大学を中退してしまう人は珍しくありませんが、その後の進路についてはあまり知られていません。
大前提として、大学中退をしてしまうと資格上は「高校卒」となってしまいます。
がんばって大学を卒業した方がはるかに有利であり、それでも中退せざるを得なかった事情があることを前提に、議論を組み立てていきたいと思います。
この記事でわかること
\ 記事の途中に移動します /
目次【クリックして移動できます】
大学中退率の現状:意外と高い?
まず、実際に大学中退率がどのくらいなのか見ていきましょう。
最新の公的資料である学生の中途退学や休学等の状況について|文部科学省によると「2.65%」でやや増加傾向になります(前回平成19年調査は2.41%)。
これを多いとみるか少ないとみるか、高校中退率が「1.5%」前後なので、それよりも大学中退率は高いといえますね。
※高校中退率については高校生の不登校・中途退学の現状等|文部科学省参照
大学中退の主な理由
学生の中途退学や休学等の状況について|文部科学省によると、大学を中退する理由は下記の通りになっています。
- 1.経済的理由 :20.4%
- 2.転学 :15.4%
- 3.学業不振 :14.5%
1.経済的理由
「経済的理由」が多いのはおもに私立大学です。
大学に入学してから卒業するまでにかかる費用が高額なことは深刻な問題で、どこの家庭でも家計は学費によってかなり圧迫されている状態です。
文部科学省の資料「平成26年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)の調査結果について」を参考に、文科系学部の平均値を例に挙げて大学入学初年度の費用を見てみましょう。
入学料 242579円
施設設備費 158118円
合計 1146819円
これは1年目ですから、ここから入学料を差し引いた額に残り3年分を掛けた金額を足します。
1146819+2712720=3859539円
理科系や医歯系に比べるとまだ比較的安いはずの文科系学部でさえ、4年間でおよそ385万円かかるのです。
2.転学
2位の「転学」は意識が高い学生や、親の期待に添えず志望校に入学できなかった学生に多いようです。
【転学する理由の例】
- 入学時に合格した大学では満足できず、もっとレベルの高い大学を目指し再チャレンジ
- 法学部志望だったが不合格。浪人するよりはと文学部に入学したが法学部を諦められず
3.学業不振
「学業不振」で退学する学生は圧倒的に「理系>>文系」です。
やはり理系の方が日々の勉強や研究が大変なのは事実で、一夜漬けでどうにかなるものではありません。
また理系文系を問わず、アルバイトやサークル活動など、学業以外のことに没頭しすぎて勉強についていけなくなる場合もあります。
講義をサボりすぎて出席日数が足りず留年してしまい、結果的に退学してしまう者も少なくありません。
大学中退のメリット・デメリット
大学中退すると人生終わり?こんなデメリットが!
- 「大卒」の学歴が得られなくなる
- 就職活動で苦労する
- 「学生」の身分を失う
大学を中退してしまうとさまざまなデメリットが生じてきますが、大学を辞める時点ではこれらの「当たり前の事実」に気づかずに中途退学をしてしまう若者も少なくありません。
まず大学中退では「大卒」の肩書、「学士」の資格を得ることができません。
これは就職だけでなく、今後生きていくうえで「高卒」となるため、世間の評価も相応のものになり、生涯賃金や今後の生き方・人生設計にも大きく影響します。
就活においても、大卒が条件の求人に応募できなくなりますし、履歴書に「中退」と記述があれば、何かとネガティブな印象を相手に与えてしまいます。
また、大学生は「学生さん」として、唯一の「モラトリアム期間」として大目に見てもらえますが、中退してしまって働きもしていないとただのニートとみなされます。
では逆に、大学中退することにメリットはあるのでしょうか?
大学中退にメリットなんてあるの?
- 自分がやりたい道に進める
- 学費負担がなくなる
大学中退はネガティブなイメージが強いですが、実際のところはどうでしょうか?
大学在学中に本当にやりたいことが見つかった場合なら、大学を中退して専門的な知識を学んだり、少しでも多くの経験を積んだほうがいい場合もあります。
特に職人系のスキル重視の生き方をしたい人は、早くからその道に進んで修行した方がいいケースも多いです。
そして先ほども申し上げましたが、大学の学費はかなり高額です。
親が払うにしろ、学生本人がバイトや奨学金で払っているにしろ、大学で勉強する気がないならば、これだけの学費を無理に払い続けるのは非常にもったいない話です。
この負担が無くなることで、精神的にも金銭的にもかなり楽になるというメリットがあります。
大学中退のその後:就職しない選択肢
大学中退しても就職しない人たちは、どのような選択肢があるのでしょうか?
1.大学の夜間部や通信制大学で卒業資格取得
最終的に就職するにしても、やはり履歴書に書く上で一番望ましい学歴は「4年制大学」の卒業資格です。これがなければ、受けられる企業や職種の幅は一気に狭まります。
就職を少しでも有利に進めたいなら、働きながら大学卒業資格を取得する道もあります。
時間と労力はかかりますが、大学の夜間部(二部)や通信制大学で大学卒の資格を取得する方法です。
その後、資格取得までのストーリーを転職の際の面接で話せば、高評価間違いなしです。コツコツと努力できる人を企業は求めています。
ただし、特に通信制大学は「入るのは楽だけど出るのは難しい」典型例になります。入試は作文程度でほぼフリーパスですが、レポートやスクーリング(大学登校日)が厳格すぎて、卒業できる人は少ないと言われています(一説には慶応大の通信制は卒業率数%で、普通に慶応に入学して卒業するよりはるかに難しいらしい)。
やる気、根気、努力をアピールするチャンスでもあります。
2.専門学校に通う
やりたいことがはっきりと決まっているなら、専門学校に行く選択肢もあります。
ただし、専門学校はある特定の技術や知識に特化したことを学ぶ学校ですので、その道に就職しなければ何の意味もありません。
単に「勉強が嫌で大学中退し、楽そうな専門学校に行く」
などという考えで行くと失敗するリスクが高いということを頭に留めておいてください。
3.職業訓練校に通う
ハローワークと提携している「公共職業訓練校」に通い、就職に直結する技術を学ぶことも可能。これは国や自治体が管理しており、各都道府県に様々な訓練校があります。
自動車や機械系の加工技術や建築・設備系、また情報処理やWEBシステムを学べるコースもあります。地域によって学べる内容が違いますので、まず近くの職業訓練校を調べてみましょう。
⇒厚生労働省:公共職業訓練コースの検索について
4.資格を取る
大学中退者におすすめの資格(高卒程度)
大学中退なら高卒で取得できる資格はどれも挑戦できます。
福祉系の資格(社会福祉士、作業療法士、理学療法士)などもつぶしが利きます。
正攻法での就職が難しいならば、人手不足の業界に飛び込んで、現場ではなく「司令塔」になるのもいいかもしれません。
大学中退者におすすめの資格:大学3年以上の中退者なら
大卒資格と高卒資格の間には「越えられない壁」があるイメージですが、実は有名資格の中には「大学卒業者、又は大学において62単位以上を修得済みの者」という受験資格を持つものもあります。
62単位とは2年制短大の卒業認定単位で、短大卒業程度の学力があるという資格で受験できます(ただ、「短大卒」の資格ではないので注意)。
これならば、大学2年間でしっかり単位を取得していれば超えられます(大学1年、2年で80単位くらいとれるはずです)。
【大学62単位以上を修得済みで取得できる資格】
- 社会保険労務士受験資格(62単位以上)
- 税理士試験受験資格(法律、経済科目含め62単位以上)
- 学芸員(62単位+学芸員補3年)
- 保育士試験受験資格(62単位以上、保育学科卒で保育士になるのとは別ルート)
- 図書館司書(62単位以上、規定の司書課程科目を履修)
社会保険労務士や税理士に合格できれば、大学中退などまったくマイナスにならない人生大逆転を果たせるでしょう。
むしろ、大学中退をネタに仕事が取れるレベルです。
もし、覚悟を決めれば、難関資格に挑戦するのもありです。
5.起業する
独立して自分の力でやっていきます。著名な経営者、起業家の中には大学中退も珍しく
ありません。「大学で学ぶより自分で開業する」というストーリーは世間的にも受け入れられるでしょう。あとはご自身の実力次第です。
6.フリーター
特に目的もなく大学を中退した方に多いのが当面フリーターでしのぐ方法です。
最終的には正社員就職を望んでいるのなら、履歴書に「職歴」として書けるような仕事にしましょう。
そして、できるだけフリーター期間は短いうちに就職活動を始めた方が有利です。いつまでもフリーターというわけにはいかないので、適切なタイミングで就活をしましょう。
どちらが有利なのかご自身でよく判断してください。
- 「フリーター期間が短い」→高卒の新卒枠
- 「フリーター期間が長い」→転職の枠
大学中退でも正社員になれる?就職先と就職率
では、大学中退後に就職した場合はどのような仕事に就いたのでしょうか?就職先を見てみましょう。
大学等中退者の就労と意識に関する研究|独立行政法人労働政策研究・研修機構の資料に、大学中退者のその後が書かれていますが、やはり大卒との間にはかなりの格差があるようです。
大学中退・大卒・高卒それぞれの就職先を比較
[大学中退者の進路]
①正社員(公務員含む) | 26.40% |
---|---|
②非正規雇用 | 36.60% |
③その他有業者(独立開業、個人事業主など | 15.30% |
④無職、求職者(ハローワークで活動中) | 9.50% |
⑤無職、就業希望者 | 9.50% |
①と②について大卒(&院卒)、高卒の数字も並べて比較してみましょう。
[大学卒・大学院卒の進路]
①正社員(公務員含む) | 57.8% |
---|---|
②非正規雇用 | 16.2% |
[高校卒の進路]
①正社員(公務員含む) | 44.3% |
---|---|
②非正規雇用 | 24.3% |
割合だけで比較しても大卒は中退の約二倍以上の57.8%、高卒でも44.3%ですから、まったくかなわないことがわかります。
「中退」という言葉の響きにネガティブなイメージが強すぎるのでしょうか…。
この調査では、他にも年収・結婚年齢・就職先の規模など、いろいろな面で比較をしていますが、ほぼすべての項目でこのような図式になっています。
大卒>高卒>>大学中退者
大学中退後どんな職種に就職できた?
大学等中退者の就労と意識に関する研究|独立行政法人労働政策研究・研修機構にはその後の就職先の職種なども記載されています。
概要をまとめてみました。
大学中退 | 大卒 | |
---|---|---|
専門・技術職 | 12.40% | 26.9% |
事務職 | 7.40% | 20.8% |
販売職 | 17.20% | 11.5% |
サービス職 | 27.90% | 13.7% |
生産工程(期間工など) | 7.40% | 3.4% |
輸送、機械運転等 | 4.10% | 2.7% |
運送業、清掃業 | 4.60% | 0.7% |
これを見てわかるのは、実際に就職できる職種が大卒とは明らかに違うということです。
- ホワイトカラーよりブルーカラー
- 頭脳労働より肉体労働
- 離職率の多い職場
つまり大学中退者向けの求人は、どうしてもデスクワーク系や総合職より販売・飲食・サービス系の職種に偏りがちな傾向になってしまうのです。
これらの職種は長時間労働や過重労働の職場が多く、ブラック企業と言われる会社も決して少なくありません。
大学中退は後悔しかない?中退者たちの声
ここで、資料に載っていた大学中退者の赤裸々な声をいくつか引用します。
【大学中退者の声】
(男性/23歳/大学)
高校時代の苦労が水の泡になったことと、卒業出来なかった後悔で、しばらくは精神的に落ちこんだ。(女性/22歳/大学)
このままではろくに就職もできない。フリーターの肩書きが恥ずかしい。安定した立場になるまで知り合いに会いたくない。(男性/22歳/大学)
今後の進路について、自分がこれからどうしていけばいいのか考えがつかなかった。単位不足の為中退後の目的もなしに中退してしまった為、本当は大学も続けて卒業したかった。明日に恐怖を感じるようになり、中退した後悔をなかなか受け止められなかった。(女性/20歳/大学)
中退した後、進むべき道が分からなくしばらく迷っていた時期がありました。中退したあとの人がどういう道を進んでいるのか、例などがあればもっと知りたかったです。(女性/22歳/大学)
周囲からの目が厳しくなったこと。「中退=悪いこと」という目で見られるため、友人の接し方も少し変わった気がする。(男性/25歳/大学)
先が見えず不安だったがアルバイトでせいいっぱいであった。なおかつ親に学費を出してもらい奨学金まで借りたのにそれをすべて投げ捨ててしまい、もうしわけないと思った。(女性/30歳/大学)
相談相手が居なかった事。身近な知り合いでなくカウンセラーの方などに相談していたら良かったと思います。(男性/36歳/短大・高専)
就職の情報収集する為に相談できる機関やサービスをあまり知らなかった。(女性/26歳/大学)
うつ状態で何もやる気がおきず、適切な判断能力がなかったため、中退のデメリットなどを考えていなかった。相談する相手が親しかおらず、その親もどうしたらいいのかとまどったまま、中退後のフォローなど具体性がないまま決めてしまった。その場しのぎの決断となってしまった。そのため長く自宅にひきこもっていたので社会復帰に時間がかかった。(女性/26歳/大学)
自分は人間のクズだと悩んだ。どういった仕事につけるのか不安になった。(女性/23歳/大学)
中退というのは悪いイメージがあるので、その状態で働くことができるのか、受け入れてくれるところが本当にあるのかということ。(男性/26歳/大学)
根本的にまず何をしたらよいか分からない。何が必要で、どんな職業があるのか、ハローワークに「就職したい」と突然行って大丈夫なのか、無からのスタートなので申し訳ないと思ったが、まず相談・話しが出来るところが欲しいと思った。(男性/32歳/大学)
経験や能力があっても大卒ではない為、応募出来ない事があった。経緯を説明しても、中退を理由に不採用とされた。資格取得時に条件が不利で選択の幅が狭まる。書類審査を通過出来ない事が多い。(女性/27歳/大学)
①雇用条件に「大卒・短大卒」という学歴が必要な職だと、「働いてみたい」と思った職業でも応募出来ない事。(自分で中退する事を選んだので、自業自得だなと思うのですが…)②面接の時に必ず「中退した理由」を聞かれる事。精神的な事が理由で中退したので、どうにも答えづらいのです。(男性/22歳/大学)
「大学を中退した」という世間でのイメージの悪さが想像以上に大きい。途中で投げ出したというイメージがあるようです。高校卒業後就職した方々より、学費をはじめ勉学等、より多く力を費したが、就職活動では高卒より下に見られる実感があります。
多くの方の意見をまとめると、以下の4つの点に集約されています。
むしろこれらが解消すれば、大学中退の就職を成功させられるのではないでしょうか。
大学中退者が抱える就職の悩み
- 就活に際して何をどうやっていいのか相談できるところがない
- 「中退」=「根性がない」「続かない」というネガティブイメージ
- 中退した自分への自信喪失
- 実際就活で不利になる
大学中退者が就職で不利になるのは事実ですが、それを受け入れたうえで、可能な限り戦略を立てましょう。
やり方次第で光は必ず見えてきます!
大学中退の就職についてSNSの意見は?
私は19歳で大学中退したので、最終学歴は高卒ですが、最近はあまり学歴関係なく就職できる時代になってきているのかなと思います。
中退した時はかなり落ち込みましたが、物は考えようで、早くから就職しとけば、大卒よりもスキルを身につけるのが早く、会社によっては出世しやすいこともあります
— ニートちゃん(就職済)#就職Shop#DYM就職#ジェイック#ウズキャリ#ハタラクティブ#既卒#中退(@neetchan7)
2018年12月11日
僕は大学中退しているが、大学辞める前は大学辞めると就職できなくなると思っていてなかなか辞めることができなかった。ネット界の重鎮2chにも「大学辞めたら就職詰む」みたいなことが書いてあったし。で、結局辞めたと。あれから2年後、正社員の採用面接にあっさり受かってしまった。
— aaaa(@vhgsiuuisru4601)
2018年12月19日
大学中退者でも就職は可能!正しい就職活動の仕方
大学中退者は就職活動のサポートを自動的には受けられませんし、学校のサポートも情報をくれる仲間もありません。
就職活動は自分ひとりでするか、支援してくれるサービスを自分で探して申し込む必要があるのです。
とはいっても、就活サイトの募集は新卒ばかり…転職サイトの募集は経験者ばかり…
では、どうやって就職活動を進めていけば良いのでしょう?
ここでは、大学中退者ができる最大限の就職活動の方法をお伝えしたいと思います。
自分にできる職種を考える
大学時代に学んだこと、得意なことを活かした職種は何なのかを考えます。
例えばIT関連の知識があるならSEやプログラマー、webクリエイターなどが知識を活かした職種になります。
人と話すのが好きなら営業もいいかもしれません。
適職診断ツールを使ってみるのもよいでしょう。
⇒お手軽Web適職診断:かながわ若者就職支援センター
大学中退でも応募可能な求人を探してみる
いよいよ実際の求人を探します。
ハローワークに行ってみたりネットで検索したりしている人が多いですが、新卒でも経験者でもない大学中退者がたった一人で就職活動するのはやはりとても不安です。
支援サービスを利用しましょう。
後述のこちらに詳しく述べていますが、大学中退でも利用できる支援サービスはたくさんあります。
履歴書・面接対策をする
行きたい企業が決まったら応募・面接を経て内定をもらいます。
ここで大学中退者にとって重要なのが「履歴書に大学中退をどう書くか」「面接で中退理由を聞かれたときにどう答えるか」です。
では実際に解説していきましょう。
大学中退者のための履歴書の書き方・面接対策
「中退」の二文字が就活でマイナスになるのは受け入れるしかありません。
ただし、上手に履歴書に書き、面接で話せばマイナスを減らすことができます。
大学中退の履歴書の書き方
大前提
絶対に中退した大学を「卒業した」と書いてはいけません!最悪「学歴詐称」「経歴詐称」で解雇される可能性もあります。
まともな企業は卒業証明書を提出させるのでごまかせません。
大学中退の履歴書の書き方
大学中退の場合は、履歴書の学歴欄に「○年○月 ○○大学 △△学部 中途退学」と書きます。
少しでも中退のマイナス要素を減らすために、場合によっては「中途退学」の下の行に以下の文言を追加するのもいいでしょう。
- 「進路志望変更を決意し退学」
- 「社会人として就業したいと考えて退学」
- 「大学在学中に家族の介護が必要となったため退学」
- 「家庭の収入事情悪化により退学」
- 「健康上の理由により退学 ただし現在は完治(完解)しており業務に支障なし」
【履歴書記入例】
大学中退後に転学した場合の履歴書の書き方
もしその後、別の大学に転学したのなら中途退学の下の行に付け加えましょう。
転学先の大学が卒業できる場合は、通常の就活のように最後は「卒業見込み」と記入します。
【履歴書記入例】
もちろん、やる気がなくて中退とか、単位不足で除籍みたいなケースは書かないようにしてください。
大学中退者の面接対策
面接では必ず中退の理由を聞かれます。どう説明するか悩むより、むしろ質問される前に一番最初の自己紹介でさらりと言ってしまうのがポイントです。
その際のポイントとしては、以下の点に気を付けましょう。
- 中退の理由にウソはつかない
- 中退した事実へどう向かい合っているのか
- 自分を採用するメリット
- 今後の働き方、生き方
大学中退の理由について冒頭にも触れた「経済的理由」「転学」「学業不振」ではどのように対策すればよいでしょうか?
経済的理由
大学中退の理由が本当に経済的理由なら、家庭の事情で学費が払えなくなったということを正直に説明した上で、その経験をこれからの自分にどう生かしていくのかを伝えることができれば、立派なアピールポイントになります。
転学
これは場合によっては印象が良くなる場合もあります。自分が本来行きたかった大学(学部)でどうしても学びたくて再チャレンジした、ということであれば、あなたのやる気や根気強さを分かってもらえるチャンスです。
学業不振
学業不振はこの中で最も印象的に良くない理由ですが、これも正直に説明した上で、それを反省し、後悔していること、大学中退という経験から自分が学んだことを話すと良いでしょう。
ネガティブな理由で中退した場合も、働くことでポジティブになれることを強調しましょう。
応募先の仕事に関係する検定試験などに合格して、その分野に対して前向きであることを証明できると、面接官も納得するはずです。
大学中退者の就職におすすめの仕事は?
公務員は中退が早ければ早いほど、高卒程度の受験資格を持っていますので就職できる可能性は上がります。
デザインやITなど専門系の職種は、もし大学で学んでいた学部の内容が専門色の高いものなら、高卒よりも圧倒的に有利になります。
1.公務員
年齢制限にさえ引っかからなければ、高卒で受験できる公務員へ応募が可能です。
ただし、年齢制限は「高校卒業後2年~3年まで」(※自治体や職種によって異なる)のところが多く、大学中退後何年も経過していたり、大学3・4年生での中退では間に合わない可能性があります。
逆に20歳までの大学中退者にとっては、公務員は一番おすすめの就職先と言えそうです。
【高卒で受験できる公務員試験】
- 国家公務員(一般職)
- 地方公務員(初級職(高卒程度))
- 警察官
- 消防士
- 自衛官
- 皇宮護衛官
- 刑務官
- 入国警備官
- 税務職員
2.営業職
飛び込み営業や保険のセールスなど、キツイ部分もありますが、営業は大学中退でもコミュニケーション能力さえあれば採用されることが多く、十分活躍できます。
要は契約を取ってこれるか、商品を売れるか、実力と結果が全てですので、納得させられる数字を出せば学歴はまったく関係ありません。
営業向きかどうか、まずテストしてみませんか?
3.SE(システムエンジニア)
かつてのITバブルの頃には及びませんが、SE職は文系でも採用され、学歴よりも数字やプログラムに対するポテンシャル重視の採用が多いです。
プログラマーではなくSEなので、上流工程の理解や要件定義、顧客との折衝能力なども重要になります。
理解力については入学した大学である程度判断できますので、高卒で就職するよりも説得力が出るかもしれません。もし情報処理系の大学を中退している場合なら、なおさらです。
通っていた大学でITの知識を学ぶ機会がなかった場合は事前にプログラミングスクールに通い、少しでもITの知識を身につけておくことをおすすめします。
4.デザイナー、WEBデザイナー
こちらも学歴は問いませんが、ある程度の教養や知識と美的センスが問われる仕事です。
デザインの能力が重要になるので、関連する検定試験などを受けてみてもいいでしょう。美大中退などであればむしろ歓迎されるかもしれません。
大学中退の就職にオススメの就職支援サービス
JAIC【ジェイック】
JAIC【ジェイック】
年代 | 20代 | 雇用形態 | 正社員 |
---|---|---|---|
拠点 | 東京・横浜・名古屋・大阪・福岡 | ||
業界 | 外食業界・先物取引・投資用不動産・アミューズメント業界を除くお仕事 | ||
おすすめ度 |
ポイント
- 「大学中退」を専門に扱ったサービスがある
- 80%以上の方が就職成功!定着率も9割以上
- 離職率の高い業界は紹介しません
ジェイックセカンドカレッジなら大学中退に特化したアドバイスが受けられます。
紹介案件はすべて正社員求人ですので、諦める前に一度相談してみてください
ハタラクティブ
ハタラクティブ
年代 | 20代 | 雇用形態 | 正社員 |
---|---|---|---|
対象エリア | 関東圏(1都3県) | ||
業界 | IT・通信流通人材・教育広告・マスコミメーカー建築・不動産営業事務WebデザイナーCADオペレーター施工管理倉庫内軽作業その他 | ||
おすすめ度 |
ポイント
- 20代就職未経験者に特化
- 自己分析で合った仕事を紹介
- 専任コンサルタントが徹底サポート
大学中退でも安心してサポートを受けられます。
関東圏(1都3県)が主な対象となりますが、非常に高い就職成功率を誇っています。(2015年度実績で80%超)
公共の若年者向け就職支援サービス:ジョブカフェ
都道府県が設置している就職支援施設で、ハローワークとはまた別の「若年者のための就職支援」を行っている「ジョブカフェ」サービスがあります。
各地域の施設でセミナーや職場体験などのサービスを行っていますので、民間の就職支援サービスと併せて行ってみるのもよいですね。
ジョブカフェは通称で、本当の名前は「若年者のためのワンストップサービスセンター」といいます。その名のとおり、若者が自分に合った仕事を見つけるためのいろいろなサービスを1か所で、もちろんすべて無料で受けられる場所です。
引用元: 厚生労働省:ジョブカフェにおける支援
大学中退でも就職 まとめ
大学中退の就職まとめ
- 大学中退率は2.5%超
- 家庭の経済事情で退学せざるを得ないケースが増えている
- 中退してしまうと基本的に「高校卒」の求人しか応募できない(大卒求人不可)
- 大学中退者の進路、就職状況は大卒はおろか高卒よりも悪い
- ブラックな業種、職種に就いてしまうケースが多い
- 「中退した」という事実が採用側の心理にマイナスに働く
- したがって、中退をポジティブに説明できないといけない
- 履歴書などの工夫でマイナスを減らすこともできる
- 大学中退でもそれまでに取得した単位で受験できる難関資格もある
- 公務員を目指す場合「高卒程度」に応募するので年齢制限に注意する
- 民間企業に就職する場合はブラック求人を避けるためにも転職エージェントの活用がおススメ