営業職を長く続けていると、仕事性格的に仕事が向いている人と向いていない人がわかってきます。
向いている人は成績が伸びて仕事が続きますし、向いていない人は契約が取れずにすぐ辞めていくからです。
会社によっては長い目でしっかりと教育をしてもらえますが、そうではない会社に入ってしまうと悲惨です。
今回は営業に向いていない新人の若手社員が仕事を続けた末路と、向いていない仕事を辞める判断基準、入社してはいけない営業の会社について漫画とともに紹介します。
doda(デューダ)
年代 | 20代~30代 | 雇用形態 | 正社員・契約社員・その他 |
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対象エリア | 全国(海外を含む) | ||
業界 | SE/Webエンジニア機械/電気広告/クリエイティブ営業職医療専門職金融専門職不動産専門職コンサルタント/士業経営企画/管理事務公務員/教員その他 | ||
おすすめ度 |
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目次【クリックして移動できます】
仕事【営業】を選んだ志望動機が軽い
新卒の新田さんは、若くてスタイルがよくて髪の毛がツヤツヤな可愛らしい女性でした。
彼女が仕事を選んだ理由は「過酷な就活でたまたま採用された」という軽いものでした。
何十社も面接をこなすのは大変です。不採用が続くと自分がやりたい仕事や働きたい理由なんて見失ってしまうかもしれません。
新田さんにとって営業の仕事は「少し興味がある」という程度で、「この仕事がやりたくて入社した」というわけではないようでした。
しかし、彼女が入った会社は新卒を採用するのが今回が初めてで、ずっと中途採用の人ばかり採用していました。
何年もこの業界に携わってきた経験豊富な人ばかりが働いている職場で、年代も30代~50代と高めでした。当時30代の私が一番若いほうでしたが、新卒で20代の彼女とはかなり年齢差があります。
同じ時期に入社した新人は各店舗にバラバラに配属されたため、気軽に相談できる相手はいません。
つまり新人の新田さんはこれからベテランの社員と同じ土俵で、契約を取らないといけない会社に入社してしまったのです。
新田さんには若さ以外に武器となる資格や経験が全くありませんでした。
私は入社当初から「よっぽどの興味と根性がないと仕事が続かないのではないか」と彼女を心配していました。
営業が向いていない新人社員の特徴
営業で外回りをしているとチャイムを押しただけで大声で怒鳴られたり、商品の不満や前回の担当者の文句を言われたりします。
しかし、それらは全て「初めてお客さまと会う自分」には関係のないことです。
つまり、大声で怒鳴られているのは「お客さまの家に訪問するように指示している会社」ですし、前回の担当者への文句は「前回の担当者」に言っているのです。
このように切り離して考えることによって、「自分が怒られている」と傷ついたり落ち込んだりすることがなくなります。
私はこんな風に考えていましたが、そんなことをしなくてもベテランの営業はトラブルを全て笑い話に変えるほどのメンタルがあります。
今回、私が「新人の新田さんは営業に向いていない」と感じた特徴は以下の3つです。
- 怒られた経験が少ない
- 悩みを相談・解消できない
- 気持ちを切り替えられない
新田さんは『大事に育てられたお嬢様』という雰囲気で、性格は真面目で優しく、素直でした。
大声で断るお客さまを見てかなり動揺していたので、怒られた経験が少ない印象を受けました。
彼女は私が「こう考えればいい」とアドバイスしても気持ちを切り離して考えることができず、「自分に言われている」と受け止めすぎてしまうタイプでした。
悩みを自分から相談したり、一人で解消できる性格でもなかったため、彼女は日に日に元気がなくなっていきました。
新人が入社してはいけない営業会社5つの特徴
新卒に限りませんが絶対に入社してはいけない営業の会社の特徴を5つ紹介します。
- 実際はノルマがある
- パワハラが普通にある
- 教育をする環境が整っていない
- すぐに結果を求められる
- 自腹を要求される
実際はノルマがある
営業の募集で「ノルマなし」と書いてあっても、「実際はノルマがあった」ということは少なくありません。
この会社も「ノルマなし」と募集要項に書いてありましたが、入社してみたらノルマがあり、達成できなければ上司から毎月圧力をかけられました。
入れ替わりが激しい会社だと、新入りでも3ヶ月で他の同僚と同じ結果を求められたり、半年でベテラン扱いされます。
ノルマをこなす自信があればいいのですが、初めての仕事で不安だったり長く勤務したい仕事を求めている場合は入社しないほうがいいでしょう。
パワハラが普通にある
営業の仕事で成績が悪いと、普通にパワハラされることが多いです。
最初は優しく接していても「使えない社員」と判断されると手のひらを返されるため、入社してみないとパワハラがある会社を最初に見分けるのは難しいでしょう。
パワハラをする理由は仕事が取れない営業は会社にとってお荷物でしかないため、自分で辞めるように仕向けたいからです。
成績が悪かった営業の人で「契約が取れないなら担当エリアはいらないだろう」と自分の営業先を取り上げられた人もいました。
このように理不尽なことが普通にまかり通っている会社は早めに見切りをつけたほうがいいでしょう。
教育をする環境が整っていない
営業職で社員教育をする環境が整っていない会社に入ってしまうと、先輩社員は新人が「何をわからないのかがわからない」という状態になってしまいます。
新人も最初は「何を質問していいのかわからない」という状態なので、先輩からすぐに仕事の質問を求められても困ります。
営業成績のいい人が教えるのが上手いとは限りません。むしろ逆のパターンのほうが多いです。
営業は毎月一定の成績を維持しないといけないので、若手社員の教育にばかり時間をかけると自分の首を絞めることになります。
会社が社員に教育の負担を丸投げしているだけだと、行き当たりばったりになって手取り足取り教えることができません。
新入社員の時期は基礎的なことを会社の研修で教えてもらえるなど、社員教育をしっかりとしてもらえるかどうかを面接時点で確認しましょう。
すぐに結果を求められる
新人が自分の力ですぐにたくさんの契約を取ることは難しいです。
しかし、売上に余裕のない会社に入ってしまうとすぐに結果を求められ、成績が悪い人間を使い捨てのコマのように扱います。
いくら給料がよくても経験が浅い時に、毎月厳しいノルマを求められるのは精神的にもキツイものがあります。
せめて『1年くらいは成績がゼロでも教育する余裕がある』という会社を選びましょう。
自腹を要求される
この会社では営業先まで社用車で移動することが多かったのですが、勤務中に事故をした場合は全額自己負担になると入社してから聞きました。
実際過去に、急いでお客さまの家に向かっていた営業が接触事故を起こしてしまい、60万円を自腹で支払ったという話を聞いてゾッとしました。
本来、勤務中に起こった事故は会社が負担するべきです。しかし、会社で当たり前にあるルールを一個人が働きながら変えるというのは自分の立場が悪くなる可能性があるため難しいです。
売上が足りない時は、自腹で契約することを要求してくる会社もあります。
仕事は毎月一定の給料を受け取ることが目的なので、自腹が発生するリスクがある仕事は退職したほうが賢明です。
向いていない仕事を続けた新人社員の体に起こった症状
私は新田さんの教育係に任命されましたが、当時は自分の仕事がいっぱいいっぱいで定時には終われず、深夜に帰宅している状態でした。
自分の仕事に同行させることはできても彼女の営業にずっと同行する時間はなかったため、彼女が営業先でどんなことを客に言われたのかはわかりません。
定期的に様子を聞いてみましたが、彼女は「大丈夫です」と笑顔で答えるだけでした。
元気がない新田さんを連れてお昼にパスタを食べに行ったことがあります。その店はアボカド明太クリームパスタがとても美味しくて有名なお店でした。
運ばれてきたパスタを見た新田さんはとても嬉しそうに笑顔で食べ始めたのですが、食べ終わって事務所に戻ると、突然トイレに駆け込んで全部吐いてしまったのです。
どうやら彼女はストレスで胃腸が弱っているようでした。
新田さんはもともと痩せている方でしたが、外回りに出るたびにどんどん痩せ細っていきました。顔はやつれ、歩き方もおぼつかない様子でフラフラしていました。
彼女はわからないことにすぐ答えられるように重たい資料を持ち歩いていましたし、新人だからと社用車を与えてもらえなかったため、毎日徒歩で何キロも歩いていました。
新人は契約を刈りつくされた荒野のようなエリアしか与えてもらえなかったため、すぐに契約を取るのは難しいです。反面、上司は効率よく回れる団地や高収入な人が住むエリアを独占していました。
見かねた先輩がランチに誘ってみたのですが、彼女は力なく「大丈夫です」と断り、自分の席に座ってコンビニのおにぎりを1個だけチビチビと食べていました。
私も経験がありますが、向いていない仕事を続けていると体と心に以下のような症状が出ることがあります。
- 仕事に意欲を感じられない
- 夜あまり眠れない
- 食欲がなく痩せた・または太った
- 休日は疲れて何もできない
- わけもなく涙が出る
新田さんと話していると、似たような症状が出始めていました。
これはうつ病の人によく当てはまる症状でもあるので、「最近心や体の調子が悪い」と感じたら仕事が向いていない可能性が高いかもしれません。
ひょっとしてうつ病気味?そう感じたらこちらの記事でチェックしてみてください
仕事に向いてない人でも3年続けなければいけない?
すっかり痩せ細ってしまった新田さんを見てこのままではまずいと思い、じっくりと悩みを聞いてみることにしました。
彼女はうつむきながら、自分に今の仕事が向いていないことや上司からのノルマのプレッシャーに耐えられないと言う弱音を漏らしました。
それは私にはどうしようもない悩みでした。
最後は涙をこぼしながら「もう仕事を続ける自信がないです」と彼女は言い、私は「そうか」としか答えられませんでした。
その後、先輩も目が赤い新田さんから「辞めたい」と言う意思を聞き出し、事務所で上司と話をしていました。
私は先輩から「新田さんが辞めたいことを知っていたのか」と聞かれ、「はい」と答えると「どうやって説得したのか」と聞かれ「特に何も説得してないし、辞めたいなら辞めたらいいと思います」と答えると「冷たい」とドン引きされました。
先輩は「仕事は最低3年は続けないといけない」というポリシーを持っていて、「半年足らずでやめたら今後どこにも雇ってもらえないから彼女のためにならない!辞めるのは止めないといけない!」と言い始めました。
「仕事を三年は続けるべきだ」と言っている人には、今の仕事が自分に合っていたり、辛い仕事を自分は続けているんだから同じ苦労をさせたいという人もいます。
『石の上にも三年』ということわざは、好きなことが前提の例えだと思います。先輩は仕事の経験も豊富で、資格もたくさん持っている人でした。
仕事でうつ病になってしまう人もいるので、相手の状況も知らずに『石の上にも三年』ということわざをルールのように押し付けるべきではありません。
好きな仕事ならあっという間に3年経っているものなので、そんな説教をされる時点で仕事が合っていないのではないでしょうか。
その日の夜は「新田さんを飲み屋に誘って仕事を辞めないように説得する」という流れになり、私と新田さんはしぶしぶ付き合わされました。
仕事が向いてないのに3年続けないといけないの?悩んだらこちらの記事でチェック
向いてない仕事を辞める判断基準
新田さんが仕事を辞めるのを止めるという名の飲み会は深夜まで続きました。
先輩はひたすら「皆も同じ気持ちを乗り越えてきている」とか「一緒に頑張ろう」と説得していましたが、ふだんあまり眠れていないと話していた新田さんはとても眠そうでした。
私は帰りに彼女を車で送る途中、「自分は今の仕事が5社目で色んな仕事を経験してやっとやりたい仕事がわかった」という体験談を話しました。
新田さんはポツリと「自分がやりたい仕事がよくわからなくなってしまった」と悩みをもらしていました。
自分に合う職業を目指して学生の頃から頑張れたらいいのですが、どんな仕事をしたいのかわからずに大学に入り、そのまま就職活動まできてしまった人は少なくないのではないでしょうか。
私もそんな学生生活を終えて就職し、その後は転職しつつ色んな職場で働きました。
その結果、「営業職は向いているが嫌いで、自分の意見をプレゼンで提案することが向いているし好き」ということがわかりました。
特に物件の間取りを眺めることが好きで、間取りを考える仕事の依頼が来た時は時間を忘れて没頭するほど楽しくて仕方ありませんでした。
自社雑誌のコラムを任されたときも次々と面白いアイデアが湧いてきて、周りを巻き込んで楽しく作っていました。
逆に単調な仕事をしているとすぐに眠くなってしまったり、興味がないのでなかなか仕事を覚えることができません。
好きな仕事と嫌いな仕事は働いてみるまではわかりませんでした。自分が好きな仕事と嫌いな仕事をしていた時の違いをまとめました。
嫌いな仕事の特徴は『仕事を辞める判断基準』にもなります。
嫌いな仕事
- 仕事に行きたくない
- 仕事が覚えられない
- 時間が長く感じる
- ミスが多くなる
- イライラしやすい
好きな仕事
- 次々とアイデアが湧いてくる
- 自分から積極的に動きたくなる
- 時間を忘れて働ける
- 新しい仕事を覚えたい
- ワクワクして働ける
間違いやすいのが向いている仕事が好きな仕事とは限らないという点です。
私は嫌いな仕事と好きな仕事を同時にやっていたので、ストレスは多いけど楽しいこともあるからなんとか続けている状態でした。
「やりたい仕事や好きなことがわからない」という人は自分の心の声を気にせずに漠然と過ごしてきたのではないでしょうか。
解決策は転職を恐れずに色んな仕事を経験してみて、その仕事が好きか嫌いかを感じ取りながらどんどん試していくことだと思います。
私も日頃から「自分が好きなことは何か」ということを感じ取りながら過ごしていればよかったと後悔しています。
器用貧乏な人ほど『自分に向いている仕事と好きな仕事』の見分けがつかず、『向いている嫌いな仕事』で苦しんでしまうのかもしれません。
やりたい仕事ややるがいのある仕事を見つける方法については以下の記事で紹介していますので、合わせて参考にして下さい。
自分に向いてない仕事を辞めることは負けじゃない
新人の新田さんは「辞めるのを止める飲み会」の週明けに辞表を提出しました。
先輩は「自分の言ったことが伝わってなくて残念だ」と不満そうでしたが、私は彼女の判断は正しかったと思います。
あのまま仕事を続けていたら、彼女はうつ病になっていたでしょう。
仕事が向いていなくて辞めるということを「自分に負けた」と感じてしまう人がいるかもしれませんが、「仕事が自分に合わなかっただけ」なので気にする必要はありません。
仕事は続けていれば慣れてきますが、嫌いな仕事は慣れても楽しくありません。好きな仕事なら、慣れてくるほど楽しくなってきます。
向いていない仕事というのは『自分が嫌いだと感じる仕事』です。好きな仕事なら多少の苦労もできますし、働いていて達成感があります。
自分に向いていないことを瞬時に自覚して諦めることができるのも一種の才能だと思っています。
諦めないことを美徳とする風習がありますが、向いていないことにしがみつくよりも自分に向いていることを見つけることが重要なのではないでしょうか。
うつ病になってしまえば今後の数十年の人生に悪影響が出ますので、営業を向いていないと感じた新田さんに限らず、向いていない仕事は早めに転職をするべきです。
毎日ため息をつきながら会社に向かう人と、わくわくしながら働く人では人生の充実感は全く違ってきます。
頑張り屋だった彼女が今、自分に向いている好きな仕事に転職して楽しく働いていることを願っています。
doda(デューダ)
年代 | 20代~30代 | 雇用形態 | 正社員・契約社員・その他 |
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対象エリア | 全国(海外を含む) | ||
業界 | SE/Webエンジニア機械/電気広告/クリエイティブ営業職医療専門職金融専門職不動産専門職コンサルタント/士業経営企画/管理事務公務員/教員その他 | ||
おすすめ度 |
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この記事を書いた人
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