サービス提供責任者とは|なるための資格や業務内容、メリット、平均給料も紹介

サービス提供責任者とは|なるには?仕事内容やメリット、給料も紹介

サービス提供責任者(サ責)は、文字通り訪問介護の現場においてサービスを提供する責任者となる役割です。

当記事ではそんなサービス提供責任者について解説しつつ、なるために必要な資格やメリット、仕事内容や給料などを紹介していきます。

【この記事で分かること】

  • サービス提供責任者という役割について
  • サービス提供責任者のなり方
  • 仕事内容やメリット
  • 給料への影響
  • サービス提供責任者として転職して年収をアップする方法

サービス提供責任者とは?

サービス提供責任者とは、訪問介護事業所(ヘルパーステーション)に必ず置かれる役職のひとつです。略して「サ責」「S責」とも呼ばれます。

訪問介護計画書を作ったり、訪問介護員(ヘルパー)をまとめるなど、文字通り責任者としての業務が主な仕事です。

サービス提供責任者は人材が特に不足している

介護現場の人材不足は有名ですが、中でも訪問介護員(ヘルパー)の有効求人倍率は15倍を超えています(2020年8月19日 厚生労働省発表)。

これはヘルパー1人につき15件の求人があることを意味します。介護のみならず、わが国のすべての職種の中で最高ランクの倍率です。

こうした中、訪問介護事業所に必須のサービス提供責任者の確保に悩む法人が増えています。常勤、介護福祉士または介護福祉士実務者研修修了者、ヘルパーへのリーダーシップを取れることなど、サービス提供責任者の要件を満たす人材がなかなか見つからないのが実状です。

また、基本的にサービス提供責任者は常勤(フルタイム勤務)のヘルパーでなくてはならないのも人手不足を加速させています。

これは非常勤(短時間勤務)では勤務時間が少なく、訪問介護計画書を作ったり、ヘルパーをまとめたりするのが難しくなるからです。

事業所に必要なサービス提供責任者の人数

ひとつの事業所に置かなければならないサービス提供責任者の人数は、次のとおりです。

利用者数サービス提供責任者の人数
40人以下1人以上
41人~80人2人以上
81人~120人3人以上
121人以上4人以上

利用者40人までを1グループとし、1グループに1人以上のサービス提供責任者を置く決まりになっています。あまりに多い利用者を1人のサービス提供責任者がかかえると、手が回らずシフト落とし(利用者をヘルパーのシフトに入れず、契約どおりのサービスが行われないこと)などの手違いが起きやすいからです。

たとえばA株式会社が運営するBヘルパーステーション(利用者35人)とCヘルパーステーション(利用者95人)があるとしましょう。この場合、Bヘルパーステーションに1人以上、Cヘルパーステーションに3人以上のサービス提供責任者を置かなければならないことになります。

サービス提供責任者は訪問介護事業所の中核といえる存在です。この役職をこなせることはヘルパーとしての実力の証であり、転職する場合でも強力なアピールポイントになります。

サービス提供責任者になる方法

サービス提供責任者になるには常勤であることのほかに、介護福祉士または介護福祉士実務者研修修了者でなくてはなりません。

福祉系の学校や養成施設を出ていない人は、次のプロセスで介護福祉士になることができます。

介護福祉士は介護士の最高位の資格として実力は折り紙付きですし、介護福祉士実務者研修修了者は20科目450時間という研修でハイレベルな実力が身に付いた方です。

このような条件を満たした方がはじめてサービス提供責任者の仕事をこなせるのです。

サービス提供責任者は、介護福祉士または介護福祉士実務者研修修了というハイレベルな資格を持っていることも、転職を有利な方向に後押ししてくれます。

サービス提供責任者の仕事内容

訪問介護事業所でのサービス提供責任者の仕事はたくさんありますが、中でも大切な3つの仕事内容を紹介します。

訪問介護計画書を作る

サービス提供責任者は、訪問介護計画書を作ります。

訪問介護計画書とは、個々の利用者へのサービス内容や目標を書いて利用者または家族の同意をもらった書面です。

訪問介護計画書によりヘルパーの対応が統一されるので、利用者が対応の違いに戸惑うといったトラブルをなくすことができます。

ケアマネジャーと連携する

サービス提供責任者はケアマネジャーと連絡を取り合い、利用者の状況について理解をともにしなければなりません。

訪問介護計画書はケアマネジャーによる居宅サービス計画書(ケアプラン)をもとに作られます。たとえば今までヘルパーが買物だけを行っていた利用者が、体の動きが悪くなったり認知症が進んだりして調理ができなくなった場合、調理をヘルパーのサービス内容に加えなくてはなりません。

それには、ケアマネジャーによってケアプランに調理を追加してもらわなければならないのです。

特に高齢者は日々状態が変わります。その変化に対応したサービスを遅れることなく提供するには、常日頃のケアマネジャーとの連携が大切になります。

ヘルパーに対して指示を出す

サービス提供責任者は、所属する事業所の中核としてヘルパーたちへ指示をしなければなりません。具体的内容は次の5つです。

訪問介護計画書の内容を理解させる

訪問介護計画書に書かれたサービス内容や目標をヘルパーに理解させます。

ヘルパーによるサービスは、訪問介護計画書にもとづいて行われなければならないからです。

利用者の状況を伝える

利用者の心身状態や生活状況の変化をヘルパーに伝えます。

サービスは利用者の変化に対応しつつ提供されなければならないからです。

ヘルパーの仕事ぶりをつかむ

各ヘルパーの仕事ぶりをつかむことが大切です。

特に訪問時刻の厳守、サービスの行き過ぎや手抜きに目を光らせます。これらは利用者の生活に影響するとともに、事業所の信用にも関わるからです。

ヘルパーの能力や希望をふまえてシフトを組む

ヘルパーそれぞれの能力や希望をふまえて勤務シフトを組むことも忘れてはなりません。

能力を超えた仕事をヘルパーに与えればサービスの質が低下して利用者が困るだけでなく、ヘルパーに過度な負担を与えてモチベーションを下げることにも繋がります。

たとえば家庭の事情で夕方以降の勤務がむずかしく、日中の勤務を希望しているヘルパーに夕方以降の勤務をさせることは、ヘルパーの家庭が回らなくなり不満を生じさせ、退職という事態を引き起こしかねません。

ヘルパーを教育する

ヘルパーの教育はサービス提供責任者の本領発揮の場面といえます。サービス提供責任者は介護福祉士や介護福祉士実務者研修修了者といった資格を有しているので、ほかのヘルパーより一段上の実力を備えています。

それを活用し、施設全体のスキルアップをさせるのもサービス提供責任者の役割です。施設全体のスキルが上がれば、自ずとサービス提供責任者自身の仕事も楽になります。

教育内容は介護技術はもちろん利用者や家族との接し方、介護保険や医学についての基本知識などが含まれます。

サービス提供責任者の仕事内容は多いです。しっかりこなせば事業所内や経営者からの評価が上がるだけでなく、転職するときの評価も上がるので将来のキャリアアップで有利です。

サービス提供責任者になるメリット

サービス提供責任者は仕事が多く責任も重い役職です。それでも全国のサービス提供責任者が役職を続けていられるのは以下のメリットがあるからです。

視野や知識が広がりキャリアアップに繋がる

サービス提供責任者はサービス担当者会議や日常の連絡などを通じて、ヘルパー以外の職種と接することが多いです。

それにより訪問介護以外の知識や情報に触れることができます。医師や看護師からの医学知識、リハビリ職からのリハビリ知識、ケアマネジャーからの介護保険制度の知識などです。

こうした知識や情報は視野を広め、訪問介護計画書を書くときはもちろん、その他の仕事をこなす際にも役立つでしょう。

マネジメントが楽しい

人によりますが、部下であるヘルパーに指示をしたり、知識を活かしてアドバイスをするなどのマネジメント業務に楽しさを見出すサービス提供責任者の方も多いです。

もちろん中にはそのマネジメントが苦手てでサービス提供責任者を辞める方もいますが、施設やヘルパーが自分の手足のように変化し、成長していくのはなかなか楽しいものです。

また、自分が良いと考えるサービスや環境を利用者に提供したい、と考えている方にとってもそれを実現できるサービス提供責任者をするのはメリットとなるでしょう。

転職で有利になる

お話ししてきたようにサービス提供責任者の仕事は内容も広く、責任も重いです。そのため自身のヘルパーとしての力量が上がるのははもちろん、転職先からは管理職としてのスキルを身に付けたものと受け取られます。

実力のあるサービス提供責任者を求めている施設は多いので、転職をする際にアピールをすれば、労働条件や年収において今よりも好条件で働くことは難しくないでしょう。

サービス提供責任者の仕事は大変な反面、それに見合ったメリットもあります。

サービス提供責任者の平均給料・年収

介護労働安定センターが発表したデータによると、平成30年時点でのサービス提供責任者の平均月収は223,276円となっています。

ホームヘルパーの平均月収が198,732円であることを考えると、サービス提供責任者は約25,000円ほど給与が向上している計算です。

年収は施設ごとの賞与の金額によって大きく変わりますが、220万~400万となっているようです。もちろん、地域や施設によっては平均を超える例もあります。

給料を重視するなら介護福祉士の方がいい

ただサービス提供責任者に必要な介護福祉士の給料は平均26万です。これはサービス提供責任者よりも約4万円も高いです。

介護福祉士は年収においてもサービス提供責任者の220万を上回る平均312万となっているため、収入を重視する場合は介護士福祉士になった方が良いかもしれません。

サービス提供責任者まとめ

冒頭で説明した通り、サービス提供責任者が不足している状況は今より条件の良い事業所に転職する絶好の機会ともいえます。

その際に活用してほしいのが、転職サイトです。ブラック施設の多いハローワークと違い、自社の評判を落とすブラック施設からの求人は掲載NGにしているのでホワイトな施設が多いです。

転職サイトであれば給与の条件交渉なども担当のコンサルタントがやってくれるので、利用して損はないでしょう。

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