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看護師の給与は学歴で違いがある!?学歴をはねのけて給与UPする方法

看護師の給与は学歴で違いがある!?学歴をはねのけて給与UPする方法

看護師は一般の事務職などに比べると給与は高いと言われています。しかし、看護師の中でも大卒と専門学校卒では給与に差があるってご存知でしたか?

看護師の給与事情を詳しく調査しました。その上で学歴に関わらず給与UPする方法をご紹介します。

看護師の給与は学歴でどう違う?

日本は「学歴社会」と言われますが、看護師の分野でも学歴は給与に影響しているのでしょうか。

学歴別の給与比較

日本看護協会が実施した「病院看護実態調査」(2017年度版)によると、高卒から3年課程の学校を経て看護師になったケースと大卒看護師の初任給と勤続10年(31歳~32歳、非管理職)の給与の平均額は下記のようになっています。

学歴 基本給(※1) 税込給与総額(※2)
高卒+3年課程卒 200,114円 266,041円
大卒 207,013円 273,854円
勤続10年の看護師
(31歳~32歳、非管理職)
243,736円 320,457円

(※1:基本給とは通勤手当や残業手当などの各種手当を含まない給与のこと)
(※2:税込給与総額とは通勤手当や残業手当、夜勤手当などを含んだ給与のこと)

新人看護師の給与の学歴差は少ない!?

上の表で見ると、大卒の新人看護師と3年課程を卒業した新人看護師の基本給は大卒の方が6,899円、税込給与総額では7,831円高くなっています。

確かに大卒の方が高いですが、学歴の差はわずか7,000円程度だということがわかりますね。

勤務先の規模と学歴による看護師の給与の比較

上の表は病院勤務の給与を平均したものですが、勤務先の規模によっても給与にはやや差が出ます。

各項目の上段が基本給、下段( )内が税込給与総額です。

勤務先 高卒+3年課程卒 大卒
国(国立病院など) 197,939円
(261,953円) 
208,033円
(273,335円) 
公立(都道府県立、
市町村立の病院など)
203,488円
(264,383円)
211,859円
(273,750円)
公的医療機関
(日赤・済生会など)
204,999円
(261,570円)
212,196円
(269,976円)
社会保険関係団体
(健保組合など)
216,891円
(271,153円)
226,914円
(283,051円)
医療法人
個人のクリニックなど
197,988円
(266,010円)
204,162円
(273,160円)

これを見ると医療法人(民間の医療機関)や個人のクリニックの給与が低くなっていますが、あくまでも平均値なので実際は病院によって異なります。

入職後の努力で収入UPが可能

基本給は学歴によって少し差がありますが、仕事を続ける中で新たに資格を取得したり、職場内でリーダー的なポストに就いたりすることで昇給の可能性が出てきます。

また、夜勤が多い、日勤だけという勤務形態によっても給与に差が出るので、学歴だけを気にする必要はないと言えるでしょう。

看護師も学歴重視か?大学卒が増えている!

以前は看護師と言えば病院に併設された看護専門学校を出る人が多かったようですが、最近は大学の看護学部や医学部の看護科を卒業する人が増えています。

看護師国家試験の学歴別合格者数

2018年2月に実施された第107回看護師国家試験の結果を見ると、受験者と合格者の学歴別の人数は次のようになっています。
(新卒の受験者のみを表示しています。)

受験者数 合格者数 合格者数の割合
大卒 19,824人 19,475人 34.9%
短大3年課程 1,596人 1,498人 2.7%
養成所(※)3年課程 24,602人 23,923人 42.9%
養成所(※)2年課程 4,900人 4,725人 8.5%
通信制 2,626人 2,144人 3.8%
全体 57,929人 55,764人

(※:養成所とは専門学校などのことを指しています。)

全受験者の割合を見てみると養成所(専門学校)の3年課程が多いですが、その次に大卒の割合が占めています。

ちなみに2008年の看護師国家試験の大卒の合格者数は8,918人で全体に占める割合は19.2%でした。10年間で大卒の合格者が10,557人と約2倍近くに増えていることがわかります。また、全合格者の中で大卒が占める割合も大きく増加しています。

看護系大学の数が増加

このように大卒の看護師国家試験合格者が増えた背景には、看護系の大学の数が急速に増えたことがあります。

1991年の看護系大学の数はわずかに11校で入学定員も558人でした。ところが2003年には看護系大学の数が104校に増え、定員も9,000人前後に増加しています。さらに2012年には学校数が203校になり、2018年には263校、定員数は23,667人にまで増えています。

一方、看護系短期大学の入学定員数は1991年の5,090人が2018年には1,650人に減少しています。逆に5年一貫性の口頭学校と高校の専攻科は定員数は1,825人(1991年)から4,420人(2018年)に増えていますが、それでも大学の定員数には及びません。

これらのことから看護系大学の人気が高いことがうかがえます。

看護系大学の新設ラッシュ

ある大手教育関連出版社の調査では2014年は看護系大学の新設ラッシュで、この年には日本の全大学のうち3.3校に1校は看護系大学になったのだとか。既存の看護学部(学科)でも入学定員数を増やす動きが見られました。

これは大学側が「医療に貢献したい」という思いの他に少子化の中で生徒を集めやすい学部ということで看護科に着目したと考えられます。また、生徒の方も「手に職を」という思いがあり、どんな時代でも仕事探しに困らない看護師を希望する人が増えていると言っていいでしょう。

看護師の給与を左右するのは学歴だけじゃない!?

大卒の看護師が増えている昨今ですが、看護師の給与を左右するのは必ずしも学歴だけではありません。

地域差や働き方でも給与は違う

看護師の仕事はどこで働いても給与はそれほど変わらないと思っている人がいるかも知れませんが、現実にはそんなことはなく、さまざまな要素で左右されています。

看護師の給与の地域差

日本では地域ごとに「最低賃金」が定められています。最低賃金とは「最低賃金法」に基づいて定められているもので、「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」(特定地域内の特定産業について定められた最低賃金)があります。

地域別最低賃金を見ると、都道府県によって最低賃金が異なることがわかります。医療関係職種の最低賃金は下記のようになっています。

【上位ベスト3】

都道府県 最低賃金 日額
大阪府 5,598円
東京都 5,597円
神奈川県 5,596円

【下位ワースト3】

都道府県 最低賃金 日額
宮崎県 4,828円
岩手県
秋田県
沖縄県
4,829円
青森県
佐賀県
大分県
鹿児島県
4,830円

これは医療機関全体の地域別最低賃金なので看護師以外の職種の給与も含まれていますが、地方よりも都市部で働く方が最低賃金そのものが高いことがわかります。

夜勤が多いと給与は増える

看護師の給与は働き方でも大きく違ってきます。特に夜勤の回数が多いと、それだけ収入が増えます。

夜勤手当は次の計算式で出すことができます。

1時間当たりの給与{基本給+諸手当(住宅手当、家族手当、通勤手当を除く)÷所定労働時間 (160時間など)}×0.25×深夜勤務時間数

なお、深夜勤務時間とは22時から朝5時までを指します。上の計算式の{ }内の時給が2,000円だった場合、2000円×0.25=500円となり、22時から5時までは夜勤手当として1時間に500円が加算されることになります。22時から5時まで7間、夜勤で働くと1回の夜勤手当は500円×7時間=3,500円が夜勤手当となりますが、これはちょっと少ないと感じますよね。

ただし、これは最低の金額で実際はもっと多く支給されるところがほとんどです。

夜勤専従なら給与は増える

夜勤専従の募集では、夜勤1回の給与が35,000円も出るところがあります。(時間は16:30~翌9:30までなど)

1ヶ月に夜勤を9回~10回ほど入ると、月給は35万円前後になります。しかも、昼間の用事があっても支障がないので、うまくシフトを調整して働いている人が多くいます。

高学歴でなくても看護師の給与を上げる方法

もし看護系の大学を出ていないという人でも給与を上げる方法をご紹介します。

  • 少しでも基本給が高い求人を選ぶ
  • 夜勤を増やす
  • 短期間で辞めずに勤続年数を長く勤める
  • 看護師以外の資格を取得する
  • 職場では積極的に行動し、昇給・昇進に心がける

ボーナスや残業手当、夜勤手当などはすべて基本給を元に計算されます。そのため、スタート時は少しでも基本給が高い求人を選ぶことがポイントです。

また、勤続年数が長くなると毎年少しずつ昇給するので基本給が高くなります。

さらに夜勤の回数を増やすことも手取り額のUPにつながります。さまざまな事情で夜勤が難しい場合は、資格取得を目指しましょう。仕事にプラスになる資格は昇給や昇進につながるので給与UPが見込めます。

まとめ

看護師の給与は学歴によって多少は左右されますが、大卒とそれ以外の人の初任給での違いは7,000円ほどです。

また、最近は看護系大学を卒業して看護師を目指す人が増えているため、学歴が給与に影響するように見えるのかも知れません。

しかし、現実は学歴だけでなく、働く地域や職場の方針などでも給与に違いが出てきます。大卒ではないからとあきらめる必要はありません。入職後にさまざまな資格取得にチャレンジしたり、職場で率先して働いたりといった姿勢が昇給・昇進につながります。

前向きに頑張ってみましょう。

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