1年目は「すぐに転職したら今後の人生が…」「辛いけど頑張ろうなど」と考えていても、2年目になると様々な事情から転職をしたいと考える薬剤師は多いです。
そこで今回は2年目薬剤師が転職をする時に知っておきたいポイントやリスク、年収、結婚への影響などを解説します。
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2年目薬剤師の転職は失敗する?
結論から言うと、2年目薬剤師の転職は失敗する人もいますが、全体で見れば成功する方の方が多いです。
そもそも薬剤師は全体で見ても転職の多い職業であり、合わないと感じたら早々に転職をする人も珍しくありません。
2年どころか入社半年で転職をする薬剤師も珍しくない業界ですので、転職をしたいと思ったら検討しても良いでしょう。
詳細は後述していますが、2年目薬剤師で転職に失敗するのは、準備が甘かったり、目的がしっかり定まっていない人です。
エージェントのサポートを活用したり、目的を明確にすることで転職に成功する確率は大きく上がるでしょう。
2年目薬剤師の転職事情
2年目で転職を考える薬剤師は多い
就職して2年目に転職を考えるのは自分だけでは、と不安を持っている方もいるでしょう。
確かに、普通に考えれば就職した次の年に転職をするというと、我慢ができない、責任感がないというイメージがあります。
しかし、新卒で3年以内の薬剤師の離職率は約33%というデータがあるように、早い段階で次の職場を探し始める人は意外にたくさんいます。
転職を考える理由は、待遇への不満や通勤に時間がかかる、先輩薬剤師との折りが合わないなど人それぞれ違いますが、いずれにしても1年間耐えてみたものの、状況が変わらないようなので早めに転職をしたいという薬剤師は多く、離職率も他の職種と比べて高くなっているようです。
薬剤師の7割は転職経験あり
薬剤師は普通のサラリーマンと比べると初任給も高く、2年目であっても他の職種よりは待遇も恵まれています。
そのため、今いる職場に不満があるとしても、やっぱり転職しない方がよい、ここで耐えられなければどこに行っても長続きしないと思い込んでしまうかもしれません。
しかし転職経験がある薬剤師は70%以上で、逆に転職をしていない薬剤師の方が少ないのです。
つまり、最初に勤めた職場で満足もしくは我慢出来ている人は3割しかいないのですから、早い遅いはあるにしても、転職すること自体は珍しいことではありませんから、気にする必要はないでしょう。
2年目の薬剤師が転職をする注意点
今より待遇や環境が悪くなる可能性がある
2年目薬剤師であっても転職する人はいますし、転職しない薬剤師の方が少ないというのが実情ですが、2年目での転職にはリスクやデメリットがあることもきちんと理解しておきましょう。
最も大きなリスクは、運が悪いと今よりも待遇や環境が悪くなってしまうことです。
薬剤師になって2年目ということは、まだ薬剤師業界のことに精通している状態ではないので、一般的な転職方法で転職先を決めてしまうという方が多いです。
ここでいう一般的な転職方法とは、自分で求人サイトを見て、希望に合った給与や待遇の案件に申し込みをして採用してもらうという方法です。
事前に転職先の情報を集めないと失敗する
100%希望にぴったりで理想的な職場はほぼ存在しませんが、転職では募集情報だけでなく内部の情報やリアルな労働環境を知っておかないと失敗します。
職場の雰囲気や労働環境などが分からないままだと、いざ転職しても「業務が想像と違う」「募集要項に書いてあることが守られていない」「書いていることと給与や条件が違う」というような失敗をしてしまうリスクがあります。
面接で不安を残したまま内定を受けない
面接を受けるときには悪い印象を与えたくないと言う気持ちが働きますので、聞きたいことがあっても切り出せない方も多いのではないでしょうか。
例えば賞与や残業代に関して質問したくても、イメージが悪くなるから聞けないと言う人は少なくありません。
しかし疑問点を放置したままでは、いくら内定をもらっても不安が残ってしまいます。
待遇や労働環境に関して質問をするのは勇気がいりますが、不安な点を解消しておかないと転職できても後悔します。
雇用主と雇用者というのはあくまでも対等な関係ですから、働くうえで心配なことや疑問があったら事前に聞いて解決しておきましょう。
質問に答えてくれない職場は避ける
例えばノルマや離職率、有給の取得率について質問しても明確な回答が得られない、提示されている条件と異なると言う場合は思っている環境で働けない可能性が高いので注意してください。
いざ就職しても人間関係が劣悪であったり、有給が取れず転職に失敗してしまうでしょう。
ただ2年目の薬剤師はまだ社会経験も少ないため、自分から聞けないという方は、転職サイトのアドバイザーに相談したり、コーディネーターに代わりに聞いてもらったりするという方法があります。
転職サイトは転職活動の経験がない人でも転職を成功させるノウハウを持っているので、特に初めて転職活動をする方は失敗のリスクを下げるためにもコンサルタントに任せてしまうのがおすすめです。
実務経験が2年の薬剤師が転職をするメリット
薬剤師歴2年だからこその強みがある
薬剤師歴2年というのは、実際のところベテランと比べると実務経験があるとは言えない段階です。
転職では実務経験が重視されるのが一般的なので、2年で転職することに不安を感じる方もいるでしょう。
しかし、2年だからこその強みというのが2つあります。
1つは新卒採用よりも薬剤師としての経験があること、もう1つは経験が浅いからこそ職場環境に馴染みやすいことです。
資格を持っていても働いたことがない人には、薬剤師としての業務はもちろん社会人としての常識や仕事まですべてを教えなくてはいけないため、研修には時間がかかってしまいます。
しかし、1年でも働いていればすでに経験があるため1から教える必要がないので、研修をしなくて良い分、必要な仕事をすぐに覚えてもらうことができます。
また、薬剤師としての経験が長いと、自分流の仕事のやり方が固定されていたり、前の職場の流れに慣れてしまっていたりするので、新しい職場に慣れると言う柔軟性が欠けてしまっています。
2年目であればまだまだ伸びしろがありますし、「今までこうやってきた」と言う固定概念もないので、企業からすると柔軟に仕事に取り組んでもらえるというメリットがあるのです。
経験年数に関わらず需要が高いので転職しやすい
薬剤師というのは、もともと求人募集案件が多く、他の資格と比べても需要が高いのが特徴です。
求人広告や転職雑誌、求人サイトなどを見れば分かりますが、薬剤師の求人募集は非常に多く、また実務経験の年数にこだわっていないところも多いです。
経験があれば良い、というアバウトな条件も多いので、2年目であっても応募出来る求人案件が限定されることはほとんどありません。
薬剤師が活躍出来る場所は、調剤薬局や病院だけでなく、ドラッグストアや老人ホーム、デイケアサービスなどフィールドが広がっているので、2年目だから転職ができないということはありません。
転職後のビジョンが明確なら2年目でも成功する
薬剤師は需要が高く、2年目ならではの強みはあるものの、採用する側に「すぐに辞めてしまうのでは」「協調性や柔軟性がないのでは」など不信感を持たれてしまうこともあります。
そのため、2年目の転職がスムーズに行かないという不安を持っている方も多いようですが、2年目の転職で印象が悪くなるのは薬剤師だけではありません。
どんな職種であっても2年で辞めて転職活動をすれば、面接においてどうしてもマイナスなイメージを持たれてしまいます。
しかし、イメージダウンを防ぐことは可能です。そのポイントとなるのが、転職してからのビジョンを明確にしておくことです。
面接の際、担当者によってはなぜ2年で転職をしたのか理由を聞いてくることがあります。
その際に転職をすることで将来的にこういった薬剤師を目指したい、仕事の幅を広げたいなどビジョンを明確に説明できれば、早い転職であってもポジティブなイメージに変えることができます。
2年目薬剤師が転職で失敗しないためのポイント
年収には妥協しない
転職する理由は人によって違うものの、転職先への条件として年収アップを希望条件している方も多いでしょう。
お金がすべてではありませんが、それでも年収はモチベーションに大きく関わってきます。転職したからといって労働条件や環境、人間関係などすべてが良くなるとは限りません。
そこで、すぐに辞めないためのモチベーションとなってくれるのが年収です。
転職すれば理想通りの環境で働ける、ということはなかなかないので、せめて目に見える成果となる年収は妥協しないことが転職を成功させるポイントになります。
もし希望条件に見合っている案件があって給与面だけ納得がいかない場合は、転職サイトを活用してコーディネーターに給与交渉をしてもらうと言う方法もあるので検討してみるといいでしょう。
一部の薬剤師転職サイトでは、給与や待遇面の条件を無料で転職者に変わって交渉してくれます。
補足:2年目薬剤師の平均年収
ちなみに転職をする上で基準とするために知っておきたい、2年目薬剤師の平均年収ですが、350~450万と言われています。
病院薬剤師など年収が低くなりがちな職場では、場合によってはこれを下回る求人が出ている場合があります。
年収が低いせいでモチベーションが上がらず、またすぐに転職をして経歴に傷がつく…という方も少なくないです。
キャリアに傷がつく事態を避けるためにも、求人の豊富な転職サイトなどを活用して最低でも平均年収と同じ、もしくは平均年収を上回る求人に応募しましょう。
結婚しても続けられる勤務形態を選ぶ
女性の薬剤師の場合、ライフステージが変わることを考慮して転職活動をするのが正解です。
結婚をすればライフサイクルをご主人に合せなくてはならないこともありますし、場合によっては引っ越すことになるかもしれません。
また妊娠をすれば出産の数ヶ月前には仕事を休む必要がありますし、出産後もしばらくは通常勤務が出来なくなります。
地域によっては待機児童問題が解消されていないので、職場に復帰したくても出来ない可能性もあります。
ライフステージが変わる度に転職活動をするとなると大変ですし、結婚や出産は相手がいることなので自分の自由が利かなると転職先も限定されてしまいます。
ですので、転職先を選ぶ時には、ライフステージが変わっても働き続けられる環境が整っていることがポイントになります。
今は予定がないとしても、結婚や妊娠はいつするか分からないものですから、どんなタイミングでも柔軟に対応してくれる環境の整った職場を選びましょう。
職場の労働環境は事前に確認する
転職をするのであれば今の職場で持っている不満をすべて解消できる就職先を見つけるのが理想ですが、そう上手くはいかないのが現実です。
特に職場の人間関係や働きやすさ、残業や休日出勤の有無など労働環境というのは求人募集の記載だけ見ても分かりません。
「残業はほとんどなし!」「みんなで和気あいあい楽しく働いています」と書かれていても、実際に働いてみたら残業が多かったり、人間関係がぎすぎすしていたり、書いてあることと正反対と言う可能性があります。
労働環境は働くうえで一番重要なポイントになりますから、事前にしっかり確認してください。
調剤薬局であればお客のフリをしてチェックしに行くのもいいですし、さらに内部の状態を知りたい場合は、求人募集をしている企業とのつながりを持っている転職サイトを利用して調べてもらうといいでしょう。
経験が浅い2年目薬剤師の転職はサイトを使うのが最適!
今回は転職を考えている2年目薬剤師に知ってほしいポイントなどを紹介しました。
薬剤師に限らずどの業界でも経験が浅いと自己判断で転職先を決めると失敗することが多いと言われています。
たとえば大手のチェーン薬局なら安心と思っても人間関係が複雑だったり、待遇が良くても人間が少ないせいで労働環境が悪かったりするので、表向きの募集要項だけでは内部のことが分かりません。
しかし薬剤師専門の転職サイトであれば薬剤師業界に精通しているコンサルタントが転職をサポートしてくれるので、内部の人間関係や状況を把握した上で希望に沿った案件を紹介してもらえます。
勇気を出して転職してから「こんなはずじゃなかった」ということにならないよう、薬剤師転職サイトで失敗のない転職を実現させましょう。