【実例つき】絶対受かる看護師の履歴書や送付状の書き方を徹底解説!
看護師が転職活動をする際、もっとも多くの方が悩むのが履歴書の書き方です。
履歴書は面接官や上司が最初にあなたのことを知るものなので、上手く書かなければ応募しても受かることはないでしょう。
そこで当記事では看護師が履歴書を書き方や注意点から、送付方法まで実例つきで詳しく解説いたします。
絶対受かる!看護師の履歴書の書き方【基本編】
履歴書用紙の基本
まず市販されている履歴書には「JIS規格」のものと「自由形式」のものがあります。
また、用紙のサイズもA4、B5があります。ここの選び方も重要です。
履歴書の規格とは?
「JIS」とは「Japanese Industrial Standards」の頭文字を取ったもので、「日本産業規格」という意味があります。(以前は日本工業規格と呼ばれていましたが、2019年7月から日本産業規格に変わりました。)
「JIS規格」は履歴書に限らず、全国的に統一されている基準や規格、方法などに対して設けられているものです。一方、自由形式の履歴書も記入できる内容に差はありませんが、志望動機や自己PRのスペースを大きく取るなどの工夫がされています。
そのため、履歴書の指定が特にない場合はJIS規格のものを選んでおけば無難ですが、最近は自由形式のものでも問題のない職場も増えています。
なお、公務員(公立病院)の場合は専用の履歴書を用いるように指定している場合があるので、必ず事前に確認しましょう。
看護師が使うべき履歴書のサイズ
履歴書のサイズは主に次の2つがあります。
- A4サイズ(広げるとA3サイズ)
- B5サイズ(広げるとB4サイズ)
特に指定がない場合はどちらでも構いませんが、大きい方(A4サイズ)が記入欄が広いので記入する項目(職歴や志望動機など)が多い人はA4サイズを選ぶといいでしょう。
履歴書の書き方の基本ルール
用紙が決まったら、次に書き方の基本的なルールを見ていきましょう。
- 年号は西暦、和暦のどちらでもいいが統一すること
- なるべく手書きが望ましい(ただ最近はワードやPDFでもいい病院が多い)
- 手書きの場合、書き間違えた場合は修正ペンや修正テープは使わず書き直す
- 消えるペンは使わない
履歴書は手書きかパソコン作成か
履歴書を書くときに悩むのが「手書きかパソコン作成か」という問題です。
従来は「手書きが主流」というより「手書きが常識」という風潮がありましたが、最近は病院でもパソコンで作成したものが多く使用されています。
これにはワードを使う方法や、ネットで履歴書をダウンロードして作成する方法があります。
ただ、新卒の場合は学校が「手書きで」と指導するケースが多いため、転職回数が少ない人は手書きの方がいいでしょう。
一方、転職回数が多い人や記入する項目が多い人は手書きだと書き間違いを招きやすくなるため、パソコンで作成したほうが無難です。
不安な場合は転職エージェントなどを通じて、その病院が履歴書が手書きじゃないとダメか確認した方が良いでしょう。
手書きの場合の注意点
手書きで履歴書を書いた場合、間違えると修正ペンや修正テープで消すのではなく最初から書き直すのが理想です。
そのため、落ち着いた環境でゆっくり考えながら書くようにしましょう。下書きを作っておき、それを見ながら書くとミスが防げます。
なお、書き直しがイヤだからといって消せるタイプのボールペンは使わないようにしてください。
履歴書が心配な人は転職サイトを活用
なお、看護師専門の転職サイトでは必要事項を入力するだけで簡単に履歴書が作成できるツールを準備していたり、エージェントに履歴書の作成や添削をお願いできるサイトも多いです。
このサービスを活用すれば履歴書を書くのが苦手な方でも手軽に応募できるので便利ですね。
看護師独自の履歴書のルール
さらに看護師の場合、次の点に気をつけましょう。
- 資格は正式名称(看護師免許、準看護師免許、保健師免許)を書く
- 看護や医療系の資格を取得していればそれも記入する
- 過去に勤務した病院は入社ではなく入職と書く
- 応募先の病院のことは「貴院」「貴社」「貴施設」と書く
これらについての詳しい書き方は、次にご紹介します。
【実例つき】看護師の履歴書の項目別の書き方
では、看護師が転職する際の履歴書の内容を項目ごとに実例画像も交えてご説明していきます。
個人情報の欄
①日付
日付欄は履歴書を提出する日(郵送の場合はポストに投函する日)、または面接日を記入します。
年号は西暦でも和暦でも構いませんが、必ずどちらかに統一しておきましょう。
②氏名
氏名は大きな文字でわかりやすく記入します。姓と名前の間は一文字分スペースを空けると読みやすくなります。
よく似た漢字やわかりにくい漢字は崩さず先方にわかるように正しく書きましょう。
<よく似た漢字の例>
- 山崎・山﨑・山埼・山嵜
- 斎藤・斉藤・齋藤
- 菊池・菊地
- 磯谷・礒谷
- 坂本・坂元・阪本・阪元
<わかりにくい漢字の例>
- 樺島
- 鷹谷
- 鷲尾
ふりがなは漢字の上にわかりやすく書きましょう。
③生年月日・性別
生年月日の年号は日付と合わせて西暦か和暦かを統一して記入します。年齢は記入した時点での満年齢を記入します。
④現住所・連絡先
現住所は都道府県から番地、マンション名まで正確に記入します。特に1丁目2番地を「1-2」などと略さないように気をつけましょう。
- 山田町1丁目2番地3号……〇
- 山田町1-2-3……×
ふりがなは番地(〇丁目)の前までで大丈夫です。
もしマンション名が難しい漢字や読みづらい場合はふりがなを振っておきましょう。
なお、現住所は住民票の住所を記載するのが基本ですが、引っ越したなどで住民票と異なる住所に住んでいる場合は実際に居住している住所を記載します。
これは応募先(入職先)の病院から書類が郵送されることがあるためです。少しでも早くに住民票の変更手続きをしておきましょう。
連絡先の電話番号は日中でも連絡が可能な携帯電話の番号を記入すればOKです。メールアドレスは携帯電話(スマホ)のメールアドレスではなくパソコンのメールアドレスを使うようにしましょう。
⑤証明写真
証明写真は3ヶ月~半年以内に撮影したものを使用します。証明写真を撮影するときは、次の点に注意してください。
- スナップ写真やスマホでの自撮り、プリクラなどはNG
- 写るのは上半身だけだが白いシャツ、黒または紺のジャケットを着用する
- 長い髪の毛はひとつに束ねる
- 撮影時は背筋を伸ばして姿勢よくする
- 自然な笑顔ができるとなお良い
- 大きなピアスやイヤリングは避ける
- ナチュラルメイクを意識する
- ヘアカラーは明る過ぎないように気をつける
セルフの証明写真撮影BOX(スピード写真)でもいいですし、フォトスタジオなどで撮ってもらうのもいい方法です。
⑥学歴・職歴の欄
学歴と職歴は人によって記入する分量が異なります。卒業した年や入職した年月などを事前に調べておきましょう。
また、年号は西暦、和暦どちらでもいいですが、履歴書内で統一します。
学歴
学歴には義務教育は記入しません。高校以降の入学から最終学歴の卒業までを記入します。
なお、学校名は略さずに「〇〇県立△△高等学校」と正式名称を記入しましょう。
- 神奈川県立〇〇高等学校……〇
- 〇〇高校……×
職歴
学歴の最後の行から1行開けて職歴を記入します。
こちらは新卒のころから現在に至るまでのすべてを記入します。看護師以外の職歴(事務職や販売など)でも記入してください。
なお、短期のアルバイトを何ヶ所かで繰り返した場合などは省略しても構いませんが、過去の勤務先で厚生年金に加入していた場合は加入歴がわかってしまいます。その結果、「転職が多い」「経歴を隠している」といったネガティブな印象を持たれる可能性があるので、なるべく正直に記入しましょう。
また、病院に勤務していた場合は「入社」ではなく「入職」「退職」と記入します。現在の勤務先の退職が決まっている場合は「〇〇年〇月〇日退職予定」と書いておきます。
最後に「以上」と記入します。
⑦資格・免許の欄
看護師として転職するのですから、看護師・准看護士、保健師、助産師の免許は必ず記入します。その際は正式名称で書くようにしましょう。
- 看護師免許取得……〇
- 看護師国家資格取得……×
看護師国家資格取得は×と言ってもそれで不採用になるわけではありませんが、「看護師免許資格」の方が正確です。
また、車の免許を持っている人は「〇年〇月 普通自動車運転免許取得」と正式名称で記入します。
医療系の資格はすべて書き出す
医療に関する資格を持っている場合は、資格名と取得年月をすべて書いておきましょう。
医療系資格の一例をご紹介します。
- 専門看護師(がん看護)
- 専門看護師(小児看護)
- 認定看護師(救急看護)
- 認定看護師(集中ケア)
- ケアマネジャー(介護専門支援員)
- 臨床心理士
- 回復リハビリテーション看護師
語学系の資格や検定
最近は海外からの観光客や外国人労働者などが病院を受診する機会が増えています。そこで、語学系の資格や検定を受けている場合は記入しておきましょう。
例えば英語に関する資格なら、英語検定の2級、TOEICの600点以上など一定レベル以上であれば記入しておきましょう。
ただし、英検4級など中学・高校レベルの場合は書くのは控えます。
履歴書に書かなくてもいい資格
漢字検定や世界遺産検定、アロマ検定といった趣味の資格や医療とは無関係の資格は記入しません。
⑧志望動機
志望動機は採用担当者が一番注目するところです。「なぜ、この病院を選んだのか」、また仕事に対する意気込みなどを簡潔に記入しましょう。
ただ、採用されたいからと言って本心ではないことを書くのは控えましょう。「救急医療の最前線で働きたい」と書いたのに入職後に「これはやりたくない仕事だった」ということになってしまいます。
志望動機は誰もが悩む部分です。書き方に関しては看護師転職サイトのキャリアコンサルタントやアドバイザーが相談に乗ってくれるので、一緒に考えながら書いていきましょう。
ブランクのある方は、以下の記事が参考になります。
病院の敬称はどうする?
一般企業を応募する場合は「貴社」と書きますが、病院の場合は「貴院」、介護施設の場合は「貴施設」と書きます。
ただし、運営母体が下記の場合は敬称が変わります。事前に確認しておきましょう。
運営母体 | 敬称 |
---|---|
医療法人・社会福祉法人 | 貴法人 |
企業 | 貴社 |
なお、これは書面に書く場合です。面接や電話など口頭で対応する場合は「貴社(きしゃ)」は「記者」「汽車」「帰社」などさまざまな意味に取れるので、「御社(おんしゃ)」「御院(おんいん)」「御法人(おんほうじん)」のように「御」を付けます。
⑨本人希望欄
最後に本人の希望欄があります。
「給料、職種、勤務時間、勤務地、その他希望があれば記入」となっていますが、自分で「給料は30万円以上を希望」や「残業はできません」などを書くのは控えましょう。
どうしても希望がある場合は、条件交渉も業務の一環として行っているので、病院側に上手く伝えてくれる転職サイトのエージェントを通すべきです。本人から伝えると反感を買う場合が多いです。
「外来希望」など「どうしても」という希望があれば記入しますが、一般的にここには「貴院の規定に従います」と書いておき、面接や採用後の面談の段階で伝えるようにします。
ただし、応募先で「外来看護師〇名」「病棟看護師〇名」など複数の部署で求人があるときは、「外来勤務希望」と書いても構いません。
最後に誤字脱字の確認を
最後に誤字や脱字、用紙の汚れがないか、よく確認しましょう。
もし間違いがあった場合は、手書きの場合は修正テープではなく最初から書き直します。パソコンで作成した場合は上書き保存を忘れないようにして印刷しましょう。
看護師が転職で使う履歴書の送付方法
履歴書が完成したら郵送しますが、履歴書だけを封筒に入れるのではなく必ず「送付状」を同封します。
送付状は「添え状」とも言います。
履歴書の送付状の書き方
履歴書に同封する送付状は次のような内容を記入します。
- 日付
基本的に郵送する日付を記入します。履歴書と合わせておくといいでしょう。 - 宛名
応募する病院の名称と「採用ご担当者様」、担当者の名前がわかっている場合は「採用ご担当 〇〇様」と書きます。 - 署名(自分の名前)
自分の住所、氏名、連絡先を記入し、各行を右揃えにします。 - 件名
メールの件名と同じイメージで、何を送付したのかがわかるようにします。ここでは「応募書類の送付について」と記入します。 - 本文
「拝啓」で始まり、簡単な挨拶文と貴院を応募したい旨を書き、最後に「敬具」で終わります。 - 同封書類
何を同封したのか内訳を記入します。職務経歴書も一緒に送付する場合は「履歴書 1部」「職務経歴書 2部」と記入します。
こういった書類は一定の形式があり、インターネット上でもテンプレートがたくさんあるので利用してみましょう。
準備ができたら、これらを「履歴書在中」と書かれた封筒に入れて郵送します。封筒は、応募書類をなるべく折らずに入れられる大きなサイズのものがおすすめです。
看護師の履歴書の書き方まとめ
看護師が転職する場合に気をつけるべきことは基本的に一般企業の転職と同じですが、職歴では「〇〇病院 入社」ではなく「〇〇病院 入職」、応募先の病院の敬称を「貴院」とすることなどに気をつけましょう。
また、看護師や保健師などの資格はもちろんですが、それ以外にも医療系の資格や語学系(一定レベル以上)の資格・検定があれば記入しましょう。
志望動機は一番悩むところですが、転職サイトのキャリアコンサルタントやアドバイザーは相談に乗ってくれたり、サポートもしてくれますので活用して転職に成功する履歴書を完成させましょう。