派遣薬剤師は時間の融通が効いて働きやすい上に時給も破格なので、近年は高い人気を集めています。
しかし未経験で派遣薬剤師を始める場合は知っておかなければいけない注意点が存在するので、それらを解説しつつ未経験の派遣薬剤師のメリットデメリットも紹介しています。
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派遣薬剤師はデメリットもあるがおすすめ
結論から言うと、派遣薬剤師は確かデメリットも多いですが、子育てや介護をしている方や、諸事情で週5日8時間労働ができない方などにはおすすめの働き方となっています。
また、実務経験があると有利なのは間違いありませんが、資格保有者であれば未経験でも派遣薬剤師になることが充分に可能です。
と言っても派遣先によって条件は違いますし、人材派遣会社も未経験OKの求人案件が多いところと少ないところがあるので、未経験で派遣薬剤師を目指す方は未経験OKの求人案件が多く、しっかりサポートをしてくれる人材派遣会社を選びましょう。
派遣薬剤師のメリット
バイトやパート薬剤師より時給が高い
派遣薬剤師で働く一番のメリットとも言えるのが時給の高さです。
もともと、薬剤師はパートでも2,000円を超える時給が一般的で、普通のパート時給と比べても断トツに高くなっています。
しかし派遣ともなれば、最低でも時給3,000円、スキルや資格の種類によっては時給4,000円以上の求人案件もたくさん見つかります。
これだけ時給が高いのは、今いる薬剤師ではシフトが埋まらない、即戦力となる人材が欲しいなど、とにかく早く薬剤師を雇いたいという事情があるからです。
地方なら正社員以上に稼ぐことも可能
派遣薬剤師として働けば、正社員と同じ労働時間であっても高額な月収を得ることができます。
また、企業によってはボーナスが出るところもあるので、年収でも正社員に引けを取りません。
正社員のような縛りがないのに、これだけ効率よく収入が得られるのは派遣薬剤師ならではメリットです。
いろいろな職場で働ける
派遣薬剤師はいろいろな職場で働くことができます。
病院や調剤薬局はもちろん、ドラッグストアや福祉施設、最近は高齢者の施設でも派遣薬剤師を雇っているところもあります。
薬剤師の仕事は派遣先によって微妙に違いますし、病院でも科目によって扱う薬の種類も異なりますので、いろいろな職場で働くことでその職場でしか身につけられない知識を習得できます。
調剤以外の知識が身に付くことで今後の転職の選択肢も広がりますし、自分がずっと働きたいと思える職場も見つかるかもしれません。
自由な働き方をしながらもスキルや経験を積み上げていけるのは、派遣薬剤師ならではのメリットといえるでしょう。
派遣期間が決まっているのでストレスが溜まりにくい
正社員として働けば安定した収入が得られる、福利厚生が受けられるなどのメリットがあります。
しかしスタッフ同士の中が悪かったりパワハラ上司がいたり、職場の環境が悪いとストレスも溜まります。
さらに正社員の場合はたとえ嫌なことがあっても人間関係が合わないとしても、簡単に辞めることはできません。
おまけにいざ辞めようとしても人手不足になるため、なかなか辞めさせてもらえないこともあります。
一方で派遣薬剤師というのは働く期間が決まっていますから、嫌な職場であっても契約が終了すればすんなり辞められます。
どれだけ合わない人間がいても派遣だしそのうち二度と会わなくなる、と割り切ってしまえばストレスも溜まりにくいでしょう。
ストレスは万病の元とも言われますから、そのストレスを感じることなく高額な時給で働けるのは大きなメリットです。
プライベートを優先できる
仕事よりもプライベートを優先出来るのも、派遣薬剤師のメリットの一つでしょう。派遣の場合は一日の勤務時間が決まっており、また出勤日数も毎日ではなく一週間のうち数日という働き方も可能です。
正社員のように毎日朝から晩まで働くという勤務形態ではないので、しっかりとプライベートな時間を確保出来ます。
また急な残業や休日出勤なども基本的には発生しないですし、万が一頼まれたとしても派遣であれば断りやすいでしょう。
このようにプライベートな時間をしっかりと確保出来るのも派遣の魅力なので、仕事以外の時間を大切にしたい方にはおすすめです。
責任が軽いので気楽
派遣の場合は、業務内容も決まっている場合が多いです。例えば正社員であれば薬剤師としての本業だけでなく、後輩や部下の指導、店舗の売上や現金の管理など多くの業務をこなさなければいけません。
一方で派遣の場合は基本的には本業のみを行っていれば良く、正社員に比べると仕事の責任は軽いでしょう。
そのため精神的負担が少なく気楽に働けるのも、派遣薬剤師のメリットです。
売上目標を達成しなければならないというプレッシャーや、部下や後輩の指導といった精神的負担がないので、快適に働けるのも派遣薬剤師の特徴です。
人間関係や環境が苦痛な時に辞めやすい
気楽に働きやすいのが派遣のメリットですが、それでも職場の人間関係や環境が苦痛に感じる事もあるでしょう。
しかしそのような時でも、派遣であれば辞めやすいのもメリットと言えます。正社員であれば仕事の責任が重い場合もあり、職場が辛くても簡単には辞められず精神的に参ってしまう事もあります。
その点派遣であれば、派遣会社の担当の方がフォローしてくれるので人間関係などで悩んだ場合は相談しやすいです。
また万が一合わなくて辞めてしまった場合でも、次の派遣先を紹介してもらえるでしょう。このように嫌な職場や人間関係が合わない場合でも、無理に我慢しなくて良いのも派遣の特徴です。
残業がないor少ない職場が多い
派遣の場合は勤務時間や業務内容が決まっている事は先ほども説明した通りですが、そのため残業が無いか、あったとしても正社員ほど多くはない職場が多いでしょう。
また急な業務が発生して残業が必要になった場合でも、派遣の方には依頼をしない職場も多いですし、対応が難しければ断っても問題ありません。
ここまで説明してきたように、どんな業務でもこなさなければならない正社員と違って、派遣は契約で決められた業務内容と勤務時間で働く事が出来ます。
そのため重い責任を追ったりする事なくプライベートを大切にしながら働けるのが、派遣の特徴です。
派遣薬剤師のデメリット
新しい仕事をやらせてもらえない
医療機関の仕事は進化が早く、1か月前にはなかった仕事が新たな分野として進出していることがあります。
薬剤師の仕事も同じで、ただ調剤をするというだけが仕事ではありません。
たとえば薬剤師の新しい仕事として最近増えているのが、高齢者や在宅医療を行っている人への配薬を行う在宅訪問対応です。
在宅訪問対応は薬の効き具合やどういった服薬方法が良いかといった、薬剤についての知識を広げられる貴重な仕事です。
しかしこれは一人で配薬を行うため、責任の所在が問えない派遣薬剤師は任せてもらえません。
新しい仕事をやらせてもらえないというのは将来を考えると不安が大きいので、スキルアップや経験を積みたい方にとってはデメリットといえるでしょう。
社会的な信用が正社員よりも低い
薬剤師は国家資格なので新卒でも比較的高額な給与がもらえますし、長く勤めていれば収入もどんどんアップします。
そのため一般的には正社員で働くのが当たり前というイメージをもたれることが多いです。
その弊害で待遇の良い正社員ではなく派遣で働いていると聞くと、社会的な観点からみるとネガティブなイメージをもたれやすいのがデメリットです。
薬剤師として働いている人であれば派遣の方が自由が効いて好待遇というのを理解していますが、知らない人からすると「何かあって派遣になったのでは」と思われてしまいます。
普段の生活で困ることはありませんが、家を買う、クレジットカードを作る、車を買うといった社会的な信用が必要になる場面では不要な誤解を招くこともあるので注意しましょう。
基本的にボーナスがない
派遣薬剤師は派遣先に雇われるのでなく、あくまでも雇用元は登録している人材派遣会社になります。
そして人材派遣会社はボーナスを支給しないので、当然ですが派遣薬剤師にボーナスは出ません。まとまったお金が欲しいという方にとって、ボーナスがないのはデメリットと言えるでしょう。
ただ最近は正社員薬剤師であっても業績次第でボーナスが出ないこともありますので、毎月きちんと高額な月収をもらえる派遣薬剤師の方が得しているケースもあると言えるでしょう。
人手不足で忙しい職場が多い
派遣は派遣先の企業から依頼を受けた派遣会社が、人材を派遣します。
つまり派遣先の企業は人手が足りていないから、派遣会社に依頼をする訳ですから、派遣先は忙しい職場が多いです。
時給の高い派遣を雇わなければならないほど人手が足りておらず、職場によっては業務量がかなり多い場合もあります。
また調剤薬局やドラッグストアの場合などは、同じ会社であっても店舗によって忙しさも大きく違います。
同じ時給であったとしても派遣される店舗によって、忙しさも大きく違います。このように派遣先によってはかなり忙しい場合がありますが、派遣薬剤師は派遣先を選ぶ事は出来ません。
派遣で働く場合は忙しい職場が多い事も、デメリットの一つと認識しておきましょう。
派遣薬剤師を下に見る人間が存在する職場がある
派遣先の職場にもよりますが、派遣先の企業の社員の中には、派遣薬剤師を下に見る人がいる場合もあります。派遣という働き方は今や確立されていますが、古い考えの人には理解が出来ない場合もあるでしょう。
また短期でいなくなってしまう事もあるので、どうしても下に見てしまうという人もいるかもしれません。
そのため派遣先の職場では、人間関係があまりうまく行かない場合も少なくありません。
どうしても環境が悪く我慢出来ない場合は、無理に我慢する事なく派遣会社の担当などに相談するようにしましょう。
このように派遣先の人から下に見られてしまう場合もあるのが、派遣のデメリットの一つです。
契約期間が決まっているので安定感がない
派遣薬剤師として働く場合、契約期間が決まっています。契約期間は6ヵ月とか1年程度の場合が多く、必ずしも契約が更新される訳ではありません。
どんなに仕事を頑張って、周りと馴染んでいたとしても、派遣先の都合で更新されない事も珍しくないでしょう。
万が一契約が更新されなければ、また派遣先を探し直す必要があります。すぐに次の派遣先が見つかれば良いですが、次が決まるまでに時間が空いてしまうとその間が収入がなくなってしまいます。
このように派遣薬剤師は契約期間が決まっているため、安定感がない事はデメリットです。
求人の想定年収より実際の年収が低い事がある
派遣に応募する際におおよその年収が提示されている場合がありますが、実際の年収は想定年収を下回る事があります。
想定年収は前提として、1日8時間勤務×22日×12ヶ月を時給換算で算出しています。
そのため実際の勤務が週3回だったり、また1日4時間だったりすると想定年収を大きく下回るでしょう。
また1日8時間勤務をしたとしても、年間休日が120日あるとすると実際の稼働日数は1ヵ月で20日程度になります。
そのため22日稼働を前提としている想定年収よりも、どうしても下がってしまいます。このように派遣の場合の年収は想定なので、実際稼働時間によっては下がってしまう場合が多いです。
派遣薬剤師のデメリットへの対処法
派遣薬剤師はプライベートを大事にしながら気楽に働けるメリットがある一方で、先ほど説明をしたように様々なデメリットがあります。
しかしデメリットの中には、適切な対処法を取る事で解決できるものもあります。
ここでは派遣薬剤師のデメリットに対する対処法を紹介していくので、デメリットが気になる方は参考にして下さい。
人間関係など職場のデメリットは派遣会社に伝えれば解決する
いくつかあるデメリットの中でも、職場の人間関係に関する事は気になる方も多いでしょう。
派遣薬剤師を下に見るような人がいる職場だと、どうしても人間関係が悪かったり、ひどい場合はパワハラなどが行われる職場があるかもしれません。
このような人間関係に関するデメリットについては、派遣会社の担当者に相談する事で解決出来ます。
派遣会社の担当者は派遣薬剤師が派遣先で快適に働けるようにする事が仕事なので、理不尽な扱いを受けている場合などは派遣会社と話してくれたりします。
それでも解決しない場合は派遣先を変えてもらったり、派遣先の部署を変えてもらったりという方法もあります。
このように職場の人間関係に関するデメリットは、派遣会社に相談するようにしましょう。
周囲に気を使って我慢をしてしまうのは精神的にも良くありませんので、一人で抱え込まないようにする事が大事です。
安定感や勤務日数の問題は正社員になるのが最善
派遣のもう一つの大きなデメリットが、やはり雇用に安定感がない点でしょう。どんなに仕事を頑張って周囲からの信頼が厚くても、派遣先の都合によって契約が切れてしまう事があります。
また勤務日数の関係で、想定年収よりも実際の年収が下がってしまう事もあります。
このような雇用や収入面に関するデメリットの対処法が、正社員になる事です。正社員であれば契約切れで職を失う事もないですし、勤務日数によって収入が変わる事もありません。
しかし正社員になることでデメリットは解決出来ますが、プライベートを大事にしながら気楽に働けるというメリットが無くなってしまう点には注意が必要です。
派遣薬剤師で勘違いされがちなデメリット
派遣薬剤師のデメリットについては紹介しましたが、派遣に関するデメリットには勘違いされているものも多いです。一般的に派遣と聞くとイメージされるデメリットの中でも、勘違いされており実際にはデメリットではない点をここでは紹介していきます。派遣に対するイメージが変わる内容でもあるので、派遣に興味を持っている方はぜひ確認して下さい。
福利厚生がないor乏しい
派遣で働くと聞くと、福利厚生がいっさい無いイメージを持っているかもしれませんが、そうではありません。派遣で働く場合は、派遣先ではなく派遣会社と雇用契約を結ぶ事になるので、派遣会社の福利厚生が適用となります。
そのため派遣だと福利厚生がいっさい無いというイメージは間違っています。
ではどのような福利厚生が適用になるかは、利用する派遣会社によって違います。一口に複利厚生と言っても、福利厚生には下記の2種類があります。
- 法定福利厚生
- 法定外福利厚生
法定福利厚生は社会保険や労働保険のような、法律で規定されている福利厚生のことで、どの派遣会社であっても適用となります。
法定外福利厚生は、例えば休暇制度や資格取得支援、交通費などの他にも、レジャー施設の割引や社員食堂などがあります。
法定外福利厚生がどこまで充実しているかは派遣会社によって違いますが、充実している派遣会社も少なくありません。
例えばビジネスマナーなどの研修制度や、交通費をしっかりと支給してくれる派遣会社もあります。
また産休育休の制度を準備してくれている派遣会社もあるので、派遣会社を選ぶ際には参考にすると良いでしょう。
一度派遣になると正社員になれない
一度派遣社員として働くと、正社員に慣れないというイメージも間違っています。
例えば子育ての時期だけ派遣薬剤師と勤務して、その後は正社員として働いている方も大勢います。
派遣と聞くと、正社員で働けなかった方が仕方なく選んでいる働き方というイメージがあるため、このような間違ったイメージがあります。
実際には派遣から正社員へとなる方が多く、特に薬剤師のように専門の資格を持った方であれば就職に苦労する事は少ないでしょう。
しかし派遣に対して間違ったイメージを持っている古い考え方の人も、少なからずいる事は認識しておきましょう。
サービス残業させられる
派遣は契約で労働時間が決まっているため、その分サービス残業をさせられるというイメージも間違っています。
メリットでも説明したように、労働時間は契約で決まっており、サービス残業どころか残業も無い職場が多いです。
そもそも現在では「働き方改革」や「ワークライフバランス」と言った考え方が定着しており、正社員でもサービス残業は禁止されています。
このように多くの企業で残業が禁止されているので、派遣だからと言ってサービス残業をさせられる事はありません。
派遣薬剤師のデメリットを気にする必要がない人
ここまで説明してきたように、派遣薬剤師として働くにはメリットがある一方でデメリットもあります。しかしデメリットをあまり気にする事なく、派遣として働く方が向いている方もいます。派遣としてのデメリットを気にする必要のない方は、どのような方でしょうか。
ママ薬剤師
子育て中のママ薬剤師は、派遣薬剤師として働くには向いていると言えます。特に子供が小さい間は急に体調を崩して休んだり、またお迎えの時間があるのでどうしてもプライベートの時間を優先する必要があるでしょう。
そのため時短勤務などが自由な派遣薬剤師は向いていると言えます。
家庭にもよりますが共働き世帯なのであれば、雇用が安定していなかったり収入が少ないというデメリットも、夫婦間でフォローし合えるでしょう。
子育てがある程度落ち着いたら、正社員として働き始めるという方法も可能なのも、派遣の良い点です。
介護や家庭の事情がある薬剤師
ママ薬剤師と理由は似ていますが、介護などで家庭を優先させる事情がある薬剤師にも派遣は向いていると言えます。
子育て同様に病院への送り迎えや、体調の急変による突発的な休みなどが発生するので、ある程度勤務時間の自由の効く派遣の方が働きやすいでしょう。
また介護の場合は子育てよりも精神的な負担が重い場合もあるので、余計に責任の軽い業務が中心の派遣の方が向いています。
ただし職場によっては人間関係などが良くない派遣先もあるので、環境が良くない場合は派遣会社に相談するようにしましょう。
ブランクのある薬剤師
出産や子育てなどの様々な事情で、しばらく薬剤師の仕事を離れていた方が、復帰する際にも派遣薬剤師は向いています。派遣であれば責任の重たい業務はしなくて済むので、徐々に仕事に慣れていきたい方にはピッタリです。
ただし派遣先の職場によっては人手不足で忙しい場合もあるので、不安のある方は事前に派遣会社に希望を伝えておくようにしましょう。
また派遣会社によっては、ビジネスマナーなどの研修制度が充実している先もあります。
更に派遣会社の担当の方が、派遣先で働き始めた後もしっかりとフォローしてくれるので、ブランク明けの方でも安心して仕事が始めやすいでしょう。
自由に働きたい薬剤師
雇用の安定や社会的責任よりも、プライベートを優先しながら自由に働きたいという方にとっても派遣薬剤師はおすすめです。
このような考え方の人にとっては、派遣のデメリットである雇用の不安定さや社会的信用などはあまりデメリットと感じないでしょう。
精神的な負担が少なく決められた時間内で稼げる派遣薬剤師であれば、プライベートの時間をしっかりと確保する事が出来ます。
他にやりたい事のある方や、副業的に薬剤師を行っていきたい方にとっても派遣薬剤師はおすすめです。
初めて派遣薬剤師になる際の注意点
普通の薬剤師と環境や働き方が大きく異なる
派遣という雇用形態は、病院勤務や調剤薬局勤務と働き方がまったく違うというころをきちんと理解しておきましょう。
派遣薬剤師を雇用している企業は薬剤師の在籍数が少なく、派遣を活用して人手不足を補うことが目的なので、毎日同じリズムで仕事が進められる職場とは環境が異なります。
また、実務経験がある薬剤師の場合、派遣されたらすぐに戦力として働く必要があります。
そのため、今までよりも仕事がハードになった、忙しくて残業が多いなど思っていた労働環境とは違っているかもしれません。
研修制度の有無は必ず確認する
薬剤師としての実務経験が少なかったり、初めて派遣をするという場合、研修制度がきちんと整備されている求人案件を選ぶことが重要です。
先輩薬剤師のサポートがあるとしても、経験はあまり考慮されず最初から即戦力としての扱いになるので、ハードな環境で働かなくてはいけません。
しかし研修制度がある場所であれば、研修を受けたうえで働けるので不安や戸惑いもなくスムーズに仕事に慣れていけます。
よく確認して職場の内部事情や研修の内容を把握している薬剤師派遣のコーディネーターから情報を聞き出し、大丈夫そうかをしっかりチェックしてから応募するのがベストです。
派遣のメリットとデメリットをしっかり理解しておく
大手で安心できる派遣会社を選ぶ
派遣で働くには、薬剤師求人を取り扱っている人材派遣会社に登録する必要がありますが、ここで重要となるのが人材派遣会社のサポートの質です。
サポート体制が整っている会社であれば派遣先の紹介だけではなく、教育制度が完備の有無を調べたり派遣先との給与条件の交渉などを任せることが可能です。
そのため初めて派遣薬剤師に挑戦する方でも失敗しません。
逆に人材派遣会社はどこでも同じと思って適当に選んでしまうと、希望と違う条件や派遣のメリットが得られないことがあるので注意してください。
安易に高時給の仕事を選ばない
高収入を得るために派遣薬剤師を目指している方は、少しでも高い時給の派遣先を選ぶのが一般的ですが、初めての派遣先は平均に近い時給を選びましょう。
なぜ美味しい高額な時給の派遣先を避けた方がいいのかというと、時給がずば抜けて高いということはそれだけ人手不足が深刻だったり、環境に問題があって皆すぐに辞める職場の可能性が高いからです。
派遣薬剤師として慣れているのであれば忙しい職場でも対応出来るかもしれませんが、初めての場合は派遣という雇用形態で働くことに慣れるまでに時間がかかります。
そこに忙しさや緊張感のある職場という状況が重なると、うつ病などになってしまい仕事を続けるのが困難になってしまいます。
仮に平均的な時給であっても派遣薬剤師は充分に高収入を得られますから、焦らずにそこで仕事を覚えてからより高時給の派遣に切り替えていった方が、肉体的にも精神的にも無理なく働けるようになります。
派遣薬剤師のメリット・デメリットまとめ
今回は派遣薬剤師をする際に知るべき注意点やメリットデメリットについて紹介しました。
派遣薬剤師を募集している企業はどこも1日も早く人手が欲しいという職場環境なので、未経験でもOKであったり募集条件も普通の薬剤師より好待遇になっています。
しかし裏を返せば人が全く足りていない状態ですから、働いてみると残業が多かったり休日出勤が必要だったり、記載されていた条件とは違う労働環境の場合もあるのも事実です。
また、雇用契約と実際の現場の状況にずれもあるので、未経験の派遣薬剤師として働くのであれば薬剤師派遣会社のコーディネーターと相談し、教育制度やサポートが充実している職場を選びましょう。
相談するのは少し面倒かもしれませんが、サイトによっては事前に職場環境の情報を入手できたり、待遇や条件に関して派遣先と交渉したりしてくれます。
それに薬剤師転職サイトはどこも完全無料で利用することができますので、派遣の失敗やトラブルを事前に防ぐためにも必ず相談をしてから活動を始める事をオススメします。