日勤のみ看護師の平均年収(給与)は?働き方やメリット、きつさも解説
日勤のみ看護師は給料(年収)が落ちやすいものの、生活リズムが整いますし家庭がある場合は家事や育児と仕事を両立できるメリットがあります。
当記事ではそんな日勤のみ看護師の給料(年収)の平均を紹介しつつ、おすすめの転職先や求人を探す時のポイントなどを紹介しています。
日勤のみ看護師の平均年収(給与)は?
日勤のみ看護師の平均年収はどれぐらい?
日勤のみ看護師の平均年収は約400万円となっていますが、地域によって年収に30万円から40万円の違いがあります。
たとえば東京や神奈川など関東圏は約440万円と高めですが、北海道は約405万円、沖縄は約430万円、大阪府は約400万円となっています。
どの地域でも夜勤を含む看護師の平均年収である480万円よりは低いです。
ちなみに日勤のみの職場は病院だけではないので、働く場所によっては夜勤あり看護師と同等もしくはそれ以上の給料や年収を得ることも可能です。
日勤のみ看護師の給与の平均
日勤のみの看護師の給料(給与)は病院勤務の基本給(税抜)の例でみると、新卒看護師では約20万円、勤続10年の正看護師で約24万円となっています。(※1)
(※1 参照元:日本看護協会 https://www.nurse.or.jp/up_pdf/20200330151534_f.pdf)
そのため、病院の規模によっては日勤のみの給料は手取りで20万円を切ることもあるようです。
日勤のみでは高額な夜勤手当がなくなるので、基本給ベースの給料になってしまうのが原因です。
看護師の給与における夜勤手当の平均
ご存知の通り、看護師が高収入なのは夜勤手当があるからです。
まずは、夜勤一回につき支給される夜勤手当の平均額を日本看護協会「病院看護実態調査」のデータで見てみましょう。
三交代制 | 準夜勤 | 4,141円 |
---|---|---|
三交代制 | 深夜勤 | 5,033円 |
二交代制 | 夜勤 | 11,026円 |
(※1 参照元URL https://www.nurse.or.jp/up_pdf/20200330151534_f.pdf)
1ヵ月の夜勤手当の額は回数で変わってきますが、二交代制で月4回の夜勤をこなしていた看護師が日勤のみになると、給料は約44,000円減る計算になります。
夜勤手当は看護師の給料に付与される手当の中でも一番大きなウエイトを占めるので、それが無くなると日勤のみの給与は少なく感じるでしょう。
日勤のみの看護師はきついって本当?
結論から言うと、日勤のみの看護師はきつい一面もありますが、総合的に見れば夜勤ありの看護師より楽です。
ただ、日勤のみの看護師は以下のような理由できついと感じることが多いようです。
- 常に同じメンバーと働くので人間関係で悩む
- 夜勤より収入が少なくて生活がきつい
- 忙しい医療機関だと残業が多くてきつい
- 連休が取れなくてきつい
- 朝早く起きるのがきつい
上記の中でも給与の低さ、残業の多さは日勤のみの看護師だと中々避けられない問題です。
夜勤手当がない以上、日勤のみ看護師の給与が下がってしまうのはどうしようもないです。
そのため、給与が高い方が良いという方は我慢して夜勤ありの職場を選ぶか、クリニックのような高給与で夜勤がない職場に転職すると良いでしょう。
日勤のみの看護師の働き方とは?
では、実際に日勤のみの看護師がどのように働いているのか紹介します。
以下は当サイトを利用している現役看護師3名に聞いた、1日のスケジュールの一例です。
- 6:30 起床、身支度
- 7:30 家を出発
- 8:30 出勤、外来など準備
- 9:00 午前診療
- 13:00 昼休憩
- 14:00 午後診療
- 17:00 片付けや日報の記載
- 17:30 業務終了、
- 18:30 帰宅、夕食の準備
- 19:30 家事や自由時間
- 23:00 就寝
職場や子供の有無で多少の条件は変わると思いますが、基本的にはこのような働き方になると思ってよいでしょう。
夜勤有りの看護師と比べてプライベートな時間が作りやすく、また規則正しい生活を送りやすいことが分かります。
看護師が日勤のみで働くメリット
子育てと両立できる
日勤のみの看護師が挙げるメリットとして、やはり子育てとの両立がしやすいというものがあります。
夜勤ありだと出社や帰宅の時間が不規則になるので、子供の生活リズムと全く噛み合いません。
子どもが小さい頃は苦労するのはもちろん、小学校になっても子どもが起きている間はずっと仕事で、子どもが寝たり学校にいる時に帰宅。
そして夜勤で体は疲れ切っているので、子どもに一切構うこともできず、苦労をする看護師は少なくありません。
一方で日勤のみの看護師であれば、子どもの生活リズムや帰宅と勤務時間が比較的近いので、かなり子育てがしやすいです。
体への負担が小さい
夜勤は生活リズムが不規則になり労働時間も8時間以上であることが多いため、肉体や精神への負荷が小さくありません。
特に二交代制の夜勤だと、休憩があるとはいえ勤務時間が16時間になるケースもあり、勤務日数が少ないことを差し引いてもきつく、体調を崩す人が跡を絶ちません。
一方で日勤であれば残業がほぼなく、毎日同じ時間に帰宅できるので体の負担が少なく、安定して看護師を続けることができます。
プライベートの予定を立てやすい
前述した通り日勤のみだと18時~19時頃には退社できるので、退勤後に友達と飲みに行くなどプライベートの予定が非常に立てやすいです。
また、夜勤と違い、退社後は体力を使い切っており帰宅後は毎回即半日眠る…ということもありません。
次の日が休みであれば友達と朝から遊んだり、どこかに出かけることもできるでしょう。
看護師が日勤のみで働ける職場10選
日勤のみ看護師になると給料(給与)は下がるものの、夜勤による体調不良の改善や家庭と仕事の両立、自分の時間を大事にしたいという方にとって、日勤のみで働くことはお金以上のメリットがあるでしょう。
また、日勤のみだからといって、どこの職場でも給与が低いというわけではありません。
そこで日勤のみで働ける職場と給与の平均をご紹介しますので、自分の求める働き方ができる職場を見つけてください。
訪問看護ステーション
介護事業の拡大によって、近年需要が増えているのが訪問看護師です。
訪問看護師は自宅で療養している患者や高齢者を訪問し、バイタルチェックや血糖値の測定、インシュリン注射、カテーテルの交換など主治医の指示書に基づいた医療処置を行います。
また、患者の状態によっては食事や排泄の世話、衛生管理などのサポートも行うため、それなりに体力と看護知識が必要です。
患者の自宅で一人で医療業務を行うため、最低でも3年以上の臨床経験が必要です。
しかし他の職場と比べると給与相場は25万から29万円と高めなので、日勤のみである程度の給料が欲しいという方には向いている職場です。
訪問看護ステーションで働く3つのメリット
- 訪問件数が決まっているので残業がない
- 一人で訪問するので面倒な人間関係がない
- 他の日勤の職場より給与水準が高い
クリニック
求人数が多く、様々なエリアにあることから自転車通勤も可能で、子供がまだ小さいママさん看護師に人気なのがクリニックでのお仕事です。
クリニックは平日1日と日曜日・祝日が休みというところが多いので、プライベートな時間を確保しやすく、夜には閉まっているので日勤しかありません。
個人経営の一般的なクリニックの基本給は20万円から25万円ほどと高収入が期待できませんが、インセンティブ制度が実装されているところが多いのでトークスキルなどがあれば月収40万を超えることも可能です。
また、仕事量が少なく高度な看護技術も不要なので働きやすい職場と言えるでしょう。
クリニックで働く3つのメリット
- 夏期休暇や年末年始休暇など長期休暇がある
- 救急医療がないので精神的に楽
- 少人数なのでシフト調整がしやすい
- 能力次第で高給も可能
健診センター
健診センターは、病気の治療ではなく健康診断などの検査を行う医療機関です。
健診センターの看護師は、検査をスムーズに終えられるようにサポートするのが主な仕事です。
具体的には体重や身長測定、採血、視力や聴力の検査などの実施、問診、診察介助などの業務を行います。
また、検査予約の受付けや検査結果のデータまとめなどのデスクワークもあります。
健診センターの業務は多くはデスクワークが中心なので、給与相場も20万円から23万円ほどとやや低いです。
しかし給与は低くても心身への負担は病院勤務より大幅に軽減できるので、看護業務がつらいという方には適した職場と言えます。
健診センターで働く3つのメリット
- 看護をしないので肉体的に楽
- サラリーマンと同じく定時出社・退社ができる
- 治療を行わないのでメンタル的な負担がない
企業の医務室(産業看護師)
産業看護師は、一般企業の医務室で働く看護師です。
主な業務は社員の健康維持と健康管理で、健康診断の手配や診断結果のまとめ、データの管理、健康指導なども行います。
近年はメンタルケアも重要な仕事になっているので、心理カウンセラーの資格を取得しておくと優遇されます。
医務室を設置する企業はほとんどが大手の企業なので、日勤のみでも給与相場は25万円から28万円と高水準なところが多いです。
ただ好条件なだけに競争率が高く、ハローワーク一般の求人媒体では募集をしていないので、産業看護師を目指す場合は看護師専門転職サイトで探さなくてはいけません。
産業看護師として働く4つのメリット
- 一般企業で働くので給与水準が高い
- 大手企業が多く福利厚生が充実している
- 残業がなくプライベート時間を確保できる
- カレンダー通りに休める
介護施設
介護施設には老人ホームや特別養護老人ホームなどいろいろな種類がありますが、どの職場であっても仕事内容は入居者の健康管理になります。
介護は介護福祉士が担当し、リハビリは理学療法士が担当するというように仕事が振り分けられているので、病棟勤務のような肉体労働はないのがメリットです。
平均給与は施設により異なりますが、23万円から25万円ほどとなっているので正社員で働けば年収450万円ぐらいは見込めます。
ただ施設によってはオンコールや夜勤があるので、高待遇の介護施設求人は事前に業務内容をしっかりチェックしましょう。
介護施設で働く3つのメリット
- 業務では体力をあまり使わない
- 介護業界で役立つ資格の受験資格条件をクリアできる
- 重篤患者への対応がないので気分が楽
医療機器メーカー(フィールドナース)
医療危機メーカーで働く看護師をフィールドナースといいます。
フィールドナースは医療危機メーカーの営業マンとともに病院や医療施設に出向き、医療機器のデモンストレーションや操作説明、販売、アフターサポートなどを行うのが仕事です。
フィールドナースの求人募集は都心部が多く、募集があってもすぐに締め切られるぐらい人気があります。その理由は給与が約30万円、年収も500万円以上という破格の企業が多いからです。
かなり狭き門ですが、日勤のみの職場ではトップレベルの高収入が得られるので、夜勤はやりたくないけど収入を落としたくない方にはおすすめです。
フィールドナースとして働く3つのメリット
- 間接的でも医療機器を通じて看護のサポートができる
- 医療機器の専門知識が身につくので現場復帰しやすい
- 医療機器メーカーで働くため給与が高い
治験コーディネーター
治験コーディネーターは、病院や治験コーディネーターの派遣会社に所属して、治験に参加する被験者への説明や治験中のサポート、医師のサポート、製薬会社との事務的なやり取りが主な業務になります。
看護師の仕事とはまったく違いますが、新薬の開発に携われるのでやりがいのある仕事です。
治験コーディネーターの給与相場は20万円から30万円と幅が広く、職場によってかなり違いがあります。
ただ経験年数によって昇給がありますし、外勤手当や資格手当などもあるので、看護師と同等もしくはそれ以上の年収が期待できます。
治験コーディネーターとして働く3つのメリット
- 治験は規模の大きい病院で行うので福利厚生が整っている
- 命に関わる仕事ではないのでプレッシャーがない
- デスクワーク中心なので肉体的な疲労度が低い
保育園
保育園での看護師の仕事は園児や保育士の健康管理、施設内の衛生管理、怪我や急病への対応がメインになります。
ただ保育士が不足している場合は園児と遊んだり食事や着替えの補助といった、保育業務を手伝うこともあります。
子供の相手をするのはハードですが、それ以外の業務は負担が少ないため、給与相場は20万円程度と日勤のみの職場の中でもかなり低めです。
公立の保育園であれば地方公務員扱いになり福利厚生もしっかりしているので、安定した職場で長く勤めたい方におすすめです。
保育園で働く3つのメリット
- 保育士ではないので残業がない
- お盆や年末年始は確実に休める
- 高度な看護スキルは不要
病院の外来
病院であっても、外来であれば入院患者がいないので夜勤はありません。
外来は診療時間が決まっていますから長時間残業することもなく、病院勤務でありながら基本的に定時で帰ることも可能です。
その分外来勤務の給与相場は約23万円とやや低いですが、病院での勤務なので看護スキルが大幅に落ちる心配がないのが魅力です。
医療業界で柔軟に働き方を変えたい看護師にはおすすめの職場と言えます。
病院の外来で働く3つのメリット
- 患者と接することが多いので対応スキルがアップする
- 医師の指示のもとで仕事をする安心感がある
- 病棟勤務のような肉体労働がない
美容外科クリニック
美容外科クリニックでの看護師の仕事はカウンセリングや施術のサポート、美容点滴など看護師でもできる施術がメインになります。
また、クリニックによっては化粧品販売など営業の業務を行うこともあります。
美容外科クリニックは土日や祝日が繁忙期になりますから、休みは平日になることが多いものの、給与相場は25万円から30万円と高めなので収入を重視する看護師にはおすすめの職場です。
美容外科クリニックで働く3つのメリット
- 予約診療なので残業が少ない
- 美容施術の社員割引が受けられる
- 給与水準が高く高収入
日勤のみ看護師の仕事を探す時のポイント
ご紹介したように、日勤のみで働ける看護師の仕事はたくさんありますが、仕事内容だけでなく雇用形態や福利厚生など勤務条件はそれぞれの仕事で異なります。
日勤のみという条件は満たしていても、その他の条件を確認しておかないと予想と違う職場で働くことになります。そこで日勤のみ看護師の仕事を探すポイントを説明します。
雇用形態を確認する
日勤のみの看護師求人を探すときは、まず雇用形態が正規雇用になっているか必ず確認しましょう。
非正規雇用には賞与がないので、多少時給が高くても年収に換算するとかなり下がってしまいます。
募集内容によっては非正規雇用の試用期間を経てから正規雇用になる場合もありますが、すべての求人で適用されるわけではないため、必ず雇用形態を確認してください。
福利厚生の内容をチェックする
雇用形態だけではなく、福利厚生の内容も細かくチェックしましょう。
たとえ場クリニックなどの小規模経営の病院では、医師国保という国民年金に加入しているところもありますし、退職金制度がないこともあります。
給与面だけ重視してしまうと後々の保証が脆弱になる可能性があるため、福利厚生も要チェックです。
残業の多さや休日出勤がないか
仕事を探す時は残業の多さや休日出勤がないかもしっかり確認しておくことが大事です。
日勤だけにしても残業が多かったり、休日出勤があったりすると夜勤と同じくらい体に負担がかかります。特に土日休みを希望する方は、定休日を必ずチェックしましょう。
近年はクリニックでも土日に開院しているところが増えていますし、美容外科クリニックは平日休みが一般的です。
少人数でシフトを組んでいる職場では一人が休むと出勤になることもあるので、内情を確認しておくのがベストです。
看護師専門の転職サイトで内部情報を教えてもらう
日勤のみ看護師の仕事探しは、一般の求人媒体よりも看護師専門の転職サイトを利用するのがおすすめです。
というのも、看護師専門の転職サイトであれば、検索フォームから希望条件に合った求人情報を簡単に集められます。
また、専任のアドバイザーが転職成功のノウハウを持っていますから、競争率の高い募集案件でも採用されやすい履歴書の書き方や面接対策を教えてくれます。
さらに多くの看護師転職を扱った実績により医療機関とのパイプがあるため、「休みが取りにくい」「残業が多い」といった内部情報を事前に共有してもらう事が可能です。
日勤のみの看護師の給料についてのまとめ
看護師が日勤のみで働く場合、夜勤手当がつかないことで給料が減るデメリットがありますが、夜勤がなくなれば生活リズムが整いますし家族との時間が取りやすくなるなどお金には換えられないメリットがあります。
業種や職場によっては日勤のみでも十分な給料を得ることは可能なので、好条件の求人が揃っている看護師転職サイトの非公開求人などを確認し、満足できる転職をしましょう。