「この職場間違えた・・」
「転職したいけど30代も半ばを過ぎてしまった」
「技術職ではないから、自分には転職で評価されるだけのスキルがない」
このように考えている人、結構いらっしゃると思います。20代ならば中途採用の枠もあるけど、30代になると転職が不利になるのでは?と思う人がいるかもしれません。
「転職未経験だから大きな賭けになる」
「ひょっとすると今の職場にとどまった方がマシかも」
「転職して年収が下がるのだけは避けたい」
リスクは取れない!という人も多いでしょう。しかし、そのまま今の職場にいても、心身のバランスを崩し、出世できず、さらにリスクがある将来が待っているかもしれません。実際に転職するかどうかは別にして、一度、「転職」という選択肢について考える時期なのではないでしょうか?
この記事でわかること
- 30代になると転職が難しいというのは必ずしも事実ではない
- 30代の転職に求められるスキルがわかる
- 転職未経験者が不利になることはないが陥りやすい「罠」はある
目次【クリックして移動できます】
30代の男性が転職を考える主な理由
30代のいちばん脂がのっていて、職場でも重要なポジションにいることが多い人たちが、なぜ転職したいと思うのでしょうか?
これは大手転職サイトdodaが毎年行っているアンケートの2018年最新版データです。
順位 転職理由 1位 他にやりたい仕事がある 2位 会社の将来性が不安 3位 給与に不満がある 4位 残業が多い/休日が少ない 5位 専門知識・技術力を習得したい 6位 U・Iターンしたい 7位 幅広い経験・知識を積みたい 8位 会社の評価方法に不満がある 9位 業界の先行きが不安 10位 市場価値を上げたい
分かりやすいようにポジティブな理由は赤く、ネガティブな理由は青く表記しています。
人手不足で売り手市場が続いているからか、意外とポジティブな理由が多いことがわかりますね。
転職理由が違えば、転職を成功させるための対策の立て方も変わってきます。
30代前半男性の転職市場での価値は?
「35歳を過ぎると転職できなくなる」と言われますが、30代でも前半と後半ではどのように価値が変わってくるのでしょうか?
まずは30代前半の価値について紹介していきます。
即戦力やマネジメントができる人材なら価値が高い
結論から言うと、30代前半の転職は不利にも有利にもならず、本人の能力、スキル次第ということになります。
新卒で就職した場合約10年、ということでポテンシャル採用ではなく、職務経歴などをしっかりと評価されます。つまり、転職希望企業の業務に対応したスキルがないと、評価を受けることは難しいということになります。
この年齢は「プレイヤー」の中核を担う人材として採用されることが多く、仕事ができることが転職成功の条件になります。
「即戦力」としてすぐに業務の最前線で活躍できる人ならば、転職を成功させることができるでしょう。
未経験業界だと価値は低い
転職未経験者でもまったく問題ありませんが、その業種未経験の人はかなり厳しくなります。未経験で採用してくれる業界はそれほど多くなく、ホワイトや転職しやすい業種となるとさらに少ないでしょう。
30代後半男性の転職における市場価値
スキルやマネジメント力があるのが前提になる
一方、30代後半の転職の場合、スキルとマネジメント能力がないと転職は不利になります。
プレイヤーとしての即戦力があれば何とかなった30代前半と違い、30代後半の採用に当たっては
「職務経歴」+「マネジメント能力」が求められます。
会社によっては課長級、部長級としての採用になるので、複数の部下を取りまとめた経験が必要になります。もちろん、今勤めている会社で非管理職、プレイヤーとしての経験しかない人は、応募できる会社が絞られるかもしれません。
会社の求人が「プレイヤー」を求めているのか、「マネージャー」を求めているのかによって応募資格が制限される恐れがあります。
また、求人数自体も30代前半までと違って少なくなります。平社員よりも課長や部長の方が少ないですよね。だから、30代後半のマネージャーの求人も少ないのです。
もちろん、誰でもいいから雇いたいブラック企業の求人はありますが、そんなところに行くつもりはみなさんないですよね。
- 30代後半で期待される能力が即戦力スキルだけではなく、マネジメントスキルも必要である
- マネジメントスキルを正当に評価して採用できるポストの絶対数が少ない
- だからまともな求人の絶対数が少なく転職に苦労する
- マネジメントスキルがない人が応募できる求人は誰でもできるブラックが多い
このような理由で、30代後半の転職は不利になります。
本当に有能な人ならばまったく問題ないのですが、そういう人は独立したり自分で起業したりします・・。
30代男性の転職に企業が求めるスキル
30代になってからの転職に企業が求めるスキルは何なのでしょうか?もう「若手」とは言えない年齢に差し掛かってきます。「やる気」や「熱意」だけでは評価されない年齢になっていることを意識しましょう。
個々の業種によって「宅建」だったり「IT○○スコア」だったり「TOEIC○○○点」だったり、具体的な資格や検定のような必須スキルは違いますが、どの業種、どの業界へ行っても不可欠なものがあります。それが以下の3つのスキルです。
コミュニケーション能力
「これは20代や新卒に求められるスキルでは?」と思われるかもしれませんが、違います。
即戦力で採用されることが多い30代の転職では、コミュニケーション能力は「あって当たり前」です。若手と部課長級の橋渡しをしながら、業務の中核を担う存在として仕事をしていかなければなりません。
新しい環境に入って、周囲の人と強調し、上司や部下と積極的なコミュニケーションを図れる人は評価されるでしょう。
いきなりスタンドプレーをしてしまうような危ない人は、面接で見抜かれて落とされてしまうでしょう。
リーダーシップ能力
部下や後輩を引っ張っていく能力です。管理職まではいかなくても、業務のプロジェクトリーダーなどに任命されて、具体的な仕事を進めていく中核メンバーになりますから、「待ちの姿勢」ではいけません。
率先して行動でき、若手や後輩に対して経験に基づいた指導ができ、雰囲気を盛り上げることができる、こういう能力は管理職候補として必要なものであり、30代を採用するにあたっては重要なスキルとなります。
マネジメント能力
最後はマネジメント能力です。上述のように、マネジメント能力、管理能力が重要になるのは30代後半の転職ですが、仕事に対する進捗管理ができるスキル(自分の仕事を確実にマネジメントできる)というのは、30代前半であっても重要なスキルです。
自分の仕事の進捗や成果だけでなく、プロジェクトチームの管理しながら、目標に対してどこまで達成できたのか、など業務を計画的に進めることができる能力は管理職や管理職候補として譲れないものになります。
30代男性の未経験業界への転職でよくある失敗
転職未経験者の人がやってしまいがちな失敗について考えたいと思います。20代ならば「転職失敗⇒再転職」も可能ですが、30代になればそれは許されません。間違いのない転職活動にしなければいけません。
転職活動期間が長期にわたり経済的につらくなる
在職中に転職活動をする場合は、気力や体力が続けば、ある程度のスパンで転職活動をしてもいいのですが、退職してからの転職の場合、転職活動期間が長期になると、経済的につらくなってしまいます。
「さっさと適当な企業に就職したらブラック企業では困るではないか」と思われるかもしれませんが、逆で、転職活動が長期にわたり、経済的にも追い込まれ、やる気がなくなってくると、「どこでもいいや」となり、よりブラック企業に捕まる可能性が高くなります。
うまくいくためには、事前に良く準備をして「短期集中」で決めるしかないんです。
条件にこだわりすぎる
転職できるなら「未経験者歓迎」のブラックでも構わない、という人はいないですよね。しかし、あまり条件を付けすぎてもそれを満たす求人は見つからないかもしれません。
本当にいい会社は離職率が低く、中途採用の求人も出にくいですし、「まったり高給
」という求人があったとしても、そこに応募が集中してとんでもない倍率になります。
失敗できないからと言って、高望みや、譲れない条件を設けすぎると、どんどん自分の可能性を縛ってしまいます。「絶対に譲れないもの」「場合によっては妥協していいもの」を分けて、転職活動をすべきです。
家族の理解が得られず転職に踏み切れない
ご家族がいる場合、転職によって今よりも年収が下がったり、休みが減ったりしてしまうという可能性があり、転職に踏み切れない人も多いです。特に、妻が専業主婦の男性などは、転職に失敗すると一気に生活レベルが下がり、こうしたリスクは取れないということもよくわかります。
一方で、今の職場に留まり、心身ともに追い込まれた方が、うつ病になったり過労で体調を崩したりするリスクが高くなるかもしれません。
「社畜」になり思考停止してしまうのがいちばんよくありません。まず、「転職」という選択肢があることを知り、それが自分にとって適切な選択肢かどうか考えるべきです。
失敗を繰り返した結果、自信を喪失しやすい
転職経験者は、面接に落とされたり、転職先で失敗したりして、転職というものについて良くも悪くも「学習」しています。転職に過度な期待を持たず、少々面接で落とされたくらいでも気にしません。
しかし、転職未経験者の場合、特に新卒での就活がうまくいっていた人ほど、面接で落とされたり、厳しいことを言われたりすると、自分を全否定されたような気持になり、自信を喪失してしまいます。
現実には転職は楽なものではなく、冷静に自分を分析する必要があります。自信がない中だと、明らかなブラック求人でも内定を出してくれるところへなびいてしまうかもしれません。そういう罠に陥らないよう、「落とされるのは当たり前」というどっしりした気持ちで転職活動をするのが必要です。
※こちらも参照
転職先になかなか馴染めない
これまで1つの職場しか経験していないので、新しい人間関係を構築するのは初めてになります。新しい職場に馴染めず、誰ともコミュニケーションを取らないと孤立して、評価も下がってしまいます。
転職した人、誰もが通る道ですから、腹をくくって新しい環境に飛び込んでいきましょう。以前の職場の人間関係から解放されるわけです。だからむしろ新しい自分を見せるチャンスだと思いましょう。
30代男性の転職が失敗する原因
転職理由が曖昧
なぜ転職したいのか転職理由は明確ですか?漫然と「今の職場は嫌で」「将来が不安で」というだけでは、相手にもいい加減な気持ちが伝わってしまいます。
・スキルアップ、キャリアアップ
・収入アップ
・人間関係のリセット
・自分には向かない仕事だった
・やりたい仕事はこれだ!
このような転職したい理由の軸がないと、志望動機などがいい加減になり、それが応募先の人にもわかり転職が決まらなくなります。
転職市場での価値を理解していない
転職市場にはある程度の「相場」があり、「こういう業務を何年やってきた人はこのくらいの会社」のような公式が確立されています。
30代の転職は20代と違いポテンシャルの部分は減り、学歴などは意味をなさないかもしれません。やってきた自分の仕事によって、自身の「人材」としての価値が決まります。
客観的な市場価値を見誤ると、転職が決まらないばかりか、ブラック企業の「あなたのような人を待っていた!」という口車に乗せられて、悲劇的な結末へ一直線です。
年収にこだわりすぎている
年収アップしたいというのはみなさんが持っている気持ちですが、それにこだわりすぎると、希望年収を満たした求人がないだけではなく、「完全歩合制飛び込み営業」など明らかにブラック企業の求人に応募してしまいかねません。こういうブラック企業で稼げる人はほとんどいないでしょう。
年収の「最低ライン」「妥協ライン」「希望ライン」の3つを明確にして、希望ラインについては絶対的な目標にしないようにしないと困ったことになります。
プライドが捨てきれない
筆者の前職でもそういう人がいたのですが、プライドが捨てきれずに「前の会社では・・・」「こんな会社ではダメだ」「こんなことはできない」となってしまうと転職はうまくいきません。
プライドを全部捨てて地べたを這いつくばれ、ということではなく(それをしたら洗脳研修の「管理者養成学校」と同じです)、転職して新しい仕事をしようとする人は、素直に転職先の仕事を覚えよう(雑用含む)とする姿勢がないとうまくいきません。
例えば、下の動画では、持ち帰り専門寿司20年のベテラン(ただし魚をさばいたことがない。全部事前処理されたネタのみを握る)が、スパルタ式に仕事を覚えようとするも、プライドが邪魔をして逆切れしてしまうシーンです(19:10~)。
後悔して土下座謝罪したときに、「そんなプライドは意味がない」と専務から諭されていますね。
30代男性が転職を成功させるコツ
30代ということで、転職する場合失敗ができないというプレッシャーの中で活動することになります。少しでも成功する確率を上げるためには何ができるのでしょうか?
自己分析を徹底的にする
新卒の就活でも行った自己分析を徹底的に行いましょう。ポテンシャルよりもスキル、職務経験の方が重要視される年齢になりました。やる気や熱意だけでは転職はできません。自分の市場価値、向き・不向き、性格等を徹底的に分析して、数を打って当てるのではなく、面接に通る確率を確実に上げていけるようにしてください。
企業分析を徹底的にする
学生の時とは違い、実際に10年~20年近く働いてきたわけですから、企業、会社というものについて、虚実を含めて理解して来ているはずです。企業分析、見るべき項目についても実感をもっているはずで、企業研究のポイントは学生の頃よりもはるかにわかりますよね。
また応募先の企業も、学生ならばピントが外れた質問や回答をしても許してくれるかも
しれませんが、30代の社会人が「こんなことも知らないの?」「うちの会社について何も知らない・・」と思われては大幅マイナス評価になってしまいます。
企業研究を徹底的にするのは、30代の転職の最低条件だと理解してください。
条件に優先順位をつける
上でも書きましたが、条件にこだわりすぎると転職はうまくいきません。条件には優先順位をつけて
・どうしても譲れないもの
・できればかなえたいもの
・それほどこだわらないもの
を分けてください。いちばん上の「どうしても譲れないもの」はまさに転職する主目的であり、これを達成するためにリスクをとっても転職したい、という条件になります。多少年収が下がっても、どうしても達成したい目的があるならばそれを優先させます。
転職前と転職後を比較して、トータルでプラスになっていればOK、くらいの気持ちで転職しましょう。100点をとる「完全勝利」は本当に難しいんです。
転職エージェントを活用する
実際に自分だけでは市場価値や、向いている仕事、どのあたりの企業ならばチャレンジできるか、などわからないかもしれません。
そのため、転職エージェントに登録して、プロのエージェント(コンサルタント)の意見を聞いてみましょう。転職エージェントという仕事は、転職先を紹介して、転職した人が一定期間定着しないと(辞めないこと)、マージンがもらえません。
だから、利用者が満足できる転職を叶えるよう努力します。書類の作成や面接スケジュールの調整、内定後の手続きなどもみなさんに代わってエージェントが行ってくれるため、忙しい人でも安心です。
利用は無料なので、転職活動を具体的に始める前に、ぜひ専門家の意見を聞き、ご自身の市場価値や妥当な転職先などのアドバイスを聞いてみてはいかがでしょうか?
30代男性で転職を考えている人の口コミ
SNS上にも30代で転職を考えている人がたくさん、悩める気持ちを吐き出しています。転職すべきかどうか考えているのはみなさんだけではありません。
まぁ、普通は転職したいなんて勘付かれないだろうから、単に力もついて適応力もある30代に駐在が回ってきたりするんでしょうね。要素は沢山あり過ぎて何が正解かは言い切れないですけど。ただ、子供の教育に利点がある、とか駐在手当が凄いとかってケースを除いて疲弊してる駐在員が多い様な…。
— たかし (@takashitaka12) February 12, 2018
僕は転職人生を送っているのですが、具体的には30代半ばで次が正社員6社目なんですが、辞める前に次の行き先が決まったケースは今回が初めてで、給料が上がるケースは今回が2度目、上がり幅は今回が一番大きいです。転職したい人は辞める前に次を決めた方がいいという通説は本当だと思います。
— 得する実業団チームPTTの秘密とは? (@pinazou) 2017年11月23日
転職したい。データ分析系SEなんだけどどこか雇って欲しい。23区内か埼玉南部の一時受けまでの会社で今より年収上がるのであれば
sqlserver、VBA、C++、ExcelPivotができる30代前半男です。
— 今日モス気分 (@hanamasa19) April 21, 2018
まだまだ探せば、30代で転職したい人の心の叫びが見つかります。
30代男性の転職まとめ
30代男性は家庭を持って家族を養っていると大きなリスクになるので、独身の時のようには動けないようです。
友人や知人の転職失敗を見ていて、自分が転職をするのに二の足を踏んでしまう人も結構います。
転職エージェントを活用するなど、失敗しない転職をしましょう。