グループディスカッション(GD)とは応募者を数人のグループに分けた後、全グループに同じテーマを与えて討論させる、就職活動における採用試験の一種です。
応募者は制限時間内にグループで話し合って結論を出さなければなりません。
一見とても難しく感じますが。きちんと対策をすれば有効なアピールができます。
さまざまな役割が存在し、時間制限がある中で自分をよく見せるためにはどうすればよいのでしょうか?記事ではグループディスカッションの流れやと役割別の注意点とコツを紹介します。
「現役女子大生に聞いたグループディスカッションの体験談」もありますよ。
この記事は5分で読めます!就活生の皆さん、この記事を読んで参考にしてくださいね!
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企業はなぜグループディスカッション(GD)をする?
企業がグループディスカッションを行う理由はさまざまです。数十人の応募者をまとめて評価できるため、応募者が殺到しがちな大企業では採用試験の時間を短縮できるというメリットがあります。
また形式通りの回答が見られがちな面接とは違って、当日初めて顔を合わせるメンバーと議論をするため、応募者の素の状態がわかりやすい点もメリットです。
さらに組織の中でチームワークを大切にして働ける人材を見つけやすいという理由でグループディスカッションを推す企業もあります。
その他にも決められた時間を有効に使えるか、論理的な意見を言えるかなどさまざまな項目をチェックできるのです。
グループディスカッション(GD)の流れ
グループ分け発表
採用試験におけるグループディスカッションでは、まずランダムに分けられたグループが発表されるので、受験者はグループに分かれ顔合わせを行います。
だいたい、このグループの人数についてですが、5名前後で行うことが多いようです。
グループディスカッションのテーマ(お題)発表
試験官からテーマ(お題)を与えられるとともに、制限時間や発表方法など詳しいルールを知らされます。
テーマは「AとBのどちらを選ぶべきか?」といった選択方式のテーマもあれば「もし○○だったら」というものもあり、個性的なテーマを選ぶ企業も少なくはありません。
グループディスカッションの主なテーマ
- 社会、政治に関するテーマ
- 企業の事業や売上に関するテーマ
- 価値観や発想力を確かめるテーマ
- ビジネス感覚を確認するテーマ
- 就活における思考のテーマ
企業によりますが、基本的には上記のいずれかのテーマが採用されます。
多少でも良いので事前に各テーマを出題された時に備え、答えを考えておくと良いでしょう。
自己紹介~役割決め
ディスカッションが始まっても、いきなり議論を始めればいいというわけではありません。まずはグループ内で全員が自己紹介を行い、役割を決めます。
円滑に議論を進めるためにあらかじめ役割を決める必要があります。司会者、書記、タイムキーパー、監視者、発表者が主な役割で、試験官はきちんと役割を果たしているのかをチェックします。
それぞれの時間の配分決め
平均して、グループディスカッションの所要時間は30分程度の企業が多いようです。
この限られた時間内で見知らぬ者同士がいかに協力しあって成果を出し、見事に発表できるかがポイント。思考力や協調性、積極性も大事ですが、そこを重視するあまりに時間を押してしまっては元も子もありません。
制限時間を守ることは時間管理能力や優先順位を見極める能力をアピールすることでもあるのです。
ディスカッションタイム
決められたテーマに沿って各自が意見を出し合い、議論を深めていきます。司会者役が皆の意見を聞きながら進行していき、書紀担当がその様子を記録、タイムキーパーが時間を管理します。
この際にテーマが「何らかの成果物を提出する」という内容なら、共同で作業をすすめます。
意見やアイデアのまとめ
最終的に皆の意見をまとめ、グループとしての見解を打ち出し、それを発表できる段階まで仕上げていきます。
発表
最後に結論をまとめて、発表者が全員の前でプレゼンをします。たくさんの人を前にして、いかに物怖じせず分かりやすく説明できるかがポイント。いわばグループディスカッションの総仕上げです。
グループディスカッション(GD)の役割別の対策
司会・進行(リーダー・まとめ役)
グループディスカッションを進行していく役割です。
制限時間内で、その日初めて顔を合わせた者同士が円滑、かつ効率的に話し合いを進行させるためには必要不可欠です。ただ仕切るのではなく、その場にいる人皆への心配りができるかどうかが重要です。
書記
ディスカッションの様子を記録してまとめる人です。
議論が白熱して意見がたくさん出れば出るほど書くのが追いつかなくなっていきます。
その場合は意見の要点だけでもかいつまんで記録しておくことがポイント。あとで他の人が読んでもわかるように、ディスカッションが終わったらすかさずまとめるようにしましょう。
タイムキーパー(時間管理)
ディスカッションの時間配分を管理する役割です。
グループが決められた時間内で最終的な見解を導き出せるように、あらかじめ時間を区切って自分の中で組み立てておくと良いでしょう。
例えば、だいたい何分以内に全員の意見を聞き出すか、そこから意見をまとめ上げるのにどの程度かかるか、発表の準備にかかる時間は、などざっくりでも良いので区切りの時間を考えておきましょう。
そして「見積もりと実際は必ずしも同じではない」ということも視野に入れ、予備の時間も考えておくことも大切。
監視者
ディスカッションがテーマからずれて脱線しないように調整する役割です。
皆が「俺が俺が」タイプのグループだったりすると議論も白熱して本来のテーマからずれてしまいがちです。
それを軌道修正して本来のテーマに戻すのが監視者の役割なので、熱くなりすぎず物事を客観的に捉える事ができる人に向いています。
発表者
グループディスカッションで最終的にまとまった意見を全員の前で発表する人です。
物怖じせず、人前でも堂々とハキハキ話せる人が向いています。この発表者は一人とは限りません。複数で行う場合もあります。
これらの役割は明確に一人ずつと決まっているとは限りません。例えば、司会者が監視者も兼ねている場合だってありますし、タイムキーパーが監視者を兼ねている場合もあります。
最低限、司会と書記だけ決めて、時間管理や監視はそれぞれが自発的に行う場合もあります。
ただ、最低限これらの役割が必要だということだけ覚えておけば、グループディスカッションの流れを理解して効率的な進め方ができるでしょう。
現役女子大生に聞いたグループディスカッションの体験談
ここで、最近某有名企業のグループディスカッションに参加したという女子大生のAさんにお話を聞くことができましたのでご紹介します。
それとも、幾つかある選択肢の中から選んだのでしょうか?
「AI化が進むこれからの時代、【個】の能力を伸ばすために何をすべきか」という内容だったと思います。
ところで、ファシリテーター(進行役)とアイデアマン(意見を出す人)の二種類しかいなかったということは
タイムキーパーや書記はいなかったのでしょうか?
誰も時間を測る人がいなかったので、私が自発的に「あと何分です」みたいな感じで皆さんにお伝えしていました。
私にとっては初めてのグループディスカッションだったので、今回は様子見のような感じで控えめにしてしまいましたが、この経験は次に活かせそうです。
良い経験をさせていただきました。
このように役割を具体的に決めずに進めていくやり方もあるようですね。
この方のように自発的にタイムキーパーの役割を買って出るというのも自己PRのチャンスです。
いろんな場合を想定してグループディスカッションに臨みましょう。
グループディスカッション(GD)の進め方のコツや対策
グループディスカッションを行う際に主にチェックされている項目は以下の通りです。
発言・思考力
理論的な考えができるかどうか、また自分の考えを言葉にまとめて人にわかりやすく伝えられるかどうかを見られています。
・司会者、発表者にとってはよりアピールしやすいポイントです。
・議事録をきれいにまとめているかどうかで書記の手腕も問われます。
協調性
周りの雰囲気に合わせて意見が言えるか、また意見が言えていない人への気配りができているかどうかがポイントです。
・司会者は進行する上で、まだ発言していない人にも目を配り、意見を促すと良いでしょう。
・監視者がその場の雰囲気に合ったアドバイスをすると好印象を残せます。
積極性
張り切りすぎて仕切るのは減点対象ですが、前向きにはきはきと意見をいう姿は評価されるはずです。
・ディスカッションに参加しているグループ全員に積極性は求められています。ただここで注意したいのは「積極性」をアピールしたいがあまりに周りの空気を読めなくなるところ。なにごとも「ほどほど」が肝心。
会議構成力
時間配分を気にして、円滑に議論を進められているかどうか。また周りの意見をきちんと聞いているのかどうかもポイントです。
・タイムキーパーや司会の腕の見せ所です。
人前で話すことが苦手な人が高評価を得たいがために無理やり立候補するのはおすすめできません。何から何まで他人任せで積極性が全く見られなければ、試験管も厳しい判断を下すかも知れませんが、何も役割をしていないからといって評価が低いわけではありません。肝心なのは臨機応変な対応力と周囲に対する気配りです。
グループディスカッション(GD)で面接官から評価を得るコツ
グループディスカッションでは目立つ役割をすればいい評価を得られるわけではないことがわかりました。それでは一体どんな風に振る舞えば高評価を得られるのでしょうか。
メモを取る
書記でないとしてもメモをとっておくと議論の流れが掴みやすくなり、意見を上手くまとめられます。
「一所懸命取り組んでいる」と試験官から高評価を得られるでしょう。
立ち居振る舞いに気をつける
議論中に脚を組んだり、肘をついたり、髪の毛をいじったりするとマイナス評価です。
議論が長くなればなるほどどうしても姿勢が崩れやすくなりますが、頑張って美しい姿勢を保ちましょう。
試験官に届く声で話す
議論中にどんないい意見を出したとしても、試験官の耳に届いていなければ何のアピールにもなりません。
多少わざとらしくても、試験官に届くようにはっきりとした声を出しましょう。
ルールを提案する
自己紹介と役割を決めた後にすぐ議論に入ってしまうグループが多いですが、一呼吸おいてルールを決めることを提案してみましょう。
クラッシャーの暴走を止められるだけではなく、気の利く人として試験官の目に留まるのかもしれません。
グループディスカッション(GD)のクラッシャー対策
腹が立っても冷静に対応する
グループディスカッションではみんな人の意見をきちんと聞き、自分の意見が言えるメンバーで構成されていることが理想ですが、残念ながら荒らし、またはクラッシャーと呼ばれる問題人物が混ざってしまうことがあります。
クラッシャーの種類はさまざまですが、次の3種類のタイプが目立ちます。
・人の意見を聞かずに暴走する仕切り屋型
・他人の批判をしたり進行妨害をしたりする自己中型
・とりあえずフレームワークを使う意識高い系
あまりにも身勝手な立ち居振る舞いをされると腹が立つこともありますが、そこで振り回され感情的になってしまうとあなた自身が減点対象になってしまいます。
事前に発言の長さや意見の出し方を決めるのがおすすめ
クラッシャーの出現はある意味チャンス?
このように場を乱すクラッシャーが現れたら、むしろ好都合。
司会進行役ならいかにまとめるか腕の見せ所ですし、タイムキーパーや監視者なら、ここでサラッと時間調整にもっていったり、議論の軌道修正をすれば高評価を得られるチャンスですよ。
クラッシャーに惑わされること無く、常に冷静さと客観性を忘れずに。
グループディスカッション(GD)のまとめ
グループディスカッションは事前の準備と対策がポイント!コツを押さえておくだけで、随分と楽に進められるようになります。
自分に合った役割を選ぶと、自分の個性を発揮できて好印象につながります。企業によってさまざまな形式がありますので、臨機応変に行動できる人が一番有利です。
たとえクラッシャーに出会ったとしても、振り回されることなく自分の意見をしっかりと伝えるようにしましょう。