20代看護師の平均年収は約423万円!でも地域格差があるってホント?
看護師は基本給以外にさまざまな手当が支給されるため、20代でもかなりの年収を手にできます。でも都道府県によって収入には差があるんですよ!
詳しくご説明します。
看護師の初任給と20代の年収を調査
看護師としてデビューするのは看護の専門学校や看護系大学を卒業する21歳~22歳という人が多いのではないでしょうか。
初めての給料である初任給と20代全体の平均年収について見てみましょう。
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看護師の初任給は学歴で7,000円の差が!
病院に勤務する新卒看護師の初任給は下記のように、高校から3年課程を卒業するコースと看護系大学を卒業するコースでは約7,000円の差があります。
学歴 | 基本給 | 税込総支給額 |
---|---|---|
高卒後3年課程を卒業 | 200,114円 | 266,041円 |
看護系大学を卒業 | 207,013円 | 273,854円 |
(日本看護協会 「病院看護実態調査」(2017年版)
看護師1年目の年収は約380万円
上記の月収(総支給額)に賞与を足して年収を試算してみましょう。賞与が基本給の3ヶ月分とした場合、高卒から3年課程を卒業した人の場合、次のようになります。
(266,041円×12ヶ月)+(基本給200,114円×3ヶ月)=3,192,492円+600,342円=3,792,834円
1年目で平均年収は約380万円もあることがわかります。
学歴の差はあまり問題ではない!
上の表のように学歴による給与の違いを見ると、基本給も総支給額も約7,000円ほど大卒の方が多くなっています。
しかし、基本給も各種手当も勤務する病院によってかなり違います。また、日勤のみか交代勤務があるかどうかといった働き方によっても収入は違ってきます。
その後の昇給や転職の際の給与に関しても学歴よりは経験などを重視されるため、あまり気にする必要はないでしょう。
20代看護師の年収と他職種との比較
では、20代の看護師の年収は他の職業と比較すると多いのか少ないのか見てみましょう。
看護師の年収は20代後半で約450万円
厚生労働省の「平成29年賃金構造基本統計調査」で年代と職業別の年収を調べてみました。
年収は「毎月のきまって支給する現金給与」(基本給+各種手当の合計=総支給額)と年間賞与を合わせた金額で、職業はすべて女性の場合をご紹介しています。
職種 | 20歳~24歳 | 25歳~29歳 |
---|---|---|
看護師 | 3,889,800 円 | 4,562,400 円 |
医師 | 4,201,200円 | 6,721,000円 |
薬剤師 | 3,594,600円 | 4,759,000 円 |
栄養士 | 2,783,100円 | 3,146,200円 |
保育士 | 2,866,300円 | 3,233,700円 |
幼稚園教諭 | 2,826,000円 | 3,321,400円 |
高等学校教諭 | 3,221,100円 | 4,176,500円 |
ホームヘルパー | 2,790,300円 | 2,818,500円 |
公認会計士・税理士 | 2,774,000円 | 6,698,100円 |
航空機客室乗務員 | 3,927.900円 | 4,343,299円 |
事務職 | 2,899,500円 | 3,186,400円 |
百貨店店員 | 2,818,400円 | 2,858,600円 |
スーパーレジ | 2,713,300円 | 2,773,800円 |
工場組立作業員 | 2,245,800円 | 2,577,900円 |
20代看護師の平均年収
上の表から20代前半の看護師の平均年収は3,889,800 円、20代後半の平均年収は4,562,400円なので、20代全体の平均年収は
(3,889,800 円+4,562,400円)÷2=4,226,100円
となり、平均で約423万円であることがわかります。
また、医師や薬剤師は看護師よりも年収が多いですが、それ以外の職業は看護師よりも低くなっています。
看護師は各種手当が多い
ここで参考までに産業別大卒の初任給を比較してみましょう。
厚生労働省の「平成29年賃金構造基本統計調査結果」の産業別初任給を参考に見てみました。
建設業 | 242,300円 |
---|---|
製造業 | 227,900円 |
情報通信業 | 240,700円 |
運輸・郵便業 | 223,600円 |
卸売・小売業 | 236,700円 |
金融・保険業 | 233,200円 |
宿泊業・飲食サービス業 | 193,700円 |
教育・学習支援業 | 249,700円 |
医療・福祉 | 213,400円 |
サービス業 (他に分類されないもの) |
210,700円 |
看護師の初任給は約20万円なので、他の産業と比べると決して多いわけではありません。しかし、総支給額や年収は看護師が圧倒的に多くなっています。これは看護師には夜勤手当や資格手当などの各種手当が多くつくからです。
それが年収の多さにもつながっていると考えられます。
20代看護師の年収には地域格差が!?
このように同年代の他の職業と比較しても看護師は20代でも年収が多いのですが、実は地域によって給与には差があります。
都道府県別看護師の初任給
日本看護協会の調査によると看護師の初任給は都道府県によってかなり違うことがわかります。
全国の都道府県の中でも初任給が高いのは、次の通りです。
看護系3年課程卒 | 看護系大卒 | |
神奈川県 | 208,463円 | 214,053円 |
東京都 | 207,299円 | 214,030円 |
大阪府 | 206,130円 | 211,298円 |
埼玉県 | 207,693円 | 210,888円 |
千葉県 | 204,612円 | 209,945円 |
一方、初任給が低い地域は下記のところです。
看護3年家庭卒 | 看護系大卒 | |
宮崎県 | 179,519円 | 187,720円 |
佐賀県 | 183,368円 | 195,455円 |
熊本県 | 183,460円 | 191,732円 |
長崎県 | 184,050円 | 192,067円 |
鹿児島県 | 185,800円 | 193,458円 |
高知県 | 186,393円 | 194,300円 |
初任給がもっとも高いのは神奈川県の大卒看護師で約21万4,000円もあります。一方、もっとも低いところは宮崎県の3年課程卒の場合の約18万円で、もっとも高いところと比べると34,000円も少なくなっています。
一般的に首都圏や都市部は年収が高い傾向
この年収の地域差は看護師に限ったことではありません。
すべての職業で全年代の年収を比較したランキングを見ると、ダントツでトップは東京都、そして、愛知県、神奈川県、大阪府、京都府がベスト5に入っています。
一方、年収が低いのは青森県、宮崎県、沖縄県、岩手県、秋田県、鹿児島県などで東北地方や九州地方が占めています。東京都の平均年収(全産業・全年齢)は約616万円ですが、もっとも低い青森県は約360万円で東京都の約58%しかありません。
ただ、看護師の場合は各種手当などが多く支給されるため、20代でも全国平均は約423万円もあります。地方在住の人も自信を持って働いてくださいね。
20代の看護師が年収をUPさせる方法
同じように看護師の資格を取得しても、働く地域によって年収に差が出るのは理不尽だと感じる人がいるかも知れません。
では、看護師が年収をUPさせる方法はあるのでしょうか?
20代は経験を積む時代
看護師の給与が高いとは言っても、20代前半はまだ修行中の状態です。特に看護学校の系列病院に就職した場合は「お礼奉公」の期間があります。
お礼奉公は3年間が多いようですが、この期間は経験を積むことを意識するといいでしょう。やがて20代後半や30代になってからその経験が生きてきます。
給与の高い地方都市で就職する
少しでも年収を増やしたいのなら、首都圏やその周辺エリア、または地方都市で働くのがおススメです。地方都市でも基本給や手当が多い求人は結構あるので、経験を積んだ後の転職先として探してみましょう。
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結婚や出産に備えてじっくり経験を積んでおくことも重要
20代から30代にかけては結婚や出産を迎える人が多くなります。すると産休や育休、時短勤務などで看護の最前線から退くケースが増えてしまいます。
ブランク開けで少しでも有利な条件で転職や再就職するためにも、働ける間はしっかり経験を積んでおきましょう。また、資格を取得したり、専門看護師を目指したりするのもいいことです。
看護師は長く働ける職業なので、自分のライフプランをよく考えて働くといいでしょう。
まとめ
看護師の初任給は基本給が約20万円で、他職種とそれほど変わりません。しかし、夜勤手当や資格手当など多くの手当が付くため、新任看護師でも年収は約380万円もあります。
20代前半の看護師の年収は約390万円、20代後半で約450万円になり、医師や薬剤師には及びませんが他職種と比較するとはるかに多くなっています。
ただ、看護師の年収は都道府県によって格差があり、首都圏や都市部が高い傾向にあります。新卒後の数年間はお礼奉公などで転職できない場合でも、しっかり経験を積んでより有利な条件の転職に備えておきましょう。
また、将来的な年収UPに向けてスキルを磨いたり、資格を取得したりすることも大切です。看護師は長く働ける職業なので、人生設計を考えながら働くといいでしょう。