看護師は続けたい!転職をきっかけにもっと自分に合った職場を見つけるコツ
看護師はやりがいがあり、収入も多い仕事です。看護師資格を取得するまでに多くの努力をしているので、できれば看護師の仕事は続けたいという人が多いのではないでしょうか。
しかし、働く現場ではさまざまな不満が発生します。新卒で入職したところが自分には合わないということもよくあります。
転職をきっかけに、もっと自分に合った職場を見つけてみませんか?
転職のきっかけが次の職場選びに役立つ
現状に満足している場合は転職を考えることはありません。転職したいと思うのは何らかのきっかけがあるからです。
転職したい理由を冷静に分析することは、次の職場選びに役立ちます。
看護師の退職理由ベスト10
看護師が仕事を辞めるのは、どのような理由が多いのでしょうか。厚生労働省の調査結果を元に見ていきましょう。
平成22年度に実施された「看護職員就業状況等実態調査」によると、看護師の仕事を退職した経験がある人の退職理由ベスト10は次のようになっています。
(複数回答あり)
1位 | 出産・育児のため(22.1%) |
---|---|
2位 | 結婚のため(17.7%) |
3位 | 他施設への興味(15.1%) |
4位 | 人間関係がよくないから(12.8%) |
5位 | 超過勤務が多いから(10.5%) |
6位 | 通勤が困難なため(10.4%) |
7位 | 休暇が取れない・取りづらいから(10.3%) |
8位 | 夜勤の負担が大きいため(9.7%) |
9位 | 責任の重さ・医療事故への不安があるため(9.6%) |
10位 | 本人の健康問題のため(8.6%) |
結婚や出産、育児という理由以外は職場への不満が影響していることがわかります。もちろん、出産、育児で辞めたという人の場合でも、産休・育休や保育所などの環境が整っていれば、続けられたかも知れませんね。
このようにしてみると、今の職場への不満が転職・退職のきっかけになっていることがわかります。
看護師の転職をきっかけにもっと働きやすい職場を探そう
今、転職したいとか、近いうちに転職を考えているという人は、そう思うようになったきっかけを分析してみましょう。
ここでは、上の退職理由ベスト10から、次の職場に求める条件を探っていきます。
結婚や出産・育児がきっかけの場合
結婚や出産・育児で退職するケースがかなり多いようです。この場合、どうしても家族から「仕事を辞めてほしい」と言われたら仕方がないですが、「結婚や出産をしても働けるなら続けたい」という場合は、どんな条件ならば働けるのかを考えてみましょう。
結婚がきっかけの場合
結婚して引越すと通勤が不便になるということがあると思います。その場合は、家から近い職場を探してみましょう。
また、家事と仕事の両立をしたい場合は、残業がなく夕方5時には仕事が終わるパートを探すのもいい方法です。
出産や育児がきっかけの場合
夜勤がない仕事や保育所や託児所がある職場での求人があれば、仕事を続けられるかも知れませんね。
結婚や出産・育児をきっかけに看護師の仕事を辞めるのもひとつの選択肢ですが、少しでも収入を得たいとか、看護師として役に立ちたいという場合は、自分の求める条件を中心に求人を探してみましょう。
勤務形態への不満がきっかけの場合
看護師が転職や退職を考えるきっかけで多いのが、「休みが取れない」「夜勤がきつい」「超過勤務(残業)が多い」といった理由があります。
今の職場で不満を訴えて状況を改善してもらう方法もありますが、それによって先輩からいじめられたり、そこに居づらくなったりといったデメリットが発生することがあります。
労働組合がしっかりしている職場ならこのような問題も相談しやすいのですが、そうではない場合はなかなか改善されません。
そんなときは、自分の希望する勤務形態の仕事を探してみましょう。
転職の求人は勤務形態をチェックする
求人を探す場合は、特に勤務形態をチェックします。
- 勤務時間(8:00~17:30など)
- 1ヶ月の平均残業時間
- 夜勤の交替時間や休憩時間など
- 年間休日や月間休日
- 出勤のシフト(4週8休など)
夜勤の負担が苦痛という場合は「夜勤なし」で求人を検索すると該当するものが出てきます。日勤のみでも給与が高い求人がたくさんあるので、探してみましょう。
給与への不満がきっかけ
上でご紹介した「看護師の退職理由ベスト10」では給与の不満はあまり出ていません。これは退職理由に「本音」と「建て前」があるからと考えられます。
職場に退職理由を告げるときや、このようなアンケート調査では「給料が少ない」という本音はなかなか言えないからです。
しかし、実際には仕事内容や労働時間の割に給与が少ないことが退職・転職のきっかけになっていることが多いようです。
給与や各種手当、福利厚生をチェック
給与への不満が転職のきっかけという場合は、求人票の給与欄だけでなく各種手当や福利厚生をチェックしましょう。
主なチェックポイントは下記の通りです。
基本給 | ・正職員の場合は基本給がボーナスなどの計算の元になるため、基本給がどれくらいかチェックする ・パート・アルバイトや派遣は時給、日給をチェック |
---|---|
各種手当 | ・通勤手当(全額出るかどうか) ・住宅手当 ・残業手当 ・夜勤手当 ・精勤手当 ・家族手当(配偶者手当や扶養手当) |
福利厚生 | ・各種保険の有無(雇用保険、健康保険、労災保険、厚生年金保険など) ・各種休暇(慶弔休暇、産休・育休、介護休業、夏期休暇など) ・各種施設の利用など(寮や社宅の有無など) ・退職金制度の有無 など |
自分の希望額を決めると探しやすい
給与に不満がある場合は、自分は毎月いくら必要なのかをよく考えてから求人を探すようにしましょう。
毎月の生活費(家賃や光熱費を含む)、子どもの教育費、将来のための預金額などを元に「絶対〇〇万円は必要」というラインを設定して求人を探すのがポイントです。
その場合に実現可能な額であることも重要です。健康面で不安があるのに「夜勤でバリバリ働くぞ」と思っても、それでは続かなくなってしまいます。
今の家賃が負担ならば寮や社宅があるところを探すなど、優先順位と必要額を明確にすることが大切です。
人間関係の不満がきっかけの場合
「給料が少ない」という不満と同じくらいに多いのが「職場の人間関係の問題」です。看護の現場は忙しい上に、患者さんの命を預かるという責任の重さ、そこに各看護師の経験の差があるため、どうしても人間関係で摩擦が生じがちです。
人間関係が良好な求人の探し方
とは言っても、求人票を見ても人間関係がいいかどうかはわかりません。自分との相性もあるので、一概には言えないでしょう。
そこでおススメなのが、次の方法です。
- オープニング求人を探す
- 病院のホームページやスタッフ募集のページを見て雰囲気を探る
- 看護師の求人サイトのコンサルタントに相談する
オープニング求人のメリット
「オープニング求人」は新規に開院するクリニックなどでスタッフを募集するものです。年齢こそ差はありますが、採用された人全員が同時期にスタートするのでお局(つぼね)様やボスのような存在がいない点がメリットです。
スタッフ全員で職場のルールを決めていけるので意見が言いやすいですし、スタッフ同士の派閥などもないので安心できます。
病院のホームページで雰囲気を見る
応募してみたい病院のホームページの看護師募集のページを見てみましょう。
そこでは「先輩ナースの声」などが掲載されています。自分と年齢が近いスタッフが多いかどうかなどを確認できます。
ただし、ホームぺージは専門の業者さんが作っているため、きれいに撮影された写真を掲載しています。これだけで雰囲気がわかるわけではないので注意してください。
求人サイトのコンサルタントに相談する
これが一番確実な方法だと言えるでしょう。
特に人間関係がきっかけで転職を考える場合は、必ずコンサルタントにそのことを伝えてください。
そして、今まではどんな点で困っていたのかを伝えると、それを解消できる求人を紹介してくれます。コンサルタントはただ求人票の書面だけでなく、実際にその医療機関に足を運んでいることが多いので、職場の雰囲気やスタッフの状況などを把握しています。
自分では「この求人が気になる」と思っていても、コンサルタントが見れば「この病院は人間関係が原因でよく看護師が辞める」といった情報を把握しています。
まずは相談されることをおススメします。
まとめ
新卒で入職した職場は看護学校の系列などで自分の希望に合うところではなかった可能性があります。また、働いていくうちにやりたいことや収入を増やしたいといった意欲が出てきます。
そんなときは、それをきっかけに転職を考えてみましょう。就活では、自分が抱える不満を冷静に分析することが大切です。
収入ならいくら必要なのか、夜勤は月間何日ならできるのか…など、自分の希望やできる範囲のことをよく考えて、それに見合う求人を探すようにしましょう。
人間関係など求人票ではわからない点は求人サイトのコンサルタントに相談すると仕事が見つけやすくなります。活用してみてください。