グループホームは軽度認知症者が少人数で共同生活を送る施設です。
この記事ではそんなグループホームでの介護士の仕事内容や必要な資格、スキル、給与、福利厚生まで徹底紹介しております。グループホームへの転職に興味がある方は参考にして下さい。
【この記事で分かること】
- グループホームの仕事内容
- グループホームで必要なスキル
- グループホームへの転職における介護職員初任者研修修了資格の重要性
- グループホームの夜勤の有無や給与、福利厚生
- グループホームに転職するならブラックの多いハローワークよりも転職サイトが最適
目次【クリックして移動できます】
グループホームとは?
グループホームとは、軽度の認知症者がユニットと呼ばれる最多9人のグループ単位で共同生活をする施設です。
家庭的な環境の中で、地域とも交流しながら、能力に応じた自立した日常生活を目指します。
厚生労働省の調査によると2015年時点で12,983の事業者がグループホームの形態で施設を運営しています。
グループホームの仕事内容
グループホームには他の介護施設と同様に介護士が常駐しており、次のような仕事内容に取り組んでいます。
- 入浴の世話
- 排泄の支援
- 食事の手伝い
- 機能訓練
- 地域との交流
- 入居者の役割を見出す
- 家事などを一緒に行う
- 趣味や嗜好を生かす
入浴の世話
入居者が事故なく安全に入浴するお世話です。自立を目指す施設なので、自分で洗えるところは洗ってもらい、頭・背中・足先など自分では洗いにくい所を介護士が介助します。
排泄の支援
入居者が不安なく排泄をする支援です。入浴同様、自分でできることはしてもらいます。
便座への移乗や下衣の上げ下げなど、ひとりでは難しかったり危なかったりする動作を介護士が介助します。
食事の手伝い
入居者がしっかりと食事を摂るお手伝いです。
なるべく自分で食べられるよう、声掛け、おかずを細かくする、食器の位置の調整などを行います。
機能訓練
入居者の心身の働きを保つ訓練です。介護士は理学療法士などリハビリ専門職ではないので、生活動作を通じての機能訓練を行います。
居室・ホール・トイレ・浴室などへの移動、食べ終わった食事の下膳、居室の片づけなどの生活動作を見守ります。
皆で行う体操など軽運動、歌・ゲーム・クイズなどのレクリェーション、塗り絵やモノ作りなどの手作業も機能訓練です。
地域との交流
入居者が地域と交流できるよう、地域の組織や住民との橋渡しをします。
グループホームは、「ホーム」の名のとおり住居に近い施設のため、地域との交流が大切です。
地域との交流は、地域の中でのグループホーム理解にもつながります。主な内容はお祭りへの参加、地元の地区清掃への協力、小学生の登下校時の見守りなどです。
入居者の役割を見出す
入居者の日常生活における役割を見出し、それに取り組む機会を提供します。
自分の能力を活かすことで入居者は生活感や達成感、満足感を体感できます。これは自分らしい自立した生活への突破口となり得るものです。
たとえば一日交代の当番制で朝刊を取ってくる、食事前のテーブルを拭く、食事を始める挨拶をする、歌の時間の曲目を選ぶなどを行います。
家事などを一緒に行う
他の入居者と一緒に調理、洗濯、掃除、買物、園芸、農作業などを行います。
こうした家事や家庭的作業は入居者に家庭的な生活環境と雰囲気を感じ取らせるだけでなく、入居者同士の心のつながりにもなるものです。
趣味や嗜好を活かせる
本人の趣味や嗜好を活かした活動は充実感や気持ちの安定、周辺症状の軽減、認知症の進行予防に効果があることで有名です。
グループホームでよく行われるのがクラブ活動です。入居者の趣味や嗜好に合ったクラブを作り、参加してもらいます。
実例としては書道クラブや手芸クラブ、コーラスクラブなどが多いでしょう。
グループホームで仕事をするのに必要な資格やスキル
グループホームの仕事内容はバラエティがありますが、働くのに資格やスキルは必要でしょうか。それぞれについて見ていきましょう。
初任者研修修了資格はあった方がよい
グループホームで働くには、少なくとも介護職員初任者研修修了資格はあった方がよいでしょう。
制度の上では無資格でも勤務は可能ですが、その場合は入居者の身体に直接触れる業務は禁止です。お茶出し、食事の配膳と下膳、レクリェーションの進行、お話し相手などに仕事内容が限られてしまいます。
そのため、施設側からすれば「戦力にならない人」として、採用に消極的とならざるをえないでしょう。
一方で介護職員初任者研修修了資格があれば食事・入浴・排泄・移動・移乗など入居者の身体に直接触れる業務ができるので、施設から見て、「戦力になる人」として採用に前向きになることは間違いありません。
家事スキルはあっても困らない
グループホームでは利用者の日常生活を支援することになるので、掃除や洗濯、調理などの家事スキルは高いに越したことがありません。
ただ現時点では家事スキルに自信がなくても問題はないです。というのも、グループホームの利用者の多くは家事における大先輩だからです。
料理でも掃除でも分からない部分があれば、コミュニケーションの一環として利用者に聞くことで仕事をしつつスキルアップをすることができます。
家事スキルは仕事以外の日常生活でも役立つので、グループホームで働くことのメリットは大きいと言えるでしょう。
ただ、施設によっては介護度の高い利用者が多かったり人手不足が深刻で、家事スキルを伸ばすどころじゃない可能性があります。転職時に施設の情報をしっかりと調査する必要があるでしょう。
入居者の「おもい」に寄り添うスキルも大切
グループホームで働くには、入居者の「おもい」に寄り添うスキルが大切です。
認知症者には、その人その人の「おもい」があります。これは長い人生経験の中で培われたものです。すでに夫は亡くなっているのに、「おじいさん、どうしているかなあ」という「おもい」などです。
その「おもい」を受け容れ、理解して共感することで入居者との絆が深まります。これがあると職員にとっても、仕事へのやりがいを引き出す元になります。
グループホームの仕事に夜勤はある?
グループホームに転職した場合、夜勤はほぼ確実にあります。生活するのは日中はもちろん、夜間でもお世話が必要な認知症者です。
そして介護士はトイレの世話や徘徊の見守り、妄想・幻覚・感情失禁による不穏状態への対応などを行います。また、急に利用者の体調が悪くなれば家族や主治医への連絡が必要です。
状態によっては救急車を呼ばなければならない場合もあるでしょう。
また、グループホームは1ユニットまたは2ユニットでの運営が主です。そして国の決まりにより1ユニットに最低1人ずつ夜勤の人間が置かれますので、夜勤を一度もしないで働くことは難しいです。
グループホームの給与や福利厚生は?
グループホームへの転職を考える場合、給与や福利厚生が気になるところです。それぞれについて見てみましょう。
グループホームの平均給与
2018年の厚生労働省調査によれば、グループホーム職員の平均月給額は常勤職員が27万1,100円、非常勤職員が18万410円です。もちろん夜勤をすればそこに夜勤手当が付きます。
調査によるとグループホームの夜勤手当は一晩約3,000円から8,000円とされています。
福利厚生
健康保険・年金などの保険関係、住宅や家族などの手当、退職金。定年制と再雇用、社宅や託児所などの福利厚生は施設によりさまざまです。
そのため、グループホームなら「この福利厚生が絶対にある」ということは中々言えません。
ただ、基本的に医療法人や社会福祉法人が母体の施設は国からの補助金があるため、福利厚生は手厚い傾向にあります。
一方、株式会社などの民間事業者が母体の施設は独立行政法人福祉医療機構(WAM)から貸付を受けられるだけなので、福利厚生は手薄になりがちです。
ただし有料老人ホームやデイサービスなどを手広く営む民間事業者は収益も大きいので、福利厚生の充実も期待できます。
福利厚生については、転職サイトを利用すればコンサルタントが施設へ確認をしてくれるので、活用してしっかりとリサーチしましょう。
ブラックじゃないグループホームで働くには?
グループホームに転職して働くのなら、当然のことながら働きやすく、給与や福利厚生など条件のよい施設で働くのが理想的です。
転職先の施設を探す場合、まず思い浮かべるのはハローワークでしょう。ただハローワークは国が運営している機関に過ぎないので、求人は事業者から出された求人票がそのまま公開されています。
そのため、よく問題になるようにブラック施設が入り込んでいる可能性が高いです。ホワイトなグループホームで働くにはハロワークを選ぶのは悪手と言えるでしょう。
それに対し転職サイトでは求人の評判がそのままサイト運営会社の評価に影響するため、ブラック施設は振るい落とされます。
また、掲載後にブラックと発覚した事業所も掲載が取り消されるため、必然的に良質の求人だけが掲載される仕組みとなっています。
グループホームの仕事内容まとめ
グループホームでの仕事は、入居者の自立、家庭的な環境づくり、地域交流といった多面的な対応を求められる介護職の中でも比較的難しい仕事です。
それだけに働きやすく給与など条件の良い職場であることが大切です。転職サイトを上手く活用して、入居者もあなたも笑顔で過ごせるグループホームを見つけましょう。
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