薬剤師の離職率はどのくらい?離職率の低い職場に転職する方法も解説

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転職は人生を左右する大きな決断ですが、薬剤師は転職する人が多くいます。

なかには、薬剤師の離職率について詳しく知りたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、薬剤師の離職率や理由、注意点について解説していきます。

薬剤師の離職率は約10%

職場により差がありますが、薬剤師全体の離職率は約10%です。

薬剤師の離職率は、一般的な新卒社会人の3年以内の離職率と同程度の割合になっており、どの年度でも概ね似たような数字になっています。

そのため、他の社会人と比べて薬剤師だけ特別離職率が高いわけではありません。

薬剤師の資格は薬剤師不足が続いていることもあり非常に有用なため、離職してもすぐに転職先が見つかりやすいのも、この数字の要因となっているでしょう。

3年で辞める人は全体の32%

なお、3年ほどの勤務年数がある薬剤師の離職率は32%となっています。

これは3年ほどの勤務経験があると実務経験が評価されやすく、様々な薬剤師職場への転職において有利になるためです。

そのため、一定の経験を積んだ薬剤師は比較的活発に転職活動をする傾向があります。

勤務形態別の薬剤師の離職率ランキング

薬剤師の中でも、勤務形態によって離職率は異なります。

薬剤師の勤務形態ごとの離職率は下記の通りです。

勤務形態別・薬剤師の離職率
1位:パート薬剤師 離職率21%
2位:管理薬剤師 離職率9%
3位:一般薬剤師 離職率9%
薬剤師全体 離職率10%

このような結果から、パートの薬剤師は管理薬剤師や勤務薬剤師と比べて離職率が高いことがわかります。

パートとして勤務している薬剤師は子育て中の女性が多く、家庭に重きを置いて仕事に取り組む傾向があります。

しかし、子供が成長するに伴って本格的に仕事に打ち込んでみたくなったり、学費が必要になったりすることもあります。

ライフステージが変わるとパートではなく正社員として採用してくれる職場に転職したり、より好条件を求めて離職したりすることもあるのでパート薬剤師は離職率が高くなりやすいです。

職場別だと大型店舗ほど離職率は高い

薬局において、小規模な店舗ほど離職率は低くなり、大手の大型店舗では離職率が高くなる傾向にあります。

5店舗以下の場合は、離職率6%であるのに対して31店舗以上では離職率16%です。

大型店舗での離職率が高い理由として考えられるのは、転勤や勤務体系の不規則さや経営者との繋がりの希薄さが考えられます。

結婚をきっかけに夜遅くまでの勤務が土日出勤を希望しないケースも多く、離職率が高くなることもあります。

また、職員数が多いと直接経営者と話をする機会もなく、会社に対する忠誠心も低くなりがちです。

薬剤師の離職率が高い理由

薬剤師は安定して働くことのできる国家資格です。では、なぜ薬剤師の離職率が高いのでしょうか。

薬剤師は有資格者のため転職後も活躍できる

薬剤師資格を有していると、たとえ転職したとしても新しい職場で薬剤師として活躍することができます。

一般の会社員ではスキルやキャリアを気にしてなかなか転職に踏み切れないこともありますが、薬剤師の場合は資格があるため新しい職場に対しても不安が少ないでしょう。

医療業界は薬剤師の人手不足

薬剤師の就職先の中でも、特にドラッグストアは1年を通して人手不足の状況が続いています。

人手不足の職場では、誰かが欠勤すると業務を代行して行う必要があったり、気軽に有給を取得できなくなったりしてしまいます。

そのため、人手不足の職場は日々の仕事に対する不平・不満が募り、離職してしまう人が多くなるという悪循環が生まれてしまいます。

薬剤師は勤務時間が不規則

人手不足のドラッグストアや調剤薬局の場合は、休憩時間が後回しになったり、サービス残業を強いられたりすることがあります。

通常業務であっても業務量の多い薬剤師にとって勤務時間が不規則であると十分に心身を休めることができずストレスが溜まってしまいます。

不安定な勤務時間を強いられる職場の場合、離職する薬剤師が多くなってしまいます。

薬剤師は残業時間が長い

薬剤師の残業時間は職場によってことなりますが、月に約14時間と言われています。

他の医療者に関しても残業時間は長いですが、薬剤師も例外ではありません。

特に、急性期病院やドラックストアなどは業務量が膨大で残業時間も長い傾向があります。

ライフワークバランスを重視して残業の多い職場を離職することもあります。

パート社員として勤務している薬剤師が多い

病院や調剤薬局では、正社員として勤務している薬剤師が多いですが、ドラックストアなどではパート社員として勤務している女性薬剤師も少なくはありません。

なかには、ベテランのパート社員も多いため、若い新卒の薬剤師が入職して人間関係で思い悩んでしまうケースもあります。

転勤の必要がある場合がある

個人病院や個人の調剤薬局では基本的に転勤の必要はありませんが、ドラッグストアや全国展開している調剤薬局に勤務している場合は、転勤がつきものです。

会社の方針によって異なりますが、勤務期間の短い場合であれば、3ヶ月で転勤を強いられることもあります。

家庭の時間を大切にしたい場合は、転勤の必要のない職場に転職を希望する薬剤師も多いです。

人間関係の問題が多い

一般の会社であっても代表的な離職理由は人間関係です。

薬剤師も例外ではなく、職場の人間関係を理由に離職をする方が多いです。

小規模な調剤薬局の場合、1日の業務の大半を狭い空間で少人数の薬剤師と過ごすことになります。

悪い人間関係から逃げられない状態となり、離職を決断するパターンもあります。

薬剤師が離職率の低い転職先を探すポイント

薬剤師は国家資格を有しているため、一般の会社員と比べて不安なく転職活動ができるのかもしれません。

しかし、薬剤師が転職する上で注意すべき点があります。

インターネットや書類上の情報だけで判断しない

薬剤師は日々忙しく業務を担当しています。忙しい日常から転職活動を行うのはとても労力のかかる作業です。

転職先について、ついついイメージやホームページからの情報だけで見極めようとしてしまいがちです。

しかし、実際の残業の長さや職場の雰囲気などは就職しないと知ることはできない情報です。

薬剤師が転職する場合は、インターネットや書類上の条件だけで転職先について判断しないようにしましょう。

勤務時間や休日について確認しておきましょう

薬剤師の職場は、勤務時間が平日9時~17時の土日固定で休日のある職場は少なくなってきています。

調剤薬局の場合は、併設する病院の診療時間に合わせて営業時間が変則的になったり、ドラックストアの場合は夜遅く22時まで働く必要があったりします。

事前に勤務時間や休日について確認しておきましょう。

職場の人手不足が解消されているか確認しましょう

薬剤師業界は常に人手不足であることが多いです。慢性的に人手不足に陥っている職場の場合、希望の日時に休みを取れないことも少なくはありません。

好条件で求人が出ている場合、人手不足で困っており、働いてみたらブラック企業だったということにならないように企業を見極める必要があります。

職場の人間関係に問題がないか確認しましょう

職場によっては上司に気に入られないと、他のスタッフと比較して仕事内容や量に不公平であると感じることもあるのでしょう。

また、上司のパワハラはセクハラにも注意が必要です。事前に転職先の職場の人間関係に問題がないか確認をしておきましょう。

給与に問題がないか確認しましょう

事前に転職先の会社の昇給率はどのくらいか確認しておきましょう。また、年俸制で残業代がつかないケースもあるので注意が必要です。

人間関係にストレスがなく、明るく楽しい職場であっても、給与面に問題があると長く勤務することは難しくなってしまいます。

自分のキャリアアップが望めるか確認しましょう

転職する会社の研修制度を事前に確認しておきましょう。

転職後に一切研修もなく、いきなり職場に配属されて困ってしまうこともあります。

また、昇進する見込みがないと長期的に働きたいという気持ちが薄れてしまいがちです。

転職先の口コミを薬剤師から収集しましょう

医療業界は広いようで狭く、色々な噂がすぐに広まります。

転職先に知り合いがいなくても、近隣の医療機関に勤める知り合いなどからメリット・デメリット両方の情報を収集しておきましょう。

転職サイトの口コミからも情報を収集しましょう

知り合いからの口コミをたくさん集められれば問題はないですが、なかなかすべての情報を手に入れられるとは限りません。

そこで、転職サイトを利用することで実際の勤務時間や残業の長さ、気になる職場の人間関係などの情報を得られる可能性が高まります。

転職候補先に派遣薬剤師として働いてみる

自分自身が就職を考えている企業にいきなり正社員として働くのは勇気がいることだと思います。

そこで、転職候補先に派遣薬剤師の募集が出たら、実際に働いてみることも一つの手です。実際に働いてみると外からは見えない職場の様子を感じることができます。

一旦、派遣薬剤師として働き、その職場が気に入った段階で正社員の募集に応募してみることも検討してみましょう。

離職率を目安に転職活動をしてみましょう

薬剤師は有資格者であり、どの年代に対しても求人も出ているため離職率も高くなっています。

特に大規模な調剤薬局やドラックストアでは離職率が高くなる傾向があります。

離職率が高い職場というのは、年収や転勤状況など問題が存在する可能性があります。自分自身が転職する際には転職先の離職率が低い求人を目安にしてみると良いですね。

転職コンサルタントを有効に活用しましょう

転職コンサルタントを利用することで企業側からの情報だけはなく、転職先で働いていた方の口コミも得られやすいというメリットがあります。

離職した人の悪い口コミも事前に知っておくことで、転職後の理想と現実のギャップを埋められるでしょう。また、転職コンサルタントから客観的にみた自分に合った転職先の提案を受けることができます。