今回は「職場でのいじめ」をテーマに、その対処法と解決策を考えたいと思います。
学校でのいじめと同様に、いつ自分が被害者になるのかわからない深刻な問題だと捉えてください。
仕事において「人間関係」というのはすごく重要な要素。むしろ「人間関係が全てじゃないか?」と言っても過言ではない。
そんな中で、会社でいじめを受けてるなんて場合は、一刻も早く対策を講じなければならない。
職場での人間関係の悩みは、極端にあなたの人生の質を低下させるから。
はじめまして。すえのぶです。Twitterにて、人生哲学を発信しています。今回は職場のいじめについてアドバイスをさせていただきます。
記事最後に自身のプロフィール掲載中。
相談先【公的機関の窓口】をすぐに知りたい方はこちらのボタンで下にスクロールします。
- 人生哲学を発信中のすえのぶ氏と対談
- 実際に職場いじめを受けていた20人にアンケート
- 職場いじめの対策を初期・中期・後期3つの段階に分けてご紹介
- 職場を辞めずに解決する方法と、職場をスムーズに辞める方法
- 職場でいじめられる(いじめられやすい)タイプ
- 自分の将来のために準備しておく事柄
目次【クリックして移動できます】
職場いじめの対処法:初期段階【仕返しは法的措置で】
職場でいじめかな?と気づいた初期段階で取る対策をご紹介します。ここでは、まず自分の努力でできる範囲の対処法をピックアップしてみました。
相手の言うことを真に受けないで無視
職場でいじめを受けているなら、まずは徹底的に無視をするんだ。これが鉄則。
間違っても感情的になって、暴力を振るったりして仕返しをするのはダメ。
大人の社会では先に手を出したら、圧倒的に不利になることが普通だから。
そして、とにかく相手との距離を取れ。関わりを減らすことを徹底しろ。
学校の場合はいじめっ子が近所に住んでいたり、親同士の関係もあったりして、地域のコミュニティもいじめに加担してしまう可能性がありますが、職場ならば所詮勤務時間だけの関係です。
だから、物を取られるとか、物理的な嫌がらせを受けたりせず、悪口や陰口で止まっているだけならば「そんな戯言」と真に受けず無視してもいいでしょう。
効果がないとわかると、いじめる人は面白くなくて飽きるかもしれません。
適度な距離を取る
いじめている個人やグループと距離を取ることはできますでしょうか?
仕事上の最低限の絡みだけにして、昼食も一緒に行かない、私的な会話はしない、とにかく接しない。
一応、学校ではなく大人の社会のはずですから、最低限の関係にとどめることができるかもしれません。
シフトをずらす(時間帯を選べる仕事の場合)
シフト勤務の職場の場合、いじめをしている人とシフトがかぶらなければ、物理的な接触もないわけで、いじめのリスクを大幅に減らすことができます。
顔を合わせること自体が不可能ならば、暴言を吐かれたりすることもないはずです。
職場いじめに暴力や仕返しは絶対ダメ
いくらいじめられてムカついても、そこで暴力をふるったり、同じことを相手にしてしまったりするとみなさんの負けになってしまいます。
相手が暴力を振るってきたときの「正当防衛」以外は基本的にダメで、そうではなく、法的措置や職場のハラスメント窓口等へ訴えるための証拠集めを優先させてください。
第二段階(会社を辞めずに解決する方法)
自分なりに努力して、職場でいじめられないように最善は尽くしたが状況は良くならなかった…そんなあなたには次のステップです。
職場いじめに遭っていることを、信頼できる同僚・先輩に相談
社員の中に職場いじめについて相談できる・信頼できる人がいるならば話してみましょう。その人がいじめを解決できるかどうかはわかりませんが、人事や上層部へ口添えしてくれるかもしれません。
何より大切なのは、悩みを一人で抱え込まないことで。
味方を作ることで心理的にも楽になりますし、味方を増やせばいじめがなくなるかもしれません。
上司や専門部署に訴える
会社組織のルールに従えば、上司(ライン管理職)や人事、ハラスメント窓口などに相談するべきです。
ただ、相談すべき上司がいじめの主犯になっている場合などはどうしようもありません。信頼できない人が上司ならば、いきなり人事やハラスメント窓口に相談しても構いません。労働組合が有効に機能している会社ならば労働組合でも構いません。
部署の異動を申し出てみる
現部署にいじめの主犯がいたり、部署数名が徒党を組んでいじめをしている場合、部署内を改善するよりも自分が異動する方が手っ取り早く解決できる場合もあります。
人事マターになるので、正直に人事担当者に話をして異動を願い出るべきです。「この部署は向いていない」など別の理由で異動をするとキャリア上マイナスになってしまいます。筆者が思うに、正直にいじめを受けている旨を(証拠も一緒に)伝え、異動した方がキャリア上も救われる部分があります。
会社を休む
医師(精神科医)の『休職が必要である』という診断書を添えて、人事に願い出れば、おそらく休職できます。
一時的に逃げることになりますが、いじめがエスカレートして、さらに心身がダメージを受けるよりはマシでしょう。
しかし、自分が悪くないのにその後のキャリアを失う(精神的なことで休職した人はまず出世コースから外れます)のは割りが合いません。最後の手段として考え、その前に上記の方法で解決できないか動いてみましょう。
社内でいじめを相談できない時は公的機関の窓口へ
まず、外部の専門機関を頼ってください。
各都道府県労働局の総合労働相談コーナーに相談する
都道府県には労働問題の解決窓口があります。
いじめも職場で起きる立派な労働問題であり、遠慮なく相談してみましょう。
職場での労働問題、労働紛争解決のため都道府県の労働局では「個別労働紛争解決制度」というものを設けています。
これは、個別の職場におけるトラブル(いじめも含む)に対して、公的機関である労働局による「助言・指導」や、紛争調整委員会による「あっせん」が受けられる制度です。
訴訟を起こすという大事になる前に、円満に解決できればそれに越したことはありませんよね。
労働局は都道府県、裁判所、ハローワーク、法テラスなどと連携してトラブルの解決に取り組むので、様々なリスクも減らすことができます。
参考までに、全国の労働相談窓口の一覧のリンクを貼っておきます。
一人で悩んでいても解決しませんので、ぜひ相談してみてください。
全国の総合労働相談コーナー一覧|厚生労働省
第三段階【会社を辞める】
職場いじめやパワハラで心身ともにダメージを追っている場合、会社をすぐに辞めましょう。
これは逃げでもなにでもありません!
社内いじめについて会社が対応しない場合もある
会社にいじめを訴え出ても、真面目に取り合わなかったり、「いじめられる方にも責任がある」など突っぱねられたりする可能性もあります。次のような対応を会社にされた場合、会社以外に頼らざるを得ません。
1.問題を重視してくれない
「大した問題じゃない」「ここは小学校じゃないんだから」「いい大人が・・自分たちで話し合ってよ」と重視してくれない、問題にされない可能性があります。
会社には「就業環境配慮義務」という従業員が働きやすい環境を整備する義務があり、いじめは改善しないといけないのですが、こういう対応をするということは、会社側が、労働者の働きやすい労働環境を整備する義務という、基本的な知識を持っていない可能性があります。
2.あなたのミスだから、あなたにも原因があるからと言われる
いじめられる方にも非があるのだから直しなさい、話はそれから、という態度です。
実質、まったくいじめに対処する気はなく、むしろ、あなたを「問題児」として「要注意社員リスト」に加える可能性すらあります。
ハラスメントについてまともに向かい合わない会社にはもう頼れないかもしれません。
3.上司や会社ぐるみでいじめられる
人事や上司、会社の上層部もいじめに加担してしまう最悪のパターンです。
相談した人事から、上司やいじめている本人へ「○○さんからこんな相談があった」と、本来ならば守られるべきプライバシーが筒抜けになってしまいます。
こうなると、逆上してさらにいじめがひどくなったり、徹底的にいじめて辞めさせようと仕組んで来たりするかもしれません。
いじめを先生に告げ口したらさらにいじめがひどくなった、という子どものいじめの大人バージョンですね。
そういう態度を受けた場合は、すぐに辞めずにしかるべき機関へ相談し、まず外部機関の協力を仰ぎましょう。
職場でいじめられるタイプの特徴5つ
子どものいじめのターゲットは「おとなしい子」「勉強や運動ができない子」「のろまな子」などで、時には知的障害や発達障害を持っている子どもも対象になります。
さすがに職場で障害者いじめは起きにくいでしょう。
一般的に職場でいじめられやすい人の特徴を5つまとめてみました。
これに該当するからあなたが悪い、ということでは決してありません。
いじめるの方が悪いのですし、性格は個人の大切なものでもあります。
世の中には、いじめられやすいタイプの人がいる。それは「弱そうな人」だ。
子供の頃の学校でもそうだし、大人になっての会社でも同じようなことがいえる。
人間というのは所詮動物。動物というのは自分より弱い相手を標的にするもんだ。
会社においても、舐められない存在になることは最も重要だ。
1)おとなしく自己主張しない人
こういう人はパワハラのターゲットにもなりやすい人です。
自己主張しなくても業務をこなせれば仕事は問題ないのですが、おとなしい人はストレスのはけ口、サンドバッグになりやすく、意味不明のいじめを受ける可能性があります。
2)空気が読めない人
いい意味で空気が読めない人は仕事で成功することもありますが、それは一握りです。
性格的に空気が読めないのか、アスペルガー症候群など発達障害的な原因なのかでも対応が変わってきますが(障害なら治せない)、周囲に合わせない、「和を乱す」人に対して不快や不満感を持つ人がいて、それが悪口やいじめにつながるケースもあります。。
3)被害者意識の強い人
学校と違い、仕事の場合成果が出せなかったり、ミスを繰り返してしまったりする人を、加点評価することはできません。
「この子は真面目に取り組んでいる」「できないけど努力をしている」から大目に見てくれる学校とは違い、「こいつは無能だ」で終了です。
そういう人にも関わらず、「あいつのせい」「私は悪くない」、言い訳を繰り返す、そういう態度をとる人は反感を買いやすいです。
だからいじめが正当化されるはずもないのですが、「あなたは問題児で非がある」と言いたくなる人もいるかもしれません。
4)仕事ができない人
明らかに仕事ができない人に対して、周囲の人は寛容になれないはずです。
学校と違い、チームで仕事をする職場では、メンバーによって、自分の労働時間や給料が大きく左右されます。
ある人のミスによって残業が続く、なんてことになるとブチ切れてしまうのももっともです。
筆者のかつての職場にも「無能の極み」みたいな人がいましたが、別の部署の人からアドバイスされたのは「そいつには一切仕事をさせるな。キミが全部仕事を奪え!」でした。
確かにその方が楽で、仕事時間も減るのですが、仕事をさせてもらえない人にとってはいじめと感じるかもしれません(その人は先輩だったのでパワハラではないです)。
5)周りから嫉妬される要素をもっている人
特にいじめられる人には落ち度も悪気もないのに、「若い」「かわいい」「旦那がかっこいい」など、嫉妬を生みやすい人がいます。
そういう人がターゲットになるケースもあります。
あとは、なぜか出世している人、上司に好かれている人もこういう理由でターゲットになりやすいです。
いじめられることの精神的リスク
子どものいじめがそうであるように、大人のいじめ、職場のいじめも黙って耐えるのが解決方法ではありません。
早めに対処しないと大きなリスク、特に精神的なリスクを負うことになってしまいます。
具体的には、
- 対人ストレス、対人不安
- 適応障害
- パニック障害
- うつ病
- 自殺
という病気や結果になるリスクがあります。
いじめは大変なストレスです。
それに体と脳が耐えようとすると、脳から無理やり乗り越えようとするホルモンが出て、その代償として心身に大きなダメージを受けます。
ゲームで言えば、回復魔法を唱えようとすると、MP(精神力)が消費されてしまうのと似たイメージです。
特にパニック障害やうつ病になると、年単位の休職が不可欠になるだけではなく、一生薬を飲み続けなければならないなど、「完治」が難しい病気にかかってしまいます。
また子どものいじめでも自殺はありますよね。
「辞めれば死ぬことなんてないじゃないか」と思うかもしれませんが、精神的に追い込まれると、そういう(辞めるという)判断が取れずに、最悪の選択をしてしまうことがあります。
このままでは病んでしまうかも…そう悩んでいる方は以下の記事もご覧下さい。
職場いじめで退職!損しない辞め方は?
いじめが改善しない場合や、いろいろ行動した結果キャリアが絶望的になった場合、もうこんないじめた人間がいる職場にいられない場合、さっさと辞めてしまいましょう。
しかし、その場合も退職願を書いて、自己都合退職にするのはちょっと待ってください。
できるだけ有利な条件で辞めましょう。
1.退職願、退職届は郵送でOK
嫌な人間がいる職場に行き、退職願を出すだけでも大変なストレスです。
いじめた人間の顔なんて見たくないという人も多いでしょう。
退職願(辞職の意思表示)は2週間前までに伝えればOKで、それは書面でも構いません。
退職願を郵送すればもう会社に行く必要はありません。
2.有給休暇の完全消化
いじめをした会社に遠慮はいりません。溜まっていた有給休暇はすべて使って辞めましょう。
退職日から遡り、有休休暇の日数を把握し、有休休暇の届を退職願と一緒でいいので、書面で送ってしまいましょう。
会社は有給申請を拒むことはできません。
唯一できる有給の時期をずらす「時季変更権」もやめる人、もう来ない人には使えないはずです。
堂々ともらう給料はもらって辞めてください。
有給消化についてはこちらの記事で解説しています
3.「会社都合退職」にして失業手当を確実にもらう
会社を辞める場合は、自分で辞める「自己都合」、リストラに遭う「会社都合」、懲戒解雇があります。
自己都合退職の場合、退職後100日くらいたたないと(これを「待機期間」と呼びます)失業手当がもらえません。
しかし、会社都合退職ならば、待機期間なしに失業手当がもらえます。
自己都合退職をして転職活動をすると、たいてい失業手当をもらえるまでに決まってしまい、1円ももらえませんが、会社都合退職ならば結構失業手当がもらえて転職ができます。
とはいえ、いじめで辞めさせる会社が「会社都合」にするとは思えませんよね。
この場合、いじめの証拠を持ってハローワークに行きましょう。
- メールの文面
- ICレコーダーやスマホでの録音
- スマホ等で撮影した動画
- 病院にかかったときの診断書
- 不当解雇(嫌がらせで辞めさせられた場合)の場合の「解雇通知書」
があれば「会社都合」としてくれる可能性があります。だからこそ、いじめの証拠の収集は大切なんです。
4.「労災」認定を目指す
労災と認定されると
- 「療養給付」:医療費を労災保険で支払ってくれる
- 「休業補償給付」:労災で働けない時の所得補償(保険金のようなもの)
が受けられ、傷がいえるまで、生活資金に苦労しなくてすみます。
労災の休業補償給付は、失業手当よりも額が大きく、病気が治るまで給付を受け続けることができます。
精神疾患の治療は年単位ですから、3か月で終わってしまう失業手当よりも絶対に得です。
治らなければ、一生これで暮らしていけるかもしれません。
しかし、仕事中の怪我は比較的労災になりやすいのですが、精神疾患の場合、仕事やいじめとの因果関係を証明するのが大変で、そうそう労災だと認められることはないようです。
本当にひどいいじめを受けていて、会社と戦う覚悟があるならば(行政から聴取なども受けます)、労災を申請して見てもいでしょう。
労災を勝ち取ると、かなり次のステップまで楽になります。
いじめを受けているならば転職への備えとして転職エージェントに登録を!
職場でいじめを受けていて、先輩や上司に相談しても解決に繋がらない場合は、転職や退職を考えよう。
いつまでも、そんな環境で消耗し続ける必要はない。
ただ泣き寝入りして終わりたくはないという場合は、裁判などの法的措置も視野に入れておくんだ。その時のためにも、あらゆる証拠を残しておけ。
いじめがひどく、転職もやむなしという結果になりそうならば、その段階で転職エージェントに登録するのをおススメします。
転職先の紹介だけではなく、労働相談窓口や労災の申請などについてもアドバイスを得られるかもしれません。転職エージェントは、転職させることでインセンティブが入る仕組みですので、登録者が会社を辞めても損をしないようなメニューを示してくれるはずです。
当サイトで紹介している転職エージェントは、いずれも実績と信頼があるところなので、リスクヘッジの1つの方法として登録を考えてみてはいかがでしょうか?
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職場いじめの対処法と解決策のまとめ
- いじめを無視できない場合は社内の窓口や上司へまず相談。
- それでもだめならば外部機関へ相談する
- 会社を休む・辞めることもできる!
- 辞めると決めた場合は権利を徹底的に行使するべき
- 労災認定や「会社都合退職」を勝ち取るとメリットが大きい
- リスクヘッジのため転職エージェントへの登録も考える