一般的に子ども一人を育てる場合、高校卒業までに約2,000万円、私立大学まで卒業させると約2,500万円の子育て費用がかかると言われています。
子どもはとても可愛いけれど、これからの家計のやりくりに頭を抱えている人はいませんか?
産休制度が充実している企業も増えてきているのは事実ですが、現在でもすべての会社が出産後すぐ復帰できるというわけではありません。
産後に仕事復帰したい、また再就職をしたいと考えている女性のためにやっておくべきことを紹介します。
doda(デューダ)
年代 | 20代~30代 | 雇用形態 | 正社員・契約社員・その他 |
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対象エリア | 全国(海外を含む) | ||
業界 | SE/Webエンジニア機械/電気広告/クリエイティブ営業職医療専門職金融専門職不動産専門職コンサルタント/士業経営企画/管理事務公務員/教員その他 | ||
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キャリアコンサルタントに聞く、産後の職場復帰でよくある質問
経験豊富なキャリアコンサルタントがどう考えているか聞いてみました!
Q1:妊娠や出産を機に退職しても主婦が再就職することは可能?
仕事を探す前提として、自分にはどのような職務経験と実績があり、その中でどのような能力を身につけたのかを再度、洗い出して棚卸ししてください。
そして、比較的女性が活躍している業界、例えばサービス業全般や、過去に勤務していた業界からあたってみることも一案です。
女性の社会復帰傾向は増加の一途をたどっています。子育てによるブランクは決してマイナスではありません。近年では起業をする女性もたくさんいます。
仕事との両立は大変ですが、子育て中のママが活躍している会社や、制度が整っている企業を探しましょう。
Q2:産後の職場復帰をしやすい仕事は?
看護師・医療系・ITなどの専門的分野の場合、産後に復帰しやすい求人が多いのでチェックしてみましょう。
また、ここ数年の美容院・歯科医院は増加傾向にあるため、美容師やアシスタント、歯科助手などの人材不足が顕著になっているため再就職しやすいです。
・離職期間中に資格取得をした
・最初はパートからスタートして、のちに正社員を目指す
このような場合、比較的早く再就職が決まることが多いです。
医療事務の資格取得率が多かったですが、最近では日本化粧品検定やカラーコーディネーターなどの資格も人気のようです。
産後復帰におすすめの雇用形態・働き方は?
働き方については、以下の5つが考えられます。知っているようで具体的に違いがわからない方もおられると思いますので、ここで一度改めて比較し、家族とも話し合って自分にはどの働き方が合っているのか考えておきましょう。
家族の協力、会社の制度、家計の余裕、ご自身の健康や価値観などを総合的に勘案していちばんいい働き方を選択します。
①正社員
雇用契約 | 勤務先企業 |
雇用期間 | 明確な期限なし |
勤務先と直接「雇用契約」を結びます。
雇用期間の明確な期限は定めません。
働けるのであれば(解雇されないのならば)定年までそこで働くことができます。
②契約社員
雇用契約 | 勤務先企業 |
雇用期間 | 最大3年まで(評価が良ければ契約更新も) |
ボーナス等もありますが、正社員のように昇給は期待できません。
更新の際に昇給することはあります。
しかし、部長や課長などの責任あるポジションに就くこともなく、良くも悪くもあまり責任がなく、かつ契約期間の雇用は安定しています。
定年後、嘱託社員になる人がいますが、こちらも契約社員という扱いになります
③派遣社員
雇用契約 | 人材派遣会社 |
雇用期間 | 最大3年まで(場合によって契約更新も※詳細はこちら) |
こちらもお馴染みですね。
人材派遣会社と雇用契約を結び、別の企業に派遣されて派遣されて勤務します。
時給制で、給与は派遣会社から出ますが、ボーナスなどはなく交通費も自腹になります。
ただ、残業代は100%出ますし、そもそも「今日はこれで」と定時に帰ることも容易です。
社員のような責任も少ないです。
④パートタイム労働者(非正規雇用)
雇用契約 | 勤務先企業 |
雇用期間 | 特に制限はないが非正規のため不安定 |
パートアルバイトです。
派遣社員と違い、雇用契約を結ぶのは勤務先企業になります(直接雇用)。
週2日だけ、毎日4時間だけなど、1週間の労働時間が正社員に比べて短いのが特徴です。
空いた時間や子どもが保育園に行っている時間に余裕を持って働くことができます。
ただし、薬剤師や看護師など資格職でない場合、時給1000円前後など最低賃金より多少マシ、くらいの時給で働くことになります。
⑤個人事業主、業務請負
雇用形態 | 自営扱いまたは業務委託 |
契約期間 | 特に制限はないがコンスタントに仕事が入る保証はない |
最近増えているのが在宅ワーカーです。
これまでのスキルをしかして、ライティングやプログラミング、イラスト描きなどを請け負います。
時間による支払いではなく成果によって、1件○○○円という支払いになります。
これが悪用されて、超ブラック企業では社員ではなく「業務委託」にさせて、残業代他一切の手当てを支払わないことが問題になっていますが、在宅で育児をしながらスキマ時間を活用して内職、クラウドソーシングの仕事をするのは悪くないと思います。
ただし、労働法の範疇(労働基準法や雇用関係の法律)からは外れるので注意してください。
民法や商法の契約の範囲になります。
産後の復帰・再就職に向けてやるべき7つの準備
「大したスキルもなく、ブランクのある主婦を必要としてくれる会社はあるの?」と、仕事復帰や再就職を諦めてしまうのはちょっと早計です。
最近では人手不足の問題や女性の社会進出が進み、子育て中の主婦を積極的に採用する企業が確実に増えています。
主婦向け就職サービス「しゅふJOBサーチ」の求人数を参考にすると、2012年から2015年にかけての求人数は10倍にも増えているのです。
たった3年で驚異的な伸びと言えますよね。
応募する主婦の数も6から7倍にまで増えているので、今やブランクのある主婦が再就職を目指すのはごく自然なことと言えるでしょう。
のんびり考えていると、いざ動き出すにも何をすればいいのかさっぱりわからないことも。少しずつ、できることから再就職への準備を始めておきましょう。
1.自治体や大学が主催する「主婦のための再就職講座」に参加
ここ数年、主婦の再就職意欲を高める講座がさまざまな自治体や大学で開催されています。講座では就職活動のノウハウを教えてくれたり、パソコンスキルのブラッシュアップを図ったり、さらには面接対策や書類添削を行ってくれる講座もあります。
自治体が主催する講座の中には託児付きのものも多いので、上のお子さんを預けて受講に集中することができるでしょう。現在再就職に向けて不安を抱えている方はアドバイザーに相談に乗ってもらうのもいいですね。
一般的に自治体よりも大学の講座の方が「スキルアップ」に力を入れる傾向にあるので、自分に合った講座を探してみるといいでしょう。
2.在宅ワークができるwebサイトに登録してみる
「出産後すぐにでも働きたい!」「収入は得たいけれど、子どもを見ながら仕事をしたい」と考えている人におすすめなのは、在宅ワークの紹介サイト。
ランサーズやクラウドワークス、シュフティには、ライターやデータ入力などといった自宅でできる仕事が充実しているので、登録して自分に合う仕事を探してみるといいでしょう。
内職程度の報酬である仕事も目立ちますが、スキルを磨けば高報酬の仕事を任されることも十分にあり得ます。好きな時に好きなだけ働くことができるので、マイペースに仕事をしたいという人にぴったりです。
妊娠中から無理のない範囲ではじめてみるのもいいですね。
在宅ワーカーと依頼者(企業)を結ぶ、クラウドソーシングサービス。ライティングやデザイン、開発などのスキルがあれば、家でただじっとしているなんてもったいない!家にいながらにして、仕事をつかむチャンスはいくらでもあるのです。お子さんがお昼寝している間にでも、まず登録してどんな仕事があるのか探してみませんか?
3.主婦向けの転職サイトに登録してみる
「やっぱり自宅よりは外に出て働きたい!」と考えている人は、求人サイトに登録してみましょう。数ある求人サイトの中でも人気が高いのは、「しゅふJOBサーチ」や「時短エグゼ」といった主婦向けの求人サイト。
限られた時間しか働けない主婦や、平日のみの勤務を希望している主婦向けの求人が充実しています。「しゅふJOBサーチ」はとにかく条件重視の主婦に、「時短エグゼ」はスキルに自信のあるママや、短時間で効率よく稼ぎたいと考えているお母さんにぴったりです。
4.履歴書と面接対策の練習で将来のビジョンを描く
「まだ再就職は先なのに、今から面接対策をするのは早すぎる」と考えてはいませんか?履歴書の作成と面接対策はただ応募先企業のためだけにあるものではなく、自分のキャリアや未来予想図を明確に把握するために必要なものです。
履歴書に志望動機や希望条件を書くことで、おのずと自分の希望を把握することができるでしょう。またあまりに長い間、履歴書作成作業から遠ざかっていると、いざというときに書くことが思い浮かばないということもあるので、定期的に対策をしておくことをおすすめします。
また子どもがいると面接では「子どもが熱を出したときはどうするの?」「お子さんの予定はどうするの?」など子どもに関する質問を聞かれることが想定できるので、対策を考えておきましょう。
5.マザーズハローワークに登録
webサイトからではなく、実際に人からの紹介を受けたいと考えている人におすすめなのはマザーズハローワークへの登録。
その名の通り、ママに合った求人を紹介してくれますよ。自治体が請け負っているので、安心して働ける職場を探すこともできるでしょう。
ハローワークでは面接対策や書類添削も行っているので、無料で指導を受けることもできます。
6.産後の再就職に向けてアンテナを広げる
再就職のチャンスはどこに転がっているのかわかりません。これまでは流し見していた広告や街の求人募集を注意深く見ていると、「これだ!」と思える求人に巡りあえる可能性もあります。
自分が再就職活動を始める時点で募集しているとは限りませんが、少しでも情報に敏感になっておくと、有益な情報を得られる可能性が高まります。
7.産後の仕事復帰・再就職に有利な資格の勉強を始めよう
一般的に資格を持っていた方が就職には有利です。特に女性からの人気が高い介護職など資格が必要な職業は需要も高く、子育てが落ち着いてから始める人も少なくはありません。
集中力と根気が必要な資格の勉強は、比較的まとまった時間を取りやすい妊娠中に向いています。
就きたい仕事への理解を深めるために、資格を取ることも非常に有効と言えるでしょう。
出産後の仕事復帰をスムーズに進めるためには、担当業務がしっかりと決まっている資格が役立つことが多く、先輩ママからの人気を集めています。
産後の再就職におすすめの仕事と資格6選!
出産後の再就職、職場復帰がスムーズに進みやすい資格を紹介します。難易度や取得費用はさまざまですが、まずは一通りチェックしてみてください。
女性特有のライフスタイルの変化に対応できるよう、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
医療事務・・・通信で学べて資格が取りやすい
また、医療に対する需要が増える近年では、医療事務の求人も安定しています。収入面では看護師や助産師に及ばないものの、パートタイマーやアルバイトで時間に都合がつけやすいこともメリット。子供が保育園や幼稚園に入園したタイミングで、医療事務職として社会復帰する先輩ママが多いようですね。
先輩ママからの一言
☆医療事務の仕事についてはこちらもどうぞ
歯科助手・・・講習を受ければ取得できる
医療機関の中では比較的身近で、募集もよくみかけるのが歯科助手。女性を対象とした仕事として人気があります。歯科助手資格は全国共通で、旦那さんの転勤にともなう引っ越しがあっても心配ありません。
また、歯科医院は住宅地に近いことが多いため、子供の送り迎えや買い物と両立しやすいというメリットもあります。受付、会計、医師のサポートなど、一般企業での社会人経験が活かせる仕事であることも魅力のようです。
先輩ママからの一言
☆歯科助手の仕事については以下もこちらもどうぞ。
ホームヘルパー・・・需要が高く求人が豊富
ホームヘルパーは3級、2級、1級と段階がありますが、3級から2級であれば長くとも数か月で取得可能です。
また、パートやアルバイトといった非常勤の求人が多いため、子育てと両立しやすいことも特徴。女性特有の気遣いや柔らかさ、安心感などが評価されやすい仕事です。出産と子育てによって命の重みを理解した女性に適した仕事のひとつかもしれませんね。
先輩ママからの一言
☆介護職の仕事についてはこちらもどうぞ⇒【保存版】介護士になりたい!資格取得から就職までのステップ
保育士・・・実務経験があれば受験可能
さらにそこで働く保育士さんも人手不足なことが多いのです。また、企業内の託児所やベビーシッターといった従来の「保育園」とは異なる仕事も保育士資格を活用できます。保育士は国家資格で、学校に通って取得するのが前提ですが、児童福祉施設での長期の実務経験があれば受験できるので、働きながら資格取得を目指すことも可能です。
先輩ママからの一言
☆保育士の仕事についてはこちらもどうぞ⇒保育士資格を活かす仕事とは?保育園や幼稚園以外も施設いろいろ
MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)・・・すべてのデスクワークに有利
ここまで医療や介護といった分野が大半でしたが、一般企業への再就職を目指すならMOSがおすすめできます。事務職であってもオフィス製品(ワード、エクセル、パワーポイント)などを使いこなせると、非常に重宝されるでしょう。
出産前に一般企業での事務職、総合職で経験があれば、MOSの取得によって自分のスキルに付加価値をつけることが可能ですし、企業へ再就職の意思をアピールしやすくなります。社内資料の作成、整理、プレゼン用資料の作成など、MOSが活かせる仕事は多岐にわたるため、就職先の選択肢が広がります。
先輩ママからの一言
簿記検定・・・事務系の経験に上乗せできる
簿記検定3級、できれば2級まで取得しておくと、再就職に非常に有利になります。ただし2級は難易度が高めですから、出産前から準備をしておくべきでしょう。
新生児の子育てと簿記2級の勉強を両立させることは、体力的にも時間的にも難しい可能性があるからです。簿記2級の取得には3級取得者で3か月前後、まったくの素人であれば4か月から半年程度必要になることもあります。
先輩ママからの一言
産後の職場復帰に役立つ資格はいつから取得準備するべき?
今回紹介した資格は、いずれも出産後の再就職をスムーズに進めるために役立つものばかりです。
しかし資格の取得には準備期間や勉強時間が必要ですよね。
先輩ママたちの中には、将来を見据えて出産前、あるいは結婚前から資格取得の準備を進める方も多いようです。
結婚、出産、子育てと立て続けにライフスタイルが変化するなかで勉強を続けることが難しいこともあり得ますから、準備は早いに越したことはないでしょう。
出産、子育てのブランクがあっても社会に復帰したい女性はたくさんいます。
また、企業も社会も、女性の力を必要としているのです。
資格取得によって再就職を有利に進めるために、少しでも早いうちから準備をすすめておけば将来の不安も和らぐのではないでしょうか。
産後の仕事の雇用形態は正社員だけとは限らない
再就職には正社員を目指す人も多いですが、小さいお子さんがいるご家庭では、保育園に入所するか親類に見てもらうかしないとフルタイムで働くのは難しくなります。
お子さんの急な発熱で早退したり休んだりしなければいけないことも多く、たとえ就職できたとしても居づらくなって辞めてしまう人も少なくありません。
その点、社内に託児所のある企業は働きやすい環境と言えますが、多くの企業ではそういった環境が整っておらず、出産後の就職先としては厳しいものがあるのが現状です。
出産後や育児中はパートや派遣という選択肢も
そこで、再就職では正社員にこだわらず、短時間で働けるパートや残業を強制されない派遣社員として働く選択肢も視野に入れてみてください。
歯科助手やホームヘルパーはパートの求人も多いですし、事務系の資格や経験があれば、派遣として大企業で働くことも可能です。
ぜひ、資格を活かして働きやすい職場を見つけてくださいね。
産後復帰におすすめの仕事や資格まとめ
7つのコツを抑えておけば、ブランクがあったとしても再就職活動を始める段階で何をすればいいのか困ることがありません。スポーツをするときに準備運動が大切なように、予め転職の準備をしておくことはとても大切です。少しずつ準備を進めておきましょう!