薬剤師で年収800万を得るには?4つのポイントを紹介

薬剤師年収800万

薬剤師の平均年収は400~500万ですが、実は求人や転職サイトによっては年収800万の条件で転職することは十分に可能です。

今回はそんな薬剤師で年収800万の求人を探す方法や必要なスキル、実際に年収800万円を提示している求人情報をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

薬剤師で年収800万円を稼ぐ4つの方法

厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査(平成30年度)」によると、薬剤師の平均年収は男性で約530万円、女性で約490万円となっています。

しかし、薬剤師でも年収800万円を得ることは可能です。その方法は次の4つです。

  • 薬剤師の転職サイトで年収800万円という条件で検索する
  • 転職サイトで地方の求人を探す
  • ラウンダーの求人を探す
  • MRや医療機器の営業職を探す

では、ひとつずつご説明していきます。

薬剤師の転職サイトで年収800万円の求人を検索する

薬剤師の転職サイトではさまざまな条件を設定できるようになっています。その中で給料に関する条件をチェックします。

たとえば「薬剤師求人.com」という転職サイトで、希望条件のフリーキーワード欄に「年収800万円」と入力して検索します。

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その結果、全国で年収800万以上の薬剤師求人が約600件もあることがわかります。

実際に見かけた高額求人の例

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こちらは熊本県熊本市にある薬局の求人で、「経験や能力を考慮して最大で800万円」が可能となっています。

詳細はこちらです。

■業種 調剤薬局
(脳神経外科の門前で内科、脳神経外科の処方箋を1日約100枚応需
■正社員
年収 480万円~800万円
※経験・能力等を考慮の上決定

こちらも同様で島根県の求人がヒットしました。

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現職で年収800万になるまで残業をする

転職をしたくない場合は、現職での残業を増やして年収800万を目指すという方法もあります。

もちろん無駄な残業をすれば会社から怒られるので、必要のある残業を行いましょう。

ただ残業時間は法律で月45時間までと定められているので、残業をしても年収800万に届かない場合は転職をするしかないでしょう。

また、身体的な負担を考えても、大量の残業をして年収800万を目指すより最初から年収800万に近い条件で雇用される職場に転職した方が楽です。

休日出勤をする

転職をしたくない場合、休日出勤をして給料を増やすという方法もあります。

ドラッグストアのように、土日祝日が休みの職場でなければ、人手不足なのも相まって休日出勤は歓迎されるでしょう。

また、休日出勤は特別手当がつくので効率がよく、会社によっては残業で年収800万を目指すよりもリスクが低いです。

ただ今度は過労死やうつ病などのリスクが出てくるので、できればより給与の高い職場に転職した方が安心でしょう。

キャリアアップで役職をつける

時間はかかりますが、管理薬剤師や薬剤部長になり、昇給や役職手当により年収800万を目指すという方法もあります。

また、給与が安い傾向にある病院薬剤師は難しいのですが、ドラッグストア薬剤師であれば40歳くらいまで勤続すると年収800万に届く企業もあります。

副業を始める

副業OKの職場であれば、ダブルワークにより年収800万を目指すのもおすすめです。

特に最近は副業を解禁している職場が増えているので、パートや派遣薬剤師で休日に副業をすることで年収800万を目指しやすいです。

また、その他にも薬剤師のスキルを活かして、在宅でWEBライターなどを副業として始めるのも良いでしょう。

薬剤師の転職で年収800万を狙える職種

ラウンダー職

「ラウンダー」とは、複数の薬局やドラッグストアを掛け持ちして巡回する仕事です。

巡回先では薬剤師としての仕事をすので大変ですが、一般の薬剤師よりも報酬は高くなっています。

ラウンダーの求人例

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有名薬剤師サイトであるファルマスタッフの検索画面で「雇用形態・給与」から希望の条件を入力します。

そこに「正社員」にチェックを入れ、「年収700万円~」を選択します。すると800万以上の求人はないものの、高収入である700万~の求人が数多くヒットします。

ラウンダーとして活躍できるだけでなく、将来独立したい人や経営・管理職を目指したい人にもおすすめです。

ファルマスタッフでは他にもラウンダーの求人が多く掲載されているので、地域別に探してみるといいでしょう。

MRや医療機器の営業職

MR(Medical Representatives)は製薬会社に勤務し、医療機関を訪問して医療情報を提供する仕事です。自社の医薬品の情報提供が中心ですが、売り込み営業ではなく医薬品の適正な使用方法や安全性を伝えるという大切な役目があります。

また、最新の医療業界の情報提供を行うほか、医療現場の医師や薬剤師の声を自社にフィードバックするという役割も担っています。

MRになるには薬剤師の資格は必要ありませんが、薬剤の知識があることはMRとして働く際に大きなメリットとなります。

また、製薬会社の社員という立場を通して医療機関の医師や薬剤師、看護師との交流が持てます。医療業界や医薬品業界全般のしくみを知ることができるため、将来薬局経営を考える人にとっても有益な働き方だと言えます。

MRの求人例

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MRの求人は年収が高いことで知られています。いくつかの例をご紹介します。

大手転職サイト「DODA」でMRの求人を調べたところ、下記のような求人が見つかりました。

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この求人の詳細は次のようになっています。

■応募資格:MR経験者
■給与 月給制
基本給345,000円~654,000円
手当込みで445,000円~654,000円
■昇給:能力成果制度での評価年2回
■入社時の想定年収
年収400万円~(未経験者の場合 ※MR認定資格取得後は変わります)

■社員の年収例
入社3年目(MR経験者)28歳:年収642万円(各種手当込み)
入社5年目(MR経験者)33歳:年収712万円(各種手当込み)

こちらもMRの求人です。

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■応募対象者:MR経験者、またはMR認定資格をお持ちの方、何らかの営業経験2年以上ある人
■給与:年俸制(450万円~750万円)
経験・能力等を考慮し、規定により決定
■入社後の想定年収:24歳/MR経験1年 年収450万円
32歳/オンコロジーMR経験5年 年収750万円

医療機器の営業もおすすめ

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医薬品とはジャンルが異なりますが、dodaなどで検索をすると医療機器の営業の求人も年収850万円が可能となっています。

医薬品ではなく医療機器の営業ですが、海外勤務もあり医療業界に貢献できるやりがいのある仕事です。

地方や僻地の薬剤師

その他にも、青森県や栃木県などの地方に出ている求人は最初から年収800万円相当の条件で求人が出ています。

これは地方なので中々応募者がいなかったり、一人薬剤師となる苦労を加味した年収となっています。

地方で働ける人でなければ難しいですが、副業や休日出勤をすることなく年収800万を達成することが可能です。

また、地方だと派遣薬剤師で時給5~6,000円という求人も多いので、正社員以外の働き方もおすすめです。

薬剤師が年収800万の転職をする際の注意点

ハローワークには年収800万円以上の求人が皆無

このように大手転職サイトを利用することで高収入の求人を見つけることができますが、ハローワークではこのような高額給与の求人はほとんどありません。

実際、ハローワークの求人検索画面で職種を「薬剤師」に指定し、「年収800万円以上」を入力して検索したところ、「ご希望の条件に合致する情報は見つかりませんでした」と出ます。

つまり、ハローワークで800万以上の求人は一件も存在しないということです。

ちなみに「年収700万円以上」で検索したところ、1件だけ見つかりました。

薬剤師_年収800万_求人10
大手転職サイトであれば年収700万以上の薬剤師求人は大量にあるので、ハローワークで年収700万円以上の求人を探すのは無謀ということがわかります。

薬剤師で年収800万円に転職するために必要な経験やスキル

薬剤師で年収800万円の転職を成功させるためのスキルとしては次の4つがあるといいでしょう。

  • 薬剤師としての経験(MRの場合はMR経験や営業経験)
  • コミュニケーション力
  • やる気や向上心
  • 語学力(外資系企業や海外転勤がある場合)

最低でも2~3年の実務経験(MRの場合はMR経験や営業経験)

薬剤師の資格は持っていても未経験の人がいきなり年収800万円を目指すのは困難です。

薬剤師の求人には新卒や未経験者歓迎というものがたくさんあるので、まずは何年か経験を積んでおきましょう。

その上で自分の希望に見合う求人に応募するのがおすすめです。

MRで年収800万円を目指すなら経験が必要

MRも同様で、未経験者がいきなり年収800万円を獲得するのは不可能です。

まずはMRとして何年か経験を積む、または他業界の営業経験を積むことが大切です。

優れたコミュニケーション力

薬剤師としての業務には薬の管理や処方箋に基づいて調剤する調剤業務のほかに、患者さんに薬の飲み方などを説明する「服薬指導」があります。また、医師とのやり取りもあるためコミュニケーション力は欠かせません。

高額給与の求人の中には「年収800万円も相談可能」と提示しているところがあります。そういった求人に応募する際には、いかに自分をアピールするか、そして年収の交渉をするかが重要なカギになります。

「自分を売り込む」という営業力や相手の言い分を聞くといったコミュニケーション力が必要になります。

ただ、こういった能力はいきなり身につけることはできません。日々の生活や仕事の中で磨いていきましょう。

ちなみにマイナビ薬剤師などのサイトでは、給与や年収などの条件交渉を代理で行ってくれます。スキルはあるけどアピールは苦手、という方はこういった転職サイトを利用してみるのも手でしょう。

高いやる気や向上心

新人薬剤師の場合は職場の指示に従って働くというケースがほとんどですが、年収800万円の求人では管理職や店長として有能な人を求めています。

1店舗だけを任される場合もあれば複数の店舗を掛け持ちするラウンダーという働き方もありますが、いずれにしても単なる従業員ではなく、売上を伸ばす管理者となるやる気や向上心を持つことが重要です。

外資系で通用する語学力

外資系製薬会社のMRとして働く場合や、海外赴任の可能性がある企業に転職する場合は語学力が必要です。

また近年はインバウンドで海外からの来店者が増えるため、ドラッグストア勤務でも語学力が求められるようになっています。

採用条件にはなくても、英語や中国等を喋れるのは年収面でプラスになりますので、一定の語学力を高めておくといいでしょう。

薬剤師で年収800万円を達成する方法まとめ

残念ながら薬剤師として年収800万円を得ることは簡単ではありません。しかし、一定の経験やスキルさえあれば薬剤師転職サイトで「高額給与」などの条件を設定して検索すれば、数百件の求人が出てきます。

特に地方の薬局・ドラッグストアの求人、また複数店舗を掛け持ちするラウンダーの求人は年収800万を超えているケースが多いので、年収800万以上への求人を目指すなら狙わない手はないでしょう。

薬剤の知識を活かして製薬会社でMRとして働く場合も高給が期待できます。ただし、この場合は経験者が優遇されるため、まずは新人MRとして経験を積んでから年収800万円の求人にチャレンジするといいでしょう。

なお、800万の求人は誰でも閲覧できる公開求人でなく、無料会員登録をすると閲覧できる非公開求人でよく見られます。

転職サイトは完全無料で利用でき、給与交渉などのサポートも受けることができますので、うまく活用して年収800万以上での転職を実現しましょう。