ブラック企業で疲弊している方や、退職を検討しているけど会社とトラブルになると思うと言い出せずに悩んでいる方にお伝えしたいことがございます。
ブラック企業で働いていても得るものはなく、一刻も早く辞めるべきです!
しかし、どんなにこの事実を声を大にしてお伝えしても、ブラック企業で働く方の多くは、以下のような理由を挙げて退職することを否定するでしょう。
- 「上司に退職を相談しづらい」
- 「周りの仲間(同僚)を裏切れない」
- 「自分の後任が決まらないと会社へ迷惑がかかる」
- 「退職後、再就職できるかどうか不安」
一見、社会人らしい責任感ある考えのように思います。
しかし、上記の理由にはすべて主体的な考え・信念がなく、ただ周りの環境や人のせいにしているだけじゃないでしょうか?
もっとはっきり言ってしまえば、目の前の面倒なこと・イヤなことから目を背けているだけですよね。
実は以前、筆者は大手クラウドサービス社を通じて、ブラック企業を退職した経験のある方302名を対象にWebアンケートを行ったことがあります。
その結果、実に93%以上の方が「退職して良かった!」と幸せを取り戻して生活しているのです。
ここからは、実際にブラック企業を退職することに成功した方々の声をより具体的にお伝えしていきます。
この記事が広まることで、世の中のブラック企業で働く方の苦しみが少しでも軽減されることを祈っています。
目次【クリックして移動できます】
ブラック企業を辞めた後は幸せ?不幸?
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回答者:20~60代の退職経験者
調査会社:大手クラウドソーシング会社
調査方法:Webアンケート
調査期間:2020年11月
有効回答数:302名
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ブラック企業退職後の人生についてアンケートをとったところ、記事の冒頭でもお伝えした通り、幸せと回答した割合が93.0%を占める結果となりました。
しかし、4.8%の割合が「不幸になった」と回答しているのが気になるところですよね。
それでは、不幸となってしまった人の意見について、一部掲載いたします。
退職して半年後に退職を促した交際相手と結婚したものの、今はほぼ同居状態の義両親に毎日嫌味を言われてつらい思いをしている。
交際していた彼と結婚し、現在は他のところで勤務していますが、そこも働いて気付いたのですがブラックでした。今は、仲良しの同僚と励まし合いながら勤務していますが、いつ辞めるかわかりません。
ブラック企業退職後に転職しましたか?
ブラック企業退職後、転職をしたかどうかのアンケートをとったところ、転職をした人が64.6%ともっとも多く、次いで結婚・出産をした人が16.6%、フリーランスが7.4%、求職中が5.4%を占める結果となりました。
中には、転職とともにご結婚や出産と人生が好転されたケースもたくさん見受けられました。
意外にも、フリーランスとして歩みだした人が多いですが、実情としては生活できるだけの収入があるケースは少なく、試行錯誤しながらクラウド系のお仕事をしているケースが多いです。
それでは、ブラック企業を辞めてフリーランスとなった人の意見を見てみましょう。
転職してプライベートも充実し、社会人サークルで趣味も満喫し男性との出会いもあり、今はその方と結婚し、妊娠して出産予定です。あの時退職してほんとによかったと思います。
退職してすぐに同じ教育業界の企業に転職しました。基本的に定時に帰れますし、残業代もすべて支給され、福利厚生も整っています。当時彼氏だった今の夫と結婚し、子どもにも恵まれて幸せです。
同棲していた彼女と結婚をし、現在は収入自体は残業代が無いので年収はさがりましたが、時間はゆとりのある状況になったので、私生活を謳歌しています。
ブラック企業退職後の転職先は同業種?異業種?
ここでは、ブラック企業退職後に転職をした人にフォーカスしていきます。
まず、もっとも多かったのが同業種へ転職した人で、全体の67.7%を占めています。
同業種へ転職した人のお話を聞いてみましょう。
退職後は、生活をしていく為少しでも時給の高いところでということでガソリンスタンドでのアルバイト生活を送っていました。その後当時付き合っていた彼と結婚し子供も授かり平穏な暮らしをしておりましたが、旦那の浮気、不倫により保育園児の息子2人を抱えてシングルマザーとして日々頑張っております。現在は介護職ではなく車関係の仕事をしておりますが、また機会があれば今度はホワイトまで行かなくてもオフホワイト企業ぐらいの介護施設で働けたらいいなと思っております。
この人たちの意見も聞いてみましょう。
当時の彼氏とは昨年無事に結婚することができました。支えて下さった夫には本当に感謝しています。上記の会社を退職してから、同種で働くのが怖くなり昔から興味のあった飲食店での接客業で働きました。その職場の方達は本当に良くしてくださり、人間関係も良好で上司も優しい方でした。今までの苦しみが嘘のようで、世の中には辛い職場だけではなく、良い職場もあるのだと気が付けました。
新卒で入社したこともあり、当時はその職場での経験がすべてで、これが普通なのだから我慢しなければと思って働いていました。
今思えば、世の中には沢山の職種、そして職場があるので自分を殺して毎日死にたいと思いながら生きるよりも、転職して自分にあった職場や仕事を見つけることも大切なのだと学びました。
その職場での辛かった経験は、今でもたまに夢に出てくるほどトラウマになっていますが、その分今の職場に対して感謝の気持ちを抱くことが多く、今はやりがいと誇りをもって仕事が出来ています。
全く別の職種に転職しましたが、精神的に追い詰められた経験から、続けることがしんどくなりやすくなってしまいました。
「人間関係のちょっとしたやりとりを気にしすぎる」「少しのミスでも冷や汗がでる」「人の目を気にしすぎて肩に力が入りすぎる」等ですね。現在、結婚しましたが、奨学金返済のためパートを見つける予定でした。
しかし、パートであっても緊張してしまい、まだ仕事を見つけられていません。在宅ワークで家計の助けができるようになれば、と歩みだしたばかりです。
最後に、かなりレアなケースとして、ブラック企業へ戻り再就職した人が2名いらっしゃったので、紹介します。
高卒で就職した会社に出戻りという形で再就職しました。
元の職場に戻りかなりの変人扱いをされたが、家族のため、生活のため、言い聞かせ耐えた。最初の3ヶ月はとても辛かった。今でも働いているが皆少し一線を引いて付き合っている。
34歳で転職活動を始めた筆者の体験談
この記事を執筆させて頂いている筆者も、実はなかなかのブラック企業へ入社してしまい、人間関係に悩んだ末に10年正社員を勤めた会社を退職しました。
仕事はパチンコ店の店員で、職種としては接客業になります。
ただ、10年も在籍しておいて何なんですが、「笑顔で接客をする」というサービス業にとって当たり前の常識がどうしても受け入れられませんでした。
筆者は男性ですが、自己肯定感が低く、鏡で自分の顔を見るのが昔からイヤでした。
そんな自分が、人に笑顔を振りまくのが恥ずかしくて、どうしても抵抗があったんですよね。
正社員として10年も在籍していながら、ほぼ昇進することなくずっと落ちこぼれでした。
そんな筆者が辞めたときの年齢が34歳。会社の上司からも、「その年齢から転職は厳しい」と言われましたが、歯止めが効かずに退職してしまいました。
さて、退職して半年くらいはプラプラしていましたが、そろそろ転職活動に本腰を…と考えたときに、前述の通り再び同じサービス業へ戻る選択肢は考えられませんでした。
また、同じように上手くいかないだろうと思ったんですね。それで、考えたのがウェブデザイナーと呼ばれる職業です。
ウェブデザイナーと一言で言っても色々なお仕事があるのですが、簡単に言うとホームページの作成をする人ですね。
もともと、前職でパソコンのデザインソフトを使って簡単なポップなどを作ったりしてましたので、クリエイティブなお仕事に惹かれたのが大きな理由です。
ただ、34歳で未経験…しかも、スキルも低いとなれば、転職活動はまず上手くいかないだろうと踏んで、約半年間ほどウェブデザインの基礎を勉強していました。
とりあえず、イチからホームページの作成ができるくらいまでのレベルになったところで、求人を調べ始めました。
しかし…やはり30代で未経験というフィルターをかけると、ほとんどエントリーできる求人が見つかりません。
今から考えれば、こんな無謀な転職活動が成功するはずないと分かるのですが…すでに退職して1年以上経っていたので、そろそろ貯金もヤバくなってきて焦りました。
しかし、ウェブデザイナーの道は諦めたくないので、思い切って県外の求人へもエントリーし始めて、東京や名古屋などへ夜行バスを乗り継いで向かいました。
もうお分かりかと思いますが、ようやく面接へこぎつけて、県外まで行ったものの、対応は冷ややかなモノです。
中には、明らかに入社したてで社会人経験の浅い社員が出てきて、グダグダな状態で面接を終えたこともありました。
名古屋で一度、好感触かな?と思えた面接がありましたが、面接途中で行われたスキルテストではまったくできずにボロボロでした。
結果、書類選考も含めて十数社エントリーしたものの、内定はゼロ。30代の転職活動であれば、この程度で諦めるのはまだまだ早いです。
しかし、決して打たれ強くはない筆者の心は完全に折れてしまい、「自分を正社員として受け入れてくれる会社なんて、もうこの世にはないんだ」などと悲観しきっていました。
結局、行き場を失った筆者は、人材派遣会社に登録して仕事を紹介してもらうことにしました。
ここから、ようやく生活費を稼げる環境が整ったのです。
まとめ
転職活動の常識として、「在職中に次を見つける」という考えがあります。
しかし、ブラック企業に働きながら果たして面接へ生き生きと挑めるのかと考えると、疑問が残ります。
やはり、ブラック企業でお勤めならば、まず退職に一点集中をして、早く自由の身になることが大切なのではないでしょうか。
筆者もそうでしたが、会社を離れると視野がパッと広がり、明るい考えができるようになります。
今はお先真っ暗な未来かもしれませんが、会社を辞めるだけでまるで別世界へきたような感覚になれるんですよ。
ブラック企業でありながらも「給料が高い」「福利厚生が充実している」「昇進が目指せる」といった未来があるなら辞めない選択肢もアリでしょう。
しかし、もうすでに何の明るい未来も見えないならば、思い切って踏み出してみることを推奨します。
寄稿元:退職ナビ