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保健師とは?転職率は6%?仕事内容や1日の流れ、やりがいを解説!

保健師は地域で暮らす人々の体や心の健康を守り、サポートをしていく仕事です。

当記事ではそん保健師の仕事内容や1日の仕事の流れ、やりがいを紹介していきます。保健師に興味のある方は参考にして下さい。

保健師とは?

保健師とは、乳児から高齢者まで年齢や健康状態に関係なく、その体と心を守るために保健指導や健康管理を行う仕事です。

保健師は勤務する場所によって、「行政保健師」「産業保健師」「学校保健師」「病院保健師」の4つに分類されます。

行政保健師 保健センターや保健所など行政が運営する施設に勤務する保健師です。
地域住民の健康相談や医療相談の受付け、病気を持った方のサポートが主な仕事ですが、公務員への保健指導も行います。
産業保健師 一般企業の医務室に勤務する保健師で、従業員の健康管理を行います。
保健師を配置するのは多くが大企業なので給与水準が高く、一般の保健師よりも高待遇を受けられます。
学校保健師 私立の中学や高校、専門学校、大学など学校の保健室に勤務する保健師です。
生徒や教員の健康管理や健康相談、軽度の怪我の応急処置などを行います。
病院保健師 病院やクリニック、健診センターなど医療機関に勤務する保健師です。
医師や看護師が治療を行う前の基礎検診が業務の中心になります。
その他、患者や職員の健康管理や生活指導なども行います。

勤務場所によって保健師の呼び方は変わりますが、病気や怪我を予防する観点から健康指導や管理を行うという仕事はどの保健師にも共通しています。
そのため、これらの勤務先だけでなく、福祉施設や介護施設など保健師は幅広いフィールドで働くことができます。

保健師になるには?

3つの条件を満たす

保健師の資格を取得するためには、次の三つの条件をクリアしなければなりません。

  • 看護師資格を取得する
  • 保健師養成学校で一年以上学び、かつ、保健師国家試験の受験資格を手に入れる
  • 保健師国家試験に合格する

そのための具体的な方法には、次の二つがあります。

① 「保健師指定養成校」の認可を受けた看護大学で、卒業と同時に看護師と保健師の両方の国家試験を同じタイミングで受け、合格する

② 看護師として実務を積んだ後に、保健師学校(1年制の保健師養成学校、または、看護大学に編入)に入学して保健師国家試験に合格する

ちなみに、保健師国家試験に合格した人の93%は①の方法によるもので、②の方法で合格したのは7%にすぎません。つまり、保健師になる人の殆どは看護大学を卒業した新卒者であるという事がわかります。

若い内に動く

企業が人員を募集する際に年齢制限をつけることは禁じられていますが、一般的に卒業してから年数が余りたっていない若い人の方が有利という傾向はあります。特に保健師の仕事は、他の職業とは異なり「経験豊富な方が有利」というものではありません

そのため、保健師に転職する場合は、若くて新卒に近い人の方が圧倒的に有利なのです。

補足:試験に落ちた、就職先が見つけられなかったら?

保健師になるために看護大学に入学し保健師の国家試験を取得しようとしても、国家試験に落ちてしまうこともあるでしょう。また、試験に合格しても、就職先が見つからないこともありえます。そんな時はどうしたらよいのでしょうか?

よくあるケースが、看護師資格を取得できたのなら、看護師になるケースです。それ以外だと、非正規雇用の保健師になるという道もあります。

いずれにせよ、翌年の国家試験にチャレンジし、就職先を探すということになると思います。しかし、保健師になるならば若ければ若いほど就職しやすいですから、早めに活動を始めることをおすすめします。

保健師の就職率・転職率は6%って本当?

保健師の就職率と転職率について見てみましょう。

保健師の国家試験に合格した人は毎年15,000人ほどですが、そのうち保健師として就職した人は1,000人~2,000人と言われています。
つまり、保健師の就職率は、6%~12%という大変低い数字なのです。

これは、保健師の就職先が非常にマイナーであるためと考えられます。保健師の就職先は行政や学校、企業などですが、そのポストは非常に少なく保健師になるのはとても狭き門なのです。

一方、保健師の離職率は約15%と、看護師の離職率約40%と比べると大変低い数字になっています。

これは保健師として就職し職場になじむことができれば、長く安定して働くことができる仕事であるということが考えられます。

そのため、保健師の離職率は他の職業に比べて格段に低いです。

なお逆に保健師から転職したいと考える理由は以下の記事にまとめていますので、興味のある方はご覧ください。

職場別:保健師の仕事内容

保健師は年齢や性別、持病の有無や健康状況に関わらず、健康を保つための指導や相談、健康管理などを行うのが仕事です。

ただ、働く場所によって健康管理をする対象や仕事内容に大きな違いがあります。

そこで以下では職場別の保健師の仕事内容をご紹介します。基本的に保健師の資格を持っていれば出来る仕事ばかりですが、人によっては合う合わないもあるので、就職活動をするときの参考にしてみてください。

保健センター

保健センターは地域住民の健康作りを目的に設置されている施設で、保健師を中心に看護師や栄養士、助産師とチームを組んで健康の関する活動を行います。

具体的な仕事内容は妊婦や褥婦、乳幼児を抱える家庭への訪問指導、健康診断、電話相談、予防接種のサポート、保健指導、障害者や高齢者の生活支援、福祉施設や医療機関の紹介などになります。

保健所よりも担当範囲が狭いので、地域住民へのきめ細やかな健康サポートが可能です。

保健所

保健所は、政令指定都市や中核都市、都道府県など法的に定められた場所に設置出来る施設で、原則として所長は医師と義務づけられています。

保健所では所長を中心に保健師、獣医師、理学療法士、薬剤師など医療分野のさまざまな専門家がチームを組み、地域密着型のヘルスケア業務を行います。

保健所における保健師の仕事は障害者や感染病患者、難病患者への保健サービス、乳幼児や高齢者を訪問し健康指導や健康相談、感染症への危機管理の提示などがメインです。

地域住民一人ひとりの健康に関するサービスを提供する保健センターと似ていますが、保健所ではより地域全体が健康的な生活が送れるように統括的なサービスを行っています。

学校

学校の医務室に勤務する保健師は、生徒や職員の健康指導や健康相談、不登校や学級崩壊などメンタル的な問題の相談に携わるだけでなく、怪我や急病に対する応急処置も行います。

仕事自体は特に忙しくありませんが、学校という特殊な環境になるため、仕事内容はいじめ問題や不登校、ハラスメント行為へのケアなど心の健康に関する対応も軸となるのが特徴です。

事務作業としては保健だよりの作成や健康診断の結果のまとめ、持病を持っている生徒のカルテの管理などがあります。

学校の保健室で働くには養護教諭免許状が必要ですが、私立の小中学校や高等学校、大学や専門学校では教諭免許がなくても働けます。

経験が浅い保健師だと難しいと感じる業務も多いですが、学校は休みが多く残業もないので人気の高い職場です。

医療機関

総合病院や大学病院など、入院施設のある医療機関では保健師も働いています。

医療機関での保健師の仕事は健康診断や予防接種のサポート、メタボリックシンドロームなど生活習慣病の改善指導、持病を持つ患者の健康指導、病院スタッフの健康管理がメインとなります。

近年は病院でも予防医療を行っているところが増えているので、保健師の指導による第一次予防が必要とされていることから、求人数も増加傾向にあります。

病院での保健師の位置づけは看護師とまったく違い、業務内容も明確に分れているので、夜勤などはありません。

介護施設

サービス付き高齢者住宅や有料老人ホーム、訪問看護ステーションなどの介護施設では、利用者が要介護にならないよう、もしくは要介護度が上がらないように保健師が健康指導や健康管理を行います。

具体的には利用者の疾患や状態に合わせた介護予防プログラムの作成、生活活動における健康指導や健康管理が主な仕事です。

また、施設内の衛生管理にも保健師が関わります。

感染症予防のための衛生的な環境を整え、利用者はもちろん介護スタッフが安心して働ける職場作りをするのも保健師の仕事になります。

一般企業の医務室

普及率は低いものの、近年は自社の医務室や健康保険組合に保健師(産業保健師)を配置する一般企業も増えています。

保健師を配置するのは基本的に大企業なので非常勤などで医師がいる場合もあり、その場合は連携して健康診断のサポートや診断結果に基づく健康指導、従業員のヘルスケアなどを行います。

また、最近問題になっているパワハラやモラハラなどハラスメントにより、精神的ダメージを受けた社員のメンタルケアを行うのも保健師の仕事です。

大企業の雇用になるので給与水準が高く、休みも多いことから人気の職場ですが、それだけに求人案件自体が少なく、募集があってもすぐに締め切られてしまいます。

ただ50人以上の労働者がいる企業には医師と保健師と看護師によるストレスチェックが義務づけられているので、今後は保健師の需要が増えることが期待できます。

地域包括支援センター

地域包括支援センターは、高齢者が日常生活を快適かつ健やかに過ごせるようサポートする施設です。

業務の中心となるのは社会福祉士やケアマネージャーですが、保健師は介護予防や医療的観点から必要と思われる介護申請のアドバイスやサポートを行います。

地域包括支援センターでの保健師の業務はケアマネージャーとかぶる部分もあるので、お互いに協力し合いながら、高齢者が最後まで自分らしく生活するためのお手伝いを、臨機応変にこなしていくのがメインの仕事となります。

市町村役場の福祉部門

市町村役場の福祉部門で働く保健師は、保健センターに勤務する保健師の統括が主な仕事になります。

また、訪問指導や出張講座などを適切に行っているかスケジュール管理をしたり、必要があれば自分が出向いて相談や指導の保健業務をサポートしたりします。

その他、保健師の要望や提案などの受け皿になったり、目が行き届きづらい部分は調査をするなど、状況に合わせて臨機応変に動くのも福祉部門で働く保健師の仕事です。

基本的にはデスクワークが中心の仕事になりますが、あらゆるシチュエーションに対応しなくてはいけないので保健師としての経験やスキルが必要です。

保健師の仕事の主なタイムスケジュール

保健師の仕事のタイムスケジュールは、行政機関か医療機関か、それとも民間企業かによって大きく違います。

ただ保健師の職場には夜勤がありませんし、仕事内容は違っても勤務時間に大きな違いはありません。

そこで以下ではモデルケースの1つとして保健師の多くが勤務をする、保健所の行政保健師のタイムスケジュールをご紹介します。

8:00:出社

保健所が開庁するのは8時30分ですが、出社時刻は8時となっています。

8時15分ごろから1日の仕事内容の確認や連絡事項の伝達をする朝礼があるので、それまでに仕事の準備やメールチェックなどを行います。

8:30:開庁 データの分析や資料作り

保健所では開庁と同時に利用者が殺到することはないので、朝礼終わりの流れのまま健康診断のデータの分析や資料作りなどのデスクワークを行います。

訪問予定が入っている場合は、乳幼児訪問や高齢者訪問に必要な準備を進めます。

10:00:健康診断の結果の連絡をする

健康診断のデータの結果によって再検査が必要な人がいる場合は、電話で連絡をして再検査の段取りを組みます。

その間、電話での問い合わせ対応や来客対応なども行います。

健康相談の予約が入っている場合は、必要な準備をして対応をすることになります。

11:30:訪問先への外出

訪問予定がある日は、午後から訪問するのが一般的です。

そのため、昼食休憩後にすぐ移動できるようにお昼前に外出をします。

昼食休憩を終えたら、まず乳幼児訪問や自宅介護を行っている家庭を訪問します。

乳幼児訪問では乳幼児やお母さんの健康に問題がないかを確認し、健康や子育てに関する悩み相談やアドバイスを行います。

そして自宅介護訪問は、高齢者の健康状態をチェックしたり、介護者の相談に乗ることが多いです。

この際に必要な介護サービスなどがあれば、申請の手続きのアドバイスや介護支援の情報提供をして家族の負担を減らすためのサポートを行います。

15:00:健康診断の手伝い

保健所ではあらゆる年齢層の健康診断を行っているので、訪問後の帰庁時間によっては健康診断の手伝いをします。

医療業務は医師と看護師が行いますが、保健師も言葉や身体の状態に異常がないかチェックをし、疾病の疑いがある場合は速やかに医療機関と連携して、詳しい検査の段取りをします。

17:00:業務報告

保健師としての業務が終了したら、歯科医や小児科医、栄養士など他の医療従事者も交えて1日の業務報告を行います。

主に訪問先や検診の業務の中で起こったことの情報共有や連絡事項の伝達、他の部署からの連絡事項などを確認することが多いです。

業務報告が終わったら、日報をまとめて翌日の準備をします。

17:30:退社

すべての業務が終了したら退社となります。

一部の職場では残業をすることもありますが、施設や企業の就業時間に沿って勤務している保健師の場合は残業はあっても30分~1時間程度の場合が多いです。

保健師の仕事におけるやりがい

厚生労働省による保健師就業者総数の調査を見ると、2007年度は48,246人だったのに対し、2016年度は62,118人と保健師は1万人以上増えていることが分かります。

2017年に行った調査では保健師の求人倍率は0.76倍と非常に高く、保健師を目指す方は年々増え続けています。

これだけ人気があるのは保健師の収入が看護師と比べて高くなりやすく、職場が安定しているのに加えて多くのやりがいを感じられるからです。

※保健師は夜勤がないので月収は看護師より低くなりやすいが、基本給やそれに基づく賞与額、昇給額がかなり高いので看護師より年収では上回る(特に産業保健師)

そこで以下には保健師のやりがいを紹介していきます。

治療ではなく予防で健康に携わることができる

保健師の仕事は、病気の治療ではなく予防の啓蒙活動をすることです。

生きていくうえで病気を治すことは大事ですが、その前に健康な体を維持することが重要です。

しかし、現代人はストレスや外食、どんどん便利になる家電などによる血行不良や運動不足など病気になるリスクが高い環境の中で生きています。

そのため、若くても深刻な病気になりやすく、高齢者はより疾病リスクが高まりやすいので病気を発症して苦しむ人は少なくありません。

保健師の仕事はそんな病気のリスクが高い人達に対し、検診結果を元に健康指導を行いそのリスクを下げることです。

みんなが健康で当たり前の毎日を元気に過ごせることに役立つ仕事をしているというのは、保健師の多くがやりがいを感じます。

さまざまなフィールドで活躍できる

看護師であれば病院など医療機関で働くのが一般的ですが、保健師は行政の施設で公務員として働いたり、医療機関で医療チームと連携したり、学校や一般企業などさまざまなフィールドで活躍できます。

活躍できる場所がたくさんあるということは、それだけ多くの人から求められる仕事である証です。そして、多くの人は求められることに対しやりがいを感じます。

また、さまざまな職場で経験を積むことで保健師としてスキルアップもできるので、今後のキャリアにも繋がるのもメリットです。

仕事自体がキャリアアップに繋がる

一般事務の仕事は基本的に毎日同じ仕事を続けるだけなので、経験には繋がりますがキャリアアップはできません。

しかし、保健師の場合は日々の仕事の中で変化していく保健指導の知識やスキルを身につけられます。

積極的に知識やスキルを磨くことで、新たなサービスの起業や高待遇の職場への転職などキャリアアップができます。

自分がした仕事の結果が直接分かる

このやりがいは看護師にも通じるのですが、保健師は自分がした仕事の結果を直接知ることができます。

たとえば健康指導をした人が生活習慣を改善し健康診断の数値が良くなったり、根気よくメンタルケアを続けた従業員が職場で生き生きと働けるようになるなど、自分の仕事が病気の予防や体の改善に繋がったことを確認できるのは大きなやりがいとなるでしょう。

仕事を頑張ってもその結果が分からなければモチベーションは保てませんが、保健師は結果が数値で確認できるのでやりがいを感じやすい仕事です。

地域への社会貢献ができる

保健師の約70%は、保健センターや保健所などで行政保健師として働いています。

行政保健師は地域密着型の業務になるので、地域住民の健康相談や健康指導を行うことで社会貢献をすることが可能です。

健康を維持したいけど何をすれば良いのか分からない、健康に関する不安があるなどさまざまな悩みに対し、地域の公民館などで出張講座を開き、住民に寄り添った啓蒙活動をすると高齢者や小さい子供持つ母親に「ありがとう」「役に立ちます」と感謝をされます。

お金とは一切関係ありませんが、そういった場面に対しやりがいを感じる保健師も少なくありません。

保健師の仕事内容とやりがいまとめ

保健師の仕事内容はどのような職場であっても健康維持や健康促進、疾病予防など根本的な部分は変わらないので、一度資格を取得すればさまざまなところで働けます。

また保健師の知識や経験はヘルスケアを扱う企業にも活かせるので、一般企業への転職や会社を起業する開業保健師など、多様性のある働き方が選べます。

高齢化による医療費の負担増を防ぐため政府も予防医療に力を入れていることから、今後はさらに保健師の活躍の場が広がるのは明確です。

数ある医療系国家資格の中でも、保健師は将来性の高い仕事と言えるでしょう。

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