近年のネイルブームを追い風に、人気沸騰の職種となっているのが「ネイリスト」です。
そこで今回はネイリストへの転職を検討されている女性の皆さんへ、ネイリストの方々は具体的にどのような仕事を日々行っているのか、ネイリストへ転職するにはどのようなプロセスを踏むことが最も効率的なのか等々、必見情報をお届けして参ります。
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ネイルサロンでの仕事内容とは?
パートのネイリストではなく正社員ネイリストになるということは、ネイルサロンでの業務全般に取り組むことを意味しますので、サロンでの業務全般について理解しておくことが大切です。
ではネイルサロンではどのような仕事を行っているのか、開店から閉店までの1日の流れで確認してみることにしましょう。
開店準備
お客様を気持ちよく迎え入れ、且つ心から満足して頂けるサービスを提供するために大事になってくるのが開店準備です。
ネイリストの皆さんが行っている開店準備業務には次のような仕事があります。
店舗の掃除
女性のお客様は清潔感を重視するもの。前日閉店後に清掃したとしても、一晩経てば薄っすらとしたほこりがテーブルを覆っている場合もありますので、多くの店舗では開店準備時にも再度徹底した掃除を行っています。
当然ですが、トイレ掃除やトイレットペーパーの補充なども大切な仕事です。
また、衛生面にも気を配ることが大切な仕事ですから、清掃が終わったらまめに手の殺菌洗浄を行うことも忘れてはなりません。
施術道具や薬剤の準備
ネイルに使用する薬剤をトレイに小分けして入れたり、コットンを用意したり、施術用道具を施術用テーブルにセッティングしたりします。
お客様の予約確認や照明、BGM、レジチェックなど
開店準備は掃除と施術道具の準備が終われば終わり、とはなりません。
他にも室内や看板の照明を確認したり、レジに電源を入れ、もしPOSシステム(レジのネットワークシステム)が導入されていれば、起動後に必要な操作を行う他、千円札などおつりが不足していないか確認し、必要に応じて銀行で両替を行うことも大切な準備業務の一つです。
営業時間中
ネイリストが施術を行う上で求められる素養は技術だけではない!
営業開始となればネイリストは予約に沿って、来店されたお客様の接客と施術が主な業務になります。
この場面で必要なのは集中力や技術だけではありません。
お客様にとって「技術」はあって当然のものです。
高度な技術があることを前提に、自分の爪先を美しく華やかに、或いはさりげなくスタイリッシュに演出してもらうことで幸福感を味わいたいのです。
そのためにはネイリストには「お客様のニーズに応える感性」が問われます。
お客様のニーズを上手に聞き出すヒアリング力や、お客様が迷っている場合にお客様の個性や好みを踏まえた提案力、ちょっとしたプレゼンスキルも求められます。
また、施術には一定の時間がかかるためお客様を退屈させない心配りも大切です。
とは言え、お客様にはいろいろなタイプの方がいます。静かに過ごしたいという方もいれば、おしゃべりが大好きという方もいます。
つまりネイリストはお客様の個性やタイプを踏まえ、適切な距離を保ちながら話題を提供したり、お客様からの話に耳を傾けたりする、空気を読んだ上でのコミュニケーション能力やサービス精神も必要になってきます。
施術時間以外にもネイリストがやるべき仕事は盛りだくさん!
仮に次のお客様が来店されるまで30分~1時間程度空き時間があったとしてもその時間帯は「暇」という訳ではなく、ネイリストとしてやらなければならない仕事は多々あります。
次のお客様を迎え入れるための道具のセッティングや薬剤補充などは勿論のこと、お客様へ最新のデザインを提案できるよう、空き時間を有効に使ってネイルデザインの研究やネイルデザインのサンプル作成などを行います。
閉店後
最後のお客様をお見送りしたら、閉店業務が待っています。閉店業務としては
レジを締めて1日の売上を確認したり、伝票チェックを行ったりする
店舗の清掃を行う
施術道具を紫外線で殺菌するマシンに入れる
資材の在庫を確認し、不足しそうなものはネット等で注文を入れておく
翌日出勤するスタッフへの伝達事項がある場合には、連絡帳へ記録する
等々の仕事を行い、全て完了したら1日の仕事は終了となります。このように正社員ネイリストが果たさなければならない仕事は多岐にわたります。
また、ネイリストはこうした日々の業務以外にも常にネイルデザインに関する情報収集をしたり、研究をしたりすることで、ネイリストとしてのセンスや感度の向上に継続的に努めることも大切です。
ネイリストとして働く為には資格は必要?有利?
ネイリスト未経験であり、ネイルサロンでの勤務経験もないという方が正社員ネイリストとして転職を果たすには、どのようなプロセスを経ることが最も効率的なのでしょうか。
ネイリストを行うのに資格は不要だが未経験者は資格取得が早道!
ネイリストには業務独占、あるいは名称独占となる国家資格制度はありません。従って、資格がなくともネイリストになることはできますし、名乗ることもできます。
しかしながら、冒頭でもお伝えしたとおりネイリストは人気職種でもあり、パートでの「見習い」ということならまだしも、正社員として転職を目指すなら無資格、未経験ではかなり苦戦を強いられることになるのが実情です。
そこで未経験者の方は一定の知識や技術を身につけた証として資格を取得することが、正社員として転職を果たす上での近道になってきます。
社員の有資格者数を対外的信用を高める手段の一つとして、積極的に資格取得を奨励しているネイルサロンもあります。
特にそうしたネイルサロンでは、勤務経験以上に資格保有を採用時に高く評価してくれる場合もあるからです。
資格としては「JNEC」の「ネイリスト技能検定」がオススメ!
ネイリストとしての資格検定はいくつかありますが、その中で最も歴史があり、且つネイルサロン業界で一定の評価を得られるのが「JNEC」(公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター)が実施している「ネイリスト技能検定」です。
実際にネイリストの求人案件を確認してみると、例えば「JNEC2級以上を優遇する」としている求人を多数確認することができます。
ネイリストを目指す上での資格なら、事実上の業界標準資格とも言えるJNECのネイリスト技能検定取得をオススメ致します。
「2級以上」は必須と考えるべし!
JNECの検定試験は「1級」「2級」「3級」と3つの級数に分かれており、3級が最も平易であり、2級、1級という順で難度が高まります。
受検資格ですが3級は誰でも受検可能ですが、2級は3級合格者のみ、1級は2級合格者のみと段階的に資格取得を行わないと上位級は取得できない条件になっています。
従って未経験・無資格の方はまずは3級取得から取り組むことになりますが、ネイリストとして転職することを考えた場合、合格率80%以上の3級では高い評価を得ることは難しい状況です。
正社員を目指す場合には最低でも「2級以上が条件」と考えていた方が良いでしょう。
ところが2級以上となると合格率が40%前後となり、一気に難度が高まります。
またネイルに関する実技試験対策を考えた場合、独学や通信講座だけで技術力を磨くには限界があります。
そこで、社会人を対象としたネイリスト養成スクールに通うことで知識と技術を高め、2級以上の資格を目指すことが最も堅実な方法と言えます。
コミニュケーション能力は職場でも大切!
2級以上、理想的には1級を取得していれば正社員ネイリストへ転職する場合に大きなアドバンテージになってきますが、仕事内容でおわかりになったとおり、ネイリストはただ施術ができれば良いという仕事ではありません。
コミュニケーション能力や提案力、サービス精神や気配りといった人間性が重視される職種でもあります。
また、ネイルサロンは大手チェーン店であったとしても、1店舗あたりの従業員数は少人数であることが殆どです。それだけに、限られた人数の職場で社員同士が円滑なコミュニケーションを図る必要もあります。
従って中途採用試験の面接では、資格の有無だけでなく、そうしたコミュニケーション能力や組織への融和性など、人間性も細かく評価されることになります。
つまり技術と同時にコミュニケーション能力や自身の人間性を高める努力を怠らないことが、ネイリストとして転職を果たす上で不可欠であることも決して忘れないようにしてください。