転職を実現するには中途採用試験を突破する必要がありますが、中途採用試験の第一関門となるのが「書類選考」です。
新卒採用時と異なり中途採用では、企業側の採用担当者が大量の応募書類を短期間に審査する必要に迫られることがほとんどないため、提出した書類は丹念に且つシビアに評価されることになります。
その書類選考において中でも大切なのが「志望動機」です。
そこで今回は、転職での採用試験を確実に突破するための「志望動機の書き方」に的を絞り、そのポイントや留意点について、わかりやすく解説して参ります。
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未経験の転職でも受かる志望動機の書き方!
NGワードを理解し、引き算していく
まずは確実に存在しているNG事項を理解すること、即ち「何を書くべきか」の前に「何を書いてはならないか」を先に理解し、それらを引き算した上で志望動機を考えるようにすることが合理的と言えます。
ネット上には志望動機の書き方や例文などが多数紹介されています。ポイントやコツはあるものの、志望動機の書き方は「これだけが正解」というものがある訳ではありません。
テンプレでなく自分の事情に合わせて志望動機を考える
強いて言えば、人それぞれ転職に至る経緯や状況、動機などが全て異なっていますので、個別に最も望ましい正解が存在するのが志望動機と言えます。
未経験の転職の志望動機における注意点
使用NGなワードや要素を覚えておく
抽象的なカタカナ言葉や外来語
志望動機、特に書類選考における志望動機は「わかりやすさ」が求められます。
にも係わらずカッコよく表現したい、あるいは上手い言葉が思い浮かばないといった理由からか、カタカナ言葉や外来語を多様した志望動機が時々見かけられます。
- 自分はロジカルに考えるメンタリティがあるので・・・
- クリエイティビティにエビデンスがあるため・・・
- ポテンシャルの高さをアビリティとして活かし・・・
といった文を読む側の立場になって考えてみてください。これらカタカナ言葉を使用した志望動機はわかりやすい文章になると思われますか。
業界でしか通用しない専門用語
職務経歴書において自身の職務経験を説明する中で、補足を加える前提において業界の専門用語を使用することは構いませんが、志望動機においては業界の専門用語を登場させるべきではありません。
なぜなら志望動機は「わかりやすさ」と共に「簡潔さ」も重視されるからです。また、特に履歴書の志望動機欄は長文を書き込むことが物理的にも困難です。
そうした条件を踏まえた場合、業界でしか通用しない専門用語を登場させてしまえば志望動機としてのわかりやすさが損なわれる上、仮に補足を加えれば簡潔さが損なわれることになります。
前職または現職の非難
志望動機として前職または現職の不満が背景や要因となっている場合でも、絶対に盛り込んではならないのが前職または現職に対する不満や非難です。
理由は簡単なことです。自分がお世話になっていた前職、なっている現職に感謝の気持ちを持てないような人物が入社してくれば、同様に不満を感じ、すぐにまた転職してしまうおそれがあると考えられるからです。
前職、または現職への不満が転職の大きなきっかけになったとしても、書類審査に応募しようとしている企業を選択した理由が必ず他にあるはずです。
具体性がなくて内容の薄い志望動機は避ける
一見どこにでもありがちな転職志望動機ですが、これでは内定がもらえるとはいいがたいでしょう。
どこがダメなのか?詳しくみていきましょう。
この志望動機には、スキルアップがしたいと思ったり、経営理念に共感したなどと述べられていますが、肝心の理由がはっきりしていません。
- どんな分野において今よりもスキルアップしたいのか?
- 経営理念になぜ共感したのか?
- 元々どんなスキルがあるのか?
スキルアップしたいのはいいことですが、そのためになぜこの会社じゃないといけないのかがわからないですよね。
スキルアップしたいのは転職理由としてはいいのですが、元々持っているスキルがどんなものなのか?も明確ではありません。
これでは、書類を送った段階で興味を持たれないので面接までこぎつけません。
自分主体の志望動機は印象が悪い
待遇がよく、福利厚生が充実しているのは確かに魅力的ですし、仕事を選ぶ上でも重要かもしれません。
転職する理由の本音は、お給料が良くて、休みがしっかりとれるからという人が大半でしょう。
しかし、これを志望動機に入れてしまうと印象が悪いです。
結局、仕事内容よりも待遇だけを重視しているんだなと思われてしまいます。
会社のHPに書いてある事を多用しすぎない
会社のHPに記載してあることをそのまま使っているだけで、自分の言葉で志望動機を述べていません。
横文字を使えばそれなりに見えると思い、やたら乱用する人もいますがこれもNG!
面接をするのは人です。ロボットではありません。
よっぽど横文字が好きな採用担当者じゃないかぎり、興味をもってもらえません。
未経験の転職でも受かる志望動機の4ポイント
志望動機の具体的な文章は人それぞれ異なってきますし、また異なっていなければならないものでもあります。
では転職だからこそ問われる要素とは如何なるものなのか。それは次の3つの言葉で表すことができます。
「経験」について触れる
転職者と新卒者の最大の違いは社会経験です。
実際に社会に出て仕事を行い、収入を得ながら働き、仕事で一定の成果を出すという経験がある点です。
そうした経験を踏まえた上で転職を果たそうとしている、わが社に入社しようとしている動機は、企業としてぜひとも聞きたい点です。
例えば営業経験を通じて培った営業力を、環境を変えることによって更に高めたいといった内容が経験を通じた志望動機となりますが、「経験」から照らした志望動機は社会経験を有する転職者ならではの志望動機と言えます。
「貢献」を軸にする
「わが社に対してどのような貢献をしてくれるのか」、この点は求人企業側が転職志望者に最も尋ねたい点と言っても良いでしょう。
志望動機は自らの考えを伝えることのように思われがちですが、正確には”相手のニーズを踏まえて”自分の考えを伝えることが大切であり、相手企業に伝える志望動機として望ましい内容と言えます。
ならば求人企業側が欲する「(わが社への)貢献」という観点をキーワードとして志望動機を考え、企業側に訴えるようではありませんか。
「今後の展望」について触れる
右も左も社会のことがわかっていない大学生ならばともかくも、求人企業側は、すでに一定の社会経験を経ている転職者なら転職後の具体的な人生設計に対する展望やビジョンがあるであろうとの前提に立っています。
そうした不安を払底する意味で、自分の人生をなぜ求人企業側に託そうとしたのかは志望動機としてぜひとも聞きたい点となってきます。
ポイントを無理に全て盛り込む必要はない
書類に記す志望動機はできるだけ簡潔であることが望ましいため、ご紹介した3つのワード要素全てをカバーしようと考える必要はありません。一つ、もしくは二つ程度の要素を合体させる程度で良いと考えてください。
大切なことは3つの内容を全て盛り込むという発想ではなく、まずは3つの多角的な視点から志望動機を考えてみることです。そうすれば志望動機に深みや説得力が生まれてくるからです。
その結果、3つの視点から考えた志望動機内容には重複したり、共通したりする要素も出てくる場合があるでしょうから、それをわざわざ区分して考える必要はありません。
転職未経験者が知るべき、採用担当が志望動機で見ているポイント
第一位:スキルがあるか
転職は新卒とは違い「入社後に即戦力となって会社を引っ張っていくか?」が重要になります。
とくに応募者が複数名いる場合「より高いスキルを持っているか?」、「持ち前のスキルを使って、いかに会社に貢献してくれるか?」は転職において重要なポイントなのです。
スキルについてのアピールポイント
スキルをアピールするときは、自分ができることを書くのはもちろんいいことです。
その上で「もっているスキルをどのように実践した経験があるのか?」、「会社に入社したときにどのように貢献できるのか?」をアピールするといいでしょう。
回答の例文
〇〇におけるプロジェクトに参加した際には〇〇のスキルを活かし〇〇をするなど、さまざまな分野で貢献して参りました。
私は貴社で行なっている〇〇事業に関し、〇〇の点に非常に共感し、大変魅力を感じております。
持ち前のスキルを〇〇で活かし、更なる会社発展に貢献したいと考えております。
第二位:弊社を選んだ理由
スキルを持っているのはもちろん重視したいポイントですが、やはり「なぜ数多くある会社のなかで応募企業を選んだのか?」も採用の決め手になります。
採用してもすぐ辞められたら困るので、「仕事のやる気・会社にどれだけ魅力を感じているか?」を知りたいからです。
「ここで働きたい!」という意思が強い人ほど、会社への貢献度も期待できると考えている傾向もあります。
志望動機についてのアピールポイント
どこの業界でも人員不足が課題となり、数多くある同業他社でも、なぜその企業でなければいけないのか?そして入社したらどんな仕事をしたいのか?ビジョンを明確に伝えましょう。
入社したあとにどのようなスタイルで仕事をしたいのかがはっきりしていると、志望度の強さを伝えやすいからです。応募企業のHPを細かくチェックし、企業研究を入念にしておきましょう。
回答の例文
とくに〇〇の分野においては、今後さらなる進化と発展ができるのではないか?と思い将来性を強く感じております。
私は〇〇について〇〇に大変共感し、持ち前のスキルを活かし〇〇において、貴社の一員となって更なる発展に貢献したいと強く思っております。
私が入社したら〇〇で〇〇のスキルを活かして、〇〇の結果を残したいと考えております。
第三位:過去の経験
「入社後にこんなことをしたい!」、「私はこんなスキルをもっています!」とアピールするのも大切ですが、肝心な結果が伴わなければ意味がありません。とくに転職の場合、スキルに応じてどのような経験を持っているのか?を重視している企業もあります。
経験についてのアピールポイント
前職や過去の仕事における経験をもとに、応募企業にどのように貢献できるか?をアピールします。スキルや人柄はもちろん採用する上で大切なことですが、結果を求められるのが転職の世界です。
回答の例文
主に〇〇の仕事がメインなのですが、以前〇〇のトラブルが発生したことがありました。
私は冷静に判断し、〇〇や〇〇をすることで対処することはもちろん、さらに〇〇ができるように対処した経験があります。
この経験から〇〇の大切さを改めて実感し、〇〇をすることの徹底に努めてきました。
貴社に入社した際も〇〇の経験を活かし、〇〇をするだけでなく、更なる向上に努めて参ります。
未経験の転職をする前に知っておきたい志望動機の例文
【8割近くが自分の会社をどのくらい研究しているのか?をみている!】
企業が転職者の志望動機で重視している部分のほとんどが、自社や同じ業界のことをどのくらい理解しているか?ということです。
働きたい!魅力を感じた!共感した!と思うだけでなく、どのくらい会社のことを理解した上で共感や魅力を感じて志望してきているのか?という部分に注目しています。
- 会社の経営理念
- 最新のIR情報
- 株の四季報
- ここ数年の会社の業績
などをチェックして、その会社の方向性を研究してみましょう。
特に四季報には、会社の特色や事業などが完結にまとめてあるので、志望動機の材料になりやすいです。
「もし自分がこの会社にいたら、こうするだろうな」というイメージを持ちながら資料集めをするのも◎!
企業からプラスに思われる志望動機
マイナスポイントが多かった志望動機をプラスになるように編集してみました。
私は、前職で10年以上1つの部署で勤務しておりました。
前職ではプロジェクトリーダーとして部下のフォローをし、チーム全体をまとめるのはもちろんのこと、営業先の経営方針・方向性を研究し、その会社ごとの営業対策することで取引数アップに繋げるなど、結果を残して参りました。
入社してからさまざまなポジションにつき、与えられた業務をこなしたり、時には自ら提案して動いておりましたが、【チームとしての仕事ではなく、個人での実力を試して今よりも上を目指したい】という思いが強くなってきました。
貴社は業界内では数少ない国内のみならず、海外展開を視野にいれたグローバルなビジネスを行っております。
前職では、国内企業を中心として取引をしておりましたので、身につけた知識・交渉力を世界を舞台にして挑戦できることに魅力を感じております。
新しい環境に身を置き、語学力を最大限に活かせるので、自らのスキルアップにつながると考えております。
グループプロジェクトに携わる機会があっても、メンバー・リーダーどちらでも、第一線として活躍できるので、貴社の業績アップにも貢献できると強い確信を持っております。
前職での経験・知識をもとに、得意分野で社内・業界内でもNO.1を目指せる環境が充実している貴社で、ぜひ活躍したいと思い志望いたしました。
転職を希望している会社が業界内でも珍しい、グローバルなビジネスを展開していることは、企業研究をしないとわからない情報です。
また、前職で培った能力や経験を取り入れつつ、どのように貢献できるのか?も入っています。
自分のスキルアップが目的としつつも、会社でどんな仕事をしたいのか?などのビジョンも入れることで、志望理由を明確にしています。
企業からマイナスに思われる志望動機
転職未経験者の場合、就職活動以来だと思うので、どうやって書いていたかなんて忘れている人も多いのではないでしょうか?
NG例とオススメの書き方をまとめました。
マンネリ化した作業ではなく今よりもっとスキルアップがしたいと思い、転職しようとおもって探していた所、貴社に巡り合いました。貴社では、国内のみならず海外展開を視野にいれたグローバルなビジネスを行っております。
経営理念にありました◯◯という点に私も強く共感いたしました。サイト内にある先輩方の声を拝見いたしましたが、みなさん仕事に対してとても楽しそうに取り組まれている印象をもちます。また仕事面だけではなく、待遇もよく福利厚生が充実していることで、ライフワークバランスも整い、長く勤務できるという印象をもちました。私もぜひ貴社の一員となって自分を成長させたいという思いが強くなったので、志望いたしました。
実際に企業の体験談を交えた志望動機
貴社は全国展開しているだけでなく、身近な場所に支店があることから、幅広い年代のお客様に愛されていると感じております。
以前貴社を利用させていただいた際には、混雑している状況でも迅速に応対してくださり、笑顔で私の要望にあったアドバイスをしてくださいました。
後日再度訪問させていただいた際、私のことを覚えていてくださり声をかけてくださったことがとても嬉しく感動いたしました。
お客様を大切にされる社員の方に憧れを抱き、私もぜひ貴社の一員となって、お客様の視点から感動と満足を創出できるスタッフになりたいと考えております。
笑顔と真心を込めた応対でお客様に安心かつ快適な商品を提供したいと考えております。
前職の経験や、自分のスキルを入れるのではなく【実際にサービスを利用したときの体験談】をいれるパターンです。
コンビニや全国展開をしているショッピングセンターなどのサービス業をはじめ、旅行会社や保険会社などでも使える志望動機です。
自分が実際体験をして、その時の経験がきっかけで自分もやりたいと思ったパターンです。
ディズニーランドを思い浮かべてみてください。
ディズニーランドのパレードやキャストの人をみて
- 私もあんな風に楽しく働きたい!
- 私もディズニーランドのパレードで踊りたい
- 近くだったら、ディズニーランドでバイトしたい
なんて思ったことありませんか?
これも体験をして共感・憧れを抱いたから思うことです。
前職と全く関係ない仕事を希望する人は、このように自らの経験をもとに書くのも◎!
未経験の転職の志望動機は履歴書と面接で変えるべき?
履歴書と面接で同じ志望動機でOK
最後に、書類審査に無事パスして面接まで進んだ場合の「志望動機」のあり方について、ポイントを伝授しておきます。
ネット上ではしばしば「同じことの繰り返しは良くない」だとか、「書いてあることを伝えるのは面接官から工夫する力がないと思われる」といったまことしやかな指摘のもと、履歴書に記した志望動機と面接時の志望動機を「変えるべき」とのアドバイスが見かけられる場合があります。
しかし、これは全くナンセンスです。履歴書に書いた志望動機と面接時に口頭で伝える志望動機は、書類と口頭での違いがありますから、所々文語的表現と口語的に表現の違いは勿論あって構いません。
書類上では「である」調で書いたので口頭では「ですます」調で伝えるといった違いはあって構いませんが、基本的には同じ内容を伝えるべきです。
なぜなら応募企業の採用担当者は書類審査を通じて、転職志望者の考え方や動機などを既に頭に入れた上で面接に臨んでいます。
面接には書類審査を通じて企業側が理解している内容が正しいかどうかを、本人に直接確認するという目的もあります。
そのため、応募書類に記した内容と異なることを言えば却って面接官に混乱を与える可能性が高まりますし、何より「自分の考えに対して一貫性がない人物ではないか」といった評価になりかねないからです。
口頭で伝え直すことで自己PRに繋がる
苦労して考え、作成した書類上の志望動機を活かすためにも、書類で伝えた志望動機を自らの口で直接相手企業に伝えることが自己PRにつながることもぜひ理解しておいてください。
意外と志望動機を書くのは難しいですよね。
今さら聞きにくいことにもあると思うのはプロの力を借りてスムーズな転職活動をしましょう。
公式サイト:https://doda.jp/
転職未経験の志望動機まとめ
新卒とは違い、転職はスキルや経験が重要視されるのが現実です。転職として中途採用したときでも、いかに短期間で即戦力となれるか?またどのような人物かを見極めるのが採用担当者です。
- スキル
- 志望動機
- 経験
は、とくに重視されます。どのようなスキルや経験をもち、会社にどう貢献してくれるか?なぜ数多くある中で志望したのか?は、とくに注目されるので、しっかり考えて書けるようにしておきましょう。