商社、特に総合商社は就職企業人気ランキングの常連企業になっていることからもわかるとおり、就職先として抜群の人気を誇ります。
それだけに商社へ就職を果たすには熾烈な競争を勝ち抜く必要があり、漠然とした就職対策では歯が立ちません。
例えばESで特に重要になってくるのが「志望動機」ですが、商社対策のコツやポイントを踏まえた書き方が求められるのは当然です。
そこでこの記事では商社内定を果たしたOB、OGに尋ねた志望動機の書き方のポイントの他、商社へ就職を果たすために必要な要件などを詳しくご紹介して参ります。
商社に就職するために:求められるものとは?
商社への就職するには商社で求められる資質や能力などを備える必要があります。
では商社へ就職するにはどのような資質や能力が求められるのでしょうか。
商社には中小企業もありますので、就職難度は会社の規模や知名度によっても異なります。
ここでは就職企業人気ランキングでベスト30(出典:キャリタス就活2018※)入りを果たしている伊藤忠商事や三菱商事といった人気商社の総合職を前提に、二つのポイントから就職に求められる要件をお伝えします。
※就職企業人気ランキングでベスト30入りを果たしている商社
・9位:三菱商事
・19位:三井物産
・27位:丸紅
・29位:住友商事
出身大学は?やはり高偏差値大学に強み
学歴フィルターはない!?
商社をめざす上で学生の皆様が気になることと言えば「学歴フィルター」の存在ではないでしょうか。
商社は人気が高いゆえに学歴フィルターのウワサは絶えないのですが、結論から言えば学歴フィルターは存在していないと考えて構いません。
商社側人事担当者は学歴フィルターの存在を明確に否定している上、日東駒専以下のレベルの学生は足切りに合うといったウワサが根強くありますが、日東駒専からも総合職で内定を果たしている実績も現実にあるからです。
採用テストが実質的に学歴フィルター的機能を果たしている
では「学歴フィルターがない=出身大学不問」かというとそうとは言い切れません。
1次選考時に実施される筆記テストは学力・教養テストのような色彩が強く、また難度も高いため、学力が低い学生はテストを通じて振るい落とされます。
その結果、学力が高い学生が多い高偏差値大学の出身者が通過者の大半を占めることになります。
わかりやすく言えば商社は「学歴(出身大学)」と言うより「学力」を重視する傾向が強いということです。
商社マンは刻々と変化する国際情勢を踏まえて、既存ビジネスが今後どう変化してゆくか、どんなビジネスチャンスが生まれるかなど常に学習しなければなりません。
これだけのことを覚えれば後はそれを磨くだけで良いという職種ではないので、継続的に知識を習得するための学力が素養として必要になってくるからです。
従って商社をめざすなら、東大や早慶といった高偏差値大学の学生にテストで負けない学力や教養を身に付ける必要があるということです。
英語力:TOEIC神話は誤解!しかし語学の学習能力は必要
商社に受かるには、TOEICスコアで750点以上ないと足切りに合うといったウワサが絶えません。
事実から言えば600点台のTOEICスコアで内定を獲得した学生もいますし、少数ながらTOEICのスコアを取得していない学生すらいます。
実は商社側は学生の皆様が考えているほどTOEICのスコアを重視していません。
なぜなら「TOEICのハイスコア=ビジネスで通用する英語力が高い」ということではないことをよく理解しているからです。
商社が重視したいのはTOEICスコアではなく英語での交渉力だが、しかし・・・
TOEICのハイスコア者が英語を通じた交渉力に秀でているとは限りませんし、逆に言えば少々英語に難があっても抜群の営業力や交渉力を発揮する人物もいます。
商社としての本音は前者と後者であれば欲しい人材は断然後者です。
そのため、TOEICスコアが少々低くとも、それを問題視させないぐらいの抜群の交渉力があることを認められれば採用される可能性は間違いなくあります。
しかし、この点において多くの学生諸氏に誤解が見られるのですが、商社で要求される高度なビジネス交渉力は学生がアルバイト経験や部活経験などで身に着けられるようなものではありません。
商社側がよほど確信できる何かがない限り、交渉力の高さを評価されることはまずないのです。
一方、学習能力であれば客観的な評価が可能ですし、交渉力を高めるためにも時流に合わせた英語のフレーズや言葉を学び続ける必要があります。
その結果、あいまいな交渉力に対する評価より学習能力の高さを優先して学生を採用することになりますので、筆記テスト同様で学力が高い学生はTOEICスコアも高く、一定点数以下のスコアしかない学生はほとんど採用されていない状況が生じているのです。
商社を目指すのであれば、足切り点といった大学入試のような観点からスコア獲得を考えるのではなく、ビジネスの現場で求められる英語力を鍛える一環としてハイスコアを目指すという視点と努力が重要だと言えます。
総合商社と専門商社・就職しやすさや違い
就職難度は総合商社の方が断然高い
商社はジャンルに関係なく幅広くい領域でビジネスに取り組む総合商社と、特定の商材や資源、サービスを専門的に取り扱う専門商社の大きく二つに分けることができます。
総合商社と専門商社を比較した場合、どちらが就職しやすいかと言えば文句無しで専門商社に軍配があがります。
この記事で就職業人気ランキング・ベスト30入りを果たしている商社をご紹介しましたが、それらは全て総合商社です。
理由はビジネススケールの大きさと生涯年収
ではなぜ総合商社の方が人気が高いのか、即ち就職難度が高いのか。
大きな理由はビジネススケールの大きさと生涯年収の高さにあります。
総合商社は場合によっては一国の大統領なども巻き込むレベルの壮大な国際的事業に取り組めるチャンスなどがありますので、そうしたスケールの大きさに魅力ややり甲斐を感じる学生は大変多いからです。
また、就職企業人気ランキングの常連となっている人気総合商社は平均年収で1200万円前後、生涯年収で4億円から5億円という高年収を誇ります。
こうした年収の高さも就職先として人気を誇る大きな要因になっています。
一方専門商社は事業分野が限定されているため専門性が高い仕事に取り組める反面、様々な国や組織を巻き込んだ巨大なスケールの仕事に取り組めるチャンスはあまりありません。
また、年収面でも総合商社ほどの年収水準ではないことから、総合商社に人気を奪われています。
就職先として専門商社は実は狙い目!
もし国際的なビジネスに取り組みたいという理由から商社を目指している方なら、専門商社は狙い目です。
専門商社の年収は総合商社の年収を下回るといっても、専門商社の年収は決して低いということではありません。
専門商社でも大手であれば平均年収で800万を超えており、サラリーマンの平均年収水準を大きく上回っているのです。
また、分野が限られると言っても、その分野においては世界中を股にかけてビジネスに取り組めるチャンスはあります。
世界的な規模で取り組める仕事の面白さという点では、専門商社でも十分堪能できる訳です。
総合商社ではなく「商社」への就職を希望している学生諸氏なら、就職難度が低い分専門商社は狙い目の穴場的な就職先と言えますので、積極的に検討することをオススメ致します。
志望動機の書き方・そのポイントやコツについて
冒頭でもお伝えしたとおり、難関の商社へ挑むなら志望動機の書き方もポイントやコツを踏まえる必要があります。
そこで「志望動機の書き方」におけるポイントやコツについて、内定を獲得したOB、OG、更には商社の採用担当者に伺いましたのでそれらをご紹介することにします。
内定獲得者はどういった点に留意して志望動機を書いたのか、ぜひ参考にしてください。
日本人としてのアイデンティを重視した(慶大卒・住友商事、三菱商事内定)
商社って国際性が重視されると思って、やたら留学したことやホームステイ経験を誇らしげに志望動機に書きたがる人が多いのですが、私はそれではライバルに勝てないと思いました。
海外の事業者が日本の商社を利用する大きな理由は「日本に詳しい」からです。
日本の商業は勿論、文化、慣習、国民性などに精通しているだろうと考えるから、日本へ商材を売り込む場合に日本の商社を利用する訳です。
例えばアメリカの事業者が自分よりアメリカに詳しいことなんて、日本の商社マンに期待するはずがありません。
そこで私はそうした商社マンに求められる日本人としてのアイデンティとは何かをよく考え、その点を志望動機に反映させたところ、総合商社二社から内定を得ることができました。
私が内定を採れたことからわかるとおり、商社を目指すからと言って志望動機で海外の知見にこだわる必要はないということです。」
企業理念に本当に共鳴できるかを考え抜くこと(一橋大学卒・三井物産内定)
企業理念に共感、共鳴できていなければ、入社しても仕事にやり甲斐を感じることはできなくなると思いますので、商社に限らず、企業は学生を採用するにあたってその点を特に重視しています。
ところが多くの学生は、本心ではそれほど共感を感じていないのに内定獲得の手段として理念に共感しているように装って志望動機を書いてしまっています。
しかし、百戦錬磨の人事からはそうした心がない文章など簡単に見抜かれしまいます。
志望動機を考えるということは企業理念に本心から共感できていることを前提として、その理由を述べることだと言っても過言ではありません。
志望動機を考えるなら、数ある会社の中でなぜその商社の理念に共感できたのか、徹底的に考え抜くことです。
その結果、どうしても共感できる理由がはっきりしないという結果になったら、その商社をあきらめる覚悟も必要です。」
マニュアルやお手本ではなく自分の言葉で書くこと(総合商社・人事担当者T氏)
ネットがこれだけ普及している時代ですから、立派な例文を探せばいくらでも見つかることは私達だって百も承知です。
ネットで探し出した例文を真似たところで、すぐにわかるんです。
志望動機は自分の気持ちとの対話を通じて、自分の言葉で書くこと。
これに尽きます。
自分の言葉で書くと言ってもわかりやすい理路整然とした文章であることは重要です。
しかしそれは立派に書かれた例文を真似ることではありません。
大切なことは何度も読み返して推敲を行うことであり、そうした努力を払えば文章自体が磨かれてくるし、気持ちが伝わる志望動機にもなってきます。
マニュアルや例文に頼らず、自分の言葉で考え抜き、何度も読み直すことで志望動機を作り上げて欲しいと願います。」
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