みなさんサザエさん症候群【サザエさんシンドローム】って知っていますか?ブルーマンデーを知っていますか?日曜夜から月曜日にかけて憂鬱になることを詳しく解説します。
もちろん「サザエさん」を知らない人はほぼいないと思います。
日曜の夜、あの海産物一家の姿がテレビに映ると、訳もなく憂鬱になり、仕事が嫌で休みが終わってしまうことを激しく後悔してしまう人はいませんか?
アニメ放送開始以来、約50年間にわたって我々を苦しめ続けるこの現象について、今回は考えてみたいと思います。
名前とは裏腹に実は結構、体にも影響がでる病気リスクを伴う状況の方もいるのでぜひ認知させていきたいです。
おそらくこの名前は認知の為に使われていると思います。
サザエさん症候群を知ってほしい人
- 日曜(出勤日前日の休日)の夜に仕事が嫌で憂鬱になる人
- SOSを体が出しているかも??と思っている人
- 家族や友人にこういった傾向があるかも?とアンテナを貼ってる人
目次【クリックして移動できます】
サザエさん症候群【サザエさんシンドローム】とは?
会社員の半数が「サザエさん症候群」?
サザエさん症候群とは、日曜の夜に(ちょうど「サザエさん」の放送時間あたりに)、「もう休みが終わってしまうーー!」「明日からの仕事が嫌だー」と憂鬱になり、心が落ち込み、人によっては体調が悪くなる現象です。その次の日の月曜日の憂鬱をブルーマンデーと呼びます。
月曜日も休みの場合は、サザエさんを観ても特に憂鬱にならないので、「出勤日の前の晩に調子が悪くなる」と解釈してください。
別に「サザエさん」の内容が心をえぐる、とかではありません。
「古き良き日本の家庭である磯野家、フグ田家」と今の自分の家庭とのギャップが・・と連想する人もいるのでは?と思いますが違います。
「日曜日の夜だから翌日からの仕事を意識して憂鬱になる」というのがポイントなので、「サザエさん症候群」でなくても「ちびまる子ちゃん症候群」でも「鉄腕DASH症候群」でも「大河ドラマ症候群」でも正直構いません。
ただ、日曜日にサザエさんが放送される時間になると、2ch(5ch)の実況などでは『タラヲ○ね』『堀川マジキチ!』など過激な書き込みが目立つようになります。
心の闇を感じざるを得ませんが、フロイトの「防衛機制」を無意識に行って、自画か崩壊するのを防いでいるのかもしれませんね。
ここで豆知識「青森県人はサザエさん症候群にならない」?
青森県に住んでいる人は「サザエさん症候群にならない」という噂があります。
当然、これは都市伝説の類なのですが、なぜそういう伝説ができたかというと、青森県では「サザエさん」が日曜の夜に放送されていないからです。
テレビの記事ではないので詳細は書きませんが、「サザエさん」はフジテレビですよね
フジテレビ系列の地方局がない県では、別の日にサザエさんを放送している可能性があります(さすがに「国民的アニメ」を放送しないところはない)。
でも、上で書いたように、サザエさんの内容が「サザエさん症候群」を引き起こしているわけではないので、やはり同じ症状を感じる人は同じ割合でいます。
<参考 日曜の夜以外に「サザエさん」を放送している県>
- 青森県 土曜日 17:00-17:30
- 山梨県 土曜日 16:30-17:00
- 山口県 土曜日 10:45-11:15
- 徳島県 日曜日 7:00-7:30
ただし、
- 山梨県は東京の地上波の電波
- 徳島県は大阪の地上波の電波
- 山口県は福岡の地上波の電波
が受信できるところがあるのですが(つまり日曜夜にサザエさんが観られる)、青森県は都市部の地上波電波が入る環境にないので、CATVに加入しないと、リアルタイムでサザエさんが観られず、このような都市伝説を生む原因になったと思われます。
外国のサザエさん症候群
「サザエさん症候群は『仕事命』の社畜が多い日本だけの現象。ワークライフバランスがしっかりしている外国、特に欧米ではそういうものはないんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、アメリカなどでも「サザエさん症候群」に該当する言葉があります。
「サザエさん症候群」の別名として
- 『Sunday Night Blues』(日曜の夜の憂鬱)
- 『Blue Monday』(休日明けの物憂い月曜日)
が定着しています。
サザエさん症候群の原因と症状
サザエさん症候群がどういうものなのか、罹るとどうなるのかまとめました。
サザエさん症候群の原因
なぜ「サザエさん症候群」になるのか、原因は一つではないようです。
また、「すべての人がサザエさん症候群になるわけではない」ことも押さえておきましょう。
笑ってサザエさんを観ている人もたくさんいます。
1.休日の終わりと翌日からの仕事を実感するから
楽しかったお休みもおしまい、翌日から社畜生活へ復帰、というわけで、会社に束縛される嫌な生活への拒否反応です。
仕事が楽しくてやりがいがある人は、これは該当しないかもしれません。
2.生活リズムが乱れるから
平日は出勤のために朝7時に起きる人も、休日はお昼まで寝ている、という人が少なくないと思います。
これによって睡眠時間や体内時計が乱れてしまいます。
生活リズムがおかしくなると、メンタルの不調を引き起こしやすくなります。
「1」と合わせて、心身に不調をきたすというわけです。
3.ストレスが高いから
会社に行きたくないのは、会社がストレッサー(ストレスの原因)になっているからです。
休日はストレスから逃げられますが、翌日からそのストレスにさらされることになります。
会社でのストレスが高い人ほど「サザエさん症候群」になりやすいようです。
サザエさん症候群になるとどうかる?診断チェックリスト
「サザエさん症候群は軽度のうつ病だ」という人もいます。
単に憂鬱であるだけなら、毎週耐えればいいわけですが、そこから本当のうつ病になってしまうと取り返しがつかなくなります。
一般的に「サザエさん症候群」と呼ばれる症状は以下のようになります。
サザエさん症候群と思ったら当てはまるか診断!
- 憂鬱な気分になる
- 訳もなく不安や恐怖を感じる
- 不眠
- 動悸、涙が出る
いつも会社に行っているわけで、勤務時間中に恐怖は感じませんよね(鬼上司がいるとかは別ですが)。
でも「サザエさん症候群」で感じる不安や恐怖は職場の憂鬱さ、予想されるストレス以上のものになります。
うつ病だった筆者が書いているので、これは確かです。うつ病になると、日曜日の夜だけではなく、これが365日毎日ずっと続くんです・・。
その意味では「うつ病の初期症状」というのはあながち間違っていないかもしれません
サザエさん症候群は重症の場合、精神面だけではない
「サザエさん症候群」は精神面だけではなく、身体症状としても出ることがあります。
具体的には
- 胃痛
- 頭痛
- 吐き気
- 下痢
- だるさ
- 発熱
- 食欲不振
などです。
「風邪なのでは?」と思う人もいますが、別に細菌やウィルスに感染しているわけではなく、身体が拒否反応を起こしてこのような症状が出てしまいます。
サザエさん症候群は「新型うつ病」に似ている
精神面、身体面合わせて「サザエさん症候群」になると様々な症状が出て、非常に苦しい思いをします。
しかし、その症状も月曜日会社に行くとある程度収まり、通常の勤務のつらさに戻り、金曜日の夜になるとまったくなくなり、土曜日もエンジョイできます。日曜日の午後くらいからまたおかしくなります。
症状自体は完全にうつ病のそれなのですが、本当のうつ病になると(うつ病で数年寝たきりになった筆者の経験上)、ストレスから開放され原因がなくなっても症状は改善しません。
会社にいるとき、あるいは「日曜の夜」という特定の条件下でのみ、うつ病の症状が現れるのは、最近話題の「新型うつ病」にとても似ています。
旧来のうつ病は、休日も休職中も、たとえタダ数十万円もらって「好きに使っていい」と言われても、ベッドから出ることができません。
「特定の条件下で従来のうつ病と同じ症状が出る」という意味では、「サザエさん症候群」と「新型うつ病」は似ていて、つまり放置しておくと、「新型うつ病」そのものや、(従来の)「うつ病」になってしまうリスクがあります。
月曜日の「死のリスク」
「サザエさん症候群」とも関連しますが、あらゆる曜日の中で、月曜日、つまりサザエさんから数時間後の「月曜日の朝」に死のリスクが高いという研究結果があります。
「心筋梗塞」「脳卒中」「不整脈」そして「自殺」。
これらが起きる件数、リスクが月曜の朝に多く高いのです。
- 夜→朝に変わるときの人間の体調変化
- 生活リズムが夜型→朝方に変わるときのストレス
- 仕事へ行きたくない「サザエさん症候群」
これらが重なることで、重大な結果をもたらしやすくなっていることを理解してください。
うーん、そう考えると「今日もいい天気~」「愉快だな~」と呑気に歌っていられないですね。
※月曜朝の自殺リスクについては
Ohtsu T, et al.
Blue Monday phenomenon among men: suicide deaths in Japan.
Acta Med Okayama. 2009;63:231-236.
という日本人の研究があります。
サザエさん症候群を予防するためにできること
それでは「サザエさん症候群」にならないための予防法はあるのでしょうか?
いくつか考えられることを書いていきます。
1.生活リズムを変えない
土日になり、昼間で寝ている、一日中ごろごろしているなど、仕事の日とは180度違う生活にしてしまうと生活リズムや体内のバランスが崩れてしまいます。
まったく同じ時間に起きろというのは酷ですから(睡眠の重要性!)、少し意識して起床時間を早めてみることから始めてもいいと思います。
2.運動をする、予定を入れる
「平日モード」と「休日モード」の落差が大きいほど「サザエさん症候群」になりやすくなります。
したがって、仕事をしなくても、ある程度アクティブに過ごしてみてはいかがでしょうか?
ジョギングをする、ジムへ行く、買い物へ行く。
もちろんデートや友人との遊びでもOK。
家に引きこもっているのではない生活を心がけると憂鬱な気持ちは改善するかもしれません。
ただし、毎日残業続きで午前様、なんて人は十分寝て休息することが最優先です。休日も動いていたら、その方が心と体が壊れてしまいます。
3.「ご褒美」を用意する
翌週一週間がんばれるようにご褒美を用意するのもありです。
継続的にあまり高価ではなくても報酬を受けられると、脳の構造として「やる気ホルモン」が出ると言われています。
- 月曜日の朝にちょっと豪華な朝食(一週間がんばれる)
- 金曜の夜に豪華なディナー(一週間ご苦労様)
これだけでも全然違います。
目の前に人参をぶら下げておくとがんばれるのは、馬だけではないんです。
やってはいけないこと
「サザエさん症候群 予防」などで検索すると予防法で様々なものが出てきますが、以下についてはやってはいけないと私はうつ病経験者として言えます。
サイトによっては「予防法」に書いているところもありますが、どうなんでしょうか?
1.休日出勤をする
フルタイムで働かないまでも、数時間出勤して働けば「仕事モード」維持され、「休日モード」との乖離が起きにくくなるというものですが、木を見て森を見ない議論です。
「サザエさん症候群」は防げても、本当のうつ病や過労死になってしまったらどうなんでしょう。
2.オンとオフの切り替えをしない
「1」とも関連しますが、ずっとスイッチ「オン」でいれば「オフ」→「オン」にした時のバグが防げるというものです。論外です。
オンを維持するエネルギーはどこから来るのでしょう?
「日ごろから仕事の中に自分の趣味や、言われなくても勝手にやってしまうようなことを可能な限り盛り込めるように努め」
「仕事以外の活動の場であっても、体験したことや学んだこと、得られた人脈などを少しでも仕事に繋げる努力をしてみることも大切です」
という記述がありました。
何の知識もない素人ライターの文章でしょうが、「ずっと走り続けろ。休むな」的な記述が多すぎます。
ずっとエネルギーフルパワーでは「症候群」どころか本当に「病」になります。
体と心を酷使するのはやめてください。
大前提はしっかり休息を取ること!「サザエさん症候群」は不調になりそうなサイン
休日、昼まで起きられないならば、それに抗わず寝ていてください。
「サザエさん症候群にならないためにもっと重大な病気になってしまった」では本末転倒です。
すべての大前提は、身体が求める休息を十分に取り、ストレスを解消することです。
引きこもってゲームをした方がストレス解消になるならそれで構いません。
そのうえで「サザエさん症候群」の症状が出る場合、心と体の無意識のSOSかもしれません。
放置しておくと、体の病気やうつ病など精神疾患になるかもしれません。
×「サザエさん症候群を解消するために○○する」
◎「サザエさん症候群の予防はもっと重大な病気の予防」
です。
すでに「サザエさん症候群」だと思われる場合、どこかに重大なリスクがはらんでいる可能性があり、ご自身の仕事と生活を見直す必要があります
転職もサインを受けて可能な一つの対処法
「サザエさん症候群」は仕事のストレスや心身のバランスがおかしくなっているサインかもしれないことがわかりました。
そうなると部署異動か転職、という話になり、転職についても考えていただき、ある程度準備しておくのをおススメします。
何がいいかは当サイトの他記事にたくさんあるので読んでいただければと思いますが、転職エージェントに登録しておけば、いつでもすぐに転職活動に移れます。
そういう「準備」をしておくだけでも精神的に楽になるのではないでしょうか?
波平さんは定年間際(設定では54歳)だからまだいいとして、28歳(!)のマスオさんは、婿ではないのに妻の実家に妻の家族と同居という立場でストレスが物凄いような気がします。
だとすると、家にいる方が憂鬱で「サザエさん症候群」にはならないのかな、などと思ってしまいました。
彼は転職できるのでしょうか?
サザエさん症候群とは?原因&予防対策!
- サザエさん症候群は日曜(出勤日前日の休日)の夜に仕事が嫌で憂鬱になる現象
- 仕事と休日の落差が大きいほどサザエさん症候群になりやすいと言われる
- 事実、月曜日朝には自殺や急病のリスクが高いという研究データがある
- 「サザエさん」の内容は関係なく、万国共通の現象である
- 仕事のストレス、休日の過ごし方、生活リズムの変化が原因となる
- 症状はうつ病、特に「新型うつ病」に似ている
- 放置すると本当にうつ病や新型うつ病になってしまう
- 無意識のSOSと捉えて仕事や生活を見直す契機にする
- なるべく平日と休日のリズムの落差を減らすことで予防につながる
- ただし休息第一。身体が休息を求めているならばしっかり休むのが大前提
- 少し休日の生活に負荷をかけてみる、くらいから始める
- 職場のストレスが原因なら転職も一つの方法である