各鉄道会社の車掌の平均年収や仕事内容を解説|阪急電鉄が1位の結果に

鉄道の車掌は、運転手とともに多くの人命を預かる職業である一方、ひそかな人気を集める仕事でもあります。
しかし、その実態は意外と知られていません。一体どのようなルートで車掌になり、年収はどの程度なのでしょうか。
今回は車掌以外の職業にも触れながら、鉄道会社別に年収をランキングしていきます。
今までは単なる「ファン」だったあなたも、これを機に鉄道会社の仕事を目指してみませんか?

車掌になるにはどうしたら良い?

まず車掌になるためのルートです。
車掌になるために必要な資格というのは、特に決まっていません。
ただし、高卒以上が最低条件です。
まず、高校、大学、専門学校などを卒業したのち、鉄道会社に入社します。
高校によっては、鉄道会社からの求人がくる場合もあるでしょう。
資格は特に必要ありませんが、信号を確認したり、列車の進行状況を確認したりするため、一定以上の視力と色覚が求められます。
色覚が正常で、矯正後の視力(眼鏡等を使用したあと)が1.0以上であれば、問題ないようです。

また、車掌は現業職といって、実際に現場で働く職業です。
現業職はどちらかといえば、高校卒業と同時に就職するケースが多いです。
もちろん、大学や短大、専門学校などを卒業してからも鉄道会社の採用試験を受けることはできます。
しかしながら、車掌になるためにはそれほど学歴が重視されていないことを、理解しておきましょう。

鉄道会社に入社後は、駅員などを務めながら現場の仕事を経験していくことになります。
その後、数年を経て車掌となるケースが多いようですね。

車掌にはどんスキルが求められる?

車掌に求められるのは、冷静沈着な心と、周囲の状況を把握できる能力、気配りなどです。
運転士同様に、多数の人が乗っている列車を任せられるわけですから、遣り甲斐のある仕事になります。
また、実際に乗客と接するため、接客業やサービス業の心構えも必要です。
仕事が忙しいからといって横柄な態度で接してしまうと、今の時代はすぐにクレームに発展します。
一方、危険な行動をとったり、不審な行動をとったりする乗客には、毅然とした態度で接しなければなりません。
この2面性の使い分けが、非常に大切です。
トラブルが発生しても、誰よりも冷静かつ客観的に状況を把握できる力が求められているのです。

鉄道会社では車掌以外にどんな仕事がある?

車掌以外にも、鉄道会社には数多くの職種があります。
ざっとまとめると、以下のようになるでしょう。

整備関係

車両の点検、管理、保守などを行う仕事です。
車両整備計画を立案したり、信号設備を監視したりと縁の下の力持ち的な仕事といえるでしょう。
また、線路の点検や土木構造物全般の検査、保守なども担当します。
数年に一度(おおむね4年)程度の定期検査で、大規模な整備や修理を行うことが特徴。
完璧を期すために、部品を一つ一つ丁寧に分解し、修理や整備を行います。

鉄道事務、販売管理

切符や運賃関係の事務処理や、販売の管理を行います。毎日沢山のの列車が運行しているわけですから、
その情報を整理しつつ管理する事務職も必要です。

サービス開発関係

毎日膨大な数の人が鉄道を利用していますよね。自然と、集まる情報の量も膨大になるわけです。
これらを様々な角度から分析し、サービス開発に役立てる仕事も重要になってきます。
近年では鉄道利用者の情報を「ビッグデータ」として処理し、さまざまなサービスに結び付けようという動きもあります。
数あるサービス業の中でも、トップクラスの情報が集まるわけですから、その情報をマーケティングに役立てることも可能です。
収支状況の改善に役立てたり、新たなサービスを開発する仕事は、非常に遣り甲斐があるでしょう。
ITとの親和性が高い分野でもあります。

不動産関係

実は鉄道会社の中には、不動産開発を行っている企業が多いのです。
例えば小田急電鉄などは、小田急線沿線のビルやスポーツクラブ、賃貸マンションなどを開発しています。
駅前開発は、鉄道会社の仕事のひとつなのです。当然、不動産関係の営業や企画職などもあります。

総務や人事、経理などのバックオフィス

一般企業同様のバックオフィス機能です。会社としての方向性や戦略を決定する経営企画や、人材採用と管理を行う人事、
その他雑務や経理を行う仕事もあります。このあたりは、ほかの業界と同様の仕事といえるでしょう。

高年収を目指すならここ!年収の高い鉄道会社ランキング

ではいよいよ、鉄道会社の年収をランキングしていきます。
職種ごとに年収の違いはあるものの、総合的に平均年収が高いところをランキングしていますので、車掌を目指す人も、その他の職種を目指す人も必見です。
また、鉄道会社は非常に幅が広く、一般にはほとんど知られていないニッチで小規模な会社もあります。
このような企業は新卒で入社することが不可能な場合があるため、社員数100人以上の企業に限定しています。

(社員数100人以上、公営・私営問わず)
1位:阪急電鉄(社員数2724人)・・・830万円
2位:北大阪急行電鉄(社員数121人)・・・809万円
3位:仙台市(社員数453人)・・・787万円
4位:神戸市(社員数601人)・・・778万円
5位:横浜市(社員数871人)・・・771万円
5位:JR東海(社員数20096人)・・・771万円
7位:京王電鉄(社員数2181人)・・・757万円
8位:東京急行電鉄(社員数3292人)・・・751万円
9位:大阪市(社員数5482人)・・・740万円
10位:相模鉄道(社員数1073人)・・・738万円

意外にも鉄道業界の雄、JRグループが1社のみとなりました。

また、各自治体が運営する鉄道や路面電車の仕事も、年収が高いですよね。

阪急や京王など、超有名私鉄もランクインしています。

平均年収で700から800万円台といえば、かなりの高年収です。

非常に安定している企業が多いこともポイント。

鉄道は重要なインフラであり動脈ですから、赤字だからといって簡単に潰すことはできません。

まとめ

車掌をはじめとして鉄道会社の仕事や、年収などを紹介してきました。
航空機や車両が発達しても、鉄道に魅了される人は多いもの。

老若男女問わず、鉄道オタクが多いのがその証拠です。

鉄道はどこかロマンやなつかしさ、変わらないことの良さを感じさせるのかもしれませんね。
社会のインフラとしても重要で、なおかつ多くの人々を魅了する鉄道を支える仕事に、あなたも就いてみませんか?