学生時代にインターンシップを行い、実際の企業で働くのが珍しくない時代になりました。就職サイト大手のマイナビ調査では、すでに7割超の学生が、実際の就活前に就業体験をしています。
もう、インターンへの参加は、就活の1プロセスと言ってもいいくらいになっています。
逆にインターンを経験していないと、就活時に評価が下がるのかもしれません(表向き「関係ない」と企業は言っていますが)。
せっかく貴重な時間を使い、勉強時間を削ってインターに行くのですから、より就活で有利になり、評価されるものにしましょう。
誰でもできる1日や2日の職場体験ではなく、長期にわたって行い、給料がしっかり出る「有給インターン」「長期インターン」を行うことを提案します。
そこでぜひ、ご自身の適性や興味を認識に、就活本番の成功につなげてください。
有給インターン、長期インターンのメリットや働くべき理由はこれ!
- 就活前に業界の真実、裏側まで知ることができます
- インターン先で「即内定」につながる可能性があります
- お金をもらってしっかりと責任があるなかでスキルを身につけられます
- 短期インターンと「お客様」ではなく、戦力として仕事に関われます
- 有名企業のインターンができれば就活で有利になります
- 転職歴や転職回数になりません。いろいろな業界を低リスクで知ることができます
目次【クリックして移動できます】
有給インターンと長期インターンの定義は似ている!
まず、「有給インターン」と「長期インターン」の定義について知っておきましょう。
インターン、特に数日のインターンの場合、仕事に対する報酬が出ないところが多く(要はタダ働き、お弁当くらいは出るかも)、無給インターンを「労働力」として使う企業が出てきて問題になっています。
中には数か月インターンをして1円も支払わない、「脱法奴隷労働力」の手段にしているところもあります。
「有給インターン」はそういうものとは違い、数日であっても(数か月でも)、インターンに参加した時間についてはしっかりお金が出るものです。
バイトとも違うのですが、労働に対する対価としてしっかり報酬を出します。
「長期インターン」はインターンの中でも、1か月以上(長いところは2年とか)で行うインターンです。
しっかりした企業であれば、一般的には有給の場合が多く、就活生だけではなく、大学1年生、2年生も採用します。継続的に働くことで、実務経験が積めて、ビジネススキルが身につきます。
ちゃんとした「長期インターン」であれば「有給インターン」のはずで、当サイトではほぼ似たものとして「1か月以上働く有給のインターン」を紹介します。
バイトはお金を稼ぐ手段ですが、インターンはご自身の適性や能力を見極めるための就業体験です。
補助的な業務だけではなく、正社員と同様の仕事もします。
長くなるので簡単に言うと
- バイト→補助的な業務を行い、お金を稼ぐために身体を動かす
- インターン→メイン業務を自分の能力を高め見極めるために頭を動かす
こういうイメージです。
もちろん、インターンも働いているわけで、しっかりもらうものはもらいましょう。
有給インターン、長期インターンを行うおすすめ企業10選
実際に有給インターン、長期インターンを行っていて、評価が高い企業を10社紹介します。昔からの企業よりも、新興ベンチャー、IT企業が多いことに気付きます。学歴にとらわれない評価制度を持っているところが多く、先進的な取り組みをしています。
1.株式会社Loco Partners(KDDIグループ)【有給・長期】
全国各地のホテルや旅館を予約できるサービス「Relux」を運営しているKDDIグループのIT企業です。公式アンバサダーにはプロサッカーの香川真司選手が就任していて、信頼性も抜群です。
デザイナー、ディレクター、通訳、営業、企画など幅広い業務で長期インターンを募集しています。
- 時給:985円
- 交通費支給(20000円/月まで)
- 期間:最低6ヶ月から
- 時間:1日5時間から
- 出勤:週3日から
2.株式会社メドレー【有給・長期】
スマホで診察が受けられるアプリ「CLINICS」や、医療系求人大手求職サイト「ジョブメドレー」の開発、運営をしている会社です。
職場、プロジェクトには現役医師や有名企業、弁護士、公認会計士などの専門職の人もいて、それらの人とのコネクションを作りたい人も是非インターンに応募してみてください。特に医師と病院以外でコネクションを作れる機会はなかなかなく、大きな強みになることでしょう。
- 時給:1100円
- 交通費支給(全額)
- 期間:最低3ヶ月から
- 時間:1日8時間から
- 出勤:週5日から
3.株式会社リクルートライフスタイイル【有給・長期】
その名前の通り、リクルートグループの1つで、「HOT PEPPER」や「じゃらん」などの企画運営を行っています。
もちろん、ホットペッパーやじゃらんを知らない人はいませんよね。有名メディアの運営に関われるので、就活の際に大きな武器になるはずです。
仕事としては「企画立案」(プレゼンやマーケティング)、「営業」(営業資料作成が主だが、社員と営業に同行することもあり)、を行い、そこで結果を出した人は「戦略」部門にも参画できます。ここまでくると、もうインターンとかバイトのレベルを超えて、自分で開業できるレベルなのかもしれません。
- 時給:1100円
- 交通費支給(+遠方の人は宿泊費)
- 期間:2か月
- 時間:週10時間以上
- 出勤:曜日固定なし
4.株式会社メルカリ【有給】
mercari|Software Engineer (Internship)
ご存じフリマアプリの「メルカリ」もインターンシップを募集しています。
こちらは即戦力になる理系エンジニアが中心で、ソフトウェア開発に実際に携わってもらいます。
実践スキルが身につき、アプリ開発の最先端に触れることができます。
もちろん、就活の際にも抜群のアピール材料になりますね。
- 時給:応相談(無料ではありません)
- 期間:長期可能
- 時間:週20時間以上
- 出勤:週3日以上
5.freee株式会社【有給】
会計ソフト「Freee」など、経営をサポートするための各種クラウド型ビジネスサービスを開発・提供している会社です。
ビジネス会計ソフトを始め、経営分析ソフト、家計簿ソフトなどを開発し、簿記や会計の知識がない人でも簡単に使えるUIを用いたソフトを作っています。
報酬が出ない従来型の「ビジネスコース」(1day)、「UXデザイナーコース」(1day or 1week)のほか、給与が支給される「エンジニアコース」(1week)があります。短期間ではありますが、日給15000円ということで他のインターンシップの倍の給与が得られます。
- 日給:15,000円
- 期間:1週間
- 交通費支給(+遠方の人は宿泊費)
- 時間:フルタイム
- 出勤:月曜日~金曜日
6.株式会社ディー・エヌ・エー【有給】
【DeNA サマーインターンシップ 2018 募集開始!】新規事業立案コース(昨年のもの)
株式会社ディー・エヌ・エー=DeNAはご存知、横浜DeNAベイスターズ球団を所有しています。eコマース、ゲームを中心に、モバイルアプリなどに特化した事業をしているベンチャー企業です。ベンチャーといっても、プロ野球球団のオーナーですから、社会的な信用度は桁違いだと言えるでしょう。
夏休みを中心にエンジニアやビジネス企画、ゲームクリエイター、デザイナーのインターンを募集していて報酬も支給されます。
- 報酬:全日程で10万円
- 交通費支給(+遠方の人は宿泊費)
- 期間:4日間
- 時間:フルタイム
- 出勤:木曜日~日曜日
7.READYFOR株式会社【有給・長期】
READYFOR株式会社はクラウドファンディングサイト「Rerdyfor」を運営している会社です。「誰もがやりたいことを実現できる世の中をつくる」というミッションをモットーに、「やりたいことのために資金が必要な人」と「それに共感して応援する人」をつなげるサービスを提供しています。
インターンは「採用インターン」(人事採用業務を手伝う)と「学生インターン」(クラウドファンディングをしたい人に説明を行う)の2業種で募集をしています。
- 時給:1200円
- 交通費支給
- 期間:詳細はサイトに登録が必要
- 時間:詳細はサイトに登録が必要
- 出勤:詳細はサイトに登録が必要
8.Uber Japan株式会社【有給・長期】
レストランからの料理の配達サービス「Uber Eats(ウーバーイーツ)」や、個人タクシー向け配車アプリ「ウーバータクシー」の開発、運営をしている会社です。特に「ウーバーイーツ」は各都市圏に広がっていて、外食のスタイルを大きく変える可能性を秘めています。
インターンシップではUber Eats(ウーバーイーツ)、ウーバータクシーの地方展開マーケティング、英語翻訳作業などで戦力となる人員を募集しています。
現在、日本でのインターンシップの募集はありませんが、リンク先のとおり海外では募集しています。日本で募集していた時の要綱を紹介します。
- 時給:1000円
- 期間:詳細はサイトに登録が必要
- 時間:10時~19時
- 出勤:週3日以上
9.Retty株式会社【有給・長期】
レストランのまとめサイト「Retty」を運営しているベンチャー企業です。「○○(地名) レストラン」で検索すると、お店のまとめが出てくるはずで、使ったことがある人も多いのではないでしょうか?
「プランナー職」「エンジニア職」「デザイナー職」を募集しています。ただし、エンジニア以外はサイトに給与項目がないので、事前によく確認してください。やりがい搾取に応じてはいけません。
- 時給:応相談(脳旅行考慮)
- 期間:応相談
- 時間:10時30分~
- 出勤:週3日以上
10.株式会ユーザベース
経済情報の検索プラットフォーム「SPEEDA」を提供している会社で、金融機関や商社、コンサルティングフォーム出身者や、著名アナリスト、エンジニアなどプロフェッショナルが集まっています。
同社が運営する、経済ニュースプラットフォームの「NewsPicks」は、会員ユーザーも300万人に達しています。
インターンの仕事は、大手メディア出身者の元で、「アナリスト」や投資銀行やコンサル、一流企業からの問い合わせに応じる「カスタマーサクセス」業務があります。
コンサル、外資系銀行、マスコミや新聞社などを志望する学生にとっては大きな武器になるはずです。
- 時給:1000円以上
- 交通費支給
- 期間:最低6ヶ月から
- 時間:平日合計24時間以上
- 出勤:週3日から
有給インターン、長期インターンを行うおすすめ業界
このようにインターンを積極的に行う有名企業がいくつもあります。みなさんが知っている、使っているサービスを提供する会社が多くて驚いた人も多いのではないでしょうか?
有給インターン、長期インターンが多いい業界として以下のようなものがあります。
1.金融
金融といっても銀行員になれるはずもなく(銀行もインターンに頼むことはないでしょう)、金融システム開発業務です。
スマホ決済やQRコード決済のシステム開発には人手が足りず、能力がある学生は高く評価されます。
2.広告
リクルートをはじめとする広告業界は、若い柔軟な発想を高く評価します。企画だけではなく、デザイナー職の募集も多く、様々な学部で学ぶ学生にインターンのフィールドが広がっています。
3.商社
実際のコアな業務を任されることは少ないですが、就活で総合商社や専門商社を希望する学生は、商社のインターンシップを経験していると大きなアピール材料になります。
独特の雰囲気にも慣れておくと後々強いはずです。
4.マスコミ
テレビ局、新聞社、通信社などマスコミ志望の学生ならば、インターンシップは貴重な機会です。
お金を稼ぐというよりも、ニュースの最先端に触れられる貴重な機会として積極的に参加しましょう。
名前や顔を人事や幹部に憶えてもらえれば、採用試験の超狭き門も多少広がるかもしれません。
5.スマホアプリ開発、クラウドサービス
最近急成長中のスマホアプリやクラウド上のサービス(会計、クラウドファンディングなど)の業界です。
エンジニア職はもちろん、使いやすいUIのデザインも、厳しい競争を勝ち抜くために不可欠になっていて、柔軟な思考力、発想力の学生の力を借りています。
有給インターン、長期インターンができるおすすめ職種
続いて、有給で長期のインターンが多い募集職種を紹介します。
1.エンジニア
圧倒的に有利で、報酬も高いのがエンジニアです。
スキルがある人ならば社員よりも好待遇で迎えられることもあります。
最近の大学生は全部スマホで完結するため、ワードやエクセルも使えないという声がありますが、エンジニアとしてプログラミングできる人は、それだけで高評価、人材の奪い合いが起こっています。
2.デザイナー(グラフィック、WEB)
絵を描くデザイナーだけではなく、WEBデザインやHP画面のデザインができる人もインターンの募集が多いです。
文系職でも理系職でもなく、独特の完成が求められるため、職務経歴だけでは評価できないものがあり、インターンはそうした優れた人材をスカウトするための手段でもあります。
3.マーケティング
実際に商品開発まで参画する例は稀ですが、マーケティングの思考をインターンをしながら学ぶことができます。
内部の商品開発にも触れられるため、実際の就活の際にも応募企業の動向などを調べやすくなります。
4.企画立案
こちらも、プロジェクトの中心とまではいきませんが、新規商品開発や新しい事業展開の末端に関わることができます。これはバイトではできないことで、能力があり信頼できるインターンシップだから可能です。
長期にインターンすることで信頼感が育まれ、思わぬ場面に立ち会うかもしれません。
5.営業
ブラックインターンの場合は、タダ働き(およびそれに近い形)で営業をさせられますが、優良企業の有給インターン、長期インターンであれば、お金をもらいながら営業に同行させてもらい、コミュニケーションのスキルを養うことができます。
営業の厳しさや楽しさを知ることができ、「本当に自分は営業に向いているのか」「実は向いていないのでは?」ということを確認できます。
実際に就職してから後悔しても遅いので、事前に営業実務に関われるインターンはとてもおすすめです。
有給インターン、長期インターンをするメリット
体験型の1日や数日のインターンは「お客様」ですが、有給インターン、長期インターンは会社の戦力として働くことになります。バイトをするよりもはるかに大きなメリットがあります。
1.業界の実態がわかる
自分が行きたい業界のイメージと実態が大きくかい離していることがあります。
新卒3年で3割辞めてしまうのは、そうした希望と現実のミスマッチによるところが大きく、長期インターンシップに行くことによって、その業界の「真実」「裏」まで知ることができます。
大学1年秋から、6か月ごとに違う業界にインターンすれば4~5つの業界を知ることができます。
もちろん、正規雇用ではないので「転職歴」にも「転職回数」にもなりません。
学生のインターンだからカウントされない、複数の業界の内部まで知れるというメリットがあります。
2.内定、就職に直結する可能性がある
「バイト先からそのまま採用」のインターンシップ版です。
外資系やIT系などではインターンで評価が高かった学生に就職の意志があれば、内定を打診することがあります。
本当に行きたい業界、行きたい会社であれば採用選考の過程を飛ばして、即内定になります。
そのためにはインターン中の評価が高いことが必要で、逆に評価が低い場合、就活で応募して来てもその時点で落とされることもあります。
良くも悪くも、その会社でも評価の記録が残るんです。
3.ビジネススキルが身につく
バイト以上に実務に携わりますので、実践的なビジネススキルが身につきます。
ビジネスマナーやメールの書き方などを、他の学生に先んじて憶えられるのは、就職してからのスタートダッシュで大きく差をつけることができます。
4.インターン先のお金で勉強できる
インターン先によっては、語学スキルアップのための講座や、資格取得のためのサポートを受けられることができます。
会社のお金で勉強できて、スキルアップができ、さらに報酬ももらえる、一石二鳥どころか、三鳥にも四鳥にもなり、これほどお得なことはありません。
5.就活で評価が高くなる
最初に述べたように、今では7割の学生がインターンシップに参加するので、インターンシップしたから非常に有利になることは少ないかもしれませんが(むしろしなった学生が不利になりつつある)、面接時に
- (そこそこの大学)「リクルートでインターンを1年以上していました」
- (超有名大学)「サークルと居酒屋バイトに明け暮れていました」
とあれば、前者の方が評価が高くなります。「
評価のためにインターンするのではない」という人もいますが、やはり有名企業でインターンしていたというアドバンテージは大きいものといえます。
ただ「お客様扱いされない」「お金をいただく」という意味では大きな責任も発生します。
インターンシップで「やらかし」をしてしまうと、その会社への応募→選考や同じ業界の他社でも不利になる可能性があり、メリットばかりではないのも事実です。
すべてにおいて「有給インターン、長期インターン>バイト」ではありません。
よくインターンシップの内容を検討して、ブラックな搾取インターンシップに引っかからないよう、ご自身の経験値を積み上げていってください。
有給インターン【長期インターン】におすすめの企業10選と業界、業種ベスト5 まとめ
まとめ
- 有給インターンシップはバイト代程度の給与が支給されるインターンシップ
- 長期インターンシップは1か月以上半年、1年間続くインターンシップ
- 長期インターンシップはたいてい有給であり、無給のものはブラック搾取なので避ける
- 有給インターンや長期インターンを行っている会社は新興ベンチャーやIT企業が多い
- エンジニアのインターンは時給や日給が高く待遇がいい
- インターンすることで就活に有利になりメリットが多い
- 一方でインターン先での評価が低いと正規選考の際に不利になることもある
- お金をもらっているので無責任な態度は取れないはず
- インターン先企業に人だけではなく、仕事で関わる人とコネクションも作りたい