皆さんは「ベンチャー企業」に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。
ベンチャー企業は業暦の長い大企業と異なり、信頼性や実績が乏しい反面、飛躍的な成長を遂げる能性があります。
そうした可能性にかけ、ベンチャー企業への転職を果たしたいと考えた場合に利用をオススメしたいのがベンチャー企業専門、あるいはベンチャー企業に大変強い転職サイトです。
ではベンチャー企業転職に強みを誇る優れた転職サイトにはどのようなものがあるのか、今回はそれらサイトの特長や評判と共にランキング形式で皆さんへお届けして参ります。
今、ベンチャー企業出身者の市場価値は高まり続けています。外資系企業はもちろん、日本の大手企業もベンチャー企業出身の人材を求めており、転職市場においては非常に有利です。ではなぜベンチャー企業出身者が注目され、求められているのでしょうか。
『メルカリ』や『Uber Eats』、『SHOWROOM』など世の中に革新的なサービスが次々と生まれていますが、それらの多くはベンチャー企業から発信されています。
ベンチャー企業には大手企業にはないスピード感があり、固定観念にとらわれずにサービスを創造する土壌があります。それこそが大手企業にはないイノベーターシップ(革新性のある姿勢)を持った人材を育てる大きな要因です。
組織が肥大し、スピード感に乏しく、新しいものを生み出しづらくなった大企業にとっては、イノベーターは喉から手が出るほど欲しい存在でしょう。
ちなみに2000年以降に学校を卒業した起業家のうち、大企業での就業経験者はわずか2割というデータもあり、如何にベンチャー出身者たちが世の中に影響を与えているかが分かるかと思います。
この記事では、ベンチャーで働くことのメリットと、その一方で知っておくべきリスクについて解説していきます。良し悪しを理解した上で、ぜひベンチャーへの一歩を踏み出していただければ幸いです!
目次【クリックして移動できます】
ベンチャー企業で働くメリットとは
そもそもベンチャー企業で働くことに、どんなメリットがあるのでしょうか。なんとなく「成長できる」というイメージはあると思いますが、具体的に言語化してみたいと思います。
成長機会が多い・成長スピードが速い
ベンチャー企業のメリットの一つとして、成長機会が多く、大手企業と比べて成長スピードが速いことが挙げられます。
多くのベンチャー企業は少数精鋭なので、業務が明確に分担されていないことがほとんど。
つまり一人ひとりの業務領域が広く、若いうちから様々な仕事に挑戦することができます。
一般企業では任されないような責任ある仕事に携わる機会も多いでしょう。
例えば大手企業の場合、課長や部長といった管理職に携わるのは30代以上ですが、ベンチャー企業の場合は20代で役職に就くことも珍しくありません。
たとえスキルが足りていなくとも、ベンチャー企業では成長を期待して任されます。
教えてもらうのではなく、自ら学ぶ下地が身に付く
大手企業といえば、研修や教育制度が整っていて、しっかり教えてもらいながら成長していけるようなイメージがありますよね。ではなぜ「ベンチャー企業は成長できる」と言われているのでしょうか。
もちろんベンチャー企業にも教育制度はあるでしょう。しかし大手企業と比べるとはるかに未整備で、仕事をしながら自ら学び取っていくことになります。「教えてもらう」のではなく「自ら成長する」ような環境です。
しかも自分だけでなく周りの同僚や先輩、後輩も同じような姿勢で仕事をしています。こうした環境に身を置くことで、無理にでも自ら成長していくような姿勢が身に付いていきます。
そんなスピード感の求められる今のビジネスのフィールドでは、自分で学び、成長できる人材でなければ生き残れません。その下地が、ベンチャー企業なら身に付けられます。
変化の速さに対応する能力が身に付く
「最近未来を予測する本が出ていないのは、書いているうちに世の中がどんどん変わってしまうから。それほど変化が速い。新規事業立ち上げの際、考え、議論し、3ヶ月悩み…というのはナンセンス。考えているうちに世の中が変わってしまい、結果は出ない」
LINEの元CEO森川氏は、自身のインタビューでこのように答えています。
ベンチャー企業は変化のスピードが特に速く、結果が出なければ改善、改善、また改善と、とにかく膨大な量のPDCAを回し続けていきます。つまり、経験やノウハウを蓄積しやすいということ。
大手企業は権限の階層が何重にもなっており、改善策を実行しようとすると、手間も時間もかかります。そして時間が掛かったにも関わらず決済がおりない、ということも良くあります。
しかしベンチャー企業では、上司に提案したものが、5分後には実行に移されているということも当たり前のように見られます。経営者と現場との階層も少なく、指示と決済の系統がシンプルなためです。
興味のある分野を集中的に学びやすい
「希望の部署に配属されなかった…」
「地方転勤になってしまった…」
そんな話を、大手企業に就職した人から聞いたことはないでしょうか。
大手企業の場合、『総合職』採用が多く、適性や現場の状況を踏まえて配属部署が決められます。
たとえ「営業がしたい!」と入社しても、蓋を開けてみれば総務に配属されてしまうこともあり得ます。希望しない地方転勤も、会社員として受けざるを得ません。
自分が学びたい分野の技術・知識を集中的に学ぶことができます。
ベンチャー企業で働くデメリット・リスクとは
「成長できるなら、ベンチャー企業で働いたほうがいい!」
…とベンチャー企業を選ぶ前に、リスクについても知っておくべきです。
一般的にベンチャー企業は人材が流動的で、離職率が高いと言われています。明確にデータとして離職率は出ていませんが、大手企業の2倍以上という記事も見られるほどです。
ベンチャー企業への憧れや期待を持って入社したものの、その業務環境の厳しさについていけずに退職してしまった方は、きっとあなたの周りにもいるはず。
入社後にミスマッチを感じてしまわないように、ここではベンチャー企業で働く4つのリスクをご紹介します。
ハードワークは覚悟の上で!
『働き方改革』が叫ばれていますが、ベンチャー企業にワークライフバランスという感覚はあまりありません。
業務の幅が広く、業務量も多いベンチャー企業では、仕事が深夜まで終わらないことや土日に出勤することも多々あります。また単純な業務量だけでなく、目標にアプローチする姿勢も厳しく求められるでしょう。
「働き方改革なんて知るか!こっちはもっと働きたいんだ!」
…というくらいの方でなければ、ベンチャー企業はあまりオススメできません。
指示待ちの人はベンチャーに向かない…
次に何をすべきか、大手企業であれば先輩や上司から指示が降りてくるのが普通です。
しかしベンチャー企業では、指示を待っていても仕事はもらえません。
周囲の状況を見て、自分で仕事を取りに行く、または自分で仕事を創り出すような仕事の仕方が求められます。
これは向き不向きなので、指示をきちんとこなしていくスタイルが必ずしも悪いわけではありません。
むしろ与えられた業務を100%こなせることも、立派な能力。
福利厚生は大手ほど期待できない…
家賃補助や退職金、家族手当などの福利厚生は社員にとってありがたいもの。しかしベンチャー企業は大手企業と比べて、福利厚生が整っていません。
設立間もないため整備が追い付いていないことはもちろんですが、手当などの副次的なものではなく純粋に給与で還元しようという企業が多いことも要因です。
倒産のリスクが大手企業と比べて高い…
- 1年後 40%
- 5年後 15%
- 10年後 6%
- 20年後 0.4%
『企業生存率』の統計の取り方は色々あるようですが、設立からの経過年数ごとに、どれくらいの企業が倒産せずに生き残っているかを示しています。
企業が生まれては消えていく中で、当然ながら設立間もないベンチャー企業には倒産のリスクも付きまといます。安定企業で長く働きたい方には、当然ながらベンチャー企業は向きません。
ちなみに帝国データバンクが調査した『2011年 中小企業白書』では、5年後に80%、10年後に70%とかなり高い数字が出ています。しかし一定以上の従業員数の企業(全企業数の30%程度)に絞って調査をしているため、正確な数字とは言えません。
ベンチャーには、どんな人が向いている?
ここまでベンチャー企業で働くことのメリットとリスクについて解説してきました。
良くも悪くも、ベンチャー企業には向き不向きがあります。風土やリスクを知らずに入社して、ミスマッチを感じて退職…となればあなたにとっても企業側にとっても不幸な結果になってしまいます。
もちろん全てのベンチャー企業を『ベンチャー企業』という言葉で一括りにはできません。中にはワークライフバランスを重視できる企業や、福利厚生が大手企業並みに整った企業もあります。
ここでは一般論としての向き不向きをお伝えしますので、ぜひ検討材料のひとつとしてご覧ください。
◆ベンチャー企業に向いている人
- 仕事を通じて成長していきたい方
- プライベートより、仕事に打ち込みたい方
- 変化が激しく、スピード感のある環境で仕事がしたい方
- 学習意欲が高く、自ら考えて学べる方
- 経験やノウハウを得たい分野が定まっている方(Webマーケティングのプロになりたい!など)
◆ベンチャー企業に向いていない人
- ワークライフバランスを重視している方
- 安定性のある会社で、長く腰を据えて働きたい方
- やるべき仕事を決められたほうが働きやすいという方
- 福利厚生が整った会社を選びたい方
- ベンチャー企業に就職・転職することを迷っている方
ベンチャー企業へ転職した人の体験談
一人目は大企業からベンチャー企業に転職して3年目のYHさんです。
一人何役もこなさなければならないので大変だが、同時にやりがいもある
私はある革新的な技術を武器に、日本の環境問題の解決に貢献しようとしているベンチャー企業へ転職しました。
ベンチャー企業は組織の人員がとても少ないのに取り組もうとしている事業は大きいため、一人何役もこなさなければ仕事が回りません。
大企業のような組織体制などありませんから、「自分はこれをやっていれば良い」という発想では務まらないということです。
だから大変だと言えばそうですが、逆に言えば自分の裁量でやれる仕事領域がとても広いので、自分としてはその点が楽しくしょうがありませんし、やりがいも感じています。
そのような意味で、自分はベンチャー企業向きの社員だったかも知れないと思っています。
ゼロと言うよりマイナスからスタートとする覚悟が必要
続いて、ベンチャー企業で営業をやっているという、中小企業の営業マンからベンチャーへ転職して2年目のOMさんの声です。
私はベンチャー企業の営業職として転職を果たしたのですが、正直、転職したての頃は転職したことを少々後悔しました。
商談で商品の良さを理解してもらえても、会社が出来て間もない零細企業であることがネックとなって取引を断られることが殆どでしたから。
取引先にお金を払ってすぐに倒産されてしまえばたまったものではないですよね。
それだけに相手企業の気持ちは痛いほどよくわかりました。
しかもその点は自分の営業努力だけでは乗り越えられない点もありましたから、無力感を感じ、仕事が嫌になってしまいました。
ベンチャーはゼロからのスタートと言われますが、正しくないですね。
マイナスからのスタートだという認識が必要だと思いますよ。
ただ「石の上にも3年」という諺に従って、転職した以上3年はそれでも頑張ろうと考え、現在2年目ですがようやくお客様から受けいられるようになってきましたし、取引先の企業からは喜びの声を聞けるようにもなってきました。
今では辞めたいなんて気持ちは微塵もありません。この会社に骨を埋めるつもりで頑張る覚悟です。
ベンチャー企業で成功する人材とは?
ベンチャー企業へ転職を果たした二人の体験談から、ベンチャー企業へ転職して成功するにはベンチャー企業に適した資質や人間性が必要になってくるということが何となくおわかり頂けたと思います。
では、ベンチャー企業に転職することで成功できる人材とはどのような資質や人間性を有した人材なのか、ご紹介致しましょう。
自分の役割だけにこだわらず、役割以外の仕事をこなすことも厭わない人、それを楽しむことができる人
指示を待つのではなく、自ら仕事を見つけてこなしてゆくことができる人
大企業が有するようなブランド力や対外的信用がないことを覚悟できる人、それらに対する依存心がない人
失敗にめげず、粘り強く仕事に取り組める人
こうした資質を有する人なら、ベンチャー企業に転職しても転職を後悔することなく、ベンチャー企業の発展と共に大成することができると言って良いでしょう。
ベンチャー企業に強い求人サイト2選
では皆さんにオススメしたい転職サイトのランキングを1位から順番に紹介することに致します。
ベンチャー企業に強い求人サイト:startup(スタートアップ)
第1位となったのは「startup(スタートアップ)」です。
最も大きな理由となったのが、スタートアップを運営しているPE&HR株式会社自体がインキュベーション企業として、ベンチャー企業への投資やM&Aに積極的に取り組んでいる点です。
つまり同社にとってベンチャー企業は求人企業という「お客様」だけでなく、「投資先(株主)」として企業経営に関わったり、チェックしたりする関係になり得えるということです。
そのため、お客様扱いだけで求人企業を紹介するのではなく、投資家目線でベンチャー企業を厳しく評価した上で登録者へ企業の紹介を行っている点は他の転職エージェントにはない同社の強みと評価されましたので、今回1位となりました。
startup(スタートアップ)のメリット
同サイトを利用する場合のメリットとしては、次のようなことがあげられます。
同社サイトはベンチャー企業経営者へのインタビュー記事が充実している
ベンチャー企業は組織体制が整っていないので、良くも悪くも経営トップの影響力ががとても大きくなります。
スタートアップはその点を重視しており、単なる求人条件の紹介だけでなくベンチャー企業経営者のインタビューを実施し、トップの考えなどをインタビュー記事としてかなり細かく紹介しています。
そのため、インタビュー記事を読めばトップの経営に対する考え方だけでなく人柄などを理解する上でも大いに役立ちます。
「ストックオプション無料査定」というユニークなシステムがある
「ストックオプション無料査定」とは、もしそのベンチャー企業へ転職しその企業が株式公開を果たした場合、ストックオプションとしてどのくらいの報酬を得ることができるかをネット上でシミュレーションできるという大変ユニークなシステムです。
ベンチャー企業転職の醍醐味がストックオプションとも言えます。しかし、どのくらいの報酬が得られるかといった情報を得る事は他の一般的な転職サイトでは困難です。
その点でスタートアップなら同システムを利用することで、具体的な報酬額の目安を知ることができます。
startup(スタートアップ)の口コミ評判
(男性・30代・東京)
スタートアップを利用して、地方に本社がある急成長中のベンチャー企業へ転職を果たしました。
スタートアップはベンチャー企業のインキュベーション事業をやっているだけあって、一般の転職エージェントとは違い、大企業に負けない風格や貫禄が会社そのものにあると思いました。
そのため、スタートアップを通じた転職活動は、受身で転職支援を受けるというより、共にベンチャー企業を成長させるためのプロジェクトに取り組んでいるような感じで、とても前向きな気持ちで転職活動に励むことができました。
ベンチャー企業に強い求人サイト:DRIVEキャリア
ベンチャー企業への転職支援サイトとして第2位となったのは、「DRIVEキャリア」です。
DRIVEキャリアは「ベンチャー企業求人」というカテゴリーにおいて、ついつい脇に追いやられがちなソーシャル的企業やNPO法人といった社会性を重視した新興組織にも目を向け、求人情報を積極的に発信していますが、その点が評価され第3位となりました。
DRIVEキャリアのコンセプトは「未来を創る仕事に特化した求人サイト」です。
ベンチャー企業に身を投じ、未来を作るための仕事をしたいと考えている方々なら、ぜひとも利用して欲しいサイトです。
DRIVEキャリアのメリット
国際協力や地域活性化、まちづくりといった社会性の高いテーマで求人情報を検索することができる
例えば「地域活性化」といった切り口で転職先を探そうと思えば、特定地域の自治体ごとにアクセスし、どのような事業が行われているか、求人を募集しているか調べる必要がある等、求人情報を得るのに不便な面が多々ありました。
その点でDRIVEキャリアなら、地域貢献に関わる求人情報を一元的に検索することができます。
NPOだけでなく「ソーシャルベンチャー」というカテゴリーの営利企業情報にも強い
社会性が高い事業はNPOだけではなく、ベンチャー企業が取り組んでいるケースも決して少なくありません。
その点でDRIVEキャリアはベンチャー企業の中でもそうした社会性の高さを重視した「ソーシャルベンチャー」という検索カテゴリーがあり、ソーシャルベンチャーに特化した求人情報を得ることなどもできます。
DRIVEキャリアの口コミ評判
会社の利益のためだけに働くのではなく、もっと社会貢献できる仕事をしたいと考えて、新興のNPOや社会性の高い事業を行っているベンチャー企業の求人案件を探していたのですが、大手の求人サイトでもなかなか発見することができませんでした。そのようなこともあって、DRIVEキャリアを発見した時はとても興奮したことを覚えています。
自分が転職したいと思えるテーマの企業ばかりが多数検索できたからです。
現在、あるベンチャー企業に入社して後進国の環境衛生改善のプロジェクトに取り組んでいますが、とてもやりがいを感じています。
DRIVEキャリアとの縁がなければ現職の企業ともおそらく出会えなかったと思えますので、DRIVEキャリアにはとても感謝しています。