海外に就職・転職するには英文履歴書が絶対必要?書き方と注意点

海外(特にアメリカなどの英語圏)に就職・転職をお考えなら、英文履歴書の作成は避けて通れないところです。

この記事では英文履歴書(英文レジュメ)の書き方について詳しくご紹介します。
自己アピールの仕方や英文履歴書をキチンと読んでもらえる魅力的な書類にするコツなど、書くにあたっての注意点やポイントをお伝えします。

英文履歴書の書き方のポイントや注意点

では英文履歴書を作成する場合の注意点やポイントにはどのようなことがあるか、ご紹介します。

1.英語圏の文化や慣習に従った履歴書にする

英文履歴書は、英語圏の方々に履歴や職歴などを伝えるために必要となる書類です。

日本語であろうと英語であろうと「履歴は履歴だから」といった考えで日本の履歴書をそのまま英訳するという発想ではいけません。

英語圏の方々に履歴書を読んで頂く以上、英語圏の慣例や文化に従って履歴書を作成するという発想が前提として大切です。

2:英文履歴書に詳細な学歴は不要・新しい順に書く

ポイント1でお伝えした文化的な違いとして表れるのが「学歴」の位置付けです。

ご存知のとおり日本の履歴書なら、一般的に中学校か高校くらいから省略せずに正式名称を一つ一つ丁寧に書き進めていきます。日本は学歴社会であり出身高校も就職に影響することが多いため、高校の卒業履歴については必須要件になっています。

一方、米国をはじめとした英語圏では学歴が軽視されるという訳ではありませんが、少なくとも日本ほどではありません。

また、海外では一般的に転職はキャリアップの手段として当たり前のこととして受け留められていますので、転職回数が多くなり、その結果、職歴欄のスペースが必然的に多くなります。

日本のように学歴を細かく書いていては、職歴欄が不足してしまうことにもなりますので、英文履歴書では学歴に関する詳細な履歴は要求されず、最終学歴のみを書けば十分とされています。

3:英文履歴書では職務経歴や実績のアピールが最重要

英文履歴書で大切になってくるのは職務経歴や仕事上での実績です。

外資系企業や海外法人での求人は、どのような人物かということ以前に、必要としている仕事に対するスキルや能力があるかどうかが最も重視されるからです。

しかしながら、重視されるからと言って職務上の経歴をただ細かく羅列して紹介すれば良いという訳ではありません。

自身が経験してきた職務経歴や実績が、転職を果たした場合にどれだけ求人企業側にメリットや利益をもたらすかをアピールすることが大切です。

欧米人は積極的に自己アピールする文化があります。

威張らない、自慢しないといったことを美徳とする日本文化とは大きな違いと言えます。

謙遜は無用というより、謙遜することはマイナスと考え、積極的に自分を売り込むといった発想で職務経歴や実績をまとめ、表現することが肝要になってきます。

4:英文履歴書にはカバーレターが必要?

日本では転職するにあたって職務経歴書は添付しておいたほうが良いですが、カバーレター(添え状)は必須というわけではありません。しかし海外転職の場合は英文履歴書と共に提出する場合に、カバーレターは必須書類となってきます。

日本の履歴書と異なり、英文履歴書には通常志望動機は書きません。そのためカバーレターに志望動機や抱負を書いて、自分のやる気を求人企業側に訴える必要があるからです。

つまり英文履歴書におけるカバーレターは単なる添え状ではなく、履歴や職歴以外で自分の意気込みややる気をアピールするための大切なプレゼン資料と言った役割を担っているということです。

5.英文履歴書に書いてはいけない5つのこと

[bgcolor color=””]1.証明写真(顔写真)
2.生年月日・年齢
3.性別
4.家族構成(配偶者や子供の有無など)
5.通勤時間[/bgcolor]

仕事に必ずしも必要ではない個人情報は書きません。海外(特にアメリカ)では肌の色も人種もさまざま。少しでも差別に繋がる恐れのあることは書かないのが鉄則なのです。もちろん国籍や宗教についてもご法度です。

英文履歴書に定型フォーマットはある?

英文履歴書には日本の履歴書のような定型フォーマットがありません。白紙をベースに自分で情報を整理し、見出しを立てて作成することが基本となります。
ただし、いくらフォーマットがないと言ってもある程度、標準のきまりごとのようなものはあります。

サイズ

基本は白でA4サイズの用紙を縦に使用します。

枚数

枚数は1枚に留めるのが無難です。(とにかく英語圏の方は明瞭簡潔を好みます。)

フォント

・あまり変わったフォントは使用しないこと。日本特有の明朝体やゴシック体などは避け、HelveticaやTimes New Romanなどよく目にするフォントが望ましいでしょう。
・自分の氏名や見出しはやや大きめに
・色は日本の履歴書の常識と同じで、黒以外は使用しないこと。

英文履歴書の書き方

決まりきったテンプレートのようなものはありませんが、主流となっているおおよその構成はあります。

「コンビネーション・レジュメ」と呼ばれているもので、次の5つの構成で上から順番に並べて履歴書を作成します。

※以下、マイナビ転職グローバル様より引用した画像を使用して解説していきます。

Personal Information:氏名・連絡先

まず最初にくるのが「個人情報」です。

自分の名前をファーストネーム(名)、ラストネーム(姓)の順で一番最初に一回り大きなフォントで紙面上部に目立つように書きます。

その下に住所、電話番号、eメールアドレスといった連絡先に関する情報を簡潔に書きます。

OBJECTIVE:希望職種

希望の職種と、なぜそれをやりたいのかという理由を簡潔に書きましょう。

次の項目で書くスキルや職務経歴と合わせて読んだ上で人事担当者が納得できるような職種が望ましいでしょう。

Qualifications:スキル

Qualificationsとは保有している資格や技能、身につけているスキルなどのことで、主に仕事に関わりがあるものを箇条書きにして簡潔に紹介します。

Work Experience:職務経歴

職務経歴のことです。箇条書きで新しい順に書きましょう。

ただしポイントしてお伝えしたとおり、求人企業は自社が求めるスキルや技能を有しているかを職務経歴を通じて評価しますので、応募する仕事に関連した内容のみを簡潔に書くことがポイントです。

例えば相手企業が「管理職」を求めているなら、管理職としてどのような実績をあげたかを重点的に紹介し、尚且つその実績が誰もが容易には成し得ない実績なら遠慮することなく実績の難しさをアピールする等です。

在籍した企業名だけでなく所在地も書くことが望ましいとされます。
その企業に在籍していた間に複数の部署での経歴があるなら部署ごとの在籍期間と仕事の内容も箇条書きで書きましょう。

Education:学歴

学歴のことです。英文履歴書のコンビネーション・レジュメでは学歴欄は一番下の構成順序となります。

また、【2:英文履歴書に詳細な学歴は不要・新しい順に書く】でお伝えしたとおり学歴は細かく紹介するものではありません。最終学歴のみを簡潔に書けば良いだけです。
但し、大学名や学位、所在地、取得年度は詳しく書くようにしましょう。

このような構成項目と順番を意識し、それぞれの項目ごとに見出しを立てて履歴書を作成すれば”英文履歴書の構成”としては合格点となります。

あとはそれぞれの内容ごとに情報をよく整理した上で、簡潔でわかりやすい英文となっているか何度も見直しを繰り返し、時間をかけて作成することが大切です。

この画像をお借りした【マイナビ転職グローバル】では英語を活かせる求人が豊富に掲載されていますよ。

英文翻訳サイトではなく、ネイティブやプロの事業者にチェックしてもらうこと

最後に英文履歴書の表現が英語として適切かどうか不安という場合には、日本語に精通したネイティブの複数のビジネスマンに見てもらい、英語表現に対するアドバイスを受けるのが理想的です。

もし周囲にそうしたネイティブの方がいないという場合には、有料となってしまいますが、英文を添削指導サービスしてくれるサービスがありますから、それらを利用するという方法があります。

「英文履歴書」「添削」の二語で検索すれば、添削指導サービスを提供している事業者のサイトがヒットしますのでネット上で探すことができます。

尚、そうしたサービスを提供している事業者なら、日本語を英文履歴書に翻訳してれるサービスも対応可能ですが、そこまで外部事業者に頼ることはオススメできません。

そうした事業者は正確な英語での翻訳はやってくれますが、意気込みや情熱といった思いまで伝わる履歴書作成は本人以外できないからです。

従って、外部事業者の利用はあくまで文法上、あるいは表現上おかしな点がないかといった観点でのアドバイスを得るだけに留めるようにしましょう。