医療関係の中では医師や看護師よりも労働環境が整っているのに高収入を得られると言われている薬剤師ですが、その実病院薬剤師は一般的に年収が低いと言われています。
もちろん普通のサラリーマンよりは高収入であっても、薬剤師というカテゴリの中では同じ労働時間であっても年収が低いのは損ですよね。
そこでこの記事では現役の病院薬剤師に聞いて発覚した、病院薬剤師の年齢別年収や年収アップのコツ、低い理由などを解説していますので参考にして下さい。
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病院薬剤師の年齢別の平均年収、年収事情を解説
男性の病院薬剤師の年齢別平均年収
男性の病院薬剤師全体の平均年収や約700万円と言われています。
年代別に見ると、20代は400～600万円、30代は500～700万円、40代は600～800万円、50代から70代までは役職が付いている、いないで変動はあるものの、800万円から1000万円ほどが平均年収になるようです。
これはドラッグストア薬剤師や調剤薬局と比べると平均で50～100万円ほど低く、大変なわりに病院薬剤師は年収が低いという事態になってしまっています。
ただ詳しくは後で解説しますが、病院薬剤師は「定期昇給」がしっかりしているので、長年勤めていると最終的に調剤薬局やドラッグストアよりも高い年収を得る事が可能です。
女性の病院薬剤師の年齢別平均年収
女性の病院薬剤師の平均年収は、男性より少し低く600万円ほどになります。
年代別では、20代で400～500万、30代で400～550万円、40代で500～600万円、50代で600～800万円というのが平均年収となっています。
女性の場合、男性よりも遅い40代で平均年収を上回る方が多い計算です。
女性年収が低いのはキャリア断絶が発生しやすい関係
基本的に薬剤師は男女によって給与額に大きく差が出る職種ではありませんが、女性の平均年収が低いのは出産や育児で一時的に仕事から離れてキャリアが途絶えてしまったり、パートタイムで働く方が多かったりすることが理由として多いようです。
そのため、男性と比べると平均年収は若干低めな数字になっていますが、普通に働いている薬剤師であれば男性と同じ年収をもらえている女性は少なくありません。
ただ男性と同様に若いうちはドラッグストアや調剤薬局と比較して、業務が大変なわりに年収は低めになってしまっています。
病院薬剤師の年収は、病院の規模や地域によって変わる
実は病院薬剤師の年収は年代や性別だけではなく、病院の規模やその病院の所在地によっても変わってきます。
と言っても、大病院なら給与が高い、大都市であれば高収入というわけではありません。
いくら規模が大きい病院や大都市であっても、人手が十分であれば需要と供給が満たされているため、他の職場で働く薬剤師の年収と同じぐらいになることもあります。
逆に小さい病院であっても人材不足だったり、地方であっても優秀な人材が欲しかったりすれば需要に合わせてお給料も高くなるケースもあるのです。
ただしこういった病院内の事情や給与面の細かい情報は一般的に分からないので、いざ就職してみたらブラック病院だった…なんて可能性も否定できません。
そのため表面的な年収だけで安いと判断するのは止めた方がいいでしょう。
病院薬剤師の年収が低い理由
これはシンプルに薬学生にとって病院薬剤師が人気だからです。
詳しい人気の理由は次の項目で触れていますが、病院薬剤師は最先端の医療に触れつつチーム医療を行えるため、働いていると自然と専門的な知識がついてきます。
さらに病院だからこそ患者や地域に貢献しているやりがいもあり、求人に対する人気が非常に高いので、病院側からするとわざわざ高い給料で募集しなくても人が集まるのです。
また、最近は病院でも経営が厳しくなっている所が多く、なんとかして人件費を削ろうと考えているところは珍しくありません。
しかし医師や看護師はなかなか給料を削ることができないので、結果として優先度の低い薬剤師の年収が抑えられる事になっています。
年収が低いのに病院薬剤師が人気の理由
専門的な知識を活かすことができる
ドラッグストアの薬剤師は調剤業務だけでなく、品出しやレジ打ちなどその他の業務が多いです。
しかしドラッグストア薬剤師と違い、病院であれば規模にもよりますが調剤業務が中心なので専門知識を活かすことが出来ます。
やりがいがある
特に大きな病院では薬物療法専門薬剤師やがん専門薬剤師など、一つの分野に特化した資格を持つ薬剤師が必要となります。
そのため、薬剤師としてのやりがいを求めて転職する人は一定数います。
昇給や各種手当てなどの制度が整っている
薬剤師を常駐させられる規模の病院は、初任給こそ低くとも昇給制度や時間外労働手当や家族手当などの制度がしっかり整っています。
そのため、1年目や2年目の年収はそれほど高くないとしても、長年勤務していればしっかり年収もアップしますし、働き方や家族構成などによっては手当が多くつくことでトータル的な給与は高くなります。
また、派遣薬剤師と違いボーナスもきちんと出るので年収が高くなる傾向にあります。
病院薬剤師が今より年収をアップする方法
資格を取得して給与交渉をする
年収を上げるための一番シンプルな方法は、お給料を上げてもらうことです。
ただし、いきなりお給料を上げて欲しいといっても通るわけがありません。交渉をするにはそれなりの武器が必要です。
営業職や経理職であれば、売り上げや業務改善などで利益を上げるという交渉材料がありますが、薬剤師の場合だと直接利益を上げることはできないので、やはり武器となるのは資格です。
専門薬剤師や研修認定薬剤師などが代表的ですね。自己アピールが苦手という方にはハードルが高く、また日本人の傾向としてお金のことを上に直談判するのは難しいかもしれません。
ですが、今の職場のままで年収をアップするには給与交渉をするのが一番確実な方法と言えるでしょう。
本業と派遣薬剤師のダブルワーク(副業)
正社員であっても役職についていなかったり、会社の規則でアルバイトがOKだったりすればダブルワークで年収をアップすることができます。
土日や正規の仕事が休みに日にドラッグストアでアルバイトをすれば、ある程度年収の底上げも可能です。
派遣会社に登録しておけば1日からアルバイトで働けます。
ただし、1週間休み無しで働いて年収を上げても体を壊してしまったらアウトですので、若い内はいいかもしれませんが長い目で見るとオススメの方法とは言えません。
残業や休日出勤などの手当を増やす
一般のサラリーマンでもよく使う手ですが、例え仕事がないとしても残業をしたり休日出勤をしたりして手当を増やすことで年収を上げることができます。
残業や休日出勤するほど仕事がない、という方もいるかもしれませんが、薬剤師の仕事はただ薬を調合するだけではありません。
薬の在庫やその他必要備品の確認、細かい部分の清掃作業、仕事をしやすいように整理するなど雑多な仕事はたくさんあります。
不要なことでなければ、多少残業をしても注意されることはないので、自分で仕事を見つけて労働時間を増やして年収を上げましょう。
ただここで注意したいのは残業時間には上限があり、労働基準法によって月45時間までとなっているのでそれを超えないようにするのがポイントです。
昇進を狙って年収アップ
役職がある病院薬剤師などであれば、昇進を狙うというのも一つの年収アップ方法です。
薬剤部長や薬局長などの役職につけば、当然今よりも基本給や手当がアップするので、年収も必然的に上がります。
と言っても、役職は限られているので狭き門となります。先輩がもし10人いるなら、あなたが薬局長になるのは11番目になるからです。
それをクリアするには役職の空きやすい病院に転職した方がいいかもしれません。
病院薬剤師が年収1000万円を超える方法
どんな職場であっても、普通に薬剤師として働いている限りは、トップクラスの役職につかない限り年収1000万円を超えるというのは難しいのが実情です。
しかし、難しいと言っても不可能ということではなく、自分の動き方次第では1000万円を超す収入を得ることも可能です。
では実際にどういったことをすれば超えられるのか、その具体的な方法をご紹介します。
調剤薬局を開業する
病院薬剤師を辞めて、調剤薬局を自ら開業することで年収1,000万を目指すことが可能です。
特に直接利益を生む仕事ではない薬剤師は、年収700万円から800万円ほどが年収の頭打ちになってしまうので、自分で調剤薬局を開業するのが年収1000万円を目指す最高のステップです。
病院薬剤師であれば医師の知り合いもいるので、医師が独立開業するときに合わせてかかりつけの調剤薬局をオープンしやすいでしょう。
ただし開業はバックグラウンドが整っていないと厳しいのも事実なので、医師との連携など基盤をしっかり固めることが重要です。
フランチャイズ展開している調剤薬局で独立を目指す
フランチャイズ展開をしている調剤薬局やドラッグストアには、独立支援制度を設けている会社があります。
こういった制度を利用すれば、経営のノウハウも学べますし、開業に適した立地など起業において必要な情報を得られるので、少ないリスクで開業できます。
フランチャイズ店はマージンなどを払う必要がありますが、すでに薬局経営に成功していますし、新しく開業する医療機関の情報などを元に開業を目指せるため、自分で独立開業するよりもスムーズに薬局運営を始められます。
また、常に進化する薬や新薬の情報もタイムリーに集められるというメリットもあるので、失敗なく年収1000万円を目指せる方法と言えるでしょう。
CRO業界やMR職、地方の薬剤師求人に転職する
転職サイトには少数ですが、年収1000万円を超える非公開求人が存在しています。
中でもCRO（受託臨床試験実施機関）やMR職、薬剤師が不足している地方の薬剤師求人には年収1000万を超えているものも多いです。
また、転職サイトを利用すれば求人では年収900万となっていても、コーディネーターが給与や待遇の交渉をしてくれますので年収1000万に届く可能性があります。
転職サイトのコーディネーターは満足出来る転職をサポートすることが自分の実績になるので全力でサポートしてくれます。
病院薬剤師で年収1000万を目指すよりも、これらの職業に転職してしまうのはかなりアリでしょう。
病院薬剤師の年齢別年収のまとめ
病院薬剤師の平均年収は残念ながらドラッグストアや調剤薬局の薬剤師と比較して低いです。
また、昇給で年収を上げるには長い時間がかかりますし、勤務先の経営状態によっては長年勤めても年収がどれほど上がるかは未知数になってしまいます。
もし今よりもスムーズに高収入を目指したいという場合は、やはり確実に年収アップが見込める薬剤師サイトを利用するのが一番です。
あらゆる職場の求人データがありますし、サイトによっては年収アップや待遇面の交渉もしてくれます。
自分だけで行う転職活動では集められる情報も限界がありますし、面接の時点で給与交渉をするのも難しいですが、薬剤師の転職サイトであればすべてをフォローしてもらえるので転職サイトを利用して今よりも高収入好待遇を目指しましょう。