社風が合わない時の対処法や自分に合う社風の見極め方を解説!

社風の見極め方チェックリスト
みなさんが高校や大学(特に大学)を選んだ時には、少なからず「校風」(スクールカラー)というものを意識されたはずです。

真面目な人がちゃらちゃらした校風の学校へ行っても馴染めずに浮いてしまうでしょうし、同じようなタイプが多い学校へ行った方が友人も多くでき、楽しいスクールライフを送れるのは事実です。

職場の場合も同様で「社風」が合わないと、まるで自分の動きを封じされるような空気の中で仕事をすることになります。

本当に居心地が悪くてストレスが溜まっていきます。 職場の場合、「直属の上司」との相性がいちばん大きな要因ですが(社風が合っていても上司と会わなければ病気になる人も、逆に社風が合わなくても上司がいい人なら頑張れる)、その社風の中で残っている上司ですので、やはり社風重視で就活、転職するのは悪いことではないはずです。

今回は、社風が自分に合うかどうか、チェックポイント、チェックリストを考えてみましょう。

自分に合う社風と合わない社風の見極めるメリットはこれ!

  • 合わない社風の会社に勤めると大きなリスクがあります
  • 同じ業界、業種でも社風によって大きく価値観や働き方が異なります
  • 社風が変わると大企業でも人材は逃げてきます(それだけ重要です)
  • 社風の見極め方や重要な社風チェックポイントを知ります
  • 自分に合った社風の会社に就職、転職する可能性が高い方法があります

自分に合う社風を見極める方法やチェックリスト12個!

社風のチェック項目
社風についてチェックポイントを示します。 「サービス残業を強いる」「休日出勤を強制される」「ものを投げつけられる」、こういうのは社風ではなく違法行為、コンプライアンスの問題なので論外です。

以下の社風があるかららダメなのではなく、合う/合わないが人によって大きいものです。 自分に合わないものがチェックポイントの半分以上あれば、このまま会社にいても、おそらくかなりつらい思いをするだけになります。

人間関係のチェックポイント

①飲み会が多いか少ないか
②上下関係がきついか緩いか
③社内イベント(古い慣習)が多いか少ないか
④社内に「部活」「サークル」があるかどうか?
⑤人のプライベートに干渉するかしないか(噂話など)

最初の選択肢の会社ほど保守的、2番目の選択肢が多い会社は外資系やリベラルな社風です。

同じ会社の人とプライベートまで一緒に過ごしたい人、絶対嫌な人、ここは大きく社風に影響されます。

仕事の進め方のチェックポイント

⑥トップダウンかボトムアップか
⑦長時間の無駄な会議が多いか少ないか
⑧各自のスケジュールをホワイトボードなどで共有するか、OutlookなどPCシステムで共有するか

トップダウンが悪い、保守的というわけではありません。

だらだら会議をして何も決まらない(決められない)のが日本的な意思決定システムですよね。

無駄な会議をして残業代が出るなら、あとは個人の価値観次第になります。

評価・価値尺度のチェックポイント

⑨チャレンジ重視か堅実性重視か
⑩(残業代が出るとして)残業したほうが偉いのかさっさと自分の仕事を片付けて帰るのが偉いのか?
⑪年功序列か能力重視か
⑫男尊女卑的価値観があるかないか?

能力主義がすべての人に向いているとは思いません。 同期とあまり差がつかない会社の方がいい人もいます。

30歳そこそこで同期や先輩だった人が「部下」になるのは、上に立つ人も下の人もキツイかもしれません。

自分の能力がなくなればあっという間に降格、それはそれでつらすぎます。

女性だけ制服がある、女性は出世できない、逆に女性だけ残業を免除される、男女雇用機会均等法が成立して35年近くになりますが、いまだにそういう価値観を持つ会社は少なくありません。 それは、表面的に調べるだけではわからないことかもしれません。

社風が合わない職場を避けるための調べ方

社風の調べ方と見極め方5つ

これらチェック項目に該当するかどうか、社風をどのように調べればいいのでしょうか?

1.求人票、募集要項、HP、会社資料

これは当然企業研究の基礎の基礎ですね。

2.社長の価値観・経営理念や経歴、著書

会社によっては(特にブラック企業)では、社長が強烈な個性を持っていることも少なくありません。

中にはかなり過激な著書を出している社長もいます。 ワンマン会社であればあるほど、社長の価値観が社風に出ます。

内部で実績を出して昇格したのか、外部から改革を期待されて招聘されたのかでもかなり社風が違います。

その辺は調べておきましょう。

3.口コミサイト

口コミサイトで、人事以外の社員の「本音」をすることも重要です。

サンプル数が多ければ多いほど、実態に近いことが期待されます。

4.OB訪問

新卒の就活の場合、OB訪問ができるはずです。 インターンシップではお客様扱いでいいところしか見せない社員も、後輩と1対1ならば正直に本音をポロっとこぼすことがありますよ。

5.会社周辺から覗いてみる

何時まで電気がついているのかなど、待遇面でのウォッチングをする人はいますが、社風もこれである程度確認できます。

例えばお昼休み(ランチの時に)

  • 個人、あるいは2、3人で雑談しながら出てくる
    人間関係的に濃くない、自由な社風
  • 偉そうな人とそれに従う部下という感じで集団で出てくる
    休憩時間なのに社内、部内の人間関係に拘束される
  • そもそも出てこない、仕出し弁当が入る
    休ませずに監禁状態、まさに奴隷(先物会社に多い)

これだけでも社風というものがわかりますよね。

実際に面接で人事や社員に聞かなくても、結構社風の深いところまでわかりそうですね。
まずはできそうなことからやってみましょう。

社風が合わないまま勤めるのは大きなストレスになる

心理面・身体面に現れる悪影響
社風が合わない場合、人間の体には大きなストレスがかかります。

ストレスを感じると、人間の体はそれへの防御反応として心身に負荷がかかり、心身に悪影響が出ます(しかし防御反応がないとすぐに倒れてしまいます)。

社風が合わない会社に入りストレスを感じた場合、心理面や身体面へ悪影響を及ぼす可能性があります。

<心理面の悪影響>
  • 抑うつ症状、進行するとうつ病
  • 不眠
  • 怒り
  • 過食、食欲減退
  • イライラにより会社で衝突する
<身体面の悪影響>
  • 胃痛
  • 下痢
  • 緊張、動悸
  • 事故、ミスが多くなる

などの影響が出ます。 行き着く先はうつ病などの精神疾患か、ストレス太りで生活習慣病コースのいずれかです。

どちらも、健康に働いていくには大きな支障になります。

表面上頑張れていても、何かの拍子に大きくバランスを崩して病んでしまう可能性は十分にあります。 我慢できなければ早急に対処法を考えるべきです。

社風が合わない時の対処法は転職

自分に合う社風の会社を探すなら

社風が合わない会社に入ってしまった場合、我慢し続けてもうつ病などのリスクがあるので、実質転職が唯一の対処法となります。

また社風が合わない企業に入社してしまうのを回避するためにも、口コミサイトで本音の社風を確認するとともに、エージェントを活用して転職活動を行うのがいいです。

転職エージェントならば登録の際に、「こういう社風が絶対的に合わなかった」「自分はこういう社風の会社がいい」とエージェントに伝えることができます。

エージェントは転職してすぐに辞められると困る(自分の成果報酬がなくなる)ので、みなさんが希望する社風の会社を紹介してくれるはずです。

転職サイトやハローワークからの転職では社風を見破れません。 ぜひとも転職エージェントの活用を検討してみてください。

当サイト人気の転職エージェント
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内部から社風を変えるのも手だが非常に困難

社風が合わない…  転職?自分を変える?

「内部から社風を変えてやろう!」という人がいますが、数名の小規模零細企業以外ではまず無理です。

「ワンマン社長」になり実権を握ってからようやくできるかどうかです。

歴史ある大企業の場合、社長ですら「サラリーマン社長」でOBや関係者の影響力もあり社風を変えることはできません。

2018年に起きた様々なパワハラ事例でも、まったく社風や校風が変えられないことがわかりましたよね。 この選択肢はまず無理ですし、賢明ではありません。

自分が社風に染まってしまう

「郷に入れば郷に従え」で極めて日本的に、自分をその組織に順応させていきます。

身も心も「社畜」になりサラリーマンとしてやっていくしかありません。

三井的な社風で、ある程度自由に個人プレーを認めて評価してくれる会社であれば、染まらずに我を通すことができるかもしれませんが、三菱的な会社であればまず不可能なのがわかると思います。

社風が合わない会社に入ってしまう4つの理由

なぜ、社風が合わない会社に入ってしまうのでしょうか? 上のチェックポイントをスルーして安易に決めてしまったからでしょうか?

企業研究をすれば、上のチェックポイントはある程度分かります。 しかし、企業研究不足だけ説明できないこともあります。

社風が合わないのになぜ入社してしまうのでしょうか?理由を考えてみます。

企業研究、業界研究不足

企業研究、業界研究不足
口コミサイトで検索すればすぐに「体育会系の社風」とわかるのに、転職サイトに書いてあることだけを信じて入社してしまうのは企業研究不足だと言われても仕方ありません。

それ以外にも、保険や証券の営業の場合ノルマがきつく、殺伐としている業界なのは、「業界研究」を行えばわかることです。

  • 堅い社風の会社が多い業界:銀行
  • 体育会系の社風の会社が多い業界:保険、証券、不動産
  • 男性優位の社風の会社が多い業界:建設
  • チャレンジよりも堅実性:インフラ(鉄道、電気、ガス)

こういうことは、社員の男女比や業務内容を調べればある程度分かります。 自分から最初から合わないものに飛び込むことはリスクしかないです。

自分に合わない規模の会社、大企業病

大企業なら良い?

中小企業で少ない人数の中でうまくやれる人と、大企業で多数の社員の中でのサバイバルレースをがんばれる人は違います。

給料のこともあるので大企業の方がマシという人もいますが、必ずしもそうではないのは昨今の労働事件を見ても明らかです。

ネームバリューだけで会社を選ぶと、身の丈に合わないことを強いられるかもしれません。

どういう環境で働くのがいいのか、よく考えないと社風に合わないところへ入社してしまいます。

高給につられて入社してしまう

高給は激務高給かも…

金融や証券など明らかに「激務高給」という業種があります。

自分は、まったりと働きたいのに、給料や各種待遇につられて就職、転職してしまうと、そういう業界のハードな社風を強いられることになります。

結局合わずに辞めてしまうと、履歴書に短い勤務期間だけが残り、次の転職にマイナスの影響しか出ません。

本当に待遇面だけを見て決めて、合わない社風の中で耐えられるのか(耐えている人もいます)、よく考えてみてください。

これでうつ病になったら目も当てられなくなります。

就職、転職が決まらず焦って妥協してしまう

就職、転職が決まらない…
なかなか就職先が決まらないと、決まらない恐怖の方が先に立ち、明らかに社風が合わない「地雷」であっても就職をしてしまいます。

※社風が合わない「目に見える地雷」に飛び込んだ人の例はこちら 不動産業界に異業種転職した私の会社のブラックぷりが昭和すぎ

この人のように焦って転職を決めないように、自己分析も含めて、事前にしっかりと準備をしておくことが大切です。

かつての東京銀行の社風は高い評価を受けていた

男女雇用機会均等法前にも女性管理職を積極登用していた

東京銀行の社風
銀行の3大メガバンクの1つ「三菱UFJ銀行」ですが、2018年4月までは「三菱東京UFJ」銀行と呼ばれていました。

三菱東京UFJ銀行は2006年に「東京三菱銀行」と「UFJ銀行が」合併してできました。

さらにさかのぼると、東京三菱銀行は1996年に「三菱銀行」と「東京銀行」が合併してできた銀行です。

その「東京銀行」の社風の例を挙げます。

銀行というと、お堅いイメージで超保守的な社風を想像します。男性優位で役員は全員男性、女性は受付の一般職だけで結婚までの腰掛け。

しかし、東京銀行の社風は当時の銀行業界にあって、とてもリベラルで先進的でした。

男女で待遇が違う、昇進が違うことが当たり前(法的には問題なかった)「男女雇用機会均等法」が施行前より、女性を活用する行風、社風があり、キャリア志向の女子学生の人気企業でした。

当時は「女性は一般職のみ」という企業も少なくなく、合法だったんです。 女性の管理職への登用も古くから活発で、女性の店長や本店営業部長などもいました。

当時の銀行にあっては考えられないことです。 女性登用以外にも、役員や部長を含め、上司に対して「○○部長」「○○課長」ではなく「○○さん」付けで呼んでいたことや、銀行員がカラーシャツを着用していた社風でした(普通の銀行は無地の白が当たり前)。

合併により社風が激変した

しかし「ザ・権威」「超官僚的な」三菱銀行との合併で、社風は三菱色に染められて、社風が変わってしまい、人材が外資系金融機関や国際機関に流出しました。

まぁ、これは三菱の狙い通りの展開でした(経営中核を三菱が乗っとる)。

このように社風の影響は働き方にも影響し、それが変わると辞める人も続出するという重要なものなんです。

こんなに違う!三菱、三井、住友の社風を比較!

お堅い社風は三菱の特徴ですが、銀行だけではなく、商社や不動産、保険、海運など様々な業種で競い合う、旧財閥系グループとして、三菱、三井、住友があり、社風にも大きな違いがあります。

超保守的、官僚的な三菱 「組織の三菱」

三菱グループの社風
三菱グループの社風は「保守」「官僚」「権威」です。

トップに君臨し、新しいことを取り入れたりせず、これまでの自分たちのやってきたことを「是」として、年功序列で手堅く仕事をしていきます。

頭がいい集団なので、組織に逆らうと生きていけません。 その代わり、順応できればある程度の地位までは約束されます。

中央省庁のお役人のような風土が根付いていると言えるでしょう。

自由でビジネスライクな三井 「人の三井」

三井グループの社風
三井グループの社風は「自由」「個人」「陽気」です。

個人の裁量が大きく、のびのびと仕事ができます。

その代わり「変人タイプ」も多く、そういう人たちと一緒に仕事をするのは耐えられないケースもあります。

仕事ができない人はできないみたいです。 商社など個人の裁量が大きい業種ならばやりがいはありますが、きっちり仕事をすることが求められる業種は結構他人に振り回されてしまうかもしれません。

関西のノリと体育会系の住友 「結束の住友」

住友グループの社風
住友グループの社風は「体育会系」「集団」「インテリ」。

昨今のパワハラが問題となった体育会系ではなく、京大アメフト部のようなイメージです。

上下関係は三菱のように権威によってはっきりしているのではなく、先輩、後輩の関係がしっかりしています。

結束はとても硬いです。 どんどん前に進んで、能力があり頭が切れる人は仕事を任されていきます。

逆に仕事ができない人はインテリ集団の中で孤立してしまいます。 三井ならばやっていける変人も、住友だと集団の和に入れずいられない感じです。

もともと関西の商人が発祥なので、東京のお公家的な三菱とも全然違います。

電話の応対がこんなに違う!?

以上の3つのグループの違いを示す逸話があります(真偽不明)。

外部から問い合わせの電話がかかってきて担当者がいません。 その場合

  • 三菱→すべて完璧なマニュアルがあるため誰でも対応できる
  • 三井→「担当者がいないので答えられません」(担当者は超詳しい)
  • 住友→部内や他部署に連絡を取り何とか答えられる人を探す

社風によってこれだけの違いがあります。

「三井住友銀行」はそんな三井と住友が合併したのですから、社風、文化が違う両行の出身者は戸惑ったに違いありません。

ちなみに「三井住友銀行」は「さくら銀行」(三井銀行+太陽神戸銀行)+「住友銀行」(住友銀行+平和相互銀行)ですが、三井、住友に吸収された太陽神戸銀行などの社風など、ぺんぺん草も生えないくらい完全に消えてしまいます。

入社した当時の社風が合っていても、吸収合併などで別会社になると、弱い立場の社風は抹殺されてしまいます。

社風が合わない時の対処法や見極め方まとめ

社風の見極め方チェックリスト まとめ

  • 社風によって中の人の働き方や評価のされ方が大きく異なる
  • 財閥系企業でも社風が大きく違う
  • 企業合併などで社風が変わると人材が流出することもある
  • 違法行為やハラスメントでなければ「いい社風」「悪い社風」というものはなく、各自の価値観による
  • 社風が合わないところでストレスを受け続けるとうつ病などになってしまう
  • 「合わない」と思ったら転職を含めて行動をすることが大切
  • 社風のチェックポイントや見極め方を活用して受けたい会社の社風を確認する
  • 自分で調べられない社風を知り、合う社風の会社に転職するためにも転職エージェントを活用する