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障害者支援施設の看護師の仕事内容(役割)|志望動機や年収給与も紹介

介護や福祉の現場でも看護師としての力は求められています。医療の最前線ではないものの、介護保険施設や社会保険施設でも看護師としての経験やスキルを活かすことができます。その業務内容や役割について見ていきましょう。

障害者支援施設とは

心身に障害を持つ方たちが利用できる施設

一般的に施設は大きく分けて「介護保険施設」と今回の記事で詳しく触れる「社会福祉施設」とがあります。それぞれ具体的に次のような施設があります。

介護保険施設

  • 老人保健施設
  • 特別養護老人ホーム
  • デイサービス
  • ケアハウスなど

社会福祉施設

  • 児童福祉施設
  • 心身障害者施設
  • グループホームなど

介護保険施設のうち老人保健施設や特別養護老人ホームなどは、高齢者を対象に自宅生活が困難である人や、常に介護を必要とする要介護認定を受けた人が入所する施設です。

デイサービスの場合は通所介護と言われ、日中だけ施設に来所しレクリエーションなどを楽しむ場所です。看護師の他、介護を専門とするヘルパーや介護士、ケアマネ、あるいは作業療法士、理学療法士らと協力して業務を行います。

記事の本題である社会福祉施設における児童福祉施設や心身障害者施設は、児童や障害を持つ人のための施設です心身障害者施設には入所型、ショートステイ型、日中活動系のサービスなど、施設ごとに目的が異なります。

こちらでは看護師は作業療法士、理学療法士の他、言語聴覚士やケアワーカー、生活支援員、医療ソーシャルワーカーなどと協力して業務を行うことが多いです。

障害者支援施設の看護師に求められる役割とは

医療のエキスパートとして他専門職と協力し合うこと

施設で働く看護師は一般的に次のような業務を行うことが多いです。

車いすと施設

  • 検温
  • バイタル測定
  • 服薬管理及び指導
  • 感染予防
  • 胃ろう管理
  • 吸痰
  • 導尿
  • 応急処置
  • 入浴介助
  • 浣腸や摘便
  • 通院の付き添い

病院で勤務する場合に比べ、注射や点滴といった手技の機会は減りますが、入浴介助など介護福祉の分野まで業務に入ってくるところが特徴的です。こうした分担の線引きは曖昧で、看護師だから看護の仕事だけをしていればいいということはなく、スタッフ全員で協力し合うことが求められます。

この他にも利用者家族とのコミュニケーションや、精神的な支援、あるいは連絡役なども含まれます。もちろん報告書などのデスクワークも控えています。

看護師の持つ優れた判断力、観察力を発揮する

福祉の現場では、病院など医療の現場と違い、難しい患者を治療することや、看護するということはほとんどありません。どちらかというと、通常は利用者の健康を管理することが目的であり、役割です。

そのため、看護師として基本的なスキルや、吸痰の知識、胃ろうを含めた経管栄養に関する知識を持っていることが大切です。社会福祉施設に勤務する場合は、さらに発達障害や知的障害に関する知識を備えておくと安心です。

しかし、こうした日常の業務の中でも、事故の可能性や、高齢者の場合は急な体調変化を起こすケースが考えられます。そんなとき、看護師は「医療のエキスパート」として、病院と連携して迅速に対応し、かかりつけ医や主治医との連携を図らねばなりません。

あるいは症状を見て、帰宅させれば問題ないか、それとも救急車を呼ぶべきかという判断力も求められます。さらに、そうした不慮の事故、不測の事態に備えて、常に異変や異常がないか、利用者の様子を見る観察力も必要です。

介護保険施設や社会福祉施設では、医師が常駐しているケースが少ないです。そのため、何かあったときは看護師が「医療の専門知識を持った人」となることも多く、勤務状態によっては自分一人しかそうした資格を持っていないケースもあります。

あくまで「施設を運営する一人」という意識を持つ

看護師は医療のエキスパートとして扱われる反面、実際の職場は「介護」や「福祉」が主役の現場です。そのため意見は尊重されますが、基本的には何事も、看護師だけで判断するのではなく、介護士を始めとした他のスタッフと相談しながら進行、決定するケースが多いです。

だから、あくまで「医療の専門家としての一意見」という姿勢を持ち、他の専門家の意見も聞き入れる柔軟性を持つことは、チームワークを強め、円滑に仕事をするために重要なポイントです。

コミュニケーション能力が重要

スタッフ同士のコミュニケーションはもちろんですが、障害者支援施設では利用者やその家族とのコミュニケーションをはかることも重要です。

特に社会福祉施設を利用する障害を持つ人とは、意思の疎通を図ることが難しい場合もあります。それに対して根気強く向き合える人も求められていると考えられます。

障害者支援施設で看護師として働くメリット・デメリット

メリット

基本的には、看護師の資格を持っていれば十分対応できる業務が多く、病院に比べると急変や死亡といった緊迫感のある場面に遭遇するケースは少ないため、精神的なストレスは軽減されやすいです。

医療方面のスキルアップを目指す場合には物足りなく感じる人もいますが、看護だけでなく、介護や福祉に興味があり意欲があるという方であれば、やりがいを感じられる業務です。

実際に、看護師の資格を持ちながら、ケアマネージャーの資格を取得する人も多いです。ケアマネージャーは利用者一人ひとりの介護サービスの計画を立てる役割を持っています。

そのケアマネ―ジャーの実に31%ほどが、看護師の資格を持っている人と言われています。介護のプロを目指したい人であれば、こうした資格を取ることでスキルアップも目指せます。

デメリット

一方で看護師としてのスキルである検査や処置を行う場面が少ないため、スキルが伸びにくい、場合によっては低下するのがデメリットです。

また、障害者の方によって暴言や暴力を振るってくるケースもあるので、上手くあしらったりできる方でないとストレスを感じてしまうでしょう。

病院であれば暴力を振るってくる患者も多い精神科に勤務すると手当がでますが、障害者支援施設では特に手当がでないケースもあります。

ただ精神科の患者と比較すれば障害者支援施設にいる方は比較的落ち着いていますので、暴力や暴言はあくまで可能性がある…程度の認識で問題ございません。

障害者支援施設の看護師の給与や年収

障害者支援施設で看護師として働く場合、給与は19万~35万と施設によって大きく異なります。やはり夜勤のある施設が給与が高い傾向にあります。

年収は施設やボーナスによって異なりますが求人をみていると300~500万ほどになることが多いです。参考までに筆者が働いていた施設は月給25万に夏冬のボーナスで380万ほどの年収となっていました。

なお、正社員としての雇用でなく週1~のアルバイトの雇用となる求人も多数でています。。その場合は時給1200~1700円ほどの求人が多いです。

病院と比べて生死に直接関わることが少ないので、バイトとして気楽に働くのには向いていると言えるでしょう。

障害者支援施設で看護師として働く方法

転職サイトを活用する

障害者支援施設に看護師として転職する場合、ハローワークなどでも求人を見かけることがありますが、看護師専門の転職サイトを利用するのがおすすめです。

ハローワークや駅にある雑誌のような無料掲載できる媒体は、様々な事情から看護師から退職していたり、転職サイトから掲載を断られているようなブラックが多いからです。

その場合、いくつかの転職サイトを利用した方が、より採用率も高まりやすく、また条件の合うところも見つけやすいです。求人を探す場合は、自分の中で希望する勤務地、希望条件をしっかり決めた上で、アドバイザーなどに相談されることをおすすめします。

以下に障害者支援施設の求人が豊富な転職サイトをいくつか紹介していきますので、よければご参考にしてください。

1位:業界大手のレバウェル看護(旧看護のお仕事)

レバウェル看護について

  • 転職先の内部事情が分かる
  • 12万件以上の事業者情報がある
  • サポートが充実している

公式サイト:https://kango-oshigoto.jp/
※東京都の○○と出てくる場合がありますが、全国に対応しています。

2位:業界大手のマイナビ看護師

マイナビ看護師_バナー画像

  • 月給40万↑の優良非公開求人が多数
  • マイナビの知名度に恥じない求人数
  • 離職率の高い病院やブラックは紹介しない

公式サイト:https://kango.mynavi.jp/

3位:採用率91.3%のナースパワー

ナースパワー_障害者支援施設

  • 独自の応援ナース制度が大人気
  • 転職サイトでは珍しく全国16箇所に拠点がある
  • 採用率91.3%と業界トップレベル実求人数も業界で最多

公式サイト:https://www.nursepower.co.jp/

障害者支援施設の看護師まとめ

施設看護師の業務は、看護師として医療のスキルを発揮するだけでなく、介護や福祉の分野もフォローする、幅広さを持ったものです。通常の看護業務は基本的なスキルがあれば十分ですが、万が一のときには医療のエキスパートとして、判断力が求められます。また、他の専門員の意見を聞く柔軟性や協調性を持ち、現場を盛り立てていくことも重要です。

「医療」分野におけるスキルアップを望むことは難しい面があるかもしれませんが、「介護」「福祉」と幅広い分野を勉強したいという意識を持っている人には適した環境です。

さらに、今後ますます需要や必要性が高まることが予想されている反面、施設看護師として働く人は全体の10%にも満たないと言われています。「看護」だけでなく、「看護と介護のプロ」を目指したい、と思われる方は一度施設看護師も検討されてみてはいかがでしょうか。

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