就職や転職に有利な資格として人気を集めている薬剤師。
今回はその中でも、管理薬剤師に焦点を当てて解説していきます。
現在薬剤師として働いている方や、これから薬剤師を目指す方は必見の内容です。
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目次【クリックして移動できます】
管理薬剤師とは?
管理薬剤師とは、ドラッグストアや薬局などで現場の指揮監督をする立場にある薬剤師のこと。医薬品の販売、製造、取り扱いをする現場には、必ずこの管理薬剤師を配置する必要があるのです。
例えば、薬局の経営自体は薬剤師資格を保有せずとも可能ですが、必ず管理薬剤師を雇って常駐させる必要があります。
また、店舗をまたいで管理薬剤師を兼任することはできず、原則として1店舗に1人の管理薬剤師が必要です。
管理薬剤師になるためには、薬剤師資格の他に特別な資格はいりませんが、薬剤師として3年以上の実務経験が条件となります。
さらに、アルバイトや短時間勤務では管理薬剤師となることは難しく、正社員もしくはフルタイム勤務のパートタイマーだけが管理薬剤師の対象です。
もう少し具体的にいうと、「週40時間以上の勤務」が原則です。
管理薬剤師と普通の薬剤師の違い
管理薬剤師は一般の薬剤師とは、少し仕事の範囲が異なります。
また、待遇も管理薬剤師のほうが恵まれている傾向があります。
体調が悪い時、調剤薬局へ薬をもらいにいきますよね。
また、ドラッグストアに薬を買いに行くこともあるでしょう。
これらの場所には、管理薬剤師がいなくてはなりません。
さらに医薬品の卸売りをする業者や病院、製薬会社にも管理薬剤師が最低一人必要です。
管理薬剤師の年収相場はいくら?
管理薬剤師は、普通上の薬剤師の給料にプラスして手当が支払われますので、年収も調剤薬局勤務であれば500万円台中盤から、上は700万円超まで幅広いでしょう。
手当金額としては毎月5万円前後と考えておけば、平均に近いのではないでしょうか。
年収に換算すると、50万円から60万円前後になりますが、管理薬剤師が不足している場合はより高額な手当てがもらえる可能性もあるでしょう。
管理薬剤師の年収は職場で大きく異る
また、職場の種類によって年収にバラつきがあるのも管理薬剤師の特徴で、例えばドラッグストアは600万円以上と比較的高額です。
これは、勤務時間の長さや扱う商品の多さなど、仕事量が多く負担が大きいことが理由です。
薬局に勤務する場合も同様で、都心部などでは400万円台の求人もあれば、地方では800万円前後までの求人があります。
管理薬剤師が年収をアップさせる方法
一番確実なのは転職
管理薬剤師の年収は、勤務する職場の種類や規模によって大きくかわることが、その理由です。
これは薬剤師に限らず、医師や看護師についても言えることですが、結局は勤務する場所の給与体系によって年収が決まってきます。
例えば、企業に勤務する管理薬剤師の場合、その企業の規模や業績によって年収が大きく変化するのです。
市場価値の上がるスキルを身につける
他にもコミュニケーション能力や薬剤の知識、人材管理や経営管理のスキルもあると年収が上がります。
ただ、スキルを身につけたからといって今の職場だと給与体系以上には中々年収はあがらないです。
そのため、最終的には転職をする必要が出てくるでしょう。
いたずらに年収の数字だけを追い求めるのではなく、自分が対応できる範囲の仕事で最も高い年収を狙うのがベストです。
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管理薬剤師の仕事内容は?
薬剤師と医薬品の管理
管理薬剤師は、医薬品が関係する場所において、薬剤師と医薬品の管理をするのが主な仕事です。
つまり、一般企業における管理職と考えてよいでしょう。
一般の企業でも、業務をまわすスタッフの管理や、商品在庫の管理を担う管理職が存在しますよね。
人と商品の管理をするわけですから、責任のある立場です。
調剤薬局を例にあげると、医薬品の購入と販売の管理、薬事管理、品質管理などが仕事内容に含まれます。
その他、薬剤師や事務スタッフの勤怠管理も必要になるでしょう。
通常の薬剤師の業務に加えて、マネジメント業務が発生する仕事と考えてください。
ただし、勤務する場所によって仕事内容は異なります。
調剤併設型のドラッグストアの仕事内容
ドラッグストアで売られている医薬品などの管理業務と、スタッフの管理業務を行います。
調剤薬局と異なり、ドラッグストアでは、健康食品やサプリメント、日用品なども取り扱っていますよね。
そのため、それぞれの商品に関する知識も必要で、かなり忙しい職場といえるでしょう。
また、管理するスタッフもアルバイトやパートなど雇用形態が異なるため、それぞれの事情を考慮しながらシフト管理をする必要があります。
調剤薬局の仕事内容
調剤薬局では、医薬品の品質管理や在庫管理を行います。
特に在庫管理は重要で、どの薬も在庫切れを起こさないよう細心の注意が必要です。
仮に在庫がなくなりそうな場合は、薬を融通してもらえるよう、薬局同士のネットワークにも気を配らなくてはなりません。
また、調剤薬局のスタッフは薬剤師ですので、薬剤師の管理も仕事に含まれます。
部下の薬剤師が適切な服薬指導を行っているか、調剤に間違いはないか、重複投与を防ぐための薬歴管理は適切かなどをチェックするのです。
これは薬剤師に限ったことではありませんが、医療に関する現場はコミュニケーションが非常に大切です。
したがって、部下との円滑なコミュニケーションにも、気を配らなくてはいけません。
製薬会社などの企業の仕事内容
製薬会社や医薬品の卸会社に勤務する場合も、医薬品とスタッフの管理が必要です。
また、営業担当に医薬品の情報を提供・指導する業務(DI業務)が発生することも覚えておきましょう。
さらに、顧客への情報提供も仕事に含まれます。
顧客から医薬品に関する問い合わせがあった場合には、責任をもって回答しなくてはなりません。
そのほか、新薬に関する申請業務、副作用の報告、取り扱っている医薬品に関する情報収集も大切な仕事です。
病院
厳密にいえば病院内には管理薬剤師を配置する義務はないのですが、求人自体はそれなりにあります。
仕事内容としては、他の職場と同じように医薬品の管理(在庫・品質)なのですが、病院でしか扱っていない薬品もあるため、注意が必要です。
また、当然のことながらスタッフの管理も含まれます。
「管理薬剤師」という名目での求人よりも、「薬科長」や「薬剤部長」という肩書が多いかもしれません。
管理薬剤師の勤務時間や残業時間について
管理薬剤師の勤務時間は職場によって異なりますが、基本的には普通の薬剤師と同じく週40時間勤務です。
ただし、これまで紹介したように人やモノを管理する立場にありますので、どうしても仕事量が多くなりがちです。
現場を管理する立場上、最終的なチェックや残務処理も考えられますので、残業が発生する職場も少なくありません。
ブラックな職場だと月に100時間近い残業が発生するケースもあるので、管理薬剤師として転職する際は年収だけでなく離職率なども気にすると良いでしょう。
管理薬剤師のメリットとデメリット
メリット
- マネジメントスキルが身につく
- 管理職的な立場にあるため、年収が高め
- 管理薬剤師の経験が、転職時に評価されやすい
- 単なる薬の知識だけではなく、人材管理や経営に関する知識が身につく
- 責任感、コミュニケーション能力、折衝能力などを総合的に磨くことができる
デメリット
- 現場責任者としてのプレッシャーがある
- 薬機法(旧薬事法)によって、原則として副業が禁止されている(例外規定あり)
- 複数のスタッフを管理しながら仕事をまわすため、単純に仕事量が増える
- シフト管理の都合上、スタッフの休みを優先し、自分が希望した日に休めないことがある
責任が重く、仕事の幅も広くて大変ですが、その分だけ得られるものは大きいのです。
医薬品を扱う現場だけにとどまらない、汎用的なスキルが身に着けられる仕事といえるでしょう。
管理薬剤師の年収まとめ
今回は管理薬剤師の年収や、年収をアップさせる方法、メリットなどを紹介しました。
管理薬剤師は大変な場面もありますが、年収面では一般の薬剤師より間違いなく上です。
キャリアアップを目指す際にも代表的な選択肢の一つとなりますので、狙ってみても良いでしょう。
また、既に管理薬剤師という方は、転職をすることでキャリアやスキルが評価されて年収がアップする可能性があります。