日本政府が「働き方改革」の目玉として国をあげて推進している制度が「テレワーク」または「リモートワーク(以下リモートワーク)」と呼ばれる働き方です。
当記事ではそんなリモートワークを導入している主な企業の一覧や、リモートワークを導入している企業の特徴・共通点などを紹介しています。
リモートワークの導入企業で働く条件なども紹介していますので、参考にして下さい。
目次【クリックして移動できます】
リモートワーク(テレワーク)とは
まずはリモートワークとは何かについて確認しておきましょう。
「在宅ワーク」は厳密にはリモートワークではない
ただしご注意頂きたいことは「在宅勤務」に似た言葉として「在宅ワーク」という言葉がありますが、こちらはリモートワークには含まれません。
「在宅ワーク」とは会社に雇用されず在宅で業務を請け負う、フリーランスの方などが行っている仕事の形態を指すからです。
一方、「在宅勤務」は会社に雇用されている従業員が自宅で仕事を行うことを指しますので、リモートワークに区分されるワケです。両者の雇用関係に大きな違いがあることを理解してください。
リモートワークを導入している企業一覧・まとめ
では実際にどのような企業がどのような制度を前提としてリモートワークを採用しているか、
- リクルートホールディングス
- カルビー株式会社
- サイボウズ株式会社
- 株式会社ブイキューブ
- 株式会社キャスター
- 株式会社Misoca
- 株式会社Everforth
- 合同会社selfree
- 日産自動車株式会社
- 株式会社あしたのチーム
- 株式会社ACO
- 日本電気株式会社
- 株式会社カルビー
- 株式会社日建設計総合研究所
- 積水ハウス株式会社
- 株式会社NTTデータ
- 株式会社ダンクソフト
- KDDI株式会社
- 日本オラクル株式会社
- 日本HP株式会社
- マツダ株式会社
- 株式会社カネボウ化粧品
- 日本ユニシス株式会社
- 昭和シェル石油株式会社
- アサヒビール株式会社
- 株式会社システムインテグレータ
- 株式会社ローソン
- 東京急行電鉄株式会社
- 株式会社三井住友銀行
- 株式会社ベネッセコーポレーション
- 富士通株式会社
- 株式会社日立製作所
- 株式会社ソニックガーデン
- 沖電気工業株式会社
- 日本IBM株式会社
- 日本マイクロソフト
- NTTコミニュケーションズ株式会社
- AQ株式会社
- 株式会社サーバーワークス
- 株式会社アトラエ
- その他、IT系を中心とした多数の企業
これらがリモートワークを導入している主な企業です。
ただ昨今の事情により、上記以外にも多数の企業が独自にリモートワークを実施しているはずです。
以下では、上記企業の中でも代表的ないくつかの会社でのリモートワークの具体的な事例をご紹介することにします。
リクルートホールディングス
リクルートホールディングスの事例はリモートワークを代表する事例として、マスメディア等で多数紹介されています。
なぜなら
- 全従業員を対象にしていること
- リモートワークを行う日数の上限を撤廃していること
以上の二点を実現した先駆的事例となったからです。
大企業を中心にリモートワークは着実に増えつつあるものの、現在主流となっている方式はリモートワーク勤務を週2回に限るなど一定の規制を設けた方式です。
全面的に導入するには従業員全体での意識改革や専門的な体制を整える等、様々な課題を克服する必要がありますので、おいそれと全面導入に踏み切れないからです。
それだけに、様々な課題を段階的に克服して全従業員へのリモートワーク導入へと踏み切ったリクルートホールディングスはリモートワークの先駆的成功例となった訳です。
カルビー株式会社
かっぱえびせんでお馴染みの菓子、食品メーカー大手の上場企業、カルビーも2017年度よりリモートワークの上限日数撤廃を断行したリモートワーク先進企業の一社です。
リモートワークには全社員の約8割が参加しており、その内約7割が在宅勤務、残り3割が喫茶店や図書館などでリモートワークに取り組んでいます。
リモートワークの成果も上々で、社員の約9割が「ワークライフバランスが向上した」と回答しており、こちらもリクルートホールディングス同様リモートワーク成功事例としてと注目されています。
サイボウズ株式会社
中小企業のグループウエアで抜群のシェアを誇る「サイボウズoffice」を販売している、IT系の中堅企業サイボウズもリモートワーク導入企業としてメディアで紹介されています。
同社も従業員がリモートワークを行う場合に日数の上限はありません。
それどころか、リモートワーク制度を軸として従業員のUターン勤務も積極的に奨励しています。
その結果サイボウズ社は出身地へ退職することなく、また職務内容も変わることなくUターンを果たせた従業員を多数生んでいます。
株式会社ブイキューブ
Web会議システムなど、リモートワークを実現するための商品を販売しているのがブイキューブ社です。
同社はリモートワークを自ら実践するべく、自社の代表とサービス開発の責任者の拠点を日本からシンガポールに移すという大胆な取り組みを行い、話題を集めました。
同社では現在代表者や開発責任者がシンガポールから日本にいる従業員をWeb会議システムを通じて指揮しているだけですが、それでも対前年比で売上を2倍上昇させました。
従業員のみならず、幹部であってもリモートワークは可能であること、しかも国内のみならず海外であってもリモートワークを実践できることは同社によって証明されたと言って良いでしょう。
日本でリモートワークを導入している企業の割合
2021年6月時点でのデータですが、テレワークを出勤日の100%に導入している企業は約12%という結果が出ています。
一方、出勤日の50%以上にテレワークを導入している企業は半数を超えています。
ただこの数字は地域や業種によって大きく異なり、東京のIT系であれば7割近い企業がテレワークを導入しているにも関わらず、小売業では20%ほどしか実施していないというデータがありました。
アメリカでは8割以上の企業がテレワークに移行していることを考えると、日本はまだまだ導入が進んでいないと言えるでしょう。
特に2021年6月以降は情勢の変化に伴い、テレワークを中止する企業も増えているので、今後も割合は下がっていくことが予想されます。
企業がリモートワークを導入する理由・メリット
優秀な人材を幅広く獲得できるようになる
リモートワークを取り入れている企業は「働きやすい企業」という評価を得られ、導入していない企業より就職先や転職先としての人気が高まります。
また、リモートワークを導入すれば、優秀な人材であるにもかかわらず介護や子育て、あるいは病気といった事情でやむなく退職したり、パート勤務に切り替えたりした人材も就業が可能になります。
更に、一切出社不要の完全リモートワークを実現している企業であれば、外国人や海外在住の日本人が海外に住んだまま就業・勤務することだって不可能ではありません。
こうした効果から、リモートワークを導入した企業は世界中から幅広く優秀な人材を獲得しやすくなります。
従業員の生産性を高めることができる
リモートワークを実施すれば、従業員が毎日の通勤地獄で従業員が疲弊することがなくなります。
また、会社に集うからこそ生じていた同僚とのムダ話や不必要な会議が行われることもなくなり、業務に専念しやすくなります。
加えて自宅であれば子供の顔を見ることで働く意欲が高まるなどの効果も加わり、従業員の生産性を高めることができるのです。
交通費や備品やスペースなどのコストを削減できる
一部の社員であってもリモートワークが適用されればその分の社員用椅子やデスク、キャビネットやロッカーといった什器備品等を減らすことができます。
当然減らした分のオフィス面積が不要となりますので、現在より面積が少ないオフィスへ移転することが可能になり、結果として家賃も削減できます。
また空間や備品が少なくなれば光熱費も自ずと減少しますし、これまで社員に支払ってきた通勤費も節約できます。
更に社長を含めて全社員がフルタイムでリモートワークを行うようになれば、全社員が集う機会が必要な時だけ貸し会議室等を借りるといった方法も採れます。
そうなればオフィス賃料や光熱費自体、かからなくなってきます。
リモートワーク(テレワーク)を導入している企業の特徴・共通点
組織や設備が整った大企業
リモートワークを導入している企業の特徴として一番目にあげられるのは「大企業が多い」ということです。
大企業は組織体制が整っており、新しい人事制度も導入しやすいことが大きな理由です。
ただし大企業には同じ企業内に多様な職種の従業員がおり、職種によってはリモートワークに適さない場合もあります。
オフィスワークが中心となっている総合職や事務職などはリモートワークが導入しやすい一方、工場や店舗で働く従業員などは現場が仕事場となる関係で実現が容易ではありません。
大企業には業種を問わずリモートワークが普及しつありますが、職種の違いをどのように乗り越えて制度を普及させるかが今後の課題となっています。
デジタルコンテンツを成果物とするIT系企業
リモートワークは大企業しか導入できない制度かというと、決してそのようなことはありません。
ITやweb系企業などデジタルコンテンツを成果物とする企業であれば、中小企業であってもリモートワークを導入しているケースを多数確認できます。
パソコンと専用ソフトウエア、ネット回線さえあれば仕事を完結できるためリモートワークを実現させやすい業種だからです。
またリモートワークは通勤費やオフィス賃料、什器備品を節約できる経済的メリットもあることから、創業間もないIT系の零細企業やベンチャー企業が最初からリモートワークを取り入れているケースも見られます。
リモートワーク可なIT求人の例
- Webデザイナー
- システムエンジニア
- プログラマー
- ネットワーク開発者
- プロダクトマネージャー
ご紹介しているような求人職種の経験者であれば、リモートワーク可の求人に応募しやすいです。
ただし、少数ながら「未経験可」となっている求人もあります。もちろん、未経験というのはあくまで実務上の経験がないことを意味しており、知識やスキルまで不要という意味ではありません。
例えば職務経験はないがプログラムの知識があるという方が該当しますが、そのような方なら未経験でも採用されるチャンスがありますので、積極的に応募してみることをオススメします。
ECサイトなど、オンラインでのサービスを中核としている企業
商品やサービスの提供をネットだけに特化している企業も、企業規模にあまり関係なくリモートワークを導入しやすいため、比較的導入が進んでいる企業の特徴としてあげられます。
例えばネット通販専門の化粧品メーカーや旅行会社、あるいは会員制のポイントサービスを提供している企業などが該当事例としてあげられます。
リモートワーク導入企業で働くための条件
自宅にネット環境が整っている
リモートワーク可となっている求人に応募するためには、自分自身がリモートワークを実現できる環境や条件を整えておく必要があります。
詳細条件は求人企業によって多少異なりますが、リモートワークの求人に応募するため次のような設備は整えておくことが望ましいと言えます。
モバイル機器とモバイル回線
必須ツールとなるのがモバイル機器とモバイル回線です。
在宅勤務であっても勤務中どこか出掛ける場合には、モバイル機器がコミュニケーションツールとして不可欠になってくるからです。
Webカメラやヘッドセット
リモートワークはWeb上のテレビ会議が会議の主流となりますので、Webカメラやヘッドセットなども必需品です。
ただ最近はスマートフォンのzoomを利用したweb会議などもあるので、ヘッドセットがなくても会議に参加することも可能です。
FAXとプリンター
意外と忘れらがちなのですが、電話機はFAX対応でなければリモートワークを行う際に不便です。
書類を一々スキャナーで読み取ってデジタル化するという作業は非効率です。
ペーパー内容の送受信はFAXが現在でも便利なので、電話機はFAX対応型の電話機にしておくことも環境上重要な要件です。
必須ではないがパソコンデスク、パソコンチェアがある
これも当然ですが、長時間パソコンに向かって仕事へ取り組むならソファに腰掛けて行うというのは不便です。
パソコンをテーブルの上における専用のデスクと椅子は必須の家具と言えます。
一定の速度のある回線
マンションでも一軒家でも構いませんが、通信速度として最低でも50MB程度は出る光ファイバーやケーブル回線などブロードバンド回線が敷設されていることです。
モバイル通信だけでは大容量のデータの送受信が困難なためです。
自宅にある程度のスペックのパソコンがある
在宅でデジタルコンテンツの制作を行う場合には、ハードにもある程度のスペックが求められます。
スマホやタブレットでは重い作業やデータ容量に対応できない場合もありますので、不十分です。
最低でもノートパソコン、理想的にはハイスペックのデスクトップ型パソコンが自宅にあることが望ましいと言えます。
タイピングが早いなどIT系のスキルがある
リモートワークで働く場合、ほぼ確実にパソコンやスマホなど、何らかの電子機器を使うことになります。
そのため、タイピングの速度やプログラミングの知識など、何らかのIT系のスキルがあることもリモートワーク導入企業で働くのに必要な条件と言えるでしょう。
例えばチャットを利用して各製品のユーザーサポートや説明を行うサポートスタッフの求人は、一定のタイピング速度やユーザーサポート経験、接客経験があればリモートワーク可となっていることが多いです。
オフィスソフトを扱える
リモートワークの事務系求人は、パソコンで業務が完結する関係で非常に多いので、オフィスソフトを扱えるのもリモートワーク導入企業で働く条件の一つと言えるでしょう。
ワード、エクセル、パワーポイントといったオフィス系ソフトを扱った経験や、関連資格を取得しておくと有利でしょう。
また、ビジネス文書を英文化できたり、海外企業へ英文の発注書を作成して送ったり等、英文での業務対応が可能なら求人の選択肢が増えます。
リモートワーク(テレワーク)導入企業で働くメリット
リモートワークは導入する企業だけでなく、働いている従業員にとっても次のようなメリットがあります。
子育て中のママでも働きやすい!
子育て中のママさんにとって育児や家事と仕事の両立は困難であり、それをカバーする手段は従来育休制度ぐらいしかありませんでした。
リモートワークであれば自宅で仕事ができるため、例えば子供の急病対応やお迎えなどにも対応できるようになりますし、自宅で子供の様子を確認しながら仕事に取り組むこともできます。
また、リモートワークなら時間管理も自己管理となってきますので、幼稚園や学校の親参加行事にも参加しやすくなる等、子育て中のママさんでも子育てを犠牲にすることなく勤務を継続できるようになります。
病気や持ちやケガ、障害などで通勤が困難な方も勤務や就業可能!
病気やケガによって例えば車椅子生活となってしまった方が日々満員電車に乗って通勤することは、大変困難です。
その結果、通勤さえできれば仕事自体はできる状況であっても、職場復帰をあきらめざるを得ない場合も出てきます。
リモートワークが可能なら通勤不要となりますので、病気やケガなどで通勤が困難になってしまった方が職場を辞める必要がなくなります。
また、働けるのに通勤がネックとなって退職してしまった方でも、リモートワークでの求人なら職場復帰が可能になります。
ワークライフバランスの実現が容易になる!
リモートワークは子育て中のママ様や病気となった方だけに、メリットがもたらされる働き方ではありません。
特にハンディを持たない一般従業員の方々にも、幅広く恩恵がもたらされます。
リモートワークの日数に上限がない企業であれば通勤時間を完全に解消することができますので、その時間を趣味や生活のための時間に回すことができるようになります。
例えばDIYが趣味という方なら、「日曜大工」どころか「毎日大工」として家具の補修や創作などに取り組むことも可能になるでしょう。
家族や近隣とのコミュニケーションが充実する
通勤時間の解消に加えて、在宅勤務であれば家族とコミュニケーションをとれる時間が大幅に増えます。
また、町内などの社会活動や催しなどにも参加しやすくなりますので、近隣の方々とのコミュニケーションも充実させることができます。
通勤地獄や付き合いなどのストレスが解消する
満員電車での通勤は「通勤地獄」と揶揄されるぐらい、多大な肉体的苦痛やストレスが伴います。
また出勤すれば飲み会などに付き合わなければならない機会も増えてしまいます。
そうした苦痛やストレスから解消されるだけでも、精神面や肉体的健康面で大きなプラスがもたらされます。
リモートワーク導入企業一覧まとめ
最近の情勢もあり、テレワークを導入している企業は非常に増加しています。
リモートワーク導入企業で働きたい場合、企業に応じて必要な資格やスキルを身につける必要があるでしょう。
リモートワークは非常にメリットの多い働き方ですので、ぜひ導入企業で働きましょう。
なお、リモートワークの求人に関してはdodaなどの転職サイトで特集が組まれていることが多いです。合わせてこちらも参考にすると良いでしょう。
doda(デューダ)
年代 | 20代~30代 | 雇用形態 | 正社員・契約社員・その他 |
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対象エリア | 全国(海外を含む) | ||
業界 | SE/Webエンジニア機械/電気広告/クリエイティブ営業職医療専門職金融専門職不動産専門職コンサルタント/士業経営企画/管理事務公務員/教員その他 | ||
おすすめ度 |
- リモートワーク対応の求人が多い
- 土日祝休みの求人は業界トップレベル
- 大手企業や年収500万以上の求人も多数
- 研修制度で未経験でも安心