何らかの事情で一度薬剤師をやめて、ブランク後に復帰しようとしても上手くいかない方が多いです。
せっかく取得した薬剤師資格を活かすためにも、ブランクからスムーズな復帰を目指すべきです。
そこで当記事では薬剤師がブランクから復帰する3つの方法や、おすすめの勉強法などを紹介します。
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薬剤師がブランクから復帰できる目安は何年?
復帰しやすいブランクは2年が目安
薬剤師のブランクは2年が目安といわれています。これは、調剤報酬や薬価などに関する医療制度が2年に1度見直されるためです。
仮に10年のブランクがあった場合、どうにか復職したものの、とまどうことばかり……ということにもなりかねません。
薬剤師が調剤薬局、ドラッグストア、病院などに復職する場合、復帰までの理想的なブランク期間は長くて1年ともいわれています。
逆に製薬会社などは3年ほどブランクがあっても問題視されません。
ブランク10年でも復帰は可能
一方、ブランクの年収が10年を過ぎてしまうと、再就職は若干厳しいです。
もちろん薬剤師であればブランクが10年あっても採用してくれるような職場も多いのですが、当時のスキルや知識が通用しない部分が多いため、それを理由に履歴書で落とされてしまいがちです。
対策としては今も勉強を続けており、一線で通用する知識があることを履歴書や職務経歴書でアピールしたり、エージェント経由で募集先に強みをアピールしてもらう方法となるでしょう。
また、「ブランク歓迎」となっている職場を転職サイトなどで探して、応募してみるのも手です。
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ブランク20年だとかなり厳しい
ブランクが20年になると、残念ながら復帰は不可能ではないですが困難になります。
とりあえず最初から正社員での雇用は諦めた方が良いでしょう。
20年前となるとかつて学んだスキルも知識もほぼほぼ役に立たないので、ほぼ一から学び直す必要があります。
また、「ブランク歓迎」という職場でも20年となると採用には及び腰です。
まずはアルバイトやパート、派遣の雇用形態で薬剤師として働くのが無難でしょう。
ブランクがあっても薬剤師が働きやすい職場
薬剤師の転職は、離職から1年以上あけない方がスムーズかもしれません。
しかし、なかには10年以上ブランクがあっても復職に成功している人もいるのであきらめることはありません。
とくに、次のような職場はブランクのある薬剤師も大勢活躍しています。
ドラッグストア
ブランクありOKの求人が一番多いのがドラッグストアです。
大手チェーンならば研修制度も整っていて、ブランク期間の遅れを取り戻したい人にも向いています。
調剤薬局
求人数が多いので、自宅近くなど無理なく働ける調剤薬局を選択できます。
ママ薬剤師ならば「子どもが下校するまでに帰宅したい」といった希望を聞いてもらえるところを選ぶこともできるでしょう。
病院
慢性期病院、特定疾患に特化した病院などはブランクがあっても復帰しやすいといわれています。
いずれは急性期病院や大学病院で活躍したい薬剤師も、復帰の第一歩としてはいかがでしょうか。
薬剤師がブランクからスムーズに復帰する3つの方法
以上のように、ブランクのある薬剤師でも復帰できるチャンスは至るところにあります。
しかし、なんとなく転職活動をしていても成功することは難しいでしょう。
子育て、介護などが一段落して「もう一度、薬剤師として復帰したい」と、考えているならば、次の3つのポイントをおさえることが大事です。
- 正社員だけにこだわらない
- 休職中も勉強は続ける
- 転職エージェントを活用する
それでは、3つのポイントについてそれぞれ詳しく見てみましょう。
復帰は正社員にこだわらない
ブランク明けに正社員として復帰するのが難しいのは、薬剤師といえども他の職業同様です。アルバイト・パート、派遣など多様な働き方を検討してみましょう。
正社員にこだわらなければ、応募できる求人はグッと増えます。安定収入・福利厚生などは正社員には及ばないかもしれませんが、アルバイト・パート、派遣として働くメリットもあります。
例えば「子どもを一人で留守番させたくない」といった希望があるママ薬剤師には、やはり勤務時間をある程度選べるアルバイト・パートがおすすめです。
アルバイト・パートには次のようなメリットがあります。
高時給が見込める
薬剤師ならばたとえアルバイトやパートでも時給2,300円程度は見込めます。毎月、事務職の正社員よりもずっと良い収入を得ることも十分可能です。
家の近くで働ける
アルバイトやパートならば、徒歩や自転車で通える職場を見つけることもできるでしょう。働く時間帯を選べるので、子育てとの両立にも向いています。
派遣は高時給が多い
じつは薬剤師には派遣薬剤師という月に数日~自分の都合に合わせて働ける方法もあります。
派遣薬剤師なら時給2,000~4,000円、時には時給5,000円という案件に出会えるので、短時間の勤務でも十分に稼ぐことが可能です。
シフトの入れ方によってはアルバイト・パート以上にしっかりと稼ぐこともできるでしょう。
転職エージェントに相談してみる
転職エージェントとは、求職者と企業をつなげる人材紹介会社のことです。
薬剤師の場合、薬剤師を専門としている転職エージェントがあるので、ぜひ利用したいところです。
転職エージェントにはコンサルタント、コーディネーター、アドバイザーなどと呼ばれる転職のプロがそろっています。
医療業界の最新動向、薬剤師のキャリアアップにおすすめの職場などに詳しく、ブランクからの復帰に関する悩みに乗ってくれるばかりか、登録から成約まで薬剤師はすべて無料でサービスを受けられるのも見逃せません。
転職エージェントを使うメリット
転職エージェントを使うメリットとしては、次のようなものがあります。
非公開求人の紹介あり
薬剤師の求人は非公開のものも少なくありません。なかには、高待遇・高収入なので限られた薬剤師だけに告知したいというようなお宝情報もあります。こういった求人を紹介してもらえるのも転職エージェントならではといえるでしょう。
先方との交渉はおまかせできる
いくつかの薬局、病院などに応募する時、面接日程の調整だけでも手間です。
しかし、転職エージェントにお願いすれば、各社と交渉してもらえます。給与をはじめとした勤務条件に関しても自分でするよりもプロのコーディネーターにまかせて安心です。
転職エージェントを活用するコツは複数登録
転職エージェントはそれぞれ別々の非公開求人を持っています。
複数に登録することで、自分によりピッタリの非公開求人に出会える可能性が高まるでしょう。
複数の転職エージェントに登録してみると、求人の傾向が異なることがわかります。
大手チェーン薬局、地元の人が経営する薬局、総合病院など、自分が転職したい職場を得意としている転職エージェントをメインに使うようにしましょう。
コーディネーターとの相性
メインとする転職エージェントが決まったら、コーディネーターとの相性も大事です。
どんなことでも相談しやすい人を選ぶようにしましょう。
もしも「合わないな」と思ったら、担当を変えてもらうこともできるので、遠慮せずにリクエストしてください。
薬剤師がブランクから復帰するおすすめの勉強法
まずは保険制度と法改正を勉強する
ブランクを埋めるための勉強は、網羅的にというよりも、いかにポイントをおさえるかが大事です。
休職中に特に取り残されがちなのが、2年ごとの保険制度や法改正に関する知識です。
ジェネリック医薬品の登場により、ますます複雑化している昨今、つねに最新情報をチェックするようにしましょう。
患者目線の知識を蓄える
家事などの隙間時間で勉強するには「患者さんが知りたいことは何か?」と逆算して、要領よく知識を蓄えることも大事です。
もしも自分や家族が受診したら何を知りたいか考え、項目を順位付けして最優先と思われるところから勉強していきましょう。
サイトや情報誌を活用する
家事の隙間時間などにいつでも勉強するには、次のようなサイトや情報誌が役立ちます。
薬事日報
薬事日報は薬業界の業界紙で薬事日報ウェブサイトでは薬業界の業界紙で最新情報をチェックできます。
研修会、セミナーなどの記事も満載です。
保険調剤の手引
各都道府県が発行している調剤のためのルールブックです。
最新の保険請求の仕組みを理解し、いつでも会計や問い合わせ業務に対応できるようにしておきましょう。
復職支援プログラムを利用する
一人で勉強を続けているとモチベーションが保てないこともあります。
そんな時は、次のような公益財団法人などが実施している復職支援プログラムに参加して刺激を受けるのも良いでしょう。
日本薬剤師研修センター
日本薬剤研修センターは、薬剤師の生涯学習を支援し推進することを目的に設立された公益財団法人です。
インターネットを活用したe-ラーニング研修などもあり、自宅で学ぶこともできます。
日本女性薬剤師会
日本女性薬剤師会は女性薬剤師がワーク・ライフ・バランスを達成することを推進する社団法人です。
薬剤師継続学習通信教育講座では、最新医療についてしっかりと学べます。
薬剤師がブランクから復帰する方法やおすすめ勉強法まとめ
最後に、今回の記事のおさらいをしましょう。
- 薬剤師はブランクがあっても復帰できる。
- ブランクの目安は2年。できれば1年以内の復帰が望ましい
- 10年以上空いていても復職できることもある
- 転職エージェントを活用すれば、高待遇・高収入の非公開求人を紹介してもらえることも!
薬剤師の資格があれば、たとえアルバイトやパートでも、一般的な事務職会社員よりも稼ぐことも十分に可能です。
家庭と仕事を両立しつつ、なおかつ趣味の時間なども確保しながらの復帰も夢ではありません。
休職中にもしっかりと勉強を続けて、ブランク明けの復帰を成功させましょう。