履歴書にご自身の学歴や職歴を書くときに、どこから、いつから書けばよいのか迷ってしまう人もいらっしゃると思います。
特に数回転職している人は、転職歴を書ききれない、それだけで履歴書が埋まってしまい学歴が書けなくなってしまうというケースも見受けられます。
ここでは履歴書の学歴と職歴について、いつから、どこから書けばよいのか、ズバリ答えをお示しします。この通り書けば問題はありません。こんなことで悩むより、実際の面接に力を入れた方がましです。軽く、この悩みを解決しましょう。
この記事を読むと分かること
- 履歴書の学歴の書き方
- 履歴書の職歴の書き方
- 正社員でなく派遣社員やアルバイトをしていた人の履歴書の書き方
- 履歴書の学歴を書く上での注意点
目次【クリックして移動できます】
履歴書の学歴はいつ・どこから書きべき?
高校から書けばOK
学歴については高校から書いて構いません。小学校、中学校は義務教育なので誰でも出ているからです。
ただ、有名私立中学校出身など、「他とは違うよ」とアピールしたければ小中学校から書いても減点されません。
「小学校、中学校は書かなくてもOK」が正解です。
そのほか、学歴を書く際のポイントは以下の通りです。
- 高校までは「卒業」のみでOK(「入学」の履歴は必要ない)
- 学校名は正式名称で書く。長くても、略さずに記入する
- 年号は和暦か西暦で統一する
- 大学院へ行った人は、修士課程、博士課程まで書く
- 学部、学科、「○○専攻」もすべて書く
- 大学の研究テーマや卒論は、応募先企業へのアピールになるならば書いてもOK
- 中退や休学した場合は簡潔にその理由に触れる
- 単位を取るレベルの留学であれば留学先も記入する(短期留学、ホームステイは不要。アピールしたい場合は自己PRで触れる)
- 新卒の場合は(職歴がないので)「○○中学校卒業」「△△高等学校入学」も書く
具体的な例を書いてみましょう。
履歴書の学歴の書き方例
2002年3月 | 私立○○学園高等学校卒業 |
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2002年4月 | 米国Kings Education Los Angeles Marymoun(専門学校)入学 |
2003年3月 | 米国Kings Education Los Angeles Marymoun(専門学校)卒業 |
2003年4月 | 米国FLS Marymount College教養学部入学 |
2005年9月 | 米国FLS Marymount College教養学部卒業 |
2006年4月 | 青山学院大学文学部英米文学科3年次編入 |
2008年3月 | 青山学院大学文学部英米文学科卒業 |
この人は高校卒業後、アメリカの語学学校に1年間通い、その後、現地の2年生のカレッジに入学、卒業し、日本の大学の3年に編入し、卒業しました。留学もしっかり書くと、真面目さが伝わります。この学歴ならば、現地で習得した高い語学力が「TOEIC○○○点」と書かなくてもわかりますよね。
大学院卒の場合の書き方
当然、大学院の学歴も書きます。修士号や博士号を取っている場合は「修了」、取れずに単位習得済み退学の場合は「退学」と書きます。
大学院卒の書き方例
2001年4月 | 青山学院大学国政政治経済学部国際政治学科入学 |
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2005年3月 | 青山学院大学国政政治経済学部国際政治学科卒業 |
2005年4月 | 早稲田大学大学院政治学研究科修士課程入学 |
2007年3月 | 早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了 |
2007年4月 | 早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程入学 |
2012年3月 | 早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程退学 |
履歴書の職歴はいつ・どこから書くべき?
職歴が多くても在籍していた会社はすべて書く!
何回転職している人も、原則として(指示がない場合)すべての職歴を記入します。
そうしないと「経歴詐称」になり内定が取り消されたり、発覚した場合の解雇事由になったりしかねません。
「書ききれないよ」という人は、転職者用の職歴欄が多いものを使います。
例えば以下のような履歴書です。
そのほか、書き方を工夫します。
職歴が多い場合の書き方例
平成○年○月 | ○○株式会社 入社 (平成○年○月 退社) |
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平成△年△月 | △△有限会社 入社 (平成○年○月 退社) |
現在に至る 以上 |
通常、「入社」と「退社」(退職)は違う行ですが、同じ行にこのように書きます。
また、「現在に至る」「以上」も改行しますが、同じ行に書いてしまいましょう。
手書きの履歴書という指定がないのであれば、文字を小さく、行を大きくできるパソコン用の履歴書を使うという方法もあります。
履歴書の職歴を書く際に注意したいこと
そのほか、職歴を履歴書に書くときに注意すべきことを挙げます。
会社名や部署名は略せず正式名称で記入する
長い会社名でも正式名称で書きます。株式会社の場合「(株)」ではなく「株式会社」と書いてください。
社名変更や合併で、入社時の会社がない場合も当時の社名で書きます。
(例)
平成14年 4月 NTTデータクリエイション株式会社(現 NTTデータアイ株式会社)入社
アピールできる場合の職歴は、仕事内容も記入
不動産営業の人が外食に転職しても職務内容は関係なく、業務について触れる必要はありませんが、転職先によっては前職の職務内容がアピール材料になることもあり、そういう場合は仕事内容を付記しても構いません。
(例:海外営業に転職したい人)
平成20年 4月 | ○○商事株式会社入社 |
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海外貿易統括本部 国際企画課 | |
アメリカでの新規事業開発のための企画業務に従事 | |
現在に至る | |
以上 |
部署の異動については書かなくてもよい
会社によっては2,3年でジョブローテーションするところがありますが、部署異動を書く必要はありません。(○○年入社 △△年退社 だけでOK)。
(例:人事に転職したい人)
平成21年 4月 | ○○マテリアル株式会社 入社 |
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営業1部配属 | |
平成23年 4月 人事部に異動 採用業務、社内研修を担当 | |
平成29年 4月 企画運営部に異動 | |
現在に至る |
派遣社員やアルバイトをしていた場合
正規雇用の正社員ではなく、派遣社員やアルバイトが職歴にある場合はどうすればよいのでしょうか?
①派遣社員の場合
派遣社員の職歴は書きます。「派遣登録先」「派遣先企業と職務内容」を両方書きます。
(例)
平成23年 4月 | 派遣会社○○株式会社に派遣登録し、派遣社員として次の仕事に従事 |
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平成23年 5月 | 株式会社△△物産 コールセンター業務 |
平成24年 7月 | 有限会社□□不動産 経理部門 |
平成26年 1月 | ○○自動車販売株式会社 管理部門 |
平成29年 1月 | △△警備株式会社 守衛部門 |
②アルバイトの場合
基本的にアルバイトは書かなくてもOKです。
「バイトを転々としている」ととらえられると、かえってマイナス評価になってしまいます。特に新卒就職の場合は意味がなく、バイトをアピールしたい場合はPR欄で触れます。
ただ転職の場合で、社会保険に加入していた場合は、入社後に雇用保険の手続きで、アルバイト先が明らかになるので、あらかじめ職歴欄に記載しておいたほうが無難かもしれません。
「第二新卒」希望の人で、応募企業と退職後のバイト内容が近い場合、書いた方が有利になるケースがあります。
(例:第二新卒で教育系出版社を希望している人の場合)
2017年 4月 | 株式会社△△生命保険入社 |
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2018年 3月 | 株式会社△△生命保険退職 |
2018年 4月 | 「○○ゼミナール」で国語の塾講師のアルバイト |
○○出版株式会社で校正のアルバイト | |
現在に至る |
これなら、1年間の生保社員としての職務経験よりも、掛け持ちしているバイトの方がアピール材料になりますね。
ただし、これが通用するのは「ポテンシャル採用」の要素が強い第二新卒、あるいは20代の転職までです。
30歳以上がバイト経験を書いても「自分はフリーターです!」とマイナス評価をしているようなものです。ブランクがある場合は「家業手伝い」などぼかせる書き方ができればそうしましょう。
退職理由も書く
退職歴がある人は、退職理由も必ず書きます。とはいっても「上司のセクハラに遭い」「人間関係で衝突し」「給料があまりに安くて」と正直に書く必要はありません。
「一身上の都合により退職」で構いません。
ただし、退職するのに合理的な理由があった場合で、評価がマイナスにならないケースは正直に書いても大丈夫です。
「退職」でも「退社」でも構いませんが、企業ではない場合(公務員、非営利団体等)「退職」の方がいいですね。
- 家族の介護のために退職
- 夫の海外転勤に随伴するため退職
- 出産のため退職
- 会社倒産により会社都合退職
- 業績不振により希望退職
- 契約期間満了のため退職
などは正直に書いても大丈夫です。
一方病気退職は「一身上の都合」にした方がいいケースもあります。特にうつ病などのメンタル系はそれをオープンにして障害者雇用に応募するケース以外は(クローズで転職する場合)は伏せた方がいいです。
特に退職についてはナイーブなこともあるので、「一身上の都合」で逃げても構いません。
すごく転職歴が多い人の履歴書例
これらを踏まえて、10回以上転職しているある方の履歴書例はこうなります。
学歴 | |
平成6年 3月 | ○○県立△△商業高等学校卒業 |
平成7年 4月 | □□大学経済学部スポーツ経営学科入学 |
平成11年 3月 | □□大学経済学部スポーツ経営学科卒業 |
職歴 | |
平成11年 4月 | ○○システム株式会社入社 |
会計システムのプログラム業務を担当 | |
平成14年 6月 | 一身上の都合により○○システム株式会社退職 |
平成14年10月 | △△建設株式会社入社 |
平成15年 3月 | 一身上の都合により△△建設株式会社退職 |
平成16年 4月 | 株式会社□□テック入社 |
平成17年 3月 | 一身上の都合により株式会社□□テック退職 |
平成17年 4月 | 株式会社▽▽(派遣会社)に派遣登録 |
平成17年 5月 | □□不動産株式会社 にシステム設計として派遣(平成18年9月まで) |
平成18年10月 | ○▽シャッター株式会社 に警備員として派遣(平成19年3月まで) |
平成19年 4月 | ○○○・コスモス株式会社 にコールセンターオペレーターとして派遣 |
平成20年 9月 | 派遣期間満了 |
平成20年10月 | ◇◇興行株式会社入社 |
平成21年 3月 | 一身上の都合により◇◇興行株式会社退職 |
平成21年 6月 | □□システムズ株式会社 に契約社員として入社 |
コピー機の保守管理を担当 | |
平成25年 3月 | 契約期間満了により□□システムズ株式会社退職 |
平成25年 6月 | 株式会社▽▽システムズ入社 |
システム営業を担当 | |
平成26年 3月 | 一身上の都合により株式会社▽▽システムズ退職 |
平成26年 4月 | 株式会社◇◇スタッフ(派遣会社)に派遣登録 |
平成26年 4月 | △△カード株式会社 にコールセンターオペレーターとして派遣 |
平成29年 3月 | 派遣期間満了 |
平成29年 7月 | 株式会社○○不動産入社 |
平成29年12月 | 一身上の都合により株式会社○○不動産退職 |
平成30年 1月 | 有限会社☆☆不動産販売入社 |
平成31年 3月 | 一身上の都合により有限会社☆☆不動産販売退職 |
平成31年 4月 | スタッフ○○株式会社(派遣会社)に派遣登録 |
平成31年 4月 | クリーン◎◎有限会社 に清掃員として派遣 |
現在に至る | |
以上 |
一浪して大学入学、その後職を転々としています。
これだけ網羅するのも大変です(職歴だけで18行必要)。
おそらく、システム設計がそこそこできるのをアピールしていますが、そういう職も年とともになくなっている感じです。こうならないように注意したいですね。
開業・起業していた人が会社員になる場合の履歴書の職歴の書き方
個人事業主や会社経営をしていた人が、うまくいかずに再び会社員として働きたい場合も正直に書きます。
(例)
2005年 4月 | 株式会社□□銀行入社 |
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IT企業向け営業、投資事業部、新事業開発部を担当。東証一部上場企業向け融資を主に担当する。 | |
2012年 3月 | 独立開業のため株式会社□□銀行退職 |
2012年 5月 | 個人事業主(屋号「○○ソリューション」)として開業 |
個人向けITコンサルティング、ファイナンシャルプランナー業務を行う | |
2013年 1月 | 株式会社○○ソリューション設立(法人成り) |
2019年 3月 | 一身上の都合により廃業 |
現在に至る | |
以上 |
履歴書の学歴・職歴の書き方まとめ
以上をまとめると、以下のことに注意をして履歴書への記入を行ってください。
履歴書の注意点
- 校名・社名は長くても正式名称を書く
- 学歴は「中学校卒業」か「高校卒業」から書く
- 大学院卒の人は最終学歴まで書く。書かないと経歴詐称
- 職歴は何回転職した人もそのすべてを書く。書かなければ経歴詐称
- 学歴、職歴が全部書ける履歴書を探す
- 手書き指定がなければパソコン(ワードやエクセル)のフォーマットを使ってもよい
- 業務の詳細は職務経歴書に書くので不要。特にアピールしたいものだけ簡潔に書く
- 退職理由は「一身上の都合」でぼかしてよい
- 「ウソを書く」のと「本当のことを書かない」のは違う。後者は許されることもある
- 派遣やバイトをしていた人は書き方に注意