看護師転職サイトを複数登録するメリット・デメリットと利用する際の注意点
看護師の求人は多いというものの、自分で一から探すのは時間的にも労力的にも大変です。そこで力になるのが看護師専門の転職サイトです。できれば複数の転職サイトに登録して、より多くの求人を見るのがおススメです。
ただ、複数のサイトに登録することに対して不安をお持ちの人がいるかも知れません。
このページでは看護師転職サイトを複数登録することのメリット・デメリットと利用する上での注意点をご説明します。
看護師転職サイトを複数登録するメリット
まず看護師転職サイトを複数登録することのメリットからご説明します。
なぜ複数の転職サイトに登録した方がいいのか
複数の転職サイトに登録、利用するのは次のようなメリットがあります。
- より多くの求人を見ることができる
- 転職サイトの比較ができる
- 自分と相性のいい担当者に出会う確率が高くなる
- より多くのアドバイスが得られる
より多くの求人を見ることができる
転職サイト1社だけ登録していると、そこが扱っている求人しか見ることができません。
しかし、複数の転職サイトに登録しておくと、A社にはない求人をB社が持っているといったことがあり、より多くの求人案件を見ることができます。
また、各転職サイトでは登録した人だけが見られる「非公開求人」を保有しています。非公開求人は好条件のものが多いのですが、こういった「お宝求人」をたくさん見るためにも複数の転職サイトに登録するのがおススメです。
転職サイトの比較ができる
転職サイトはそれぞれのサイトによってしくみや対応が異なります。
1社だけしか登録していないとその違いがわかりませんが、複数社に登録すると「親切なサイト」「使い勝手がいい」「欲しい情報が得られる」などの特徴があることがわかります。
転職サイトに登録したら、次の点を比較してみましょう。
- 自分の希望するエリア、条件での求人が多いかどうか
- 連絡は早いかどうか
- サイトの使い勝手がいいかどうか
- サイト上に転職に役立つ情報が掲載されているかどうか
- セミナーや面談会、相談会などがあるかどうか
- 適切なアドバイスがあるかどうか
例えばその転職サイト全体での取り扱い求人数が多くても、自分が希望するエリアや条件での求人が少ないと情報量としては不十分です。また、何か聞きたいことがあって連絡しても、反応に時間がかかると不安になってしまいます。
サイトの使い勝手やアドバイス、セミナーや面談・相談会などの取り組みなども、その転職サイトの姿勢がうかがえます。
こういった点が充実しているサイトは、看護師の立場に立って親身になってくれるところだと判断できます。それを知るためにも、複数のサイトに登録して実際に使ってみるといいでしょう。
自分と相性のいい担当者に出会う確率が高くなる
転職サイトによって特徴や違いがあるのと同じように、担当するアドバイザーにも個性があります。
それぞれの担当者は基本的には会社の方針に従ってアドバイスをしてくれるのですが、その人の考え方や性格によっても対応が異なります。
1社しか登録していないと、「転職サイトのアドバイザーってこんな感じなんだ」というだけで終わってしまうかも知れません。しかし、複数社に登録すると各担当者の違いがよくわかります。
ただし、これはアドバイザーの性格によるところが大きいので、どこの転職サイトがいいとか悪いということではありません。同じ担当者でも「自分には合わない」と感じる人がいるからです。
1社だけの登録では相性が悪い担当者がついた場合、思うように転職活動が進められない可能性があります。しかし、複数社を利用していれば、その中で自分と相性がいい担当者を見つけてその人に相談をしていけばいいので、転職活動がスムーズに進められます。
より多くのアドバイスが得られる
転職に関する知識やノウハウは基本的には同じで、どこに登録してもアドバイスの内容が大きく違うことはありません。例えば履歴書の書き方や面接のマナーなどは、どこに登録しても同じアドバイスになるでしょう。
しかし、複数の転職サイトに登録すると、次の面で多くのアドバイスが得られます。
- 医療機関の細かい内情がわかる
- 地域の求人状況がわかる
- 自分の適性などを客観的に見てもらえる
例えば〇〇病院が気になっている場合、A転職サイトでは「〇〇病院は長く勤めている看護師が多いので待遇がよく働きやすいと考えられる」という情報が得られる一方で、B転職サイトからは「〇〇病院は看護師長や主任が仕切っていて、若手は意見が出しにくい」といった情報が得られます。
また、「この地域は高齢者人口が増えていて、今後は介護分野で高待遇の看護師の求人が増えそうだ」といった情報を得られることがあります。
複数社に登録しておけば、このような断片的な情報を自分の中で整理して判断材料にできるのです。
さらに担当するアドバイザーからは「〇〇さんは急性期病棟よりも慢性期の方が向いているのでは?」といった適性に関するアドバイスももらえます。自分では気づいていない意見が多いのでとても参考になります。複数社に登録していれば、それだけ多くのアドバイザーの意見が聞けるのがメリットになります。
看護師転職サイトを複数登録するデメリット
一方で複数の転職サイトに登録することはデメリットもあります。
複数登録はわずらわしい面もある
デメリットとしては次のような点があります。
- 複数社の対応や情報の管理が面倒になる
- 複数のアドバイザーの意見が異なり、迷いやすくなる
- 個人情報が複数の転職サイトから病院に届いてしまう
- 転職が決まった後も転職サイトから連絡が来る
どれもなんだかやっかいな感じですね。では、詳しく見ていきましょう。
複数社の対応や情報の管理が面倒になる
転職サイトに登録すると、担当者から電話やメールがたびたび届きます。まだ在職中の場合は忙しいので、そのつど対応するのが難しくなるでしょう。
また、どの担当者にどこまで話を進めているのかを把握できなくなると、話が合わなくなってしまいます。特に3社以上の転職サイトに登録する場合は注意が必要です。
複数のアドバイザーの意見が異なり、迷いやすくなる
登録した転職サイトの数だけアドバイザーが担当としてついてくれます。それはとてもありがたいのですが、人によってアドバイスや意見が異なると迷ってしまうことがあります。
例えば「〇〇さんの経歴や性格なら総合病院よりも個人経営のクリニックの方がいいですよ」という意見もあれば、「大きな病院で△△の経験を積むのが将来的にもオススメですよ」という意見がある場合、「どうすればいいの?」と迷ってしまいます。
また、転職に際して何を優先させるのかという点でもアドバイスが異なります。
- 給与が高い求人を勧める
- 手取りは減るが夜勤や残業がない求人を勧める
- 託児所がある求人を勧める
- 託児所は数年のことなので、それよりも〇〇を優先して求人を探すべきだ
このようにアドバイザーによって意見が分かれることがあります。もちろんアドバイザーはあなたがどこの転職サイトに登録していて、他社からどんなアドバイスを受けているのかはわかりません。
本人の希望や条件をもとに最適と思えるアドバイスをしています。しかし、上記のように意見が分かれる場合は、自分が何のために転職するのかという目的をしっかり持って対応するようにしましょう。
また、意見が分かれている場合は「そういう選択肢もあるんだな」と参考程度に受け止めることが大切です。
個人情報が複数の転職サイトから病院に届いてしまう
転職サイトを利用する際には自分の個人情報を登録します。いくつかの求人を紹介されて、気になるところがあればアドバイザーにその旨を伝えて相談を進めていくのですが、まだ応募するかどうか迷っている段階で病院側に自分の個人情報が送られてしまうことがあります。
転職サイトは1件でも多く転職を成功させることで採用側(病院側)から謝礼が受け取れます。そのため、営業活動が進んでいることをアピールするために「今、こんな人が関心を持っています」という意味で情報を送ることがあるのです。
A病院に対して関心があることを複数の転職サイトの担当者に告げると、A病院に対してそれぞれの転職サイトから情報が送付される可能性があります。その結果、病院側が不信感を抱いてマイナスの結果を招くことがあるので注意しましょう。
転職が決まった後も転職サイトから連絡が来る
転職が決まったことを伝えても、登録しているサイトから求人の紹介などの連絡が来ることがあります。
また、なかなか退会できないという声も聞かれます。転職が決まったら、そのことを担当者にはっきりと伝えておきましょう。
看護師転職サイトに複数登録する際の注意点
ここまででご説明したように、複数の転職サイトに登録することはメリットもありますがデメリットもあります。
しかし、1社だけではなく複数社に登録することで得られるメリットの方が多いのは事実です。そこで、登録・利用する際に気をつけたい点をご紹介します。
複数の転職サイトを上手に活用すること
複数の転職サイトに登録するのは、決して悪いことではありません。むしろメリットが多いので、上手に活用したいものです。
利用に際しては、次の点に注意しましょう。
- 登録した各転職サイトとのやり取りを自分で把握すること
- 転職サイトに振り回されないこと
- 複数の転職サイトに登録していることをアドバイザーに伝えておく
- 面接が決まるまでは病院側に自分の情報を伝えないように頼んでおくこと
- 転職サイトの利用は3社程度にすること
これらのことを踏まえて上手に活用していきましょう。
まとめ
看護師が転職活動をする際には、転職サイトを利用するとスムーズに進めることができます。
その場合に1社だけの利用では求人の情報量が少ないので、3社程度をメドに複数登録するのがおススメです。ただし、各転職サイトとの連絡ややり取りを自分で管理して情報が混乱しないようにすることが大切です。
また、病院側に複数の転職サイトから自分の情報が伝わることのないようにアドバイザーに頼んでおきましょう。