海外で働きたいと思ったときに、仕事内容だけでなく【どこの国で働くのか?】というのもかなり重要なポイントになります。中国・東南アジア・アメリカなども魅力的ですが、実は今インドでの海外転職・就職がかなり注目されています。
- インドで働くって言われてもイメージが湧かない
- 治安や衛生面は大丈夫なのか
- なぜインドが注目されているのか
インドでの海外就職・転職や現地の生活面についてなど、詳しく解説していきます。
目次【クリックして移動できます】
インドの海外就職・転職が狙い目の理由
経済が急成長している
経済成長が著しかった中国を抑えて、インド経済は急激に伸びています。インドは、世界第2位の人口大国でありながら、アジア第3位の経済大国です。それだけでなく、人口の約半分が25歳以下と非常に若い国であることも注目されています。将来的に見ても、中国以上に巨大な市場として機能することに期待されている国なのです。
日系企業が続々と進出
2017年1月時点で、インドに進出している日系企業は1,305社あります。進出企業は今後さらに増える見通しなので、日系企業の現地就職の需要が高まっている傾向があります。日系企業に就職すれば給与面だけでなく、雇用形態の安心感もかなり強いです。日系企業が増えている背景から、日本人駐在員を対象としたサービスや不動産会社などの求人も多いので、海外就職の壁である言葉についてもクリアできることも転職場所としてインドが選ばれている理由にあげられます。
インドで働くうえで日系企業と現地採用の違いは?
海外で働く場合、日系企業に転職や就職するのか?現地採用にするのか?で悩みがちですが、インドの場合は日系企業に転職・就職する方がかなりオススメです。現地採用の場合
- 自由度が高く自分の思った通りに仕事ができる
- 赴任ではないので雇用期間が長い
といったメリットがあります。しかしインドの場合、現地採用のメリットはこの2点のみで、生活していくための給与や待遇面ではかなり不利になることが現実です。
日系企業 | 現地採用 | |
---|---|---|
給与 | 年収500万円以上 | 年収200万円程度 |
語学力 | ローカルスタッフが多い職場の場合コミュニケーションがとれる程度の英語がいるが、日常会話レベルでOK | ローカルスタッフに指示や確認が問題なくできるレベルの英語やビジネス英語が必要 |
各種手当 | ・住宅付 ・送迎車 ・雇用保険など保証あり | ・住宅費や交通費は給与込み ・ボーナスは年1回給与1ヶ月分 ・保険は会社による |
給与面についての違い
日系企業に転職した場合、インドに赴任することになるので、待遇がかなり良いことが多いです。役職によっては2~3割程度の手当がつくこともあります。現地採用の場合、インドの物価や給与水準に合わせた給与になります。
200万円と聞くとすごく少なく感じますが、インドでは十分生活することができる値段です。業種にもよりますが、日本人だからといって手当がつくわけではないので、金銭面をだけで見ると日系企業への転職が有利になります。
求められる英語力やその他の言語力
インドは言語が多い国ですが、基本的にヒンドゥー語と英語がメインになります。求人の内容にもよりますが、日系企業に転職しビジネスの相手がインドの会社である場合は、ビジネス英語レベルが必要になります。
ただ、現地の日本人向けの会社や、日本の本社とのやりとりがほとんどの場合は、生活に必要な程度の英語レベルで十分やっていけます。
一方、現地採用の場合はローカルのスタッフへの指示・指導・管理をする仕事が多いので、コミュニケーションが取れるくらいの語学力が必要です。インドはヒンディー語が公用語ですが、日常生活で使うことはあまりありません。
各種手当の違い
給与面に次いで大きな差があるのは、各種手当の違いです。日系企業に転職や就職してインドに赴任される場合、かなり待遇が良いことがほとんどです。住む場所も手配してもらえますが、セキュリティが整っていることが多いです。プールがついていたり、お手伝いさんがいたりとセレブのような生活が味わえます。
また、地位によっては運転手付で送迎をしてもらえることもあります。保険や各種手当も日本基準で考えられるので、手厚い保証や医療費補助もあります。
一方現地採用の場合、インド基準で考えられるのでこれらの手当がないことがほとんどです。住むところも、多少会社であっせんしてもらえるかもしれませんが、基本的に自分で探します。
家賃や交通費は給与の中に含まれていることがほとんどです。保険や各種手当は現地採用の会社によってかなり大きく違いがありますが、日系企業に比べると微々たるもので満足はできないかもしれません。
外国人向け年間25,000ドル以上の所得保証とは
経済成長や、日系企業の進出以外でインドが就職先として注目されているのが【外国人労働者に対する所得保証制度】があることも理由にあげられます。海外で働くためには、就労ビザが必要になります。
インドはこの就労ビザの取得が比較的簡単なのですが、さらに外国人労働者に対する保証制度が充実していることがポイントです。インドの就労ビザの条件の中に
- 外国人の就業を制限する業種はなし
- 2年以上日本または他の国に居住することを証明する
- 申請者が熟練労働者、技術者、プロフェッショナルかつ年間25,000ドル以上の所得を保証する必要がある
- 就労ビザを有する家族も同期間有効の滞在ビザの発給を受けることができる
という記載があります。25,000ドルは、インドで生活していくには十分な金額です。この金額以上の収入を必ず保証することが条件でビザが発給されるので、お金に困ることはなさそうです。
現地採用の場合、日系企業に就職するよりも待遇面がかなり劣りますが、賃金の保証はされるのでトータル的に考えると自由に仕事ができ、キャリアアップを重視して現地採用に興味がある人も安心して働けそうです。
インドの求人募集にある職種や業種
インドの求人は、日系企業か現地採用かで募集されている職種に大きく偏りがある傾向があります。日系企業の場合、インドに進出している企業の研究開発・エンジニアなどの【専門的な知識が必要となるプロフェッショナル職】が多いです。
自動車や機械開発系をはじめ、生産管理や品質保証をするための管理職などの求人も多いです。一方、現地採用の場合、【営業とサービス業が圧倒的に多い】です。
日本人がインドで企業をする人が近年増加しているため、営業やマーケティング戦略の求人が多いです。また、現地に住む日本人向けのサービス業も比較的多いです。その他にインドの会社の事務職も需要が非常に高いです。
細かい所によく気がつきまじめに働く日本人の評価は高く、事務職で転職・就職したものの、いつの間にか会社の即戦力となってキャリアアップしたということもよくあるそうです。
インドで働くために知っておきたい情報
インドの平均年収
インドの給与所得者平均年収は約184万円程度です。月収にすると約15万円ほどなので、日本の新卒大学生と同じ位の金額です。その分物価も安いので生活していく分には困りません。インドは世界一物価が安い国と言われているだけあって、バナナ1本が約8.55円と非常にリーズナブルです。
スーパーで野菜を買うときは、1kg単位で売られていますが、玉ねぎが1kg約50円と日本では考えられないほど安いです。外国からの輸入品は1.5倍近く高値で売られているので、日本と同じ生活をしたいのであればこの年収では到底たりません。インド人と同じような価値観で生活するのであれば十分すぎる年収です。
インドの暮らしやすさ
インドの夏の気温は40~50度近くまで上昇しますが、地域によって全く気候が異なります。北インドにいけば、冬はマイナスで夏は20度程度と比較的過ごしやすいです。
ムンバイの場合、40~50度にプラスして湿気もあるのでエアコンがなければ暮らしていけないでしょう。都市部では、ほとんどインターネットの高速回線が設置されているので、通信系で困ることはないと思います。住居は3~4階が一般的で、涼しいことから低層階の方が人気かつ家賃は高いです。
インド人の特性として日本人のように他人に気をつかったり、1度受けた恩を大切にする傾向があるので仲良くなりやすいかもしれません。衛生面に関しては、水は野菜を洗うにしろ、顔を洗うにしろミネラルウォーターを使うことをオススメします。
インドの安全面や危険度
【インド=治安が悪い】というイメージがありますが、これは地域によります。日本でもそうですが、夜に女性が1人で歩くのは非常に危険です。スラム街などや人通りが少ない所もあるので近寄らないようにしましょう。
夜遅くまでお酒を人で飲まないことや、ハメを外しすぎて極端なことをしなければ大丈夫です。仕事をしたり、普段スーパーで日中に買い物したりなど、生活する分には問題ないと思います。悪いイメージが先行しがちですが、意外と生活してみると普通なことが多いです。
インドの求人探しにおすすめの転職エージェント3選
海外で仕事を探すときは、転職エージェントを使うことをオススメします。日本とは違いビザを始め、転職先が決まってから働くまでの間の手続きが多く、個人で進めようとすると現地でもトラブルになりやすいからです。
特にインドは、他の国と違って転職先を個人では見つけにくいのです。給与面などの条件交渉や面接から内定、出国したあとまで手厚くサポートをしてくれる転職エージェントはメリットが多く、利用することで好条件が見つかるチャンスになります。
リクルートエージェント
中国・東南アジア・インドの就職に非常に強いエージェントです。新着求人が随時更新されるため情報が新しく、実際にインドで就職した人たちの声も聞けるので参考になります。現地の日本人向けのサービスも多いのも魅力的です。
JACリクルートメント
日系大手企業の求人案件を多く取り扱っているエージェントです。特に管理職や専門職の就職が多く、取扱い案件の待遇も高いことがポイントです。インドに転職する機会に年収アップキャリアアップを目指したハイクラスの転職をしたい人にオススメです。
パソナグローバル(パソナインディア)
求人の紹介だけでなく、キャリアコンサルティングもしてくれるエージェントです。世界8,000社以上の企業からの求人があり、日系商社での役員秘書をはじめとして、専門職から事務職まで幅広く取扱いをしています。
まとめ
- インドで働くのは【経済急成長と日系企業の進出の多さを考慮すると今が狙い目】
- 待遇を重視するなら【現地採用より日系企業がかなり優位】
- 日系企業と現地採用では【募集されている職種に違いがある】
- インドのビザは年間所得保証がされているので【収入に困ることはない】
- インドで生活する上で【水だけはミネラルウォーターを使うことは忘れない】
- 治安が悪いといわれているが【スラム街と夜間外出に気をつければ日常生活をするにあたってそこまで支障がない】
中国の経済成長以上に注目されているインドでの就職は、今がベストな時期だと思います。インドと日本の友好関係から、就労ビザの発券条件を見ても他の国と比べて比較的良いのもポイントです。
日系企業に就職すれば仕事の待遇だけでなく、生活面でもかなり優遇された条件が多いのも魅力的です。インドでの転職は、仕事内容や待遇だけでなく生活面での優遇も重視してチェックしてみてくださいね。