腰痛は介護士の職業病と言われており、退職理由でも上位に位置しています。この記事ではそんな介護による腰痛の予防法や改善方法、腰痛に有効なエクササイズとストレッチについて解説しています。
腰痛を改善したいと考えている介護士の方はぜひ参考にして下さい。
【この記事で分かること】
- 介護と腰痛は切っても切れない関係
- 介護による腰痛を予防する方法がある
- エクササイズやストレッチは介護の腰痛の予防と改善に有効
- 腰痛の予防改善の一番の方法は、そもそも腰痛にならない施設への転職
目次【クリックして移動できます】
介護士にとって腰痛は改善する必要がある
介護と腰痛は切っても切れない関係です。なにしろ介護は腰への負担を伴う動きが多い仕事であり、腰痛を抱えながら業務に当たる介護士が多いのが実情です。
実際、腰痛が理由で退職に至るケースもあります。2015年の公益財団法人社会福祉振興・試験センターによる調査では、介護福祉士の退職理由17項目のうち6番目に多いのが、「業務に関連する心身の不調(腰痛を含む)」でした。
そのため、介護士の天敵である腰痛をいかに改善するかが、仕事を続けていく上で重要と言えるでしょう。
介護の腰痛を改善(予防)する5つの方法
腰を曲げずに落とす
介護動作では自分の腰を曲げず、腰を落とすようにしましょう。腰を曲げる動作だと腰がいわゆる「てこの支点」となっていまうので負荷が集中し、腰痛を引き起こします。
一方で腰を落とす動作だと、腰への負担が少ないので腰痛のリスクが減ります。この腰を落とす動作が効果を発揮するのは、車いす移乗や靴を履かせる時です。
車いす移乗では、自分の腰を曲げた姿勢で利用者を抱えるのでなく、自分の腰を落とした姿勢で抱えます。
また、靴を履かせるときは、自分の腰を曲げた姿勢で履かせるのではなく、自分の腰を落とした姿勢、つまりしゃがんだ姿勢で履かせると効果的です。
持ち上げずにスライドさせる
利用者の身体を動かすときは、必ず持ち上げずにスライドさせましょう。持ち上げる動作は引力に逆らう動作です。当然、介護士の身体に負担がかかります。
スライドさせる動作は、利用者の身体を横に動かす動作なので引力に逆らうことはありません。そのため介護士の身体への負担も少ないです。
スライドさせる動作が効果を発揮するのは利用者のベッド上の位置を変えるときや、利用者をベッド・車いす間で移乗するときです。
できる範囲で利用者にも動いてもらう
できる範囲で利用者にも動いてもらいましょう。たとえばベッド上でスライドする時は、利用者に足でベッドを蹴ってもらいましょう。
蹴ってもらった分、介護士のスライド負担が減るとともに利用者の脚の訓練にもなります。
また、椅子やベッドからの立ち上がりを介助する時も利用者に足で床を蹴ってもらいましょう。
グッズを活用する
介護士の腰への負担を減らすグッズを活用しましょう。代表的なグッズとして、次の品々がお勧めです。
- スライディングボード(移乗時に利用者の尻に敷いてスライドさせます)
- スライディングシート(ベッド上の移動時に利用者の背中に敷いてスライドさせます)
- 持ち手付き補助ベルト(利用者の腹に巻き、持ち手を持って移動介助します)
- リフト(利用者を乗せて移動させます。車いすやベッドの移乗に使います)
- 吊り具(スリング)シート(リフトに使うシートです)
- スタンディングマシーン(利用者が両手でつかまって立ち上がりを補助します)
エクササイズやストレッチをする
エクササイズやストレッチも腰痛の予防、改善のために効果的です。特に腹、背中、脚、体幹の筋力を付けることが腰痛予防につながります。
ここの筋肉がないと腰を落とす動作がしんどくなり、相撲でいうところの「腰高」の姿勢となり、腰が「てこの支点」になってしまいます。
介護の腰痛に効果的なエクササイズやストレッチを紹介!
腰痛予防のためのエクササイズやストレッチとは、具体的にどんなものなのでしょうか。
腰痛予防に効果があるといわれるエクササイズやストレッチを紹介します。
腹筋・背筋・体幹を同時に鍛えるエクササイズ
腹筋・背筋・体幹を同時に鍛えるには、「アクティブプランク」がお勧めです。
ポイントは次のとおりです。
- 床につま先と両肘を突いて、体を床と平行にまっすぐにします。
- 腰を支点にゆっくりと身体の上げ下げを繰り返します。
- 身体を上げた時に息を吸い、下げた時に吐きます。
- 常に腹筋・背筋・体幹を意識します。
動画も公開されていますので、ご参照ください。
参考リンク:https://youtu.be/cgK4pb5NbGw
脚筋を鍛えるエクササイズ
脚筋を鍛えるには、「ノーマルスクワット」がお勧めです。
ポイントは次のとおりです。
- つま先をまっすぐにして両脚を肩幅に開きます。
- 両腕を床と平行に前に出します。
- ゆっくりとひざを曲げながら太ももが床と平行になるくらいまで身体を沈めます。
- ひざがつま先より前に出ないようにします。
- ゆっくりとひざを伸ばしながら身体を戻します。
- この動作を繰り返します。
- 常に脚筋を意識します。
動画も公開されていますので、ご参照ください。
参考リンク:https://youtu.be/TudkRBX1e5Q
中殿筋のストレッチ
腰のストレッチには、お尻の筋肉(中殿筋)を伸ばすストレッチがお勧めです。
ポイントは次のとおりです。
- 足を伸ばして床に仰向けになります。
- 左脚を上げてひざを曲げます。
- 右手で左ひざを抱えます。
- 左脚をゆっくり右に倒していきます。
- 顔を左側に向けます。左側のお尻の筋肉が伸びます。
- 右脚も同じように行います。
ハムストリングスのストレッチ
腰のストレッチには、太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)を伸ばすストレッチもお勧めです。
ポイントは次のとおりです。
- 足を伸ばして床に仰向けになります。
- 左脚を上げてひざを伸ばします。
- 両手で左脚の太ももをつかみます。
- 左脚を手前に引き付けます。太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)が伸びます。
- 右足も同じように行います。
中殿筋とハムストリングスのストレッチ動画も公開されていますので、ご参照ください。
参考リンク:https://youtu.be/mEwm-r5GWzE
腰痛改善に最善は負担の少ない職場への転職
これまで紹介したエクササイズやストレッチが、腰痛の予防と改善に効果があることは確かです。ただ、介護現場の激務の前ではその効果にも限界があるのが現実です。
介護士として腰痛の予防と改善に最も確かな方法は、腰痛になることが少ない介護現場への転職です。
腰痛になることが少ない介護現場の条件として、次の6つを挙げることができます。
- 職員体制が整っていて、職員1人当たりの仕事量が多すぎない
- 介護スペースが広く、動きに余裕をもって仕事ができる
- スライディングボードなどの腰痛予防グッズが充実している
- 腰痛予防と改善のための研修会を定期的に行っている
- 施設の経営者や幹部が、腰痛をはじめとする職員の健康管理に前向きである
- 腰痛になった時に生活を気にせず治療費を捻出できるだけの高い給与がある
この6つのポイントをもとに、腰痛になることなく働ける介護施設を探しましょう。
介護の腰痛改善まとめ
介護の腰痛改善には正しい介護技術を身につけると共に、グッズの充実やエクササイズ、ストレッチが有効です。
しかし腰痛を改善する上で最善といえる方法は、そもそも腰痛になるリスクが少ない介護施設への転職です。
転職サイトを利用することで、設備や人員、給与が充実している施設を探すことができます。腰痛に悩んでいる方はまずは腰痛になることが少ない介護施設を探しましょう。
転職サイトやエージェントは完全無料で使えるだけでなく、面接や退職のサポートもしてくれますので、まずはどんな施設があるのか確認するために登録だけしてみても損はないでしょう。
腰痛を改善したい介護士におすすめのサイトランキング
1位:マイナビ介護職
マイナビ介護職
年代 | 全年代 | 雇用形態 | 正社員.契約社員.派遣社員,アルバイト,パート |
---|---|---|---|
対象エリア | 全国 | ||
業界 | 医療専門職その他 | ||
おすすめ度 |
- 職場の雰囲気などを先に教えてもらえる!
- 職業紹介優良事業者認定を獲得している
- 好条件の正社員求人も多数
2位:かいご畑
介護の求人なら かいご畑
年代 | 全年代 | 雇用形態 | 正社員,アルバイト・パート,派遣社員 |
---|---|---|---|
対象エリア | 全国(主に関東・関西中心) | ||
業界 | 医療専門職その他 | ||
おすすめ度 |
- 地域密着型なので地方でも求人多数
- 資格なし未経験でもOKの求人も多い
- 介護資格を0円電取得するサポートもる!
3位:カイゴジョブ
介護求人ならカイゴジョブ
年代 | 全年代 | 雇用形態 | 正社員.契約社員.派遣社員,アルバイト,パート |
---|---|---|---|
対象エリア | 全国 | ||
業界 | 機械/電気医療専門職 | ||
おすすめ度 |
- 問いに答えるだけで簡単に最適求人が見つかる
- 月給25万以上の好条件求人が多い
- 通勤時間や人間関係に配慮した職場探しもできる