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常勤と非常勤看護士の違いとは?それぞれのメリットや注意点を解説

看護師常勤非常勤違い_徹底比較

看護師の働き方にはフルタイムで働く「常勤」とパート・アルバイトのように働く時間が短い「非常勤」があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

そこで現役看護師に常勤看護師と非常勤看護師の違いやメリット・デメリットを聞いてみました。どちらが自分に合うのか悩んでいる看護師の方は必見です!

常勤と非常勤看護士の違いとは?

常勤と非常勤の違い、ご存知ですか?現役看護師の方にお聞きした所、実は何となくわかっているけど、正確にはわかっていないかも…という人が多いようです。

そこでまず常勤と非常勤の違いについて整理しておきましょう。

最大の違いは勤務時間

常勤看護師_非常勤看護師_勤務時間

雇用形態 勤務時間
常勤 最大で1週間で40時間
非常勤 1週間で40時間未満

常勤と非常勤の最大の違いは、ズバリ「勤務時間」の違いです。

常勤看護師は1週間で5日間働く「フルタイム」が基本で、逆に非常勤の看護師は週に3日であったり、1日4時間の労働であることが多いです。

そのため、パートやアルバイト、派遣の看護師の多くは「非常勤」とみなされ、基本的に勤務時間は常勤看護師よりも短くなります。

ただし、必ずしも「常勤=正社員」ではありません。

例えば派遣会社に所属している看護師は派遣先の病院で働き、正社員と同じ時間働きますが、雇用形態は正社員ではありません。

ただ正社員と違い、派遣の看護師は雇用元が病院でなく派遣会社なので、勤務時間を超過した残業がほとんど発生しません。

雇用期間の定め

常勤と非常勤のもうひとつの違いは「いつまで雇ってもらえるのか」という点にあります。

常勤の場合は定年退職まで雇用される(=働ける)「無期雇用」ですが、非常勤(パート・アルバイト・派遣)は雇用の定めがある「有期雇用」です。

非常勤の場合、3ヶ月毎の契約更新時や、病院の業績が悪化した場合、真っ先に雇用を打ち切られてしまうでしょう。

そのため、常勤(正社員)看護師の方が安定して収入を得られるだけでなく、将来の安定性においても優れています。

給与体系も大きく違う

常勤と非常勤では給与体系も大きく異なります。

比較項目 常勤 非常勤
給与 月給制 時給または日給制
ボーナス 給与の3ヶ月分など ほとんどない
(ある場合でも寸志として5000円ほど)
昇給 年に数千円 ほとんどない
(ある場合でも時給が10円UPなど)
各種手当 残業手当・資格手当・職能手当など ほとんどない
退職金 勤続3年以上で支給
(支給条件は勤務先によって異なるが出るところが多い)
ほとんど出ない

非常勤の給与は時給または日給制で、働いた時間数や日数に応じて支給されます。

そのため、連休や子どもの病気などで休んだ日が多い月は支給額が少なくなります。

一方で常勤看護師は基本給があるので休日が多くても給与は変わらず、ボーナスや残業手当、昇給といったものが受け取れます。

給与の面においても、常勤看護師の方が非常勤看護師より優れていると言えるでしょう。

各種保険や福利厚生の充実さ

また、常勤看護師と非常勤の看護師では、利用できる福利厚生や保険の面においても差が出ることがあります。

社会保険 常勤 非常勤
健康保険 全員が加入 1週間の労働時間と1ヶ月の労働日数が常勤の4分の3以上あること(※)
雇用保険 全員が加入 雇用期間が31日以上あること
1週間の労働時間が20時間以上あること
厚生年金保険 全員が加入 1週間の労働時間と1ヶ月の労働日数が常勤の4分の3以上あること(※)
労災保険 全員が加入 全員が加入

基本的に常勤であればおおよその保険には自動で加入となりますが、非常勤看護師だと加入に条件があることが多いです。

(※)健康保険と厚生年金保険は、労働日数と労働時間が4分の3未満でも加入するには1週間の労働時間が20時間以上、1ヶ月の給与が88,000円以上、勤続1年以上など多くの条件をクリアする必要があります。

常勤の方が法定外福利厚生も充実している傾向

福利厚生にはどの企業でも導入しなければいけない「法定福利厚生」の他、企業独自で実施する「法定外福利厚生」があります。

大手企業が導入している住宅手当や保養施設などが代表例です。

法定福利厚生 法定外福利厚生
健康保険・介護保険
雇用保険
厚生年金保険
労災保険
住宅手当
家族手当
交通費
保養施設
社宅や寮の提供
など

法定外福利厚生は企業(経営側)によって異なるため説明は省きますが、多くの法定外福利厚生は常勤看護師でなければ利用できないケースが多いです。

そのため、福利厚生が手厚い環境で働きたい場合も常勤看護師の方が優れているでしょう。

育児休暇・介護休暇の取りやすさ

育児休暇については、常勤でも非常勤でも同じ勤務先で1年以上働いていて、子どもが産まれたなど特定の条件を満たしていれば取得できます。

また、介護休暇も常勤・非常勤ともに同じ勤務先で1年以上働いていて、介護休暇開始予定日から93日を経過する日以降も引き続き働いていることなどの条件を満たせば取得できます。

ただ、育児休暇や介護休暇中に受け取る給付金は給与を元に計算されます。

そのため、月給制で給与が多い常勤は育児・介護休暇中の給付金は多く受け取れますが、非常勤の場合は給付金の額が常勤よりも少なくなります。

転職時の有利不利の影響

常勤看護師の方が、非常勤看護師よりも転職では有利であることが多いです。

また、転職する場合は前職の給与や勤続年数を考慮されることが多いため、常勤の方が転職で給与が大幅に下がるという心配は少ないです。

現場での経験や研修受講実績、役職なども転職時にはプラスになります。

一方、非常勤の場合は研修を受講したり、スキルアップする機会が少ない上に役職に就いていることもほとんどないため、転職時には常勤よりも不利だと言えます。

転職後の給与に関しても、勤続年数をあまり考慮されず、病院が定めている時給で雇用されるケースもあります。

ただ非常勤看護師であっても常勤にキャリアアップをすることで、収入UPを狙うことが可能です。

常勤・非常勤看護師のメリットとデメリットを徹底比較

常勤看護師_非常勤看護師_メリットデメリット

では続いて現役看護師に聞いた、常勤看護師と非常勤看護師が持つ、それぞれのメリットとデメリットを比較して紹介していきます。

非常勤看護師のメリット

次に非常勤看護師のメリットを見てみましょう。非常勤看護師には次のようなメリットがあります。

  • 勤務時間が短いので、子育てや家庭と仕事を両立できる
  • 日勤が多く、夜勤や交代勤務が少ないので身体が楽
  • 責任あるポストに就くことが少ないので精神的な負担が少ない
  • 残業や過酷な労働が少ない

勤務時間が短いので、子育てや家庭と仕事を両立できる

非常勤看護師は常勤と比べて勤務時間が短く、日数も少ないことが多いため、仕事と子育てや家庭といったプライベートの両立がしやすいのがメリットです。

常勤看護師だと夜勤があったり、残業も多いので家庭のことはどうしても後回しになりがちです。

しかし非常勤看護師であれば子育てや介護をしつつも、無理なく働きやすいと言えるでしょう。

日勤が多く、夜勤や交代勤務が少ないので身体が楽

非常勤の看護師は夜勤が少ない上に、残業も少ない傾向にあります。

まれに残業をすることもありますが、常勤看護師と比べればほとんどありません。

生活リズムが安定するので肉体への負担もかなり少ないでしょう。

責任あるポストに就くことが少ないので精神的な負担が少ない

常勤看護師と違い、非常勤看護師は責任のあるポストに就くことはほとんどないので、精神的に楽に働くことが可能です。

また、日々の仕事でも責任のある仕事を任されるケースが比較的少ないです。

人間関係のトラブルに巻き込まれにくい

看護師の退職理由にも多いのが人間関係の悩みですが、非常勤看護師は部外者とまでは言いませんが、常勤看護師からは一線を引いて接されやすいです。

そのため、常勤看護師同士が主に起こす人間関係のトラブルに巻き込まれにくく、働きやすいのもメリットでしょう。

非常勤看護師のデメリット

一方、次のようなデメリットがあります。

  • 給料は時給で計算されるので、休みが多い月は収入が減る
  • 勤務時間などの条件によっては社会保険(厚生年金など)に加入できない
  • 昇進や昇給がない
  • 看護師としてのスキルアップが図れない
  • 育児・介護休暇の給付金が少ない

給料は時給で計算されるので、休みが多い月は収入が減る

非常勤看護師の最大のデメリットが、休みや勤務時間に応じて収入が減ってしまう点でしょう。

非常勤の看護師はほぼほぼ時給で働くことになるので、年末年始や家庭の事情で休みが多いと、給与が大幅に下がります。

もちろんボーナスや退職金もないので、常勤看護師と比較して収入は大幅に下がってしまうでしょう。

勤務時間によっては社会保険(厚生年金など)に加入できない

前述した通り、各種福利厚生や保険には一定の勤務条件が設定されているため、短時間勤務の非常勤看護師では加入できないのもデメリットです。

例えば職場の社会保険に加入できない場合、自分で割高な国民健康保険を支払ったり、国民年金に加入する必要があるでしょう。

昇進や昇給がない

また、常勤看護師と違い、勤続年数に応じた昇進や昇給がないのもデメリットでしょう。

昇給は稀にある職場も存在しますが、額は年に数十円など微々たるものです。

そのため、同じ職場に10年務めた場合、昇給のない非常勤と毎年しっかり昇給される常勤では給与に大きな差が出てしまうでしょう。

看護師としてのスキルアップが図れない

非常勤看護師はメリットで挙げた通り責任の重い仕事は任されないので、看護師としてのスキルアップは望めません。

スキルアップをしてゆくゆくは看護師長になりたい、クリニックへ転職したいという場合、非常勤の看護師ではかなり難しいでしょう。

常勤看護師のメリット

一方で常勤看護師には次のようなメリットがあります。

  • 給料が月給制なので休みが多い月でも収入が減らない
  • ボーナスや退職金が支給される
  • 無期雇用なので定年まで長く働ける
  • 厚生年金など福利厚生が充実している
  • 昇進・昇格が可能で、やりがいのあるポストに就ける
  • 基本給が高い上に資格手当や役職手当などが付き、同年代の人よりも年収が高い
  • 育児休暇中も給付金が多く支給されるため、結婚・出産をしても継続して働きやすい

常勤看護師のデメリット

このように多くのメリットがある反面、次のようなデメリットもあります。

  • 研修や会議など看護師本来の業務以外の用事が多い
  • 交代勤務に就くことが多い
  • 非常勤と比較すると責任が重い

転職・就職をするなら常勤と非常勤看護師のどちらがいい?

結論から言うと、転職するなら総合的には常勤看護師がおすすめです。

福利厚生や給与、雇用の安定性といった様々な面で常勤看護師の方がメリットが豊富にあるからです。

ただ家庭の環境や様々な事情で非常勤看護師の方が働きやすい方もいます。

そのため、最終的には自身の事情にあった働き方を選択すると良いでしょう。

また、下記に実際に常勤・非常勤看護師として働いている方からのアドバイスを掲載しておりますので、参考にして下さい。

常勤看護師からのアドバイス

看護師の約80%は常勤として働いています。私の周囲の現役常勤看護師の意見として、よく次のような声が上がっています。
  1. 常勤看護師は責任が重くて大変さもあるけれど、研修や経験を積むことでキャリアアップできるので長い目で見るとプラスになると思います。
  2. 常勤なら育休がしっかり取れて、その間も一定額の収入があるので安心です。非常勤なら収入が大幅に減る可能性がありますが、それがないのが常勤の良さだと思います。
  3. 看護師の仕事に慣れない時は劣等感を感じたこともありますが、長く勤めることで役職にも就けるようになりました。年収が増えたので子どもの教育費や老後資金を貯めることができるので常勤でよかったと思います。常勤ならボーナスや退職金が出るのも大きな魅力です。

このように大変さはあるものの、常勤看護師ならではの安定や収入といった、プラス面を大きい感じている人は多いようです。

非常勤看護師からのアドバイス

常勤看護師から非常勤看護師に転職して5年になります。常勤とは違った魅力がありますよ。非常勤をやっている人からは以下のような声が多いです。
  1. 子どもが小学校低学年で下校後は家にいてあげたいので近くのクリニックでパートで働いています。常勤看護師と違って残業がなく、夕方は子どもと過ごせるのでありがたいです。
  2. 常勤だと夜勤や早出・遅出など交代勤務が入るので、私のように親の介護をしていると継続するのが難しくなります。デイサービスに預けられない日は自宅で介護しなきゃいけないので、非常勤看護師ならではの週3勤務が助かっています。
  3. 1日7時間のパートで週35時間働いています。時給なのでGWや年末年始など休みの多い月は収入が減ってしまうのがつらいですね。もう少し収入を増やしたいけれど、そうなると常勤の方がいいのかな~と悩んでいます。

どうやら現役非常勤看護師の方は、残業の少なさや自分の生活にゆとりが持てる点をメリットに感じている方が多いようです。

ただ上記の口コミにもある通り、常勤と比べて収入が少ないという点はデメリットですね。

常勤と非常勤はどちらの働き方が自分に合っているか考えるのが大事

常勤看護師と非常勤看護師にはそれぞれ異なるメリットやデメリットがあるので、一概にどちらがおすすめとは言えません。

安定や収入が欲しい方は常勤看護師に、子育てや家庭を優先したり、自分の時間が欲しい方は非常勤看護師に転職した方が良いでしょう。

上記に加えて、自分が看護師としてどんな仕事をしたいのか、「収入」「家族との時間」「看護師としてのキャリアアップ」など、何を優先にすべきなのかも考えてみましょう。

転職を考えている方は以下の看護師転職サイトや記事を参考にしてみるといいかもしれません。

補足:夜勤専従看護師は常勤?非常勤?

最近増えている「夜勤専従看護師」は常勤でしょうか?非常勤でしょうか?結論から言うとどちらもあります。

夜勤専従看護師の最大の特徴は、常勤でも非常勤でも勤務日数が少ないのに高収入という点です。

たとえば常勤なら月に9回出勤するだけで40万前後もの給料を得られるケースがほとんどです。非常勤の場合も1勤務で3万~4万ほどの給料をもらえます。

普通の常勤看護師なら月に22回出勤しなくてはいけない事や、非常勤でも月5回働くだけで20万前後の給料を稼げると考えれば、最近は夜勤専従看護師の人気が出てきているのも納得できます。

もちろん夜勤ならではの大変さはありますが、夜に起きているのが苦痛じゃない方は半分以下の出勤で高額の給与を得ることができる夜勤専従看護師を目指してみるのも良いでしょう。

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常勤と非常勤看護士の違いやメリットを比較まとめ

今回は常勤看護師と非常勤看護師の違いや、それぞれが持つメリットやデメリットについて比較しました。

常勤と非常勤の違いは労働時間の長さによって分けられ、1週間の労働時間が40時間を超える場合は「常勤」になり、それ未満の場合は「非常勤」になります。

常勤にも非常勤にもそれぞれのメリット・デメリットがありますが、長い目で見ると常勤の方が収入が高く、福利厚生も充実していますし定年まで働けるといったプラス面が多くあります。

ただ非常勤の方が重い責任や残業などがないので働きやすいです。この辺りは自分との相性もあるので、「自分の状況では非常勤でしか働けない」と決めつけずに一度転職サイトのアドバイザーに相談してみましょう。

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