看護師さんの悩みで多い人間関係、解決するためにできるポイント5つ
看護師さんの悩みで一番多いのは、人間関係だと言われています。看護師の離職理由でも、妊娠や出産、他施設への興味に続き第4位が人間関係となっています。人の命を預かる重要な仕事である上に、重労働や不規則勤務などストレスが多い中、人間関係までうまくいかないと辛いものです。今回は、看護師さんに多い人間関係の悩みをできるだけ円滑にするためのポイントをお話ししたいと思います。
看護師の仕事の悩みランキングとその理由
看護師さんは日頃、どのような悩みを持っているのでしょうか。以下の表でランキングを見てみましょう。
1位 | 同僚や先輩看護師との人間関係 |
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2位 | 上司や経営者との人間関係 |
3位 | 給料に関すること |
4位 | 残業や夜勤の負担に関すること |
5位 | やりがいが持てない |
この表から見ると看護師さんの悩みのうち、1位と2位が人間関係に関することとなっています。いかに人間関係に悩む看護師さんが多いかということが分かりますね。では、人間関係の悩みの具体的な例やその理由についてはどのようなものがあるでしょうか。
看護観の違いから人間関係に影響することも
まず、同僚や先輩ナースとの人間関係については、どの職場にもよくあることですが看護師は特に命に関わる仕事であることや、看護観や価値観の違いでそれぞれの考えがぶつかりやすく人間関係に影響しやすいといえます。
そのため、新人ナースの場合だと先輩ナースが厳しく辛いといった悩みや、ある程度経験のあるナースでも同僚や先輩との看護観や仕事のやり方が合わないといった悩み、長年勤めているナースの価値観が全て正しいとされ意見が通らないといった悩みも多く見られます。
また、看護師は重労働や夜勤など不規則勤務があるため、ストレスから人間関係がぎくしゃくしやすいという特徴もあるでしょう。嫌な仕事は若手の看護師に任せて、先輩看護師は好きな仕事しかしないなどといった理不尽なケースもあるようです。
若手看護師の内は理由もなく理不尽な扱いを受けることも
一方、上司や経営者との人間関係については、さらに悩みの根が深いものが多いです。新人看護師や若手看護師に多いのは、理由も分からず看護師長に挨拶すらしてもらえない、同僚看護師と差をつけられ比較されるなどがあります。
ある程度経験のある看護師の場合だと、病院側や上司との看護観や看護のやり方が合わないなどの理由で強く注意されたり、嫌味を言われたりすることがあるようです。これらは、ストレスが多い看護師業務の中で、そのイライラをぶつける矛先が違う看護師に向かう「ストレスのはけ口」となっていることが大きな理由でしょう。
このように人間関係の悩みは、理不尽だと思われることも多くあり、たくさんの看護師を悩ませ離職の原因ともなっているのです。できるだけ人間関係に悩まないためには、どのような対策をすればよいのでしょうか。
看護師の人間関係の悩みを解決させるポイント5つ
1)何でも話せる同僚を1人作っておく
人間関係の悩みは理不尽なことも多く、なかなかすぐには解決しません。そのため、1人で悩みを抱え込んだり、我慢ばかりしたりしていると精神的にも身体的にも辛くなってしまいます。そこで一番手っ取り早い対策が、何でも話すことができる同僚を1人作っておき、悩みを聞いてもらうことです。
日頃の愚痴を聞いてもらったり、辛さを共感してもらったりするだけでもストレスは軽減するものです。自分が感じている悩みは同僚も感じていることが多いです。同じ悩みをお互い言い合って、適度にガス抜きをすることが大切です。
2)1人で悩まず、先輩に相談する
人間関係の悩みはよくあることだから…と全てを我慢する必要はありません。看護師を続けるためには、辛ければきちんと上司に相談をして悩みを解決する方法を探ることも必要なことです。このときのポイントは、先ほどお話しした同僚に愚痴を言うような伝え方は避けた方がよいです。
できるだけ客観的に事実を述べるとともに、自分の思いも冷静に伝えることが大切です。その上で、なるべくうまく解決をさせて看護師を続けたいということを伝えます。つまり、前向きに解決できる方法を探りたいというスタンスで相談することがポイントです。冷静にかつ前向きに上司に伝えることで、その真剣さが伝わりますし、前向きに頑張ろうとしている看護師を大切にしようとしてくれるはずだからです。
3)仕事以外の人間関係も大切にする
生活の全てを仕事でいっぱいにしてしまうと、職場での人間関係が悪いと全てが辛くなってしまいます。そのため、できるだけ職場とは関係のない友人や趣味など仕事以外のつながりを大切にすることも人間関係を解決させるポイントです。休みの日は仕事のことは考えず、自分がリラックスできることをしましょう。
看護師以外の友人や家族との食事、趣味など、できるだけ職場とは離れることで仕事のことは仕事のこととして一線を引くことができ冷静に対応できるようになります。
4)ある程度、妥協することも必要
理不尽だと思う人間関係に悩んだときは、全て自分が悪いんじゃないかとか、どうしたら気に入ってもらえるかなど人間関係を良くすることにこだわりすぎず、そんなものだと妥協することも大切です。
妥協するときのポイントは、自分が悪いと思い過ぎないことです。もちろん、自分のミスを認めたり、それぞれの看護観の違いを理解しあうことは大切ですが、あまりに人間関係を円滑にするために、自分が悪いと思いすぎると気持ちが疲れてしまします。お互いによい距離感を保ちつつ、妥協することも必要です。
5)何をされても自分から挨拶をする
とても難しく辛いことですが、人間関係の基本は挨拶からです。いくら無視をされても邪険にされてもこちらから挨拶をしていると徐々に人間関係がよくなることも多くあります。例え相手のストレスのはけ口になっていたとしても、こちらがそれに冷静に対応して巻き込まれないことが最も大切です。誰にでもきちんと笑顔で挨拶できる看護師は、患者さんからの信頼も得ることができるでしょう。
看護師の人間関係がどうしても辛いときは転職も考えよう
どうしても人間関係が解決せず辛いときや、明らかにいじめのような扱いを受けている場合は転職も考えましょう。辞めてはいけないと悩みすぎると視野が狭くなりますし、心身ともに疲れてしまいます。同僚や上司に相談をして色々な意見を聞きながらも、最終的に自分はどうしたいかを考えるようにします。
転職するときは、また人間関係が悪くなるんじゃないかと怖れがちですが、全ての病院で人間関係がぎくしゃくしている訳ではありません。1人で決めることが難しい場合は、看護師求人サービスなどを利用して、病院の内情をよく聞いてから転職すると上手に転職先を決めることができるでしょう。