパーにほとんど行ったことがなかった。
年に2、3度行くかな程度。つまりよく知らない。
3件目・面接
店長 「大丈夫ですよ!今働いているパートさんたちもお互い様でなんとかやっていますから!」
おお、なんと心強いお言葉…!
やはりママさんが多く働いているであろうスーパー業界は強いなと思った。トントン拍子に面接は進み、この面接当日に採用が決まった。
こうして、約3週間に及ぶ子持ち主婦の就職活動は一旦の終焉を迎えることとなった。条件をいくつか妥協はしたが、これで保育園の就労証明書も胸を張って提出できるし、なによりこれから働けることがとても嬉しかった。
時給と日給について
さて、先ほどスーパーの時給を740円と書きました。実働は4時間。つまり、私の日給は2,960円になります。
日給3,000円以下の女とでも呼んでくれ!
週5日勤務、月20日で換算しても月給は59,200円。というか、子供の発熱などで月に何日かは休むことになるので実際は更に少ない金額の月が多かった。(それでも幼児2人分の保育料が賄えたのは認可保育園のおかげである。)
更に交通費については月3,000円上限。車移動なのでガソリン代に換算することとなるが、余裕で上限を超えるのであとは自腹。(3,000円を20日で割ると、1日の交通費150円分しかないですね…。)
ここにきて、地方の求人の少なさ、時給の低さ、交通費のしょっぱさを全力で噛みしめることになる。しかしそんな時給、そんな条件でしか雇ってくれる企業はないのだ。子育て中のお母さんへの風当たりの強さがつらい。実際、夫は「よくそんな時給で働けるね?」とよく煽ってきたものだが、他にないんですもの。
実際に働いてみて
⦁ 土日祝日がシフト制で出勤だったため、保育園が休みの日でも早起き。
⦁ 家に子供たちがいるときに私だけ出勤すると高確率で泣かれる。
⦁ 仕方ないので後ろ髪をひかれる思いで出勤する。
自業自得なのだが、就活において妥協した点が日々の生活を苦しめる。『子供の体調不良で休んでもいいよ』とは言っていた店側だが、やはりほぼ最低人数で現場を回しているので、休みが続くと迷惑そうな印象を受けた。休む罪悪感とは常に隣り合わせ。
しかし私と同じように保育園に子供を預けてパートで働いている人が職場に複数いることにより、
「うちの子も日曜出勤のときいつも泣いちゃうよ。」
「うちの保育園ではこんなだよ。」
…なんていう、何気ない情報交換ができることはとても有意義で、長らく孤独な密室育児を続けていた私はだいぶ救われた気がします。
まとめ
小さな子供ありの就職活動は、思いのほか本当に厳しいです。都会の方なら求人も多いし、時給も高いのかな?でも待機児童が田舎よりも深刻だから『求職中』なんて状態ではまず保育園に入れないでしょう。
かろうじて保育園に入れるけど、求人は少なく、時給も低い田舎。求人は多く、時給も高いけど、保育園になかなか入れない都会。地方格差を含めて、とても難しい問題のように感じました。
店がつぶれたのもあり、私は在宅仕事の方へシフトしてしまったのですが、今回の就職活動で見えてきたこともあり、短い期間だったけれど就職してみて良かったな、とは思っています。