保育士辞めたい理由ランキング!人間関係は何位?転職はするべき?

保育士辞めたい!データでわかる退職・転職理由ランキング!

保育士は激務のわりに報われない職業だと言われます。資格を取るためには、大学、短大等で保育士養成課程を取らないといけず、そのわりに給料が低く心身ともに疲れてしまうので辞めたいと考える人は多いです。

今回そんな保育士を辞めたい人に知ってほしいことを解説しています。

保育士を辞めたい理由ランキング!

保育士辞めたい理由ランキングの決め方

保育士が辞める理由については「保育士 退職 理由」などで検索すると様々なランキングが出てきます。

それらは主観で書かれているものが多く、「人間関係がキツイ」がトップのものがほとんどですが、客観的な調査によるとそうでもありません。

新たに東京都保育士実態調査報告書|東京都福祉保健局の報告書に退職理由が出ていますのでそれを参考にします。

これに二種類の退職理由が出ています。
今保育士である人が辞めたい理由(退職意向理由)と、昔保育士だった人が実際に辞めた理由(退職理由)です。
違いがあり、辞めたいけれども、なんとか我慢できたものも中にはあることがわかります。

1位 給料が安い

保育士の平均年収は約320万円ということで、激務薄給の代名詞である介護職と同等かそれ以下という給与水準になっています。

やはりお金の問題がいちばん大きいようです。最近は手当があるとはいえ、基本給が低いことには変わりありません。

2位 仕事量が多い

保育園によっては最低限の人数しか置いておらず、過重労働になりがちです。

日中、子どもの保育の時間は事務作業ができませんから、どうしても残業して事務を行うことになります。

そのほか行事の準備、指導案の作成、保護者との連絡帳記入、など保育以外の業務も多忙です。

3位 労働時間が長い

これは2位とも関連します。

勤務時間=子どもの保育時間ですから、保育以外の業務は勤務時間外にやらなければいけないケースが多くなり、残業や持ち帰りの仕事も増えて、労働時間過多になってしまいます。

4位 他業種への興味

これは前向きな退職理由になるかもしれません。

もっと他の業種の仕事をしてみたい、やりたいことが見つかった、などですね。

モチベーションが上がる仕事が見つかったならば退職もやむをえません。

5位 職場の人間関係

職場の人間関係

意外なことに「人間関係」は5位でした。

知人の保育士の言わせると、子どものお守りが大変で、あまり他人とどうこうしている時間はないそうです。

女性がほとんどの職場ですが、陰湿ないじめや女性同士のいざこざはそこまで多くないらしいです。

以下、6位「職務適性に対する不安(保育士に向かないんじゃないのか?)」、
7位「健康上の理由(体力含む)(病気・けがだけではなく「保育士がしんどい」も含む)、
8位「保護者対応の心労」、
9位「子育て・家事」、
10位「結婚・出産」となっています。

保育園にもモンスターペアレンツはいて、難癖を付けてくる人は各クラス一人くらいはいるそうです。
ただし、保育園は学校ではないので(つまり子どもへの教育義務はない)、幼稚園よりも親に対して強気に出れるようです。

結婚・出産や家事が低いのは、独身の人はまだ自分の問題ではなく、また既婚者、子育て中の人は現に両立しているので、負担に感じていないということでしょう。

過去に保育士だった人が実際に辞めた理由ランキング

1位:妊娠・出産

激務薄給で共働きしてきましたが、妊娠、出産を契機に辞めてしまった人がいちばん多いです。

やはり体への負担は相当なものですし、これ以上保育士と並行できない、自分の子ども最優先で辞めたということになります。

2位:給料が安い

給料が安い

これは上と同様です。

実際に薄給過ぎて辞めた人がかなり多いことを示しています。

3位:職場の人間関係

職場の人間関係
人間関係が3位になりました。

実際に辞めた人の中で調べると、やはり人間関係に問題があった職場は多いのだと実感できます。

無理に耐えても、保育士の場合そこまでの見返りはありませんし(給料が安い等)、辞めて正解なのかもしれません。

4位:結婚

寿退職

「えっ?」と思うかもしれませんが、過去に保育士だった人に聞いていますので、寿退職が当たり前だった時代の人も調査対象に含まれます。
20代、30代に限定すればもっと下の順位になると思います。

5位:仕事量が多い

仕事量が多い

これが5位になりました。

実際に目に見えない保育以外の仕事が多いので、それに耐えられずに辞めてしまった人が多いです。
保育士である以上、どこの保育園に行っても保育以外の業務から逃れられませんし。

以下、6位「労働時間が長い」
7位「健康上の理由」
8位「他業種への興味」
9位「子育て・家事」
10位「転居」となっています。

夫の仕事で転勤になれば仕方がないですよね。
また、「他業種への興味」が8位ということは、実際に他業種へ転職するために辞めた人はそれほど多くないのかもしれません。

圧倒的に多いと思われていた「職場の人間関係」での退職が、実は実際にはそれほど多くないことがわかりました。

もちろん、人間関係が悪い職場にいる人は耐える必要はなく、転職を考えていただくのが心身にとって好ましい選択です。

保育士は売り手市場なのですから、他の保育園の求人も見つかりやすいはずです。

保育士を辞めたい人が知るべき退職率

保育士の離職率

まず、保育士がどのくらい退職しているのかを見ていきましょう。

公的資料として第3回保育士等確保対策検討会「保育士等に関する関係資料」|厚生労働省を参考にデータを抽出していきます。

この資料によると保育士の離職率は「10.3%」となっています。

内訳は

  • 公立保育士  7.1%
  • 私立保育士  12.0%

となっています。

高いのでしょうか?低いのでしょうか?それを確かめるために全業種の離職率を見てみます。

平成28年雇用動向調査結果の概況|厚生労働省によると全業種の離職率は15.0%(資料7P)となっています。

また、保育士の場合は女性が95%超ですので、全業種の女性の離職率を見てみると17.6%(資料8P)となっています。こちらを比較した方がいいでしょう。

  • 全業種の女性離職率 17.6%
  • 保育士の離職率   10.3%

これを見ると給料が安い割に保育士の離職率が低そうですが、実は数字のマジックがあります。
「全業種の離職率」には公務員は含まれません。

つまり公立保育士を含んだ数字での比較は適切ではなく、私立保育士と比較すべきなのです。
というわけで

  • 全業種の女性離職率 17.6%
  • 私立保育士の離職率 12.0%

となります。

それでも保育士の離職率は低そうです。
意外とやりがいと職場環境が良いところが多いのかもしれません。

ちなみに離職率ダントツが「宿泊業,飲食サービス業」(30.0%)、「生活関連サービス業,娯楽業」(24.1%)になります。
外食チェーンの社員が超ブラックなのは広く知られていますからね。
それに比べると保育士はまだ恵まれた環境なのかもしれません。

 

保育士を辞めたい人は転職サイトやエージェント等の活用が最適

転職エージェントを活用

売り手市場である保育士ですが、給料が安い、労働時間が長い、などはどの保育園にも共通することなので、転職を繰り返したからといって必ずいい職場に出会えるとは限りません。
人間関係以外の退職率ランキング上位はどこでも共通する課題になっています。

人間関係は転職でリセットできますが、それ以外は「より良い環境」の職場を上手に探すしかありません。
そのためには、保育士専門の転職エージェントや、保育士専門の転職サイトなどを上手に活用して求人を探してください。

当サイトで紹介しているものはどこも実績がある安心できるところばかりです。

退職理由で圧倒的一位だと思われた「職場の人間関係」がそこまででもないということは、保育園や保育士業界が構造的に抱える問題点をあぶりだしています。

だからこそ、少しでも待遇がいい職場に転職するため、戦略、戦術を練る必要がありそうです。

保育士を辞めたい人におすすめの転職サイトランキング

1位:マイナビ保育士

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保育士を辞めたい理由ランキングまとめ

  • 保育士の離職率は全業種平均よりはやや下回る
  • 離職率は明らかに 私立保育士>公立保育士(公務員)
  • 離職理由一位は「職場の人間関係」ではない!
  • 給料や仕事量、労働時間など労働環境の悪さが退職理由上位に来る
  • 「辞めたい人」と「辞めた人」では原因が多少異なる
  • 保育士、保育園としての構造的問題が退職理由の上位に来るので転職だけでは改善されないかも
  • 人間関係は退職→転職でリセットできる
  • より良い職場を探すためには転職エージェントや保育士専門の転職サイトを活用する