「不動産業」「不動産営業」と聞くと、みなさんどのようなイメージをお持ちでしょうか?
多くの方は「ブラック」だと思われるでしょう。
今回、実際に現職でブラックな不動産業界に勤めている方にインタビューをすることができましたので、様々な「本音」を聞き出しました。
目次【クリックして移動できます】
不動産業界がブラックな10の理由
1.達成できそうもないノルマを課される
「不動産営業」の人の場合、毎月「○件」というノルマがあります。
不動産はスーパーで売っている野菜とは違い、一生に一度買うかどうかの超高額商品です。
そんな高額商品をそうそう簡単に買ってくれる人なんていません。
しかしノルマを果たさないとひどいパワハラに遭い、給料が出ず、解雇されてしまいます。
売るためには時間外も休日も働かなくてはなりません。
残業代?そんなもの出るわけがないでしょう。
ノルマを果たせない社員が悪いのですから・・。
2.外回りがキツイ
不動産を売るためには、飛び込み営業で1軒1軒の家を訪ねていかなくてはなりません。
「うちは結構です」と断られるならまだマシで、「ふざけるな」「出ていけ」「この詐欺師が」と罵倒されることもあり、相当なストレスになります。
もちろん、ずっと外を歩いているので体力的にもかなりキツイことになります。
真夏とか考えるだけで恐ろしいです。
当然、全然結果が出ないと「なんでできねーんだよ!」と「詰められる」ことは必至です。
3.テレアポ営業がある
会社によっては、飛び込み営業だけではなく、電話帳を片手に、片っ端から電話をするテレアポをかけるところもあります。
電話の先は顔が見えないので、飛び込み営業以上に罵倒、罵詈雑言を浴びせられます。
無言でガチャ切りされる家はまだマシです。
相当、メンタルに堪えます。
4.古い価値観の業界である
不動産業界自体が、昭和の価値観を引きずっている古い業界です。
年功序列で上の人間は絶対、男尊女卑で体育会系で、男女で仕事内容や出勤時間まで違う、IT化せず、顧客情報を紙で管理している、気合と根性で何とかなると思っている人が多いです。
令和になっても昭和の考え方では、さすがに価値観にはついていけない人が多数でしょう。
5.大声を上げる、パワハラまがいの上司の言動、洗脳研修
毎朝円陣を組んで「いくぞー」と叫ぶVTRを見たことがある人もいるでしょう。
狂信的なあのノリは本当に引いてしまいます。
社歌の絶唱とかも序の口です。
新入社員は自分のところで研修せずに、外部の洗脳研修施設に送り込んで立派な社畜へ改造します。
そのあとは、何を言っても盲目的に従う奴隷となり、パワハラ上司へも疑問を持たずに服従してしまいます。
※ある不動産企業の「朝礼」です。公式動画としてYouTubeに上がっていますが、これがマイナスになるという判断もできない脳筋社畜として立派に改造されています。
※流石にやばいと思ったのか、現在は削除されているようです。そもそも正しいと思ってあんな動画を上げる時点でやばいのですが…。
※洗脳研修と言えば、「絶対悪」の管理者養成学校です。不動産業界の新人はこういうところに送り込まれることが多いようです。
最後に罵倒した教官が握手を求めますよね。DV彼氏と別れられない女性と同じように、厳しい後にやさしさを見せることで洗脳は完成します。
6.顧客の質が悪い可能性
管理している不動産の顧客(住んでいる人やテナントとして入っている人)がみなさん常識的な人とは限りません。
DQNだって家に住むわけで、そういう連中の相手をしないといけません。
管理する物件によっては困った連中が多数いる可能性があり、精神的にすり減ります。
繁華街などの担当の場合も大変で、夜逃げをして一晩でいなくなり、連絡が取れなくなる(家賃を回収できない)ケースも多々あると聞きます。
未払い顧客の家賃回収に回されたら地獄です。
7.些細なことで呼び出されトラブルに巻き込まれる
客の質が悪いと、些細なことで呼び出されます。
けんかの仲裁、「隣の音がうるさい」と怒鳴り込まれる、カギをしょっちゅうなくす住人がいる(物件まで行ってカギを開ける)、トイレを詰まらせる、ボヤを起こす・・・。
深夜なのに緊急ダイヤルにかけてくる人の相手をしないといけないこともあります。
そして、そういう電話をかけてくるのはたいていクレーマーです。
ああ、つらすぎます。
8.「事故」に立ち会わなければならない
「事故物件」に立ち会うこともあります。
殺人事件だけではなく、自殺をした人を発見、孤独死して白骨化した老人がいた、など精神的に相当「来る」ものがあります。
話に聞くと、「事故」に立ち会ってしまった人は、悪夢にうなされ、幽霊を見る回数が増えるのだとか・・。
9.営業は歩合制、非営業は低賃金
保険の営業のように、営業職の人は売れないと、契約が取れないと歩合給が入らないので超低賃金になります。
また、中には「ノルマはあるのに歩合がない」という、「鞭はあるのに飴がない」というひどすぎる会社も存在します。
非営業職の顧客対応、物件管理、一般職などは歩合給の部分がないので、超低賃金すぎて、コンビニで働いた方がマシという会社も多いです。
10.土日休めない、週休1日など
不動産業という性質上、勤めている人の新規物件探しも手伝うわけで、土日週末休みということはありません。
一般的に不動産業の休日は火曜日か水曜日です。
ひどい会社だと、その1日のみで週休1日、週休2日あれば恵まれている方で、隔週週休2日、月1回のみ週休2日という会社もざらにあります。
中には月に1日しか休めない会社も珍しくありません。
もちろん、ブラックな業界ですから、時間外が出ない休日出勤を強いられることもあるでしょうね。
上記のようなブラック不動産への就職を回避するには、dodaのように審査でブラックを弾いている転職サイトを利用して下さい。
公式サイト;https://doda.jp/
不動産業界でも超絶ホワイトと言われる企業
扱う商品が違う三菱地所や三井不動産はホワイト
しかし、三菱地所や三井不動産、住友不動産、森ビルといった超名門不動産会社はブラックではありませんよね。
名門不動産会社は持っている不動産の場所が全然いいんです。
- 丸の内の一等地
- 新宿や渋谷の駅周辺
- 大型路線の鉄道沿い
それらの不動産や物件はこちらから売ったり貸したりしなくても、いくらでも買いたい、借りたい人が来ます。
その中から、しっかりした法人、個人を選別して顧客にできるので、ストレスもトラブルも起きません。
場合によっては政府や自治体が顧客になることもあり、ブラック度は極めて低くなります。
仕事も営業して物件や物権を売ったり貸したりするのではなく、「丸の内周辺の再開発」「丸ビルの建設」「オリンピック関連施設の建設」など、地域振興や地域開発、コンサルティングなど知的な仕事に従事できます。
一方、その辺の不動産会社は高額商品の押し売りとDQNの相手なので、地面を這いつくばるような仕事になります。
不動産会社の中にも少数だがホワイト企業はある
つまり、要約すると以下のようになります。
×「不動産会社が全部ブラック」○「不動産会社は少数のホワイトと多数のブラックからなる」
ホワイト企業もありますが、基本的には大手かつ一握りなので就職や転職を希望する際には相当な戦略を持って臨まないと、悲しい結果しか生まないことになります。
以下では、現役のブラック不動産会社勤務の社員さんにインタビューし、率直にズバズバと本音を語っていただいた内容を紹介していきます。
doda(デューダ)
年代 | 20代~30代 | 雇用形態 | 正社員・契約社員・その他 |
---|---|---|---|
対象エリア | 全国(海外を含む) | ||
業界 | SE/Webエンジニア機械/電気広告/クリエイティブ営業職医療専門職金融専門職不動産専門職コンサルタント/士業経営企画/管理事務公務員/教員その他 | ||
おすすめ度 |
- 土日祝休みの求人は業界トップレベル
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渋谷のブラック不動産会社に勤務しているOさんにインタビュー!
ヒカリエのそばにこんな40年前の価値観を持った会社があるとは・・、ハロウィンの時は大変な騒ぎでした(笑)。
営業については別会社なので、内装工事に立ち会ったり、水道トラブルなどに対応したり。
精神論でシバきあげるというよりも、みんな考えるのをやめているので、「ダウナー系のブラック企業」です。
数字を上げようとか、そういう覇気がなく上の言うがままという感じです。
繁華街の工事に立ち会うので、これらのお店は、夜の営業が終わって工事になります。
いうまでもなく時間外手当はありません。
休日は毎週日曜日と第二土曜日です。シフト制の土曜休日が毎月もう1回ありますが、出勤を言い渡されることもあります。
つまり「隔週土曜日休日」ですらないのです。
住宅手当なんてものはありません。
ちなみにパソコンが3台で、うち1台は社長のコネで入った無能社員のYouTube観賞用になっています。
意外なことにWindows10なんです。
YouTubeを見るにはその方がいいのでしょうか?
社長は「これなら情報漏洩の心配がない」と胸を張っていますよ。
コピーされて流出することは念頭にないようです。
あと、男女で出勤時間、退勤時間が違います。
社長、専務以外の人には一切役職がないんです。
つまり、「部長」も「課長」もいないんですよ。
保険や年金は違法だと思うんですが・・。
うちの会社、残業代の申請書が存在しないんです。
でも、毎日定時になるとみんな無言でタイムカードに打刻します。
「名ばかり管理職」というわけではなく、平社員なのに残業代を請求する方法がないんです。
私は40代半ばなんですが、他の会社なら高卒の1年目くらいでしょうか。
もちろん、時間単価を出すと東京都の最低賃金を下回ります。
社長室に呼ばれて、小言と一緒に渡されます。
これなら、いくら支給したのか証拠は残らないですからね。
と言っても、月給額面20万円ですから・・・。
私の場合は入社1年未満なので、この基準すら適用されず「寸志」になります。
受けるなら自費で勝手に、と言われました。
1年以上在籍する社員には、法律の下限(10日)の有給が与えられますが、「暗黙の了解」で、実際に使えるのは3日、ないし4日となっています。
私の会社に20代社員はいないんです。男女ともに0名。
みんな人生を踏み外し、生きる希望を失った中年ばかりです。
社長が若い時は社長とのゴルフが必須だったと聞きました。
採用面接で、ゴルフをしない人は落とすんです。
プライベート施設を会社名義で保有しているのは、不動産会社だから思いつく悪知恵なんでしょう。
社員名簿に書かれている人には年賀状は強制です。
こうやって「相互監視」させるのかもしれません。
ここはメンテナンスなんで、パワハラをする気力もない人がほとんどです。
鍋に顔を突っ込むとかはないと信じたいですが・・。
だって、世襲社長とコネ入社の社員が牛耳っていて何も知識がないから、報連相も業務マニュアルもなく「とにかく客先に行ってっこい」で終わります。
こんな会社ばかりで働いていますね・・。
前の会社は罵倒されました。
「動のブラック」と「静のブラック」があるみたいですね。
3か月前とか法律(2週間前)よりも前に意思表示しないとやめられないかどうかはわかりません。
うちの会社の就業規則自体が違法ですからね。
ああ、これ、見たことがあります。
ただ圧倒的に多いのが、管理している不動産のテナントのポスターです。
貼ったって誰も行かないのに。
不動産会社ですが自社の室内が壊れているとかありますか?
ケチというか物持ちがいいというか。
社内の蛍光灯の3分の1には電灯がはめられていません。
例えば、VR(バーチャルリアリティー)を使って、物件へ行かなくても内覧できるようになるとか?
ただし、都合が悪い部分は見せたくないので、壁に穴が開いていたり、実際はもっと狭かったりするような物件がごまかせなくなるかもしれず、新技術は使いたがらないかもしれません。
なんで入社したんですか?率直にそれがわからないのですが・・・。
これまでは派遣社員が主だったのですが、ここらで正社員になって生活を安定させたかったんです。
正社員として採用してくれたのがここだけでした。
不動産の資格を取ったことも、不動産業界への転職を促しました。
まさかここまでブラックだとは・・。
まだ1年に満たないのですが、体力的にもきつくて。
不動産業界はもうやめようと思っています。また派遣でいいや。
不動産業界がブラックでやめとけと言われている理由まとめ
今回は不動産業界がやめとけと言われる、ブラックな実情を紹介しました。
Oさんの自己分析や自分が置かれている状況、転職方法について思うところはありますが、敢えて書きません。
みなさん自身、今回の記事を読んでどうお考えでしょうか?
結局、40歳過ぎてろくに(正社員としての)職歴がなく、転職回数が多い人を雇う会社はブラック企業しかないということです。
転職方法によってはまだホワイトに転職することも可能ですが、40歳を過ぎてしまうとそれも少しハードルが高いのもかもしれません。
厳しいことを言いますが、手遅れになる前に1日でも早く転職をすることをおすすめします。
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静のブラック不動産会社は人を手遅れにする
「静のブラック」「動のブラック」という概念は新鮮でした。
積極的にパワハラや恫喝をするだけがブラックではなく、従業員へお金をかけることを放棄し、労働条件を整備しない会社で放置プレイというのも、なかなかつらいものがあります。
社員全員が考えることを辞めた奴隷になっているのも、静のブラックの特徴なんでしょう。
鎖につないで放置すれば、それを「是」と判断する社員がいるということですね。
無期懲役の受刑者もこんな感じなのでしょうか(以前の無期懲役は20年ぐらいで出所できましたが、最近は本当に出てこれないようです)。
そういう会社があのきらびやかなヒカリエのそばにある、というのは日本の大きな闇を感じずにはいられません。
酷使し、痛めつけるだけがブラックではないということをOさんへのインタビューで知りました。
もしホワイト企業に就職したい、あるいは不動産業界でも比較的ホワイトな企業に転職したいという方は、審査がないのでブラックの温床となっているハロー○ークやインデ○ードでなく、マイナビやdodaのように審査でブラックを弾いている転職エージェントを利用して下さい。
転職エージェントはハロー○ークと同様に無料で使えますが、ブラック企業はサイトの評判を落とすので掲載解除されるのでホワイトの割合が高いです。
そのため求人の質が高く、コンサルタントも国からの固定給じゃなく顧客の転職を成功させることでお給料を貰っているので、真剣度やサポートの質が段違いです。
不動産業界への転職を検討しているなら、貴方の人生のためにもハロー◯ークなどでなく転職エージェントを活用することをおすすめします。
公式サイト;https://doda.jp/