みなさんが前職を退職した場合、「源泉徴収票」というものがもらえると思います。
年末になると給与明細と一緒についてくるあれですね。中には源泉徴収票を提出したくない人もいると思います。
そこで源泉徴収票を提出するまでにやるべき事や、提出したくない場合の対処法を紹介します。
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源泉徴収票とは?
わかりやすく言うと「会社における自分の確定申告書のコピー」ね。
年末に会社が行った年末調整を元に、会社が交付しているのが源泉徴収票です。
12月給与が微妙に多かったり少なかったりするのは、年末調整の結果、所得税が増えたり減ったりしたからです。
源泉徴収票はその人の年収を対外的に証明するものなので、クレジットカードの申込時に記載する年収や、結婚相談所に入るときの年収は源泉徴収票をもとに計算されます。
転職先へ源泉徴収票の提出は必要?
基本的には提出しなくてはいけない
結論から言うと、前職の給与支払日と転職後の入社日が同じ年の場合は源泉徴収票の提出が必要です。
これは、同年中に転職した場合は転職先の企業が、あなたの代わりに年末調整をしてくれるからです。
自分で年末調整をするのであれば不要
逆に自分で年末調整をするのであれば、無理に源泉徴収票を提出する必要はありません。
前職の源泉徴収票+転職先の源泉徴収票(転職後から計算されたもの)+各種控除書類等を合わせ、自分で確定申告しても問題ありません。
その場合、転職先に前職の年収を知られずに済むでしょう。
ただし、確定申告の作業はかなり煩雑な上、間違って申告したら申告漏れありという事で修正を求められたり、場合によっては課徴金の支払いを求められる可能性があります。
そのため、源泉徴収票を提出したくない理由がある場合を除き、素直に提出した方が良いでしょう。
退職と入社の年数が変わる場合は不要
例えば2021年に退職をして、2022年に転職をした場合は源泉徴収票を提出する必要がありません。
ただし、給与の振り込みが2022年に入っても給与や賞与の支払いがあった場合は、2022年時点で働いている企業に源泉徴収票を提出しなくてはいけません。
また、給与の振り込みがなかったとしても、2021年の給与分の確定申告に関しては自分で行う必要があります。
前職で退職金があっても基本的に提出は不要
退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していた場合は、前職の会社が所得税を引いて退職金を支払うので、税金関係は完結しています。
そのため、新しい会社に提出する必要はありません。
なお勤続10年くらいで退職した場合は退職所得控除額>退職金になるので、退職金に税金はかからないケースが多いです。
例えば筆者が前職を退職した時(勤続約10年)は以下のような計算になります。
- 退職金:約200万円
- 勤続20面未満の退職所得控除:40万円×勤続年数(10年)=400万円
- 所得税:200万円‐400万円=マイナス200万円
なので所得税は0円です(さすがに戻ってはきませんが)
そして税金が0なので新しい会社に提出する意味もありません。
なお所得税を支払うケースでも退職金から税金が支払われる関係で控除を申告する必要はないので、退職手当の源泉徴収票は提出しなくてOKです。
それでももし退職所得の源泉徴収票を求めてくる会社があれば明らかに不要な個人情報を聞いているので、社員を管理、統制したい超悪質なブラック企業の可能性があります。
「退職所得の源泉徴収票は提出しなくていい」が正解です。
副業や休職中の場合も非提出でOK
前職について知られたくない事情があったり、副業や休職中であることを知られたくない場合も源泉徴収票は提出しなくても大丈夫です。
ただ、この場合でも前職の源泉徴収票を元に自分で確定申告をすることになりますし、間違えたり書き換えをしてしまうと思わぬリスクもありますので注意しましょう。
言うまでもないことですが、源泉徴収票の数字を書き換えることは「有印私文書偽造」、有意私文書偽造行使」、「詐欺」という列記とした刑事犯罪です。
刑罰として3月以上10年以下の懲役を受ける可能性があります。もちろん、民事上でも契約の取消し、不法行為に基づく損害賠償請求、つまりクビにされる可能性が極めて高いのでそういうことは絶対にしないでくださいね。
doda(デューダ)
年代 | 20代~30代 | 雇用形態 | 正社員・契約社員・その他 |
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対象エリア | 全国(海外を含む) | ||
業界 | SE/Webエンジニア機械/電気広告/クリエイティブ営業職医療専門職金融専門職不動産専門職コンサルタント/士業経営企画/管理事務公務員/教員その他 | ||
おすすめ度 |
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源泉徴収票はどうやってもらえる?
一般的には転職から一ヶ月以内に前職からもらうことができます。
もらい方やは手渡し、もしくは郵送であることが多いです。
前職から源泉徴収票をもらえない場合は?
筆者も経験があるのですが、前職がブラックだとなかなか源泉徴収票を送ってもらえません。
まずは人事や担当者に催促をし、1日でも早く送ってもらいましょう。
それでも源泉徴収票を送って貰えない場合、税務署に相談したり「源泉徴収票不交付の届出手続き」を提出することで、行政指導が入るので確実に源泉徴収票を発行させることが可能です。
源泉徴収票の発行が間に合わない場合は?
とりあえず今の会社の経理や総務担当者にその旨を伝え、どのように対応するべきか確認しましょう。
源泉徴収票の発行が間に合わないことを伝えず、放置するのが一番まずいです。
最悪年末調整に間に合わない場合は、自分で確定申告を行うことで税務署の指摘を回避することができます。
転職後に源泉徴収票を提出するメリット
年末調整を転職先の会社がやってくれるので楽
源泉徴収票提出の主目的は、会社が年末調整で申告を代行してくれることにあります。
会社の専門家がやってくれるので申告漏れや脱税などの心配はありませんし、自分で計算して書類を提出する手間がないので安心です。
また、万が一ミスがあってもみなさんの責任ではなく会社の責任となるので、追徴課税されるなどペナルティのリスクが極めて低いです。
人事のウケがよくなる
前の会社の情報を渡す事になるので、人事や経理の担当者からすると会社に従順と思われやすく、ウケが良くなります。
特に大きな企業だとこの傾向が顕著で、よくも悪くも日本的な価値観と言えるでしょう。
転職後に源泉徴収票を提出しないデメリット
禁止しているはずの副業を疑われる
面倒なはずの年末調整をわざわざ自分でやる人は、副業をやっているなど何らかの事情がある人が大半なので会社から疑われやすいです。
副業をしても問題ない会社も増えていますが、日本の会社は未だに「副業禁止規定」を設けているところが多いため、隠れて副業せざるを得ない人は多いのです。
副業をしていると同じ仕事をしているのに他の社員より住民税が高くなるので、年末調整をせずに自分で確定申告をすることになります。
副業禁止は厳密には憲法の「職業選択自由」に反するので、争えば勝てる(つまり副業やってもOK)のですが、干されたりリスクの方が大きいので争うよりも隠す人が多いです。。
そのため、源泉徴収票を提出しない場合は、医療費控除や住宅ローン控除などそれなりの理由を付けておかないと「副業をやっているのではないか?」と無駄に疑われる可能性があります。
会社に対して反抗的と思われる
本来、確定申告を個人で行うのが原則で、年末調整は「忙しい会社員だから特別に人事が本人に代わってやってあげる」という制度なのですが、今の日本では「年末調整が当たり前。自分で確定申告する人は訳あり」という認識になっています。
納税の原則を実践しているだけでマイナス評価になるのはどう考えてもおかしいのですが、日本企業は同調圧力があるので、無用な疑いや副業で稼いでいるに違いないと、妬みを生む可能性があります。
取り立てて理由がないのであれば素直に会社に前職の源泉徴収票を提出しておくのが無難、という結論になります。
前職と転職の間にアルバイトをしていた場合の源泉徴収票はどうする?
アルバイト先の源泉徴収票も提出する
前職を退職し、転職が決まるまでアルバイトをしていた場合、アルバイト先からもらえる源泉徴収票も提出します。
ただ、個人営業の店を手伝ったり、クラウドソーシングで物を書いていたという方は源泉徴収票がもらえないかもしれません。
万が一源泉徴収票が貰えない場合は、バイト代の振り込み明細(通帳など)を提出すればOKです。
実家の店を手伝って1~2万お小遣いをもらった程度であれば言わなくても大丈夫でしょうが、職場で5万円以上稼ぐと雇用主が事務所にマイナンバー付きで提出するので、そこから足が付く可能性があります。
そのため、転職先に提出ないし報告しておいた方がいいでしょう。
転職前に夜のお店や風俗で働いていた女性は要注意
以前は現金当日払いだからバレないという雰囲気でしたが、マイナンバーの導入で雇用先がマイナンバーを付けて提出することが義務になったため、バレる可能性がゼロではなくなりました。
風俗店の場合も源泉徴収票をもらって提出するのが「模範解答」ですが、残念ながら前職が夜のお店だと判明すると社内の人間関係に影響が出るなど、リスクもあります。
また、そもそも源泉徴収票を発行しないお店もあるのが実情です。
そのため、夜のお店や風俗店で働いていた場合は、金額によりますが自分で確定申告をしてしまうか、税理士などの専門家に相談した方が良いでしょう。
転職前に副業をしていた場合は源泉徴収票をどうする?
副業OKの企業:素直に伝えるか自分で確定申告をする
転職先が副業OKならその旨伝えた上で源泉徴収票を提出するか、「ダブルワークなので自分で確定申告します」と伝えれば大丈夫です。
副業NGの企業:自分で確定申告をする
ただ「副業禁止規定」がある会社に転職した場合、隠れて副業することになるので、自分で確定申告をしなくてはいけません。
副業をしていると住民税の額が多くなり、嫌な人事だと逐一チェックしています。
やる気のない人事だと、住民税額をチェックはしないのですが、これも運です。
ただし、その年に稼いでいた分を全て今の会社で年末調整しないといけないわけではありません。
副業の収入は源泉徴収票を添えた上で確定申告します。まとめると以下の流れになります。
- 前職の源泉徴収票を出して、年末に本業の(1年分の)源泉徴収票をもらう
- 本業の源泉徴収票を添えて副業分の確定申告をする
- 翌年の住民税でバレないように「普通徴収」(自分で納付する)にする
リスクを考えると上記の方法が一番良いです。
前述した通り、前職の源泉徴収票を提出する義務はないので、最初から「全部確定申告します」と言ってもいいのですが、会社によっては疑われます。
副業禁止の企業で副業をやっていることがバレると非常に厄介ですし、最悪解雇や処分を喰らう可能性もあるので、バレないようにするのが最善です。
とりあえず前職の源泉徴収票の提出は副業とそこまで関連しないので、住民税でばれない対策をするのが大切です。
ただ、服魚をやっている以上、副業禁止の企業に勤めている限り常にバレるリスクに晒されることになるので、個人的には早い段階で同じ条件で副業OKの求人を探すことをおすすめします。
転職サイトなどで求人を探す際に「副業OK」と入れれば、副業をやっても問題のない企業が出てくるので堂々と副業をすることが可能です。
doda(デューダ)
年代 | 20代~30代 | 雇用形態 | 正社員・契約社員・その他 |
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対象エリア | 全国(海外を含む) | ||
業界 | SE/Webエンジニア機械/電気広告/クリエイティブ営業職医療専門職金融専門職不動産専門職コンサルタント/士業経営企画/管理事務公務員/教員その他 | ||
おすすめ度 |
- 土日祝休みの求人は業界トップレベル
- 大手企業や年収500万以上の求人も多数
- 研修制度で未経験でも安心
転職先への源泉徴収票の提出まとめ
- 確実に源泉徴収票はもあらっておく(くれない場合は請求する)
- 基本的に源泉徴収票の提出は必須
- ただし提出したくない場合は自分で確定申告をすればOK
- 記載内容に間違いがないか確認する
- 副業は禁止規定がある会社の場合、バレないように住民税対策をしっかりやる
今回は転職先への源泉徴収票の提出に関して解説しました。
基本的には源泉徴収票の提出は必須ですが、様々な事情があって提出したくない場合は自分で確定申告を行うのであれば提出せずOKです。
前職を知られたくない事情がある方や、副業をしている方は手間はかかりますが無理に提出をせず自分で確定申告を行いましょう。