最近よく聞かれる名前で「スタートアップ企業」というものがあります。聞きなれない人もいるかもしれませんが、成長の可能性を秘めた新しい企業で、うまくここに転職をして成功すれば、高収入とご自身のキャリアアップ、社会的名声などを手に入れることができます。
特に30代でこれまで勤務している企業で、ある程度「先が見えてしまった人」にとっては、スタートアップ企業への転職は逆転へのチャンスにもなります。平均年収も高く、やりがいがあり、新しい時代のフォーマットを作り出せるこうしたスタートアップ企業への転職ですが、リスクもあります。
ここでは、スタートアップ企業について知っていただいたうえで、その光と影の部分について考えてみたいと思います。
スタートアップ企業について知るメリットはこれ!
- 定義とベンチャー企業とは違うことが理解できます
- なぜ30代未経験でも重宝されるのかその理由がわかります
- うまく伸びる企業に入れれば年収が大幅に上がります
- 新興企業ゆえのメリット、デメリットが理解できます
- 具体的なスタートアップ企業への転職方法がわかります
目次【クリックして移動できます】
ベンチャー企業とスタートアップ企業とは?
「スタートアップ企業」と聞くと開業、起業間もない企業だと思われるかもしれませんが、違います。
「スタートアップ企業」とは開業、起業2年~3年のベンチャー企業で、特に「新しいビジネスモデル」を開発することを目的としていて市場を開拓する段階にあるもの、を指します。
ベンチャー企業の中でも特に真新しいビジネスをしているのがスタートアップ企業
ベンチャー企業=スタートアップ企業ではなく、ベンチャー企業の中の一部がスタートアップ企業だと思ってください。
「スタートアップ」という言葉を聞くと、パソコンソフトのインストールを思い出す人も多いでしょうが、まさに、現実世界に新しいビジネスやライフスタイルをインストールすることを目的としている企業なのです。
例えば、今から20年前のYahoo!やGoggleは「検索エンジンのスタートアップ企業」でしたし、10数年前のYoutubeやtwitterもぞれぞれ「動画サイトのスタートアップ企業」「SNSのスタートアップ企業」でした。
もっとさかのぼればマイクロソフトも、「パソコンOSのスタートアップ企業」だった時期もあります。
これらスタートアップ企業が開発し広がったソフトによって、我々の生活、ライフスタイルは一変しました。大きく人間の生活や価値観を変える、という非常に大きな役割を果たすのもスタートアップ企業の特徴です。
転職する前に知るべきスタートアップ企業の特徴
蒸気を踏まえて、スタートアップ企業の特徴をまとめるとこういうことになります。
- 短期間で急激に成長を遂げる
- これまでに市場に存在しなかった新しいビジネスを創出する
- 新しい価値を社会にプラスし、人々の役に立つ
- イノベーションや社会貢献を目的としている
twitter、あるいは似ているInstagram、動画共有ソフトのTik TokやVineなども、価値観や社会を大きく変えました。誰でも簡単に自分の意見を全世界に発信し、動画をスマホで札駅できるにはまさにイノベーション、これまでの常識では考えられませんでした。
単に少数で既存分野に切り込むベンチャー企業と違い、スタートアップ企業のビジネスは実績がないので、資金調達にも苦労します(銀行がお金を貸さない)。したがって、ベンチャーキャピタルなどからお金を借りることもあります。
金利は高く、投機的な要素も含むため、スタートアップ企業は「ハイリスクハイリターン」であるといえるでしょう。
しかし、現在の日本のスタートアップ企業は結構成功している会社が多く、
こういう時代になったよね→「上場企業の平均より100万円多い」スタートアップ転職、年収720万円超 上場企業越え: 日本経済新聞 https://t.co/vII3uGWJKp
— moto (@moto_recruit) March 20, 2019
のように平均年収は700万円を超え、大企業よりも稼げる新興企業として、能力があり、リスクに飛び込んでも構わないという人の受け皿になっています。
一方で、社会的な信用はなく、大企業志向の人には避けられます。
すべての人に向いている会社ではなく、当然、そのスタートアップしたいサービスがダメで市場から退場を命じられることも多く、すぐに転職ができる人でないと無職リスクも大きくなります。
30代でベンチャー・スタートアップ企業へ転職するメリット
それでは、今の企業で「終わっている」30代未経験者(あるいはそれ以上)の人が、スタートアップ企業に入り一発逆転を狙うことは可能なのでしょうか?
答えは「あり」です。
その理由を以下に書きます。
30代のニーズが高いので重宝される
最近躍進しているスタートアップの社員の社員を見ると(例えば「ランサーズ」や「Freee」)、20代の若い人が目立ちます。学生サークルの延長のようなノリです。
正直、結構ビジネスマナーに疎い対応をすることもあり、既存の大企業からは考えられない対応をしてしまうこともあります。
要はビジネスとしてはうまくいっているが社会人としてはまだまだ若輩者が多いんです。
組織をリードするコーチ、マネージャーとして30代の採用ニーズはとても大きいのです。
仕事の幅や裁量が大きく広がる
スタートアップ企業では、ビジネスモデルの構築中なので、平社員はこれをする、課長はこれをする、という業務の分担、分掌が明確ではありません。
つまり、前いた会社で不本意ながらやらされていたことをやらずに済むかもしれませんし、やりたいけれどもできなかった仕事ができるかもしれません。
未経験な職種にチャレンジできる
スタートアップ企業はベンチャー企業の要素も持っているため、今までの職務経験だけでなく、やる気や熱意も評価されます。
「こういう仕事を何年やっていないと転職できない」という公式がなく、通常ならば一定以上のスキルや職務経験がないとできない30代の転職、特に通常の転職ならば一部ブラック企業(外食、介護、小売等)以外不可能な未経験者の採用も行っています。
マネジメントスキルが否が応でも身に付き転職に有利になる
1と関連しますが、30代はチームや会社のまとめ役になることが多いはずです。
学生気分が抜けない社員を指導し、まとめ上げることができれば、この会社がだめでも、マネジメントの経験者として、他社への転職が可能になります。
ピンチはチャンスになる
検索エンジン、動画サイト、SNSなどはパソコン黎明期には夢にも思っていなかったサービスです。
まったく新しいサービスの創造に関与できるのは、大きなやりがいと自己実現につながります。
このまましがない会社員で終わるよりも、人花咲かせるチャンスはスタートアップ企業でも30代が限度。
だから、今行動を開始して大逆転を狙うのもありです。
30代未経験者でもスタートアップ企業なら活躍できる
以上をまとめると、30代未経験者でもスタートアップ企業に転職して活躍できそうです。
なぜなら
- 20代中心の会社なので社会人経験がある人の「重し」を必要としている
- 既存の企業社会概念にとらわれない未経験者採用を行っている
- 最悪、スタートアップ企業がだめ(倒産等)でも「マネジメント経験」が転職に役立つ
というわけで、通常の職務経験では難しそうな人でも、積極的に採用してくれる余地があります。
30代をむしろ武器にするのです。
30代がベンチャー・スタートアップ企業に転職するメリット
30代未経験者でもスタートップ企業で働けそうですね。
最後に、スタートップ企業で働くメリットとリスク(デメリット)をまとめてみました。
30代未経験でも逆転のチャンスがある
昔からの企業ではないので、それまでの経歴をリセットして、場合によっては幹部候補になることもできます。
30代であることのメリットを活用して、若い社員を導いてあげてもいいでしょう。
やりがいを持って仕事ができる
スタートアップ企業の職務は幅広く、通常30代(未経験)ではできないような仕事もできます。
その結果として、twitterやInstagramのように我々のライフスタイルを変える「パラダイムシフト」に直接関与できるかもしれません。
人の歴史を変えるんです。これがやりがいでなくて何なのでしょうか?
業績の急成長により大幅な年収アップが期待できる
スタートアップ企業の特徴は、数年で業績が急上昇して、こういう感じのグラフになることです。
年収も普通の企業にいてはとても得られないような高額報酬や様々な恩恵を享受できるかもしれません。
東大や京大、東工大などの優秀層が財閥系企業などではなく、スタートアップ企業を目指すようになっています。
やればやっただけ、それ以上の見返りが大きいのでしょう。
再転職に役立つスキルが身に付く
若手主体のスタートアップ企業の中では30代の人は未経験者でも、マネジメントを任されることが多く、そのまま前の会社に留まるよりも早く、管理職としての経験を得られます。
したがって、もしスタートアップ企業が廃業、倒産して再転職しなければならなくなっても、そのマネジメントスキルは職務経験として大きな武器になるでしょう。
30代がベンチャー・スタートアップ企業に転職するデメリット・リスク
倒産、廃業リスクが高い
ベンチャー企業と同様に、世間の信用はまだ得られていません。資金調達もベンチャーキャピタルなどに頼るわけで、資金繰りがショートする、そもそも商品やサービスが売れなくてあっという間に倒産してしまうこともあります。
30代未経験で転職してろくにスタートアップ企業の経験ができず、再転職することになれば、転職回数が1回増えたスキルのない30代として転職市場に放り出されます。
当然、前の会社から転職するよりもさら不利になります。
古い会社であれば、手を差し伸べてくれることもありますが、新興のスタートアップ企業では、誰も助けてくれません。自業自得であっけなくチェックメイトです。
激務薄給の可能性がある
スタートアップ企業の年収が高いと書きましたが、すべての会社がそうであるとは限りません。また、特にIT系であれば(たいていのスタートアップ企業はIT系ですが)、超激務である可能性もあります。
もし、IT未経験でプログラムしなさい、という仕事になればもう絶望的な状況に追い込まれます。また、完全実力主義でできない未経験者は超薄給、下手するとバイトや雇用契約ではない「業務委託」(個人事業主として働く)ところもあるかもしれません。
経営陣が若いということは、企業社会のお約束が通じないということでもあります。
独特の雰囲気に慣れる必要がある
学生のノリを引きずっているということは、ああいう陽キャラのサークルのノリであり、内向的な人(陰キャ)には耐えられないかもしれません。
ITベンチャーでイメージするものを凝縮している企業も多く、それまで会社員としてやってきた人には適応できない職場の可能性もあります。
未経験だとついていけない事がある
未経験で入る人は、その業界(主にIT)の知識もスキルも不足しています。
完全にマネジメントだけできればいいのでしょうが、プレイヤー兼任だと、もう何をやっているのか理解不能の可能性もあります。
新しい価値観を作り上げていくスタートアップ企業なので、頭の柔軟性も必要です。
30代未経験の人にそうしたことができるでしょうか?このまま今の職場にとどまった方が先は見えてしまっても、不透明ではないのでは?
30代のベンチャー・スタートアップ企業転職は転職エージェントを活用しよう
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まず、情報収集も兼ねて、どちらかの転職エージェントに登録して、スタートアップ企業求人の現状を知っていただくのをおすすめします。
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30代でベンチャー・スタートアップへ転職する方法まとめ
まとめ
- スタートアップ企業=ベンチャー企業ではない
- スタートアップ企業は社会の新しい価値やライフスタイルの創造に寄与する
- 30代未経験者でも、他の古い企業とは違った基準で評価される
- 若手社員が多いので社会人経験がある人のマネジメント能力が評価される
- つぶれるリスクも高く、ハイリスクハイリターンなのは事実
- ブラックなスタートアップ企業に当たらないよう転職エージェントを活用する