日本は現在空前の転職ブームに沸いており、転職活動に取り組まれる方々、中途採用求人数共に右肩上がりで増加しています。
こうしたトレンドを踏まえ、ネット上で増加しているのが「転職サイト」です。
転職サイトとは文字通り「転職」を前提とした求人情報提供を行なっているサイトであり、「新卒者の就職」を対象としている訳ではありません。
ところが近年、リクナビだけでなく転職エージェント&転職サイトも上手く活用することで就活の勝ち組となる新卒学生が密かに増えつつあります。
果たして新卒は転職サイトを利用できるものなのでしょうか、また転職サイトを利用することが就活にとって有利に働くものなのでしょうか。
今回は、新卒が転職サイトを利用することの有効性の有無等について詳しくお伝えして参ります。
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新卒の就職活動に転職サイトは有効なのか?
新卒の就職活動において転職サイトは有効に利用できるものなのでしょうか。
結論から先に申し上げれば
メインの就職情報サイトとして → ×
サブの就職情報サイトとして → ○
といった評価ができます。
転職サイトはあくまで中途採用を前提とした求人情報主体ですので、新卒採用情報を得る主要情報ツールとして活用するとなれば無理があります。
ただし、マイナビやリクナビといった新卒の就職情報提供専門サイトのプラスアルファとして情報を得る、いわばサブとして位置付けた上でなら大いに役立ちます。
それはなぜか、順を追って説明いたします。
就職活動と転職活動の違い
就職活動と転職活動は、面接だけではなく入社後の研修でも違います。
面接の違い
転職活動の場合、第一次面接から個人面接のところが多いですが、就職活動では第一次面接は集団面接という企業が多いです。
内定までの選考期間の違い
転職活動の選考期間は、新卒の就職活動より短期間です。
転職活動の平均的な選考期間は、1ヶ月程度。
就職活動の平均的な選考期間は、3~6カ月程度です。
入社時期の違い
転職者は内定後、数週間〜3ヶ月前後で入社する企業が多いです。
一方、新入社員は4月入社の企業が多いです。
入社後の研修の違い
転職の場合、入社後の研修が新入社員に比べて少ない企業がほとんどです。
転職者は最低限のビジネスマナーや知識はあるものだと想定されているので、即戦力として扱われるためです。
転職サイトを利用する企業側の事情
新卒と中途では採用ルートが異なっている
新卒であれ、中途採用であれ共に「求人」であることには違いありませんので、両者を共に同じ媒体で求人を行なえば媒体経費も一つで済むという合理性があります。
ならば転職サイトで両者を同時募集してもよさそうですが、そう単純にはいかない事情が求人企業側にあります。
新卒者の場合は採用した後に新人研修を行なってから配属先を決定しますので、採用段階では人事部が採用を行い、新卒者全体を管理するのが一般的です。
一方中途採用というのは例外的な企業を除き、各事業部において欠員等が生じた場合に臨時で募集の必要性が生じるもので、特別な新人研修はしないところがほとんどです。
だからこそ、既卒や第二新卒向け転職サイトが人気なのですね。
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つまり新卒と中途採用では採用ルートやタイミングが異なるため、求人企業側にとっても簡単に一元化できるものではないのです。こうした事情が、新卒採用情報サイトと転職サイトという棲み分けが成立している大きな理由ともなっています。
少数ながら新卒者「も」対象としている求人情報もある!
先程お伝えした理由から、企業側は新卒採用では新卒専門のサイト、中途採用者の求人では転職サイトとそれぞれ目的に応じて使い分けて利用するのが一般的ですが、少数ながら転職サイトに新卒「も」対象とした求人広告を掲載する企業は存在します。
企業側にしてみれば、求人広告掲載料をそれぞれのサイトへ支払うことは経費負担の増大になります。
企業によっては新卒採用より中途採用がメインであるため、新卒採用だけに大きなコストはかけられないといった事情を抱えている企業もいます。
また、募集している仕事内容がそれほど実務経験を問わない求人のため、新卒者から応募があった場合でも受け入れる用意があるといった企業などもいます。
そうした企業は新卒専門の就職情報サイトには求人広告を掲載せず、転職サイトに新卒も対象として含めた上で求人広告を掲載するケースが多くなります。
転職サイトを利用するメリットと上手に利用するコツ
転職サイトにはプラスアルファとして求人情報を得られる以外に、就活に役立てることができるメリットがあります。
メリット1:企業に関する多角的な情報を得られる
転職サイトは学生ではなく社会人を主な対象としていますので、社会経験を有する方々の視点で必要とされる、また満足してもらえる情報提供を目指しています。
一方新卒、即ち学生を対象とする就職情報サイトは社会経験がない学生でも理解できる情報であることが前提として求められます。
そのため、例えば求人企業の事業内容を深く掘り下げて専門的に説明することより、できるだけ平易な言葉でわかりやすく伝えることに重きが置かれます。
その結果、仮に転職サイトと新卒対象の就職情報サイトの両方に求人広告を掲載している企業をA社とした場合、同じA社であっても転職サイトと就職情報サイトではA社やA社の仕事内容に関する伝え方がかなり異なってきます。
このことにより、転職サイトに掲載されているA社の情報を閲覧すればA社についてより多角的に、深く理解することができます。
メリットを引き出すコツ!
新卒専門の就職情報サイトで気になった企業があれば、転職サイトでもその企業名で検索を行ってみることです。
もし転職サイトでもその企業がヒットしたらその情報にも目に通すようにし、必要に応じてブックマークしておくのも良いでしょう。
専門的な用語もお構い無しに登場するので理解しにくい点もあるかも知れませんが、その企業の人材に対する考え方や仕事内容に対する理解を深める教材として活用できますので、用語を調べながらしっかりと目を通すようにしましょう。
そうした努力はエントリーシートを作成したり、面接で志望動機を語る場面などできっと役立ってきます。
メリットその2:求人に対する具体的な要件、資質などを探ることができる
転職サイトのもう一つ有効な使い方が、就職情報サイトだけではわかりにくい企業側の「求人像や求めている資質、要件」を具体的に掴むことができるということです。
新卒採用は技術職や専門職を除くと基本的に配属先確定前の募集となるため、求人像を細かく特定することが難しい面があります。
その結果、どのような新卒の人材を求めているかについては抽象的な求人像の紹介に留まりがちです。
その点で転職サイトに掲載される企業の求人情報とは、端的にいえば「このような要件や質質を持った方を採用します」といったストレートな情報が中心となります。
転職サイトを参考にすればA社が新卒専門の就職情報サイトに掲載している情報だけではわかりにくい、入社後に期待されることになるであろう具体的な資質や要件を探るために役立てることができるという訳です。
メリットを引き出すコツ!
このメリットを引き出す方法は、先程お伝えした企業情報を得ることと基本的に同じです。
その上で、特に着目すべき点は各企業の「募集要項」にある「応募資格」あるいは「応募条件」といった項目です。
例えば新卒者に対しては「TOEICのスコアは不問」と表明している企業であっても、中途採用者に対しては「TOEICのスコア650点以上」といった条件を課している場合があります。
こうした情報から、その企業では入社後ゆくゆくはTOEIC650点以上の実力が要求される可能性が高いといったことが読み取れますし、仮にTOEICスコアアップを目指しているなら、650点を目標にするといった戦略的な取り組みができるようにもなります。
その業界の動向などを常にチェックしておくという意味でも、非常に有効ではないでしょうか。
自分が興味のある業界に特化した転職サイトは知りたい情報の宝庫!
もしあなたがIT業界に興味があるならIT系に特化した転職サイトを、薬剤師になりたいなら薬剤師専門サイトを、外資系に就職したいなら外資系に強い転職サイト、という具合に、興味のある業界の転職サイトは特にチェックしておくことをおすすめします。どんな企業が、どんな職種で募集しているかが一目瞭然で分かるからです。
自分がある程度の年代になればどの程度のスキルが求められるのが、どれくらいの年収をもらえるのかを知る指標にもなるでしょう。
総合的に様々な業界について知りたい、市場全体の情報を掴んでおきたいといった方には、やはり大手の総合転職サイトが一番参考になるかも知れません。
リクナビNEXTにはグッドポイント診断という診断テストもあります。自分の強みを知るため、また、新たな自分の勝ちや可能性を見出すことが出来るのではないでしょうか?
自分に合ったサイトを積極的に活用して情報収集に役立ててください。
メリットその3:土壇場の求人情報獲得に力を発揮してくれる
転職サイトにおいて、新卒も対象とする企業の求人情報が若干ながら増加する時期があります。
それは年末~2月頃です。
理由の一つは3月末で決算を迎える企業が、次年度に向けて新たな人材確保に積極的に乗り出す時期であり、求人件数そのものが増大する時期であるがあげられます。
また、転職サイトに掲載する求人広告はそれほど長期間掲載することを前提とせず、中途採用で予定していた人材数を確保でき次第掲載を打ち切ることが基本です。
1年後や半年後の採用を前提として新卒の求人を転職サイトに掲載するケースはほとんどないと考えた方が良いと言えます。
その点で年末から2月頃であるなら、転職サイトに掲載して応募してきた学生を短期間でスムーズに採用まで漕ぎ着けることができますので、限られた数ながらその時期に転職サイトへ新卒も対象とした求人情報を掲載する企業が増えます。
ということは、なかなか内定が得られないまま年を越しそうだ、あるいは年を越してしまったという新卒の学生諸氏等がギリギリ土壇場の時期で求人企業を見つけたい場合に、転職サイトを役立てることができると言えます。
メリットを引き出すコツ!
探せば見つかる新卒歓迎の文字。
転職サイトでそうした新卒も対象とした求人情報を探すコツですが、1点目は「新卒歓迎」や「新卒応募可」等、新卒を含むキーワードを予め選択してから検索を行なえる転職サイトを探しておくことです。
ほとんどの転職サイトはフリーワードで検索が行えますが、予め新卒に関するキーワードが検索条件に設定してある転職サイトは、新卒も対象とした求人案件数がそこそこ掲載されているサイトである可能性が高いためです。
2点目はヒットした検索情報は隅々まで丁寧に読むことを心掛けることです。
求人情報はあくまで転職志望者対象ですので、「新卒歓迎」といった文字は隅っこについでで書かれている場合が少なくないためです。
また、ヒットした求人情報には「新卒可」といった文字がなく「第二新卒可」となっている場合もあります。
この場合、新卒=第二新卒ではありませんので新卒は募集していない可能性が高いのですが、その企業の応募を検討したいという場合には直接電話して新卒は応募できないか、尋ねてみるのも一つの方法です。
そうした積極的な行動が土壇場での内定獲得の可能性を切り開く場合もあります。最後まで諦めない気持ちが大切です。
このように転職サイトは就活のプラスアルファとして十分役立てることができます。転職サイトを上手に活用し、ぜひ就活の勝ち組となって優良企業への内定を勝ち取ってください。
新卒の転職サイトまとめ
ただ、最初にも申し上げているとおり転職サイトはあくまでも「プラスアルファ」の情報を得るためのツール。就職活動をスムーズに進めていく上では、やはり就職に特化したサービスや就職エージェントの力を借りることをおすすめします。特に就職エージェントは専任のキャリアアドバイザーが就活生一人一人をサポートし、面接対策や履歴書など書類選考の勝ち抜き方もアドバイスしてくれます。
忙しい学生のために選考会や説明会の日程調整を代行してくれるところもありますよ。