商社には大きく分けて総合商社と専門商社があります。
当記事では総合商社と専門商社を比較し、必要とされる英語力や年収、どちらが就職先として優れているのか紹介します。
なおどちらも英語力は重要で、配属先次第では英語が使えないと仕事上で重大な支障が生じることになりかねません。
商社への転職を目指すなら「TOEICが◯◯◯点以上あれば転職できる」といった発想では、苦労することになりますので注意して下さい。
今回は、総合商社と専門商社で必要な英語力やそれぞれの年収について詳しくお伝えしていきます。
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目次【クリックして移動できます】
総合商社と専門商社の違い
商社には大きく分けると総合商社と専門商社の二種類があり、それぞれ業務や仕事内容なども違います。
総合商社と専門商社の違いは知っているようで意外と細かい違いなどは知らない方も多いので、まずは総合商社と専門商社の違いについて説明していきす。
総合商社とは
まずは総合商社の特徴から紹介をしていきましょう。
一般的に商社と言うとこちらの総合商社を思い浮かべる場合が多く、総合商社には三菱商事や伊藤忠商事など日本を代表するような大企業があります。
総合商社と言う名前の通り幅広い事業を行っているのが特徴ですが、商社の本業とも言えるのが輸出入などのトレーディング業務でしょう。
トレーディング業務とは商社が中間業者となって、製品の輸出入代行や貿易事務を行う事を言い、様々な製品の需要と供給マッチさせる役割を担っています。
また海外の輸出入だけでなく、国内メーカーの商品を販売する卸売業としての役割を持っており、サービスやモノの流通を司っているのが商社の役割と言えるでしょう。
そして総合商社の取り扱う商品はとても幅広く、「ラーメンから航空機まで」と言われるほど多岐にわたります。
このように特定の分野にかたよる事なく、様々な商品をグローバルに取り扱いをしているのが総合商社の特徴です。
専門商社とは
続いて専門商社ですが、総合商社との違いは特定の分野に特化して事業を行う点です。
例えばトレーディング業務であれば総合商社はどのような商品でも取り扱いをしますが、専門商社の場合は鉄鋼や食品のようにある分野に特化している点が大きな違いと言えるでしょう。
専門商社と総合商社の明確な区分けは難しい場合もありますが、特定の分野の売上が全体の50%を超えると専門商社と言われます。
専門商社は特定の分野に特化しているので、独自のノウハウや顧客との太いパイプを持っている事が強みとなっています。
専門商社には様々な会社の形態があり、大きく分けると次のような3種類に分けられます。
一つ目が総合商社系専門商社で、総合商社の子会社として、親会社では取り扱わないようなニッチな商品などを取り扱います。
二つ目はメーカー系の専門商社で、特定のメーカーの子会社として製造した商品を販売します。
三つ目は独立系の専門商社で、独自の歴史やコネクションを持っている企業が多いです。
このように取り扱う商品や事業分野が特定されているかどうかが、総合商社と専門商社の一番の違いと言えるでしょう。
総合商社と専門商社の仕事内容
商社と言えば様々なモノのトレーディング業務を行っていますが、実際の仕事内容についてはいまいち分かりにくい部分もあるでしょう。ここでは商社の具体的な仕事内容について、総合商社と専門商社毎に紹介していきます。
総合商社の仕事内容
総合商社が行っている事業はとても幅広く、先ほども紹介したトレーディング業務以外にも投資事業など様々な事業があり、それぞれ仕事内容に違いはありますが、ここでは商社の本業とも言えるトレーディング業務の仕事内容を見てみましょう。
トレーディング業務とは売りたい相手と買いたい相手を仲介する事ですが、成立させるためには下記のような業務内容があります。
- 商材を探す
- 販売先を探す
- 物流ルートを確保する
- 決済をスムーズに行う
- 売れるための企画を考える
商材の発見
一つずつ見ていきましょう。トレーディングを成立させるためには、まずは売れる商材を見つける必要があります。
どんな商品が市場を賑わせているか、これから流行りそうかのマーケティングを常に行い最新の情報をキャッチして商材を探します。
もし売れない商材に手を出してしまえば大量の在庫を抱える事になるので、事業としては失敗になってしまいます。
また他社が見つけていないような最先端の商材を見つけることで、安く仕入れる事が出来るので、目利き力が重要になるでしょう。
販売先と物流ルートの確保
商材が見つかったら次は販売先を探しますが、総合商社の場合は全世界にネットワークがあるので自社のルートを最大限に活かすことが出来ます。
そして販売先が決まったら次は、実際の商品の物流ルートや決済方法などを確立します。
総合商社の場合は輸出入に携わる場合が多いので、商品は空輸か船便なのか、決済の通貨や決済方法はどうするかなどの詳細を詰める必要があります。
総合商社は豊富な資金力があるので、例えば支払いを立て替えしたり融資をしたりする事もあるでしょう。
プレゼンや広告の打ち出しも仕事
また場合によっては商材を売るための企画をプレゼンする事もあります。例えば日本で未発売のワインを販売するのであれば、企業や広告代理店とタイアップしてCMを流したり広告を打ったします。
このように総合商社の仕事はとても幅広く、「何でも屋」とも言われます。
商材によっては取り扱う金額も何億円と大きく、世界を飛び回って英語で交渉を行うなどとてもダイナミックな仕事内容に見えますが、各業務に付随する集計業務や報告書や稟議書、提案書作成など事務仕事がかなり多い事も知っておきましょう。
専門商社の仕事内容
続いて専門商社の仕事内容を紹介しておきます。
先ほども紹介したように専門商社は特定の分野や商材に特化しているのが特徴ですが、総合商社と同様にトレーディング業務が主な仕事である事には違いがありません。
そのため商材探し~販路開拓と言った流れは大きな流れは変わりませんが、専門商社の場合は国内のトレーディング業務が多いので下記のような業務も行う事があるでしょう。
- 展示会やフェアへの参加
- ルート営業先とのコネクション強化
国内で商材やルートの確保
専門商社でも総合商社と同じように商材探しを行いますが、海外を飛び回って探す総合商社に比べると国内での商材探しが多くなるでしょう。
そのため自社が取り扱っている分野の商材がありそうな展示会や各種フェアなどへの参加をする事も、重要な仕事の一つと言えるでしょう。
総合商社以上に顧客との深い繋がりが重要
また専門商社の場合は特定の分野に特化しているので、取引先や顧客とのパイプが深い事が特徴です。
そのため既存顧客と普段からコミュニケーションを密に取っておくことがとても重要になり、ルート営業も重要な仕事の一つとなります。
どうしても総合商社と比べると地味に見えてしまうかもしれませんが、取り扱い分野や会社によっては総合商社と同様にグローバルに活躍する企業もたくさんあります。
また「狭く深く」が専門商社の仕事なので、専門的な知識や深い人間関係を構築する事が出来るのも専門商社の魅力の一つと言えるでしょう。
総合商社・専門商社の転職におすすめのサイト・エージェント
商社の仕事はここまで説明したように多岐に亘りますが、ダイナミックで規模の大きいプロジェクトが出来るなどとても魅力のある仕事です。
また総合商社を始めとして商社は給与の高い企業が多いので、就職市場でも人気が高いです。
そのため転職で商社への就職を目指すのであれば、信頼出来る転職エージェントの利用が欠かせません。
ここでは商社への転職の際に役立つ、おすすめエージェントを紹介していきます。
ビズリーチ
まず最初に紹介する転職エージェントがビズリーチです。ビズリーチは他の転職エージェントと比べると、年収の高いハイクラスの求人に特化している事が特徴です。
年収600万円を超えるような方をターゲットとしているので、実際に登録をしている方も20代というよりは30代や40代のようなある程度実績を積んだ方が中心です。
紹介してくれる求人情報も大企業の管理職やプロジェクトのリーダーのような好条件の案件が多く、総合商社のような優良企業への転職も夢ではないでしょう。
実際に公開されている商社の求人情報は約1,000件あり、年収1,000万円を超えるような募集も多数あります。
登録していると直接スカウトが届く事がある
またビズリーチの特徴として、企業の採用担当から直接スカウトが届く可能性がある事です。登録した内容を見たうえでのスカウトなので、内定までの道のりもかなり近くなる可能性が高く、好条件での求人に出会いやすくなるでしょう。
このように他の転職エージェントとは違った特徴を持つビズリーチですが、デメリットもあります。
登録には審査に通過する必要がある
デメリットの一つが、利用する際に審査がある点です。審査の詳細は公開されていませんが、審査に通過しないとサービスを利用する事が出来ません。
ビズリーチは30代以降の実績のあるビジネスマンを対象にしているので、20代のような若い方は年齢が審査のネックになってしまう可能性はあるでしょう。
しかしこのように利用者の審査がある事で、利用する企業や求人の質が高くなっていると言えます。
もう一つのデメリットが、全ての機能を利用するには下記のように有料になる点です。
- タレント会員・・・月額3,278円(税込)
- ハイクラス会員・・・月額5,478円(税込)
無料で利用する事も出来ますが、一部の機能が制限されてしまいます。
商社のような人気企業への転職を目指すのであれば、必要投資と割り切って払って利用するのが良いでしょう。
ビズリーチ
年代 | 30代~50代 | 雇用形態 | 正社員 |
---|---|---|---|
対象エリア | 全国・海外 | ||
業界 | SE/Webエンジニア機械/電気広告/クリエイティブ営業職医療専門職金融専門職不動産専門職コンサルタント/士業経営企画/管理事務販売/サービス建築設計/土木/プラント/設備等事務/アシスタント公務員/教員その他 | ||
おすすめ度 |
- 年収600万以上の求人が大半!
- スキルに応じて直接スカウトが届く
- 17,000を超える企業が登録しているので求人も豊富
リクルートエージェント
次に紹介する転職エージェントは、業界最大手のリクルートが運営するリクルートエージェントです。
リクルートと言えば新卒採用のリクナビがとても有名なので、利用した事のある方も多いでしょう。
先ほど紹介したビズリーチのようにハイクラスに特化している訳ではないですが、業界最大手という事もありとにかく求人数が多いのがリクルートエージェントの特徴です。
実際に商社の求人件数を見てみると、公開している求人で約6,100件、更に非公開求人では7,600件と求人が桁違いに多いことが分かります。
リクルートエージェントにしかない求人も多い
リクルートは就職支援業界では歴史も古く実績も豊富にあるので、多くの企業の人事と独自のパイプを豊富に持っているのが強みです。
そのため、リクルートエージェントしか取り扱っていない求人情報もあります。
また、リクルートエージェントは転職のアドバイスをしてくれるキャリアアドバイザーの質が高い事も評判で、親身に相談に乗ってくれて転職の的確なアドバイスをしてくれるでしょう。
商社経験者のエージェントも多い
業界に関する知識が豊富なアドバイザーも多く、実際に商社を経験した方も在籍しているので経験者ならではの話を聞く事も出来るでしょう。
このように業界最大手の実績とネットワークを活かして、圧倒的な求人情報と質の高いアドバイスを貰える事がリクルートエージェントの特徴です。
商社への転職を目指すのであれば、ぜひとも利用すべきエージェントと言えるでしょう。
リクルートエージェント
年代 | 20代~30代 | 雇用形態 | 正社員・派遣社員 |
---|---|---|---|
対象エリア | 全国(主に関東・関西中心)・海外もあり | ||
業界 | SE/Webエンジニア機械/電気広告/クリエイティブ営業職医療専門職金融専門職不動産専門職コンサルタント/士業経営企画/管理事務販売/サービス建築設計/土木/プラント/設備等事務/アシスタント公務員/教員その他 | ||
おすすめ度 |
- 業界最大規模の総合型転職エージェント!
- 求人数の合計が20万件以上!
- 知名度が高くサポートも充実なので登録必須
doda
最後に紹介するのがリクルートエージェントと同じく、大手転職支援サービスのdodaです。
大手という事もありリクルートエージェントに負けないくらいの豊富な求人数を持っているだけでなく、30代以降の実績のある方の転職支援に強いのがdodaの特徴です。
その理由の一つがキャリアアドバイザーの存在で、数多くある求人情報から転職希望者の適正をしっかりと見極めたうえで希望にあった求人を紹介してくれます。
とにかく求人情報を送ってくるだけの転職サイトも多い中で、本人の適正なども踏まえながら紹介をしてくれるのは、転職の際には嬉しいサービスと言えるでしょう。
またdodaは求人情報の多さだけでなく、質の高さにも定評があり好条件の商社の求人も多くあります。実際に商社の求人件数は約6,300件と多くあり、好条件で商社への転職を目指している方にはおすすめのエージェントと言えるでしょう。
直接スカウトや豊富なコンテンツもある
更にビズリーチのように企業から直接オファーが届く場合があるのもdodaの特徴で、最短ルートで内定を獲得出来る可能性もあります。
他にも適正年収診断のような豊富なコンテンツも提供してくれているので、転職に関する不安も解消しやすいのもdodaの特徴です。
こちらのエージェントも商社への転職を目指す方であれば、ぜひ利用すべきサイトと言えるでしょう。
doda(デューダ)
年代 | 20代~30代 | 雇用形態 | 正社員・契約社員・その他 |
---|---|---|---|
対象エリア | 全国(海外を含む) | ||
業界 | SE/Webエンジニア機械/電気広告/クリエイティブ営業職医療専門職金融専門職不動産専門職コンサルタント/士業経営企画/管理事務公務員/教員その他 | ||
おすすめ度 |
- 土日祝休みの求人は業界トップレベル
- 大手企業や年収500万以上の求人も多数
- 研修制度で未経験でも安心
総合商社や専門商社の就転職に必要な英語力の目安
総合商社:TOEIC730点以上の英語力が目安
各商社によって異なりますが、総合商社で必要な英語力の目安はTOEIC730点といわれています。
730点はTOEIC公式サイトで「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている」とされる英語力です。
参考:https://www.iibc-global.org/library/default/toeic/official_data/lr/pdf/proficiency.pdf
つまり、ビジネスで英語を活用する際に求められるレベルに到達しているという目安といえます。
また、TOEICが860点以上あると、各商社の選考においてさらに有利です。
ただし商社によっては入社時の英語力よりも倫理的な思考能力やコミュニケーション能力を重視する所もあるため、「◯◯な英語力がある」からといって、確実に採用されるわけではありません。
特に双日は英語力がなくともそれをカバーできる能力があれば、採用の可能性があると説明しています。
参考:https://unistyleinc.com/entry_sheets/23499
専門商社:日常会話に加え、専門用語も問題なく話せる英語力が必要
また、総合職社員は柔軟な対応力や交渉力が求められる機会は比較的少ない一方、取り扱っている商材分野については専門用語や高度な用語、フレーズなどを使用する機会が多いため、日常会話ができるのは当然として、専門分野については高度な英単語や慣用句などを習得しておくことが求められます。
英語の使用頻度としても、総合商社の国際的事業部に所属する総合職の社員とあまり変わらないと考えて良いです。
総合商社の商社マンよりは英語力は求められない傾向
ただしビジネス領域そのものが限定されていることから、ビジネスシーンで用いられる英単語やフレーズがある程度の範囲で収まることも多く、総合商社の商社マンほどフレキシブルな英語対応力や英語交渉力を求められる場面は少ないと言えます。
つまり総合商社と専門商社の総合職では英語の使用頻度が同等であっても、求められる英語力の質が異なるということです。
総合職ではフレキシブルな対応力や表現力が英語で求められることが多い一方、高度専門的な英単語やフレーズが会話の中で多数を占めるといった機会はそれほど多くないのが特徴です。
専門商社は総合商社ほどの英語力は必要なし?
その結果、仮に専門商社で海外企業との取引きを担っている事業部に配属されたとしても、一般職の方は総合商社の一般職に求められるほどのビジネス英語を通じたコミュニケーション能力を求められるシーンはありません。
海外クライアントとメールでやり取りを行うことはありますが、業務が順調に回転している状況であれば、定型フォーマットに従って決まった文言を入力するだけで事足りる場合も多いです。
一般事務でならほぼ英語力は不要?
では一般職の方が貿易事務と関わりのない、総務部や国内事業中心の部署へ配属された場合はどうかというと、この場合であれば英語力はほぼ不要と言って良いでしょう。
その点での事情としては総合商社とあまり変わりません。
商社における総合職と一般職の英語使用頻度の違い
商社に求められる語学力とはすでにお伝えしたとおり、TOEICのスコアではなくビジネスシーンで通用する英語力であり、特に転職者については英語のみならず第二外国語も求められる傾向があります。
ところが商社の業務を細かく見渡した場合、仕事において第二外国語はおろか、英語自体もほとんど使用しない社員や職務によっては全く使用しない社員もいます。
総合商社;総合職と一般職どっちが英語使う?
配属された部署次第で英語の使用頻度はかなり異なってきます。
総合商社にも国内を中心とした営業活動に取り組んでいる部署もあり、そのような部署では自ずと英語を使用する機会は限られてきます。
また総務部あるいは人事部といった社内業務を中心に担う部署へ配属された一般職の方も、英語を使用する機会はあまりありません。
加えて一般職の場合、総合職のような転勤や海外出張もないため、海外出張で一時的に英語を使う機会もなければ、海外支店に配属されたことで仕事も日常生活も英語漬けになるといった可能性もないのです。
一般職でも配置転換はありますが、転勤が伴わないことからそれほど頻繁な配置転換も生じません。
その結果、最初に配属された部署次第では一般職の方は退職するまでほとんど英語を使用しなかったというケースすら生じます。
国際的事業部なら英語を使う機会も多い
海外との取引が主な事業部の総合職社員は国内オフィスのイスを温めている機会はむしろ少なく、長期、短期含めて海外出張の機会が大変多くなります。
正に世界を股にかけて飛び回っている商社マンのイメージそのものですが、そうした総合職のアシスタントを国内で取り組む必要があるのが一般職の役目です。
そのため、交渉の窓口となっている総合職社員が日本を留守にしている場合にはその社員に代わって一般職社員が海外クライアントからの問い合わせ対応やメールでのやり取りを行う必要が生じます。
電話やメールといったコミュニケーション方法の違いはあっても、そこで求められる英語力とはTOEICスコアで何点以上という英語力ではなく、ビジネスで通用する実践的な英語力です。
従って、そうした部署に配属された一般職の方は総合職社員とあまり変わらない英語の使用頻度となりますので、総合職と同等レベルの高度な英語力が必要になります。
専門商社:総合職と一般職どっちが英語使う?
一般職は貿易事務などが中心業務
そのため、一般職の方々の役割は貿易事務が中心になります。
貿易事務では総合商社ほどたくさんのクライアントとの折衝や交渉を行う機会はなく、特定の海外企業との取引きが中心で、そのやり取りはルーティンワークが中心になっていることも業務的な特徴です。
英語以外の外国語が1つ以上喋れると尚良い
「商社への転職で有利になってくる語学力は?」という観点で言えば、英語はできて当たり前ですので、TOEICのハイスコアを誇ってみてもそれほど有利になるとは言えません。
商社への転職を成功させるには英語だけでなく、仕事で使えるレベルの外国語がもう一ヶ国語あった方が望ましいと言えます。
中国は従前ほどの経済成長力はありませんが、それでも10億人を超えるマーケットがあること、中国でしか採れない原材料が豊富にあることなどから、中国語ができる商社マンは依然として重宝される傾向があります。
ポルトガル語は中南米の発展途上国や資源輸出国で多く利用されている言語であることから、ポルトガル語も話せるとなると商社への転職でかなり有利になってきます。
総合商社と専門商社の年収を比較
商社マンの年収は高いか安いかで言えば、特に総合商社であれば間違いなく「高い」と言えます。
サラリーマンの平均生涯賃金が約2億7千万円ですが、総合商社の商社マンの生涯賃金は4億円から6億円近くとなります。
一例として中でも高年収と言われる住友商事の従業員年収をご紹介しましょう。
総合商社:住友商事の従業員年収
住友商事の従業員年収(2016年4月初日より2017年3月末日までの年次実績)を見てみましょう。
・対象従業員:5,162人
・平均年齢:42.8歳
・平均年収:1、255万円
ご覧の通り住友商事の場合、年齢が42歳あたりであれば年収1千万円ではなく1,200万円を超えることになります。
賞与を含めて平均月収を求めた場合、「月収100万円超」ということになります。
尚、この数字は一般職を含めた全従業員を対象とした年収ですので、総合職に限れば住友商事であれば30代でも年収1千万超えは珍しい数字ではありません。
総合商社:三井物産の従業員年収
総合商社の年収例としてもう一例、三井物産の従業員年収(2016年4月1日より2017年3月31日での年次実績)もご紹介しましょう。
・対象従業員:5,971人
・平均年齢:42.4歳
・平均年収:1,213万円
総合商社は就職企業の人気ランキングで毎年上位にランクインしていますが、こうした破格と言って良いぐらいの平均年収の高さが就職先としての人気を支える大きな要因になっています。
専門商社のトップ10の年収
では専門商社の年収水準はどうなのか、まずは専門商社の平均年収ベスト10からご紹介することにします。
(出典:「年収ラボ」より)
(専門商社・平均年収ベスト10)
- 1位:伊藤忠ネクスコ 895万円
- 2位:ミツウログループ 886万円
- 3位:三洋貿易 875万円
- 4位:稲畑産業 874万円
- 5位:長瀬産業 870万円
- 6位:OUGホールディングス 867万円
- 7位:印旛電機産業 858万円
- 8位:アルコニックス 856万円
- 9位 岩谷産業 854万円
- 10位 日本ライフライン 848万円
そのため、専門商社上位企業の年収の高さがかすむ結果になっているだけだと言えます。
日本全体のサラリーマンの平均年収が415万円前後ですから、専門商社のトップ10は全て平均値の倍以上もあるのです。
ちなみに専門商社全体の平均値では26年データで約592万円。
総合商社と異なり専門商社には中小企業も多いため、ベスト10社の平均年収と比較するとかなり低下しますがそれでも日本全体の平均値を100万円以上上回っています。
つまり専門商社は総合商社と比較した場合には低い年収となってしまいますが、他業界と比較した場合には「とても高い年収水準を誇る業界」と表現できるのです。
商社における総合職と一般職の年収比較
総合商社と専門商社の平均年収の違いについてはすでにご紹介しましたが、総合職と一般職での違いについてはどのようなことが言えるのでしょうか。
総合商社も専門商社も総合職年収の50%~80%が一般職年収
総合職と一般職の年収比率は総合商社と専門商社と共にほぼ同じ割合で、両商社とも総合職年収の50%から80%という水準が一般職の年収水準となっています。
商社の総合職と一般職の年収差は拡大する
例えば新卒採用時の総合職月収が24万円に対し、一般職の月収は20万円という金額が総合商社も専門商社も相場的な金額となっていますので、スタート時の年収は総合職と一般職の差は2割程度しかありません。
それが年次と共に基本給やボーナス額で徐々に差が拡がる上、更に総合職は一定年数を超えると何らかの役職を与えられる可能性が高くなる一方、一般職はそのまま平社員というケースが多いため、役職手当でも差額が生じることになります。
その結果、総合商社の総合職社員であれば30歳で年収1千万円に到達することも珍しくありませんが、同じ30歳でも一般職なら550万円から600万円程度に留まりますので50%から60%程度の開きとなってくるのです。
同様に専門商社(大手)の総合職では40歳で年収900万円を超えるぐらいの水準となりますが、40歳まで一般職として働いている社員の年収は450万円から500万円弱程度です。
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