薬剤師の方々が活躍できる職場は決して病院や薬局だけではありませんよね。
一般企業も薬剤師の方々が活躍できる大きなビジネスフィールドであり、薬剤師の方々に対する企業からの求人ニーズも年々増加、拡大傾向にあります。
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企業薬剤師とは?勤務体制や勤務時間は?
企業薬剤師の勤務体制や勤務時間は勤務先企業や仕事内容によって事情が異なってはくるものの、一口で言うなら企業に勤務する一般のサラリーマンと同じ、と考えれば良いでしょう。
その上で、一般サラリーマンがそうであるように、企業薬剤師もそれぞれの仕事において繁閑の波というものがあります。
つまり企業薬剤師は一概に忙しいだとか、だいたい定時に帰ることができる等、断定できるものではないということです。
例えば臨床開発に関わっている企業薬剤師なら、治験が大詰めの段階にきているという場合には長時間の残業や、場合によっては休日返上で勤務しなければならない場合もあります。
その上で、一般的な傾向として企業薬剤師は病院や薬局の薬剤師よりは残業時間は少ない傾向にあります。
病院や薬局は基本的に当日受理した処方箋をさばかない限り業務終了とはなりませんので、処方箋の数が多い日には自動的に残業となってしまいます。
その点で企業薬剤師は、営業関係を除けば顧客事情によって勤務時間を左右されることはあまりないため、あくまで比較的という表現になりますが、病院や薬局より残業時間は少ない傾向にあります。
また、休日については救急対応を行っている病院に勤務している薬剤師の場合にはシフト制が基本となり、土日等の決まった曜日に必ず休日が取得できるとは限らない場合もあります。
同様に門前薬局も近隣の病院の営業時間に合わせて営業する必要があることから、土日が休みとならない場合もあります。
その点で企業薬剤師は一般サラリーマンと同じ立場ですので、土日は通常休みとなる場合が多くなります。
企業薬剤師の平均年収はどれくらい?
企業薬剤師の年収は職種に応じてだいたいの相場が決まっているというものではなく、あくまで勤務先企業の社員という立場となるため、勤務先企業の規模や勤務先企業における役職、立場によってかなり異なってきます。
また、民間企業では年功序列を柱とした賃金体系を採用している企業が多いため、「年齢」や「勤続年数」によっても年収は変わってきます。
そのため、薬局や病院で「30歳で年収◯◯万」だったからといって、企業薬剤師で同条件の年収を提示することは適切とは言えません。
ただし、企業薬剤師の年収についてはおよそ次のようなことなら言えます。
- 一般的には開発系の仕事より、パフォーマンス次第ながら営業系の仕事の方が年収として高まる傾向がある。
MR等の管理職になれば年収1千万円を超えることも珍しくない。 - 大手製薬メーカーの研究開発職で華々しい成果を挙げれば、高額なボーナスが支給される場合もある。
- 通常転職した場合、年齢にある程度応じた年収からスタートするが、その後の伸びしろが多い点が企業薬剤師の年収の特徴。
大手企業なら病院や薬局と異なりポストも多いため、出世できれば年収を大きく伸ばすことができる。
このように企業薬剤師は他の一般サラリーマンが転職を通じて描くキャリアアップを、資格を有している分、より好条件で狙うことができると言えます。
上手く行けば薬剤師の平均年収を大きく上回る年収1000万超えを目指すこともできるので、高収入を目指す方はぜひ狙うべきと言えるでしょう。
企業薬剤師としてどんな企業から求人があるの?
例えば次のような企業からも求人があります。
- CRO(治験業務を専門に実施している企業)
- サプリメント等で特に機能性表示食品等を開発している健康食品メーカー
- 乳飲料や健康飲料を中心とした飲料メーカー
- 医薬・製薬情報関連の専門書を制作している出版社
- 医薬系のポータルサイトを運営しているIT企業
- 医薬品専門の流通問屋
- コスメ商品の開発メーカー等々
企業薬剤師と働くメリット・デメリットについて
企業薬剤師はご紹介したとおり、薬剤師との仕事の拡がりや可能性を実感できますがメリットだけという訳ではありません。
企業薬剤師にもデメリットはあります。
そこで企業薬剤師の仕事の特徴を整理する意味で、企業薬剤師として働く場合のメリット、デメリットをまとめてみましょう。
企業薬剤師のメリット
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病院や調剤薬局と比較した場合、残業時間が少ない
(研究開発職なら)世界の人々に大きく貢献できる新薬の開発に携われる可能性がある
患者と直接接触する可能性が大きく減るため、患者を通じた感染リスクも大きく減少する
大企業に勤務した場合には、大変充実した福利厚生サービスを利用できる
出世次第で高額年収を実現できる可能性がある
企業薬剤師のデメリット
医薬品を利用する患者と接する機会があまりなくなる。そのため、薬がどのように患者に役立っているかやどのような影響を与えているかなどの経験を得にくくなる。
薬を必要とする患者に寄り添うこともほとんど出来なくなる。
病院や薬局以上に、薬剤師としてより組織の一員として会社のために働くことが求められる。
一定のパフォーマンスがあげられなければ、年収や役職がダウンする場合もある。
企業薬剤師のまとめ
企業薬剤師は業務が大変な一面があり、なるのも難しい分デメリット以上に豊富なメリットがあります。
中でも収入や福利厚生、新薬の開発にも携われるというメリットは調剤薬剤師ではなかなか味わうことができないメリットです。
薬剤師向けの転職・就職サイトには企業薬剤師の案件も多数あるので、試しに無料登録をしてみてはいかがでしょうか。