IT業界と聞くと、華やかでスマートなイメージがありますが、実際の現場では違う場合も多いです。
ITという言葉のイメージとは裏腹に、きつくて辛い仕事も多く、IT土方と呼ばれる劣悪な環境で働いている方もいます。
今回の記事では、自分がそんなIT土方とはどのような人が該当するのか紹介しつつ、自分がIT土方か分かるチェックリストや、IT土方からの抜け出し方などを解説していくのでぜひ参考にして下さい。
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IT土方とはIT業界で単純労働に従事する人のこと。将来や末路はどうなる?
IT業界で働いている方やIT業界を目指している方であれば、IT土方という言葉を聞いた事のある方も多いでしょう。
IT土方とは、簡単に言えばIT業界の中でも比較的単純な労働を、低報酬で長時間行っている方の事を言います。
ITという華やかな業界イメージと土方という単語は中々結びにくいイメージの言葉ですが、なぜIT土方と言われているかは後ほど詳しく解説しているので参考にして下さい。
自分はIT土方?チェックリストで判断しよう
IT業界で働いている方にとっては、自分がIT土方に該当するかどうかが気になるでしょう。
IT土方には下記のリストのような一定の特徴があるので、自分の労働環境が当てはまるかどうかをチェックしてみて下さい。
全てに当てはまっている人は要注意
全てにあてはまるようであれば、IT土方になってしまっている可能性があるので注意しましょう。
とにかく残業が多く時には深夜まで帰れなかったり、休日出勤や休みが取りにくいなどが代表的でしょう。
また他にも仕事の内容がプログラマーでなくても出来るような単純なものであったり、マニュアル通りにタイピングするだけという事もあります。
会社の客先も重要なチェックポイントで、孫請け案件ばかりを受注しているのであれば、IT土方の可能性が高いと言えるでしょう。
このように単純作業を長時間行っているのがIT土方の特徴で、いわゆるブラック企業と呼ばれるような職場は該当する可能性があります。
IT土方の将来や末路
厳しい将来が待っている
IT土方として働き続けた場合、将来は明るくありません。先ほど説明したように単純作業が中心なので、労働時間が長い割にはスキルアップしにくいでしょう。
そのため何年も働いていても仕事内容が変わらず、同じ単純作業を半永久的に繰り返す事になります。
また長時間労働が続くので体力的にも負担が大きく、体調を壊してしまう可能性もあります。
ブラックな職場では上司のパワハラがひどい場合もあるので、精神的なストレスで疲れてしまう場合もあるでしょう。
更にスキルが身に付かないので役職も上がらず、若い方にどんどん追い抜かれてしまい、年を重ねるほど辛い立場になります。このようにIT土方として働き続けても、将来は明るいとは言えません。
年収も上がらない
将来が明るくない事に加えて、IT土方は給料も上がりません。
先ほども説明したようにいくら長い期間働いても単純作業の繰り返しなのでスキルアップが出来ないため、役職も上がりにくく給与アップも期待出来ないでしょう。
そもそも孫請けの受注を取っている会社では利益水準が低い場合が多く、人件費を上げにくいというケースも多いです。
会社が利益を確保出来ていないのであれば、給与は上がるどころかリストラなどで収入下がってしまう可能性もあります。
このようにIT土方の仕事を続けても、スキルアップにも繋がらず年収も上がりくいと言えます。
IT土方が今後身に付けるべきスキル
将来に応じたスキル
ここまで説明してきたようにIT土方の未来は明るくありませんが、少しでも良くするためにはスキルや資格を自主的に学んでいく事が必要です。
一口にスキルや資格と言っても様々ですが、将来どのような職種を目指すのかで必要なスキルも違ってくるでしょう。
例えばインフラエンジニアであればクライアントとの直接交渉を行う必要があるのでヒアリングスキルや、またプロジェクトをマネジメントするスキルが必要になります。
フロントエンジニアであればHTML、CSS、JavaScriptが扱えることや、SEOの知識が求められるでしょう。
ITスキルを証明できる資格取得もおすすめ
このようなスキルだけでなく、ITスキルや知識を証明するためには資格を取得するのも良いでしょう。
資格も様々ですがエンジニア系であれば、情報セキュリティスペシャリストやエンベデッドシステムスペシャリスト、ネットワークスペシャリストなどが良いです。
マネジメント系であればITストラテジストやプロジェクトマネージャーなども、おすすめの資格です。
プログラマーがIT土方と呼ばれる背景、陥る先(デスマーチ)
ここまでIT土方の内容について説明してきましたが、何故IT土方と呼ぶのでしょうか。
ITと土方は業界・職種としては全く違うので、言葉自体に違和感を感じる方も多いでしょう。またIT土方を続けていると、最終的にどのような状態に陥るのかを紹介していきます。
プログラマーは土木・建築業界と商流が似ている
IT業界で単純労働を長時間続けている人をIT土方と呼ぶ理由は、IT業界と建築・土木業界の構造が似ている事が原因でしょう。
もう少し詳しく言うとIT業界におけるプログラマーと、建築土木業界における土方が、構造的に似た立場にあると言えます。
IT業界ではシステムを開発する際に、下記にように元請けから孫請けへと受注が流れていく構造が一般的です。
上記のように多重構造となっているのがIT業界の特徴です。このような構造は建築・土木業界と良く似ており、末端の現場で作業をする方を建築・土木業界では土方と呼びます。
一口に土方と言っても現場を仕切るマネジメント職の方もいれば、熟練の職人など高度な専門職の方も多くいるので決して末端作業員ではないのですが、土方という言葉のイメージがIT業界における一部のプログラマーに重なる事から、揶揄的な意味を込めてIT土方と呼ばれています。
このようにITという華やかなイメージと土方という全く違う業界の言葉を組み合わせることで生まれた言葉が、IT業界におけるブラックな部分を上手く表していると言えるでしょう。
しかし似ているようで違う点もあるのがIT業界で、建築・土木業界での土方にはないデスマーチと呼ばれる状況があります。
デスマーチとはIT業界独特の言葉で、IT土方を象徴するような状況の事を言いますが、一体どのような状況を言うのでしょうか。
デスマーチとは具体的にどのような状況か
デスマーチとはIT業界における特殊な状態を指す言葉で、具体的には納期が崩壊しているような厳しい状況の案件をとにかく人海戦術で乗り切ろうとしているような状況を言います。
多くの工程や作業を短期間で正確にこなして必要があるので、プロジェクトメンバーには多大な負担がかかる事が特徴で、言葉の本来の意味である「死の行進」や「死の行軍」とも言われます。
ここではデスマーチがどのような状況になるか、具体的に紹介していきます。
300~400時間を超える残業
デスマーチに陥ると、300~400時間と言った残業をする事になります。
デスマーチが発生するのは納期が破綻寸前のプロジェクトなので、とにかく全員総出で作業をする事になります。
時間が迫っている中で多くの作業をする事になるので、残業時間も膨大になるでしょう。
定時退社なんてとんでもなく、深夜まで残業が続く事もあり、時には会社に泊まり込む事もあります。
残業時間が膨大でもきちんと残業手当が出れば良いですが、殆どの残業時間がサービス残業となるでしょう。
休みがほぼない
デスマーチでは残業だけでなく、休みも取る事が出来ません。有給などの休暇が取得出来ないだけでなく、土日のような指定休日も出勤になるケースも多いです。
深夜までの残業に加えて、休日も休めないという過酷な長時間労働が続くのがデスマーチの特徴と言えるでしょう。
次々と人員が脱落していく
このように過酷な労働状況が続く事によって、人員が次々と脱落していくのもデスマーチの特徴です。
デスマーチが発生すると精神的にも肉体的にも追い詰められてしまうので、疲れてしまって仕事が出来なくなる事も少なくありません。
デスマーチは元々は厳しい納期を人海戦術で乗り切ろうとしているので、人員脱落は残ったメンバーにとっては大きな痛手になるでしょう。
デスマーチが長くなればなるほど、一人・二人と脱落していき、その分残ったメンバーにしわ寄せが行く事になります。
デスマーチの期間が長いほどこのような問題が起きるのも、特徴の一つと言えます。
上司の指示がコロコロ変わる
デスマーチを辛くさせるもう一つの要因として、上司の指示がコロコロ変わる事があります。
デスマーチが発生するような企業は零細で立場が弱い会社も多く、上司と言えども人間的にも技術的にも未熟なことが少なくありません。
そのため極限状態でマネジメントをする事に慣れておらず、上手く現場に指示を出せない事もあるでしょう。
また孫請けの受注を取っている会社では客先に対しての立場も弱いので、何があっても納期を守る必要があります。
上司だけでなく会社としても立場が弱いのでクライアントに対して強く言えず、そのしわ寄せが現場に来るとも言えるでしょう。
このようにデスマーチでは様々な要因もあって、現場の作業員に多大な負担のかかる状況と言えます。
会社に泊まり込む人が出てくる
デスマーチ状態に陥ってしまうと、終電を超えての残業も当たり前になってきます。
終電を過ぎてもタクシーで帰る人もいますが、住んでいる場所によっては家に帰らないでそのまま会社に泊まってしまう方も少なくありません。
そのため朝出社をしたら、床で寝ている人が何人がいるというのもデスマーチのあるあるです。
バクや仕様変更が増える
納期までの時間が極端に短いのでデスマーチに陥る訳ですが、過酷な労働状況からいつも以上にバグや仕様変更が増えるのもデスマーチの特徴です。
デスマーチに陥ってしまうと、ここまで説明してきたように休みもない長時間労働になってしまうので、注意力が散漫になってしまっていつも以上にミスが発生しやすくなり、バグが頻発してしまいます。
またデスマーチに陥る企業は営業やクライアントとの関係が弱い事が多いので、突然の仕様変更にも対応せざる場合も少なくありません。
このように一度デスマーチに陥ってしまうと負の連鎖でますます窮地に追い込まれてしまう場合も多く、過酷な労働状況へと突入していきます。
何故かテンションが高い人がいる
ここまでデスマーチの状況を説明してきましたが、デスマーチに陥ると何故かテンションが高い人がいるのもあるあるの一つです。
デスマーチという過酷な状況を楽しんでいられるほど仕事が好きな方や、多くの仕事を頼まれる事を会社からの信頼感と置き換える人などが多いでしょう。
また職場の雰囲気によってはみんなで困難な状況を打破していくので、一体感が醸成される事もあり妙にテンションがあがってしまう場合もあります。
このように過酷なデスマーチではありますが、人によってはテンションを上げて取り組める方もいるようです。
IT土方にデスマーチが発生する原因
IT土方の象徴とも言えるデスマーチですが、何故このような状況が発生するのでしょうか。
デスマーチに陥ってしまうのは納期が破綻寸前となってしまっている事が要因ですが、そもそも納期が厳しくなってしまう原因を見ていきましょう。
営業による無理な受注
デスマーチが発生する要因の一つに、営業による無理な受注があります。
デスマーチが発生するような企業は孫請けのような零細企業が多く、クライアントに対して立場が弱い事も少なくありません。
このような状況で案件を受注する必要があるため、営業としては多少無理をしてでも案件を獲得せざるを得ません。
そのため案件の受注段階でそもそも納期がタイトな事も多く、スケジュールの厳しい案件であっても受注する事になります。
受注した段階でスケジュールが厳しいので、自然とデスマーチへと突入する事になってしまうでしょう。
このように会社や営業の立場が弱い事からクライアントと対等な交渉が出来ない事が、デスマーチが発生する要因の一つです。
顧客の要望や仕様変更が多い
クライアントからの要望や仕様変更が多い事も、デスマーチへ突入する要因の一つです。
先ほども説明したようにクライアントに対して立場が弱かったり、無理に受注しているので、要望を断れない場合も少なくありません。
そのため急な仕様変更にも対応せざるを得ず、そのしわ寄せが現場に行く事になります。
納期は変わらないのに直前での使用変更なども珍しくなく、結果として現場のエンジニアが過酷な労働状況に陥ってしまうのもデスマーチの要因の一つです。
予算不足
予算不足も、デスマーチ発生要因の一つです。
開発要件をかなえるためには開発ツールや専用機器が必要になりますが、予算不足によって必要なリソースが確保出来ない事も少なくありません。
そのためスムーズにプロジェクトが進行できず、納期までのスケジュールが厳しくなってしまいます。
人員不足
予算に加えて人員が不足している事も、デスマーチの原因の一つです。
プロジェクトによっては必要な人員の半分も確保出来ていない場合もあるなど、IT業界の人員は不足しています。
ITエンジニアは多くの企業で需要が高まっているので、業界全体として人材不足が深刻になっているのも要因の一つと言えるでしょう。
ITエンジニアだけでなく、プロジェクトの進行を管理するマネージャーなども不足しているケースもあり、結果として納期までのスケジュールがタイトになってしまう事も多いでしょう。
このようにデスマーチはそもそも厳しいスケジュールの受注に加えて、予算や人員など必要ばリソースが確保できていない事が原因と言えます。
進捗管理がずさん
デスマーチの発生の要因に一つに、プロジェクトマネージャーなどの進捗管理がずさんな事もあります。
本来は納期から逆算をして、バグなどのトラブルが起きる事も想定した進捗管理をする必要がありますが、全ての案件がタイトになっているために適切に管理出来ていない場合も多いです。
そうすると常に目の前の納期に向かって邁進を繰り返す事になるので、結果としてデスマーチを繰り返す事になるでしょう。
このように適切にプロジェクトを管理出来ていないか、もしくは管理出来る人材が不足している事もデズマーチが発生する要因の一つです。
納期は死守しなければならない
デスマーチは納期までのスケジュールがタイトな事が要因ですが、そもそも納期を絶対に死守しなければならない事が一番の原因とも言えます。
納期を伸ばす事が出来ればデスマーチも発生しませんが、納期とは品質やコストよりも重視すべき項目と認識されているのがIT業界では一般的と言えるでしょう。
納期を守るためであれば、社員の長時間残業や休日出勤も仕方ないと考えているので、デスマーチが発生してしまいます。
なぜそこまで納期が大事かと言うと、納期は企業にとって信頼の証とも言えるからです。
特にIT業界では競合他社も多く、様々なコンテンツがスピーディーに開発されているので、下請けや孫請け企業にとっては納期の厳守は死活問題と言えるでしょう。
納期を守らなければ会社の信用問題に関わるので、デスマーチが発生しても納期を守る事を優先する事が大きな要因の一つと言えます。
IT土方と呼ばれてもプログラマーの年収は人並み
IT業界といえば数少ない成長業種でもあるので、IT土方の年収は高いと思われる方もいるかもしれませんが、実際には違います。
IT土方の平均年収は250~350万円と言われており、平均年収をやや下回る程度の水準とも言えます。
しかし、深夜に及ぶ長時間残業や休日出勤などもあることを考えると、とても割に合う年収とは言えません。
またサービス残業が横行しているブラック企業である場合も多いので、労働時間に対する単価で考えるとかなり低い水準にあると言えるでしょう。
更に先ほども紹介したように精神的・肉体的にも追い詰められてしまう可能性もあるので、IT土方は劣悪な労働環境と言えます。
そのためIT土方に陥ってしまっている方は、次で説明するような方法で出来るだけ早く脱出する方が良いでしょう。
IT土方からの脱出方法
IT土方に陥ってしまっている方は、出来るだけ早く脱出する事が重要です。
辛い労働環境であってもスキルアップ出来たり、収入が上がったりと将来が明るいのであれば頑張って耐える事も必要ですが、IT土方の場合は違います。
頑張って我慢して働いても環境は変わらないので、ここで紹介するような方法を活かして出来るだけ早く脱出するようにしましょう。
スキルを活かして転職する
まず一つ目の脱出方法が、これまでのスキルを活かして転職する方法です。
IT業界では現在空前の人手不足なので、プログラマーやエンジニアのようなIT人材は多くの企業が欲しています。
そのためIT土方であったとしてもIT業界で培った経験やスキルを活かせば転職はそう難しくはないでしょう。
ただ注意したいのがせっかく転職しても、転職先の企業をきちんと選ばないとまたIT土方になってしまう事もある点です。
簡単に入れる企業や応募条件のハードルが低いような企業は避け、自社サービスを開発しているような企業を選ぶようにしましょう。
自社開発のエンジニアであればクライアントとの力関係でデスマーチに陥るような事はありませんし、企画から開発まで多くの工程に関わる事も可能です。
そのためスキルアップや収入アップにも繋がりますし、仕事に対するモチベーションも高く保てます。このように転職の際には転職先をしっかりと選定する事が重要です。
持っているスキルを活用してステップアップする
これまでの経験やスキルを活かしてステップアップする事も脱出方法の一つです。
IT土方とは言え勤続年数がそれなりにあるのであれば会社に貢献をしている訳ですし、会社内でのスキルや立ち回りは身についていると言えるでしょう。
そのためこれまでの経験とスキルを活かして、管理職への昇進などのステップアップを目指すのも方法の一つです。
ただIT土方が発生するような企業では、昇進をしても労働環境がそこまで改善されない場合もあります。
そのような際にはこれまでの経験を活かして、フリーランスとして独立するのも良いでしょう。
フリーランスとなれば仕事を確保する大変さはありますが、デスマーチのような過酷な労働状況に陥る事は避けられます。
先ほども説明したようにIT業界は全体的に人材不足感が強いので、スキルがあれば経常的に仕事を確保する事も可能でしょう。
IT以外のスキルを身に付ける
IT以外のスキルを身に付けて、他の業界へとチャレンジする事も脱出方法の一つです。
未経験の業界へとチャレンジする事は勇気が入りますが、今では転職が当たり前になっているのでそこまでハードルは高くありません。
またIT業界出身者ということであれば、受け入れてくれる企業も多いでしょう。
具体的に身に付けつけるべきスキルは多様ですが、IT業界出身ということであればIT系スキルが高い事は伝わります。
そのため社会人としてITスキル以外の能力を補完出来るようなスキル・資格を習得すれば、より魅力のある人材に見える可能性があるでしょう。
例えば金融系であればFP、不動産系であれば宅建などが代表的ですが、目指すべき業界に応じてスキルを身に付けると、IT土方からの脱出も実現しやすくなります。
【未経験者向け】プログラマーをIT土方扱いする求人の特徴(見分け方)
ここまで説明してきたようにIT土方は労働環境が劣悪なので、これからIT業界を目指す方にとっては社員をIT土方として扱う企業は絶対に避けるべきと言えます。
しかし未経験の方であればどのような企業がIT土方に陥りやすいのかは、分からないでしょう。
そのためここではIT業界未経験の方向けに、社員をIT土方扱いする企業の見分け方を紹介していきます。これからIT業界を目指す方は、ぜひ参考にして下さい。
応募のハードルが低い求人を頻繁に出していないか
社員をIT土方扱いする企業の見分け方の一つが、その企業が出している求人情報にあります。
「未経験歓迎」や「簡単作業」など業界他社に比べて明らかに好条件が並んでいるのであれば、その企業は要注意と言えます。
更にそのような求人情報を頻繁に出しているのであれば、その企業はとにかく人手が欲しいと推測出来ます。
専門人材ではなく、誰でも良いからとにかく早くたくさん来てほしいという事は、仕事が単純作業の繰り返しであり、IT土方の可能性が高いでしょう。
このように応募ハードルの低い求人を数多く出している企業は、人海戦術で乗り切る傾向にあるので、IT土方となってしまう可能性が高いので注意しましょう。
提示している給与が高すぎたり、幅が広くないか
応募ハードルの低さに加えて、「年収〇〇万円以上も可能」のような業界他社と比べても極端に高い事例をアピールしている企業も要注意と言えます。
同様に採用後の年収が「年収300~700万円」というように、幅の広い場合もIT土方となってしまう場合が多いと言えるでしょう。
このような求人を出している企業は好条件をアピールしてとにかく人材を集める必要があると推測出来るので、社員を使い捨てと考えている傾向があると言えます。
「年収〇〇円以上」や「年収700~300万円」 のような情報は嘘では無いですが、多くの場合で高い年収が実現出来る可能性は低いと言えるでしょう。
一部の管理職や古くからいる社員の事例を出しているケースも非常に多いので、あまり鵜呑みにしない事が大切です。
少ない可能性であっても上を目指して頑張るという姿勢も大事ですが、IT土方になってしまっては将来もありません。
このあたりの判断基準はとても難しいのですが、あまりにも良い条件ばかりを出している求人には注意すべきと言えるでしょう。
固定残業代が含まれていないか
応募条件の収入面に、固定残業代が含まれている場合も要注意と言えます。
固定残業代とは残業をしてもしなくても、一定時間の残業をしたとみなして残業代を払う給与形態の事です。
一見するとあまり残業をしなくても残業代がもらえる好条件のように見えますが、そうではありません。
固定残業代は残業をしてもしなくても貰える残業代なので、実際には残業をしない場合よりは長時間の残業を想定しているケースが多いと言えるでしょう。
特にデスマーチが発生するようなIT企業の場合は深夜までの残業が常態化している事も珍しくないので、固定残業代を採用している事も多いです。
固定残業代と聞くと大手のホワイト企業をイメージしてしまいがちですが、IT業界での実態は長時間残業を前提としている場合が多い事も認識しておきましょう。
【経験者向け】プログラマーがIT土方から脱出する方法
プログラマーにとってホワイト企業はたくさんありますが、運悪く長時間労働・低賃金・単純作業ばかりやる会社に入社してしまった人もいることでしょう。
希望をもってIT業界に入ったにもかかわらず、不遇な環境で働くプログラマーがIT土方から脱出する方法をご紹介します。
ホワイトのIT企業に転職する
IT土方を脱出する手っ取り早い方法は転職です。
中でも転職サイトにはプログラマーを募集するホワイト企業の求人がたくさん掲載されています。
しかし、求人広告や面接だけで応募機企業がホワイトかブラックか簡単に見抜くことはできません。
ホワイト企業に転職するには、ブラック企業が排除されたエージェントを利用する必要があります。
おすすめは土日祝日が休み、年収500万以上の企業の求人が多数出ているdodaです。
doda(デューダ)
年代 | 20代~30代 | 雇用形態 | 正社員・契約社員・その他 |
---|---|---|---|
対象エリア | 全国(海外を含む) | ||
業界 | SE/Webエンジニア機械/電気広告/クリエイティブ営業職医療専門職金融専門職不動産専門職コンサルタント/士業経営企画/管理事務公務員/教員その他 | ||
おすすめ度 |
- 土日祝休みの求人は業界トップレベル
- 大手企業や年収500万以上の求人も多数
- 研修制度で未経験でも安心
フリーランスになる
フリーランスになるのもIT土方を脱出する1つの手段です。
「フリーランスなんてスキルがないと無理」と心配ですよね。
たとえばフリーランスの求人に特化したレバテックフリーランスには、実務経験が浅いプログラマー向けの求人が多数あります。
しかし高度なスキルを必要としない案件なので、フリーランスのプログラマーにしては月額50万円前後と決して収入は高くありません。
ただ実務経験の浅い若手を育ててくれる求人が多いので、スキルアップをしたい人は応募してみるとよいでしょう。
もちろん登録は無料ですので、登録をしてどんな求人があるのかだけ確認したり応募だけしてみるのもおすすめです。
フリーエンジニアの求人情報サイト【レバテックフリーランス】
年代 | 全年代 | 雇用形態 | 正社員.契約社員.派遣社員,アルバイト,パート |
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対象エリア | 全国 | ||
業界 | SE/Webエンジニア機械/電気広告/クリエイティブ営業職その他 | ||
おすすめ度 |
フリーランスなので正社員とちがって雇用契約ではなく、業務委託契約を結ぶこととなります。
そのため、慣れてくれば他案件と掛け持ちすることもできます。
自分に合わない案件だと思えば、契約書に明示された契約期間が過ぎれば、契約を更新する必要もありません。
結論:IT土方の将来と脱出方法や見分け方
IT業界と聞くと今の日本経済では数少ない成長産業で、重厚長大のような旧来の業種とは違った活力のある産業というイメージが強いでしょう。
しかし実際の現場ではIT土方と呼ばれる末端の作業員が横行しており、低賃金で長時間労働を強いられている方も少なくありません。
IT土方になってしまうと劣悪な労働環境なだけでなく、スキルも収入もアップしないという状況に陥ってしまいます。
そのためIT土方になってしまった場合は、無理に我慢する必要はなく早急に脱出する事が重要です。
脱出する方法は様々ですが、これまでのスキルを活かした転職やスキルアップがおすすめの方法です。またIT業界に拘らず、他の業種へ転職するのも脱出方法の一つです。
このようにIT土方と陥ってしまった場合は転職等で脱出する方が解決策となるので、IT土方の方やこれからIT業界を目指す方ははぜひ今回の記事を参考にして下さい。